蝶ヶ岳・常念岳
- GPS
- 12:50
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 2,168m
- 下り
- 2,120m
コースタイム
三股・烏川林道ゲート7:05
7:20三股登山口7:30
8:05ゴジラの木8:05
9:00まめうち平9:00
11:50蝶ヶ岳ヒュッテ
2日目
蝶ヶ岳ヒュッテ6:10
6:30蝶ヶ岳・蝶槍間分岐6:30
6:55蝶槍7:00
10:50常念岳山頂11:10
12:10前常念岳12:10
15:40三股登山口15:45
15:55三股・烏川林道ゲート
合計距離: 17.57km
累積標高(上り): 2173m
天候 | 22日 曇のち雨のち曇 23日 曇のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
片道約5500円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
三股から蝶ヶ岳 まめうち平のすぐ先に倒木で塞がっている箇所あり トラバース3か所とも残雪あり。先行者の足跡をなぞって行けばOK。 蝶ヶ岳から常念岳 岩場多数。ストックはザックにしまい、両手を使って三点保持で登る。 常念岳から三股 前常念岳から下る途中、岩場から樹林帯に入る所で一度道を見失うが、すぐに復帰。 標高2200mから1500m辺りまで樹林帯をジグザグに下る。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
「北アルプスお勧め」「北アルプス行け」「また、山においでよ」・・・
と、先日一緒に山に登った友達、会社の先輩、漫画「岳」などの影響で、自分の中で日に日に北アルプスへの憧れが強くなっていった今日この頃。
いつかは穂高へ、いつかは槍へと思いを馳せるうち、まずは外からその山々の山容を見ておこうと思い、常念岳へ行く事にした。
土曜日の朝から登る予定なので、金曜日に松本で前泊した。
週の半ば頃から仕事量に余裕が出てきていたので、金曜日は思い切って午後休をもらい、松本へ向かった。
22日
朝5時に起きて6時ちょうどの始発の電車で豊科駅へ向かい、タクシーで三股登山口へ。
登山口近くでサルが何匹も出て来て、おおぉ〜!とか感嘆の声をあげていると、運転手さんに「お客さん、東京の人ですね?」と言われた。驚き方が東京の人まる出しだったらしい。
それはさておき、駐車場の先の登山口のすぐ手前で降ろしてくれて「ここから先が登山道です」と言われ、安心して柵を越えて歩き始めた。ていうか、運転手さんに言われたから分かったものの、看板もないため自分一人じゃ気付かなかったかも。
15分ほど歩くと三股登山口に到着。沢の水音が豪快で心地良い。いざ本日の目的地蝶ヶ岳へ。
吊り橋を渡り、ゴジラみたいな木を通過して、最初の休憩ポイントまめうち平に到着。そこから歩いて2,3分進むと、倒木で道が塞がれている場所があったが、木をまたいで枝をかき分け突き進む。
急斜面の残雪混じりのトラバースにちょっとビビったが3ヵ所とも何とかクリア。
10時半頃、2350m地点のナントカベンチに着いたあたりから、雨がパラついてきたのでザックカバーと雨具をザックの一番取り出しやすい場所に移動しておいて再び歩き出す。
更に、40〜50分歩くと本格的に降り出してきたのでザックの手前に準備しておいた雨具とカバーを取り出し、着込んで進む。
雨に打たれながら20分ほど歩くと稜線に出て、蝶ヶ岳ヒュッテに到着した。
寒さで手の感覚がなくなりそうな状態で受け付けの記帳を済ませている間、ふと窓の外に目をやると、さっきまでの雨が止みつつあるではないか。う〜ん、日頃の行い悪かったか??
小屋の中に案内してもらい、改めて外に出てみると、傘は差さずに歩けるほど上がっていた。安曇野市街の方は晴れ渡っていたが、穂高方面は雲がかかっていて稜線の姿が見えなかった。眺望は諦めて本を読み漁り夕食を食べて、そのまま就寝。
23日
0時半、2時、3時半と、夜中に3回も目が覚めながら4時過ぎに起きた。
昨日の雨雲が過ぎ去って行ってくれることを期待して外に出ると、しっかりと乗鞍から穂高、槍までを一望できるほどの見事な大パノラマが姿を現し、これには感動した。遥か遠くには富士山も確認でき、眼下の雲海も相俟って、本当に素晴らしい景色。
歩いて5分ほどの所にある蝶ヶ岳山頂でしばし穂高連峰の山々を眺めた後、常念岳へ向けて出発した。ヒュッテの朝食時間が6時ということもあって、スタートが遅くなることを懸念して弁当に変更してもらった。
道中で、穂高の山々を眺めながら弁当を食べつつ歩を進める。
蝶槍を過ぎた辺りから樹林帯の中を進む。残雪も多く、雪上をバランスを取りながら滑って降りたりしているうちに岩稜帯に出る。ストックが邪魔になってきたのでザックにしまい、四肢を使って岩場をこなしていった。
途中、岩を登っていると、自分の後ろにいた学生グループのリーダーらしき人に「そこは左ですよ」とアドバイスを頂いたので、ふと冷静になって見てみると歩いて進めるような砂地の斜面が確かにあったりして、自分の視野の狭さや落ち着きのなさに愕然として、彼らに道を譲った。もし、彼の声がなければ、無理矢理とんでもない岩を登っていたかもしれない。感謝。
なんせ、初めての北アルプス。正直のところ、こんなに岩場が続くなんて想像もしておらず、疲労も出て来たこともあって、一心不乱で登っていたのかもしれない。
慣れない岩場を乗り越え、10時50分、ようやく常念岳山頂に到着した。スタート地点の蝶ヶ岳ヒュッテからの標高差はわずか200m足らずだが、1000mくらい登ってきたような気分だ。疲労度や達成感は今まで登った山の中でも1番のような気がする。
山頂では、向かいに見える北アルプスの主脈の山々の絶景を心ゆくまで堪能した。下山ルートは、一の沢も魅力的だが、それはまたの機会に譲って、今回は三股へ下ることに変更。まず最初に前常念岳へ向かう。
安曇野方面からガスが上がってきたこともあり、視界は自分の歩いているルートしか見えず、下界の眺望はゼロ。ここも大きな岩場だが傾斜が緩やかだったので容易に下ることができる。大股で岩をまたぎつつ、前常念岳と思われる三角点のある場所に到達。その後、石室の前でしばし休憩をとった。
ここからは急勾配の岩場。岩場から樹林帯に入る所で道が分からなくなったが、わずかに狭い道を入っていくと登り用の梯子を発見。自分の来た場所が正しいルートに乗った事を確認。ていうか、登りの目印はよくあるけど、下りの目印ってなんで少ないんだろう・・・。道迷いって、圧倒的に下りで多く発生するはずなのに。
樹林帯は、最初はなだらかな道。ぬかるんだ道の真ん中にできた大きな水たまりを避けつつ進む。
ところが、勾配が急になってきてジグザクのルートが出て来たところからがキツかった。特に心理的に。
来る前から地図で確認していて分かってはいたが、約2100mから1400m辺りまでの森の中の下りルートで、何度も心が折れそうになった。数えた訳じゃないが、ジグザグの折れ曲がりは100回は越えていたのではなかろうか。どんなに下っても同じような樹林帯の中を進んでいたので、同じ場所を周回しているだけじゃないかと思ったほど。しかも、休憩をしようにも立ち止まるとすぐに大量の虫にたかられ、首元や耳の中、眼鏡の内側にまで入ってきて不快極まりない有様。歩いている時にはさほど気にはならないが、ゆっくりと休憩も出来ないほど寄ってくるのは勘弁してほしい。虫は嫌いじゃないが、十分に休憩をとれないのはキツい。
堂々巡りのような下山の中、何でこんなに虫が寄ってくるのだろうと考えた。
恐らく、ヤツらは汗に含まれる塩分が欲しいのだろう。人間の体にはミネラル分が付いている事を、ヤツらは分かっているに違いない。まぁ、山に領土を持っていた武田信玄も上杉謙信から塩を送られていたとかいう話もあるくらいだし。虫たちも生きるためだから我慢してたかられてやるか・・・
とか何とか考えているうちに、沢を流れる水の音が大きくなり始め、やがて沢も見えてきた。
昨日の朝に通った分岐点まで辿り着き、水辺まで行って顔から首筋までを沢の水で洗った。最高に気持ち良い。
ようやく、三股に到着。さぁて、タクシーを呼ぶかなぁと思い携帯を取り出すと、け、圏外・・・。周囲を見渡しても公衆電話もない。仕方ないと思い、近くにいた人にドコモの携帯電話を借り、タクシーを呼んだ。ソフトバンク使えねぇ。
豊科駅に着いて松本まで行き、特急の時間まで1時間ほどあったので、近くの定食屋でビールとロースカツ定食を食べた。ウマイ!下山中は虫が寄ってくる前に歩き出さないといけなかったため、水分しか補給できずにいた。ひたすら腹が減っていたので酔いが回るのも早かった。
今回の山行で、岩稜帯が予想外に多かった事や下りの堂々巡りなど、予想外の出来事があると、余計に疲労度が増すことを改めて実感した。
前者については、ちゃんと下調べをすれば事前に分かっていた事なので、前もって地図でルート上の地形を拡大して精査してから来るべきだったと反省。常念岳までは大して高低差がないため、甘く見ていたところはあった。後者は、ジグザグルートは分かっていたが、余りの単調さに飽きが来てしまい、同じような風景を見ながら進むだけの忍耐力も必要かなと思った。それと、夏山も良いが、アイゼンが必要なくらいの季節の方が虫が少なくて快適に登れそうな気がした。これからは、春秋冬限定のクライマーになろうかな。
さて、次はどこに行こうか。もう虫にたかられるのはイヤだから、涼しくなるまで待とうかな・・・とか不純な(?)考えが頭をよぎったが、結局何処かしらの山には行っちゃうんだろうな。海の日の3連休は登る山を再考しようと考えながら電車の中で眠りについた。
おしまい
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