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Yamareco

記録ID: 308644
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

笊ヶ岳 道なき道の偃松尾大黒尾根・ランカン尾根で日帰り周回(這松尾大黒尾根)

2013年06月09日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
10:15
距離
20.7km
登り
2,737m
下り
2,736m

コースタイム

5:45白石-6:15保川歩道終点吊橋6:20-6:34山の神(標高710m)-7:09作業場跡(標高950m)7:22-8:00標高1310m8:05-9:30大黒山(1990m)9:50-11:48這松尾直下11:53-13:00這松尾-13:26縦走路13:36-14:45笊ヶ岳15:10-15:22小笊-16:23標高2261m点-17:57標高1827m点-18:51標高1156m点-20:42県道37号20:47-21:07白石
歩行時間 13時間54分、行動時間 15時間22分
天候 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2013年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
白石公民館前
コース状況/
危険箇所等
●白石〜吊橋
保川沿いの林道は地形図の歩道終点付近まで続いています。その後短い歩道の後に朽ちた吊橋を渡ります。
●吊橋〜山の神〜大黒山
尾根への取り付きは明確な踏跡があります。標高950m辺りの作業場跡辺りまでは踏跡が錯綜しており、どれを選ぶか迷いますが、トラバース道を選ぶと死ぬ思いをします。初め取り付きが大変そうでも尾根を行ったほうがいいように感じました。作業場跡より先も不明瞭ながらも踏跡が続いていて比較的登りやすいです。
●大黒山〜這松尾
踏跡はあるにはありますが、大黒山までと比較すると途端薄くなり、藪漕ぎも必要になってきます。地形図確認できるようにアップダウンが続くので中々標高が稼げず、精神的にも疲れる尾根です。這松尾直下はハイマツ・石楠花が非常に煩いです。
●這松尾〜笊ヶ岳
一般登山道ですが、這松尾から椹島下降点までは一般登山道にしてはかなり不明瞭に感じました。伝付峠へのルートが使えなくなった今、一般登山道から格下げされる日もそう遠くはないかもしれません。
●笊ヶ岳〜ランカン尾根〜大金山
ルート上の危険箇所は2261m峰と2125m峰の間のギャップくらい。ここも慎重に北側を巻けばそこまで問題ないでしょう。2125m峰までは踏跡不明瞭箇所も多いですが、そこから先は大金山まで割と明瞭で、テープもところどころ付けられています(テープのみを辿っていけるほどには多くはないです。
●大金山〜白石
1156m点までは林道が利用できますが、その後はルートを誤ったため分かりません。
白石公民館前
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
白石公民館前
保川の渓相
大武刀尾根とは?
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
保川の渓相
大武刀尾根とは?
保川歩道終点の吊橋
恐ろしい・・。ワイヤーもそのうち死にそうです。
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
保川歩道終点の吊橋
恐ろしい・・。ワイヤーもそのうち死にそうです。
吊橋〜山の神
尾根へ上がります。踏跡がありました。
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
吊橋〜山の神
尾根へ上がります。踏跡がありました。
吊橋〜山の神
尾根へ上がると踏跡が錯綜
基本尾根通しで行ったほうがいいとは思います。
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
吊橋〜山の神
尾根へ上がると踏跡が錯綜
基本尾根通しで行ったほうがいいとは思います。
山の神
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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山の神
山の神〜作業場跡
基本右に巻いて行きましたが、これが罠でした・・。
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
山の神〜作業場跡
基本右に巻いて行きましたが、これが罠でした・・。
作業場跡へ這い上がるところ
非常に恐ろしかったです。一般登山者10人来たら1人は落ちそう。
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
作業場跡へ這い上がるところ
非常に恐ろしかったです。一般登山者10人来たら1人は落ちそう。
作業場跡から笊ヶ岳方面の一瞬の展望
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:36
作業場跡から笊ヶ岳方面の一瞬の展望
作業場跡〜大黒山
作業場跡の先も踏跡は(不明瞭ながらも)続いています。
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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作業場跡〜大黒山
作業場跡の先も踏跡は(不明瞭ながらも)続いています。
作業場跡〜大黒山
振り返ると富士山が。
2013年06月10日 20:36撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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作業場跡〜大黒山
振り返ると富士山が。
作業場跡〜大黒山
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:37
作業場跡〜大黒山
作業場跡〜大黒山
中々快適な尾根でした。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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作業場跡〜大黒山
中々快適な尾根でした。
三等三角点「大黒山」
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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三等三角点「大黒山」
大黒山頂上(1990m)
小休止入れます。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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大黒山頂上(1990m)
小休止入れます。
大黒山頂上から少し這松尾方面に進んだ先のガレから這松尾〜笊ヶ岳が望めます。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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大黒山頂上から少し這松尾方面に進んだ先のガレから這松尾〜笊ヶ岳が望めます。
這松尾大黒山尾根
先は長そうです。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾大黒山尾根
先は長そうです。
這松尾大黒山尾根
おや、奥に見えるのは北岳と間ノ岳でしょうか。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾大黒山尾根
おや、奥に見えるのは北岳と間ノ岳でしょうか。
這松尾大黒山尾根
一部踏跡らしきものも残っていましたが、基本不明瞭で、大黒山までと比してスピードが落ちます。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾大黒山尾根
一部踏跡らしきものも残っていましたが、基本不明瞭で、大黒山までと比してスピードが落ちます。
這松尾大黒山尾根
ここから時折姿を見せる笊ヶ岳の双耳峰が非常に素晴らしい。笊ヶ岳の最高展望所かな?
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:37
這松尾大黒山尾根
ここから時折姿を見せる笊ヶ岳の双耳峰が非常に素晴らしい。笊ヶ岳の最高展望所かな?
這松尾大黒山尾根
アップダウンが続き中々標高が稼げません。それなりの藪漕ぎを要し、大黒山までの標高差1600mの登りとの合わせ技で非常に疲れが出てきます。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:37
這松尾大黒山尾根
アップダウンが続き中々標高が稼げません。それなりの藪漕ぎを要し、大黒山までの標高差1600mの登りとの合わせ技で非常に疲れが出てきます。
這松尾大黒山尾根
歩きやすい!といったところはありませんでした。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:37
這松尾大黒山尾根
歩きやすい!といったところはありませんでした。
這松尾大黒山尾根
日帰りは無謀でしょうw
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:37
這松尾大黒山尾根
日帰りは無謀でしょうw
這松尾大黒山尾根
富士山は雲に飲まれはじめました。
2013年06月10日 20:37撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:37
這松尾大黒山尾根
富士山は雲に飲まれはじめました。
這松尾直下のガレ
ここから300m登れば這松尾ですが、ここまでが長かった・・。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:38
這松尾直下のガレ
ここから300m登れば這松尾ですが、ここまでが長かった・・。
赤石岳・悪沢岳・塩見岳
這松尾手前のピークから。ここからの展望割とお気に入りです。ハイマツの上に乗って展望します。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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赤石岳・悪沢岳・塩見岳
這松尾手前のピークから。ここからの展望割とお気に入りです。ハイマツの上に乗って展望します。
悪沢岳・塩見岳・遠く仙丈ヶ岳・間ノ岳・北岳
這松尾手前のピークから。手前の尾根も登れそう?
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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悪沢岳・塩見岳・遠く仙丈ヶ岳・間ノ岳・北岳
這松尾手前のピークから。手前の尾根も登れそう?
赤石岳・悪沢岳アップ
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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6/10 20:38
赤石岳・悪沢岳アップ
這松尾頂上
何処が頂上か分かりにくいです。ここから縦走路までは酷い藪(ハイマツ+石楠花)でした。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾頂上
何処が頂上か分かりにくいです。ここから縦走路までは酷い藪(ハイマツ+石楠花)でした。
這松尾〜笊ヶ岳
縦走路はバリエーションルートかと思うほど不明瞭。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾〜笊ヶ岳
縦走路はバリエーションルートかと思うほど不明瞭。
這松尾〜笊ヶ岳
椹島下降点が近づいてくると明瞭になってきます。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾〜笊ヶ岳
椹島下降点が近づいてくると明瞭になってきます。
這松尾〜笊ヶ岳
椹島下降点。山頂まで30分だそうです。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾〜笊ヶ岳
椹島下降点。山頂まで30分だそうです。
這松尾〜笊ヶ岳
本当に30分で着くのかなぁ。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾〜笊ヶ岳
本当に30分で着くのかなぁ。
這松尾〜笊ヶ岳
バテバテでしたが、気合で登り切って・・。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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這松尾〜笊ヶ岳
バテバテでしたが、気合で登り切って・・。
悪沢岳・塩見岳・間ノ岳方面
山頂に抜け出た途端に360度の大展望が得られました。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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悪沢岳・塩見岳・間ノ岳方面
山頂に抜け出た途端に360度の大展望が得られました。
聖岳・赤石岳・悪沢岳
まさに感動的です。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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聖岳・赤石岳・悪沢岳
まさに感動的です。
上河内岳・聖岳・赤石岳
山頂の10m手前までは何も見えないのにねw
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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上河内岳・聖岳・赤石岳
山頂の10m手前までは何も見えないのにねw
昨年登った布引山
右奥に見えるのは大根沢山?
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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昨年登った布引山
右奥に見えるのは大根沢山?
上河内岳・聖岳
聖岳東尾根、長大な尾根ですね。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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上河内岳・聖岳
聖岳東尾根、長大な尾根ですね。
聖岳・赤石岳
南ア南部は一つ一つの山がデカ過ぎでねーの。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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聖岳・赤石岳
南ア南部は一つ一つの山がデカ過ぎでねーの。
赤石岳・悪沢岳
このコンビが最強
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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赤石岳・悪沢岳
このコンビが最強
荒川岳・悪沢岳
悪沢岳には一体いつになったら登れるのでしょうか?椹島からは登らないと誓って・・(ry
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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荒川岳・悪沢岳
悪沢岳には一体いつになったら登れるのでしょうか?椹島からは登らないと誓って・・(ry
赤石岳
赤石岳はどっから見てもデカ過ぎです。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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赤石岳
赤石岳はどっから見てもデカ過ぎです。
聖岳
ここは先月登りましたが、もう大分雪もなくなってきていますね。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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聖岳
ここは先月登りましたが、もう大分雪もなくなってきていますね。
小笊の向こうに富士山
富士山完全に雲に隠れてしまっていましたが、一瞬の気まぐれで姿を現してくれました。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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小笊の向こうに富士山
富士山完全に雲に隠れてしまっていましたが、一瞬の気まぐれで姿を現してくれました。
笊ヶ岳山頂にて
このとき既にハンガーノック
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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笊ヶ岳山頂にて
このとき既にハンガーノック
笊ヶ岳山頂はこんな感じ
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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笊ヶ岳山頂はこんな感じ
小笊
ハイマツに覆われし山頂。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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小笊
ハイマツに覆われし山頂。
ランカン尾根
さて果てしないランカン尾根へ・・。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
さて果てしないランカン尾根へ・・。
ランカン尾根
初めのうちは中々標高が下がりません。1827mの三等三角点「青閊」まではアップダウンが続き、非常に辛いです。
2013年06月10日 20:38撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
初めのうちは中々標高が下がりません。1827mの三等三角点「青閊」まではアップダウンが続き、非常に辛いです。
ランカン尾根
まさかの標識。一体いつの時代のものでしょうか。
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
まさかの標識。一体いつの時代のものでしょうか。
ランカン尾根
2100m付近の小ギャップ近く
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
2100m付近の小ギャップ近く
ランカン尾根
小ギャップ。いやはや怖いです。
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
小ギャップ。いやはや怖いです。
ランカン尾根
2125m点以降は踏跡もやや明瞭に。
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
2125m点以降は踏跡もやや明瞭に。
ランカン尾根
普通の登山道です。
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
普通の登山道です。
ランカン尾根
大金山手前のコルで林道に飛び出します。無駄に10km以上歩くことになったとしてもこの時点で林道を下ることを選択スべきだったかもしれません。
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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ランカン尾根
大金山手前のコルで林道に飛び出します。無駄に10km以上歩くことになったとしてもこの時点で林道を下ることを選択スべきだったかもしれません。
大金山〜白石
1156m点まで林道に沿って歩いていくことができますが、この林道は地図には載っていません。
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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大金山〜白石
1156m点まで林道に沿って歩いていくことができますが、この林道は地図には載っていません。
1156m点の先で真っ暗に。更にGPSも切れて死ぬ思いをしながら下りました。この写真の後1時間半も苦闘して漸く下山。
2013年06月10日 20:39撮影 by  DMC-TZ20, Panasonic
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1156m点の先で真っ暗に。更にGPSも切れて死ぬ思いをしながら下りました。この写真の後1時間半も苦闘して漸く下山。

感想

ただでさえ、キツいことで有名な南ア南部の最強展望台「笊ヶ岳」を愚かなことにも登りも下りもバリエーションルートで行けることに気づいてしまってから、この山行計画は始まりました。しかし、累計標高差3000mに藪漕ぎの中のアップダウン。通常このコースは藪山に慣れた人でも2泊3日は欲しいところでしょう。頑張っても1泊2日。それを日帰りで行こうという無謀な挑戦です。

登り始めてすぐに完全にミスを犯したことに気づきます。明らかに持ってきた水が少なすぎ(1.9L)&携帯(GPS)の充電器を車に忘れてきたことです。この2つが最後の最後で死ぬ思いをすることに繋がります。というか出発が遅い。

登りの大黒山までは標高差1600mありましたが、比較的ラクラクと登っていくことができ、この時点では笊ヶ岳に14時くらいには着けるんでは?という感覚でいました。

しかしこの後が非常にキツかった。這松尾大黒山尾根はアップダウンと軽いですが藪漕ぎが続き、標高も稼げないので、疲れがドンドン溜まっていきます。這松尾直下まで来た時点で既にバテバテでした。この時点でバリエーションルートのみで標高差2000mも稼いだので当たり前といってしまえば当たり前ですが。

這松尾まで来た時点で引き返すか先に進むかで迷います。取り敢えず、縦走路まで出て見ることにしましたが、これが罠でした。縦走路側は藪が酷く、一旦抜けたらもう戻る気にはなれませんでした。いやはや名前の通り恐ろしいハイマツの山です、這松尾。

縦走路は最初やや不明瞭。その後も残雪が一部を覆い隠し不明瞭な状態が続きました。椹島下降点まで来た辺りでやっと明瞭なルートに変わりました。伝付峠〜椹島下降点はこのままどんどん薄くなっていきそうな予感がします。笊ヶ岳まではバテバテでしたが、一般登山道に変わったおかげで何とか登っていくことができました。

笊ヶ岳山頂に飛び出した瞬間に360度の大展望が得られました。非常に感動的です。これはランカン尾根から登ってきた場合に最も大きな感動が得られるでしょう。何しろ笊ヶ岳に出るまでは笊ヶ岳の裏側は殆ど見えることがないのですから・・。

さて展望を楽しんだ後は下山です。下山もバリエーションルートのランカン尾根。小笊付近は藪に覆われていて大変でしたが、その後は割といいペースで進んでいくことができました。しかしアップダウンがそれなりにあったせいで中々標高を落とせないまま、1827m点で日没まで残り1時間となってしまいました。腹ペコですが、食べ物が喉を通りません。圧倒的に水分不足です。ポカリの粉をそのまま飲んだりして何とか繋ぎます。

結局1156m点で日没。ここからははっきりした踏跡があるのではと期待していたのですが、全くありませんで、携帯の電池も残り3%。たまたま電波が入ったので、いざというときに備えて親に今いる場所を連絡しておきました。狙っていた尾根は白石までなだらかに続く尾根ですが、開始早々尾根の選択を誤り、早川中学校の方へ向かう急峻な尾根に入ってしまいました。この時点で携帯の電池2%。この暗闇ではGPSに頼るしかないのですが、残り標高差400mで、電池は後20分程度しか持ちそうにありません。本当に泣きそうになりました。途中で諦めそうにもなりました。何度も崖っぽいところに出て、暗闇の中何度もボロボロ崩れるところを木だけを頼りにトラバースするハメになって、何度も死ぬ思いをしました。幸運なことに携帯の電池が1%のまま標高600m辺りまで持ってくれたため、更にそこからは緩坂に転じ危険箇所もなかったため、日没から1時間45分後、漸く林道らしきところに出ることができました。本当にホッとしました。涙も出ました。そこから県道37号まではすぐでして、すぐそばに自動販売機があったため、途端飲み物を3本買って一気に飲み干しました。そこからは県道を2kmほど歩いて白石へ・・。下山後の温泉は甲府のスーパー銭湯「澄屋」としました。

今回の山行では色々と学ぶところが多かったです。もうこんな山行はしませんが、こういったルートを通ることはします。

笊ヶ岳はやはり個人的には20名山くらいには入るであろう素晴らしい山です。これだけ感動的な山は中々ないでしょう。今回も感動とともに色々なものを僕に与えてくれました。生きて下山できてよかったです。

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コメント

驚異的
Evergreenさん、こんにちは。

笊ヶ岳山頂からの、聖・赤石・悪沢はじめ南アの山々の展望はほんとうに素晴らしいですね。

それにしても、一般ルートでも厳しい笊ヶ岳をバリエーションで登るとは驚き。
しかも登り下りを別のルートで周回とは...凄すぎです。
お疲れ様でした。
2013/6/11 5:08
Re: 驚異的
k_shimagさん

完全に返信を忘れていました・・。若気の至りというやつですね。笊ヶ岳はとても好きな山なので色々とこだわりがありましたw
2015/9/30 9:33
とっても面白そうなルート
Evergreenさん、お疲れ様でした。

とっても面白そうなルートで、早速お気に入りに登録させてもらいました こんなバリルートが有るとは知りませんでしたので、とっても参考になりました。ありがとうございます。

ただこの様なルートを取るときは、もう少し早い時間に出発した方が良いですね。それからエスケープルートと撤退時間も決めておいた方が良いでしょう。このルートなら、エスケープルートは同じ道を引き返すになるでしょうが。。。
2013/6/15 14:21
Re: とっても面白そうなルート
Futaroさん

同じく完全に返信を忘れていました。
Futaroさんであれば、深夜発として白石から直接の尾根で大黒山を上がり、大黒山辺りで日の出を迎えれば日帰りは十分可能だと思います。むしろ吊橋を渡っている例はかなり稀ですね。こちらはかつての大武刀尾根取り付きまでのトラバース道とも重複するので踏跡がかなり明瞭という利点はありますが・・。
笊ヶ岳を登りたすぎて我を忘れました、というより往路の尾根取り付き辺りを下りで通りたくなかったというのがありますね。這松尾時点では這松尾の水場で水を補給して最悪ビバークという選択肢を考えていましたが(流石に幕営装備は持参していました)、いつの間にか水場を通りすぎてしまいこんな結果に・・。まぁ最初の充電器を忘れた辺りで中止しなかったのが一番のミスでしょうね。
2015/9/30 9:38
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