[過去レコ] 北岳と農鳥小屋オヤジとOD缶と… / 北岳〜農鳥岳縦走
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 2,438m
- 下り
- 3,119m
天候 | 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
[過去レコ]
【1日目】
広河原より大樺沢を二俣へ向けて進む。
右俣コースから小太郎尾根に乗り頂きを目指す。
当初は北岳山頂を経由して北岳山荘でテン泊するつもりだったが、疲労しすぎて手前の肩ノ小屋にてテン泊となる。
自炊なので食料と火器+食器類を持参したが、OD缶を忘れた事が発覚!
このままではパックご飯もレトルト食品も温められない…!
山小屋にOD缶の販売していないか聞くとやはり無いらしい…正直メッチャ焦り出す。。。
テン泊者の食事提供は可能か問い合わせるとOKとのことだったので、その日の夕食は小屋食を頂く。
食事後山小屋から退去する時、誰かが勝手に私のcrocsを履いて出たようで結局、草履をパクられる。(ホント無神経なヤツはどこにでもいる)
山小屋の使用していない草履をもらう。
自分の周りにいるテン泊者で3人以上のパーティならOD缶を複数個持参している可能性があるので、譲って貰えないか問合わせる。
すると殆ど燃料の無くなったOD缶を無償で譲って貰えた。
たいへん有り難かった。
缶を振ってみると、自身の感覚から2~3回程度ならお湯が沸かせそうな量なのでラーメンなら行けそうだと感じた。
初日からOD缶を忘れるわ、crocsはパクられるわ、でとんでもない1日だったので明日はいい日になることに期待する。
【2日目】
日の出前から出発したためタイミングよく北岳山頂で御来光を拝める。
陰北岳や雲海に浮かぶ富士山シルエットなど美しい光景を眺められて幸福に浸る。
昨日と打って変わって幸せな1日になりそうな予感…。(^^)
ザックの重さは昨日と大きく変わらず約24kg。。。
背負うと肩にめり込んでいくように重い。。。そして痛い。。。
いつものようにショルダーハーネスと肩との間に折り畳んだタオルを挟み込む。
ここから間ノ岳間は3000mを越える稜線歩き。
今日も気持ちいい天気なので頑張って歩く!
間ノ岳手前では何度も標柱が立ち、その都度ダマされた気持ちになる。
本当の間ノ岳に到着した時には疑心暗鬼に駆られて標柱に書かれている文字を読むまでは気を緩めなかった。
これから進む眼前は雄大に広がり眼下に赤屋根の農鳥小屋もみえている。
今日はあそこまで進めば休める。
「あとは下るだけ」…と考えるだけで全身の力が抜けていくような…。
確か農鳥小屋には12時頃到着。
少し仮眠休憩後、昼メシを食べながらオヤジの挙動や話し声、宿泊者の応対など観察しているうちにここでのテン泊をやめる気持ちに傾いてきた。
時計をみると13:00過ぎ。
地図を確認して大門沢小屋までの時間を調べるが、到底17時頃までに到達不可能。
ま、いつもの如く行けるトコまで行って、疲れたらビバークすればいいか…と出発。
ヘロヘロになりながら黄色い鐘がある大門沢下降点に到着したのは17時前だったと思う。
こんな時間なので当然ながら誰とも会わない。
ここで長休憩を決め込む。
休んでいるうちに段々と眠気が差し、とうとう夢の中へ溶け込んでしまった。。。
寒さで目が覚めたのは20時頃だったと思う。
身体に力は入らないが、脚を引きずるように下降していく。
途中何度も休憩しながら、日付の変わる頃大門沢小屋を通過したと思う。
枯れ葉の積もったテント場横をすり抜けるのに、気を遣った記憶がある。
【3日目】
大門沢小屋付近から沢音が聞こえるくらいの水量になってると感じ始める。
この沢伝いにどんどん下って行けばいい。
山道はしっかりしており、ヘッデンの灯りだけも十分視認できる。
日付が変わった後も重くなった身体を意思力だけで前へ推し進めていく。
1150m付近の小古森沢を越えてあたりで木陰の向こう側を覗くと…白熱灯に似た柔らかな灯りに出会う。
吊り橋を渡った先に人工的な保安灯が優しく出迎えてくれ、元気が湧いてくる。
先には満々(なみなみ)と水をたたえた堰堤があり、その際を通過していく。
最後の堰堤を通過して程なく、道幅が拡がり更に舗装路に変わっていく。
どんどんと「人の介入跡」が増えはじめ、旅の終焉が近いのだと察する。
程なく正面にコンクリートの構造物が視野に入り、直交する県道が確認できた。
交差点までくるとゲート扉の付いた大きな暗闇が口を開けている。
広河原へ通ずる県道のトンネルだ。
今の時間は早朝の4:30頃。
空も白み初め、帳が揚がろうとし始めている。
早川の下流に見える奈良田橋を渡るとプラドの待つ駐車場だ。
最後の力を振り絞り、力強くまた歩き始めた。
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