奥穂高岳〜西穂高岳
- GPS
- 33:50
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 2,702m
- 下り
- 2,690m
コースタイム
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 7:44
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 3:29
- 合計
- 10:37
天候 | 曇り時々雨、晴れのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
写真
感想
8月13、14の1泊2日で、奥穂高岳から西穂高岳を縦走しました。この登山ルートには、ジャンダルムと呼ばれるドーム状の岩山もそびえ、国内の一般登山道では最も難しいとされるコースです。
6年前に登山を始めて間もなく、ジャンダルムの存在は知りました。ジャンダルムという、およそ日本の山らしくない名前は、フランス語で憲兵とか前衛峰という意味だそうです。4年前に奥穂高岳へ登頂した際、雲の切れ間からのぞくジャンダルムを目撃し、まさに奥穂の前衛として不気味に屹立していました。そして、いつかこれを征してみたい欲望にかられたのでした。で、ついに、今年の夏に奥穂・西穂縦走に行けそうだということで、GW頃より、乾徳山、妙義山、両神山、二子山、不帰キレット等、岩登りの練習を重ね、満を持して挑みました。
前日の深夜、沢渡駐車場まで移動し、仮眠をとり、翌朝の始発のバスで上高地入りしました。時おり雨の降るあいにくの天気でしたが、岳沢から前穂高岳、そして奥穂高岳を目指しました。眺望はほぼ皆無。ただ、重太郎新道や吊尾根は岩登りの練習に好適で、翌日に向けたいいウォーミングアップになりました。重太郎新道は文字通り、重太郎さんが作った登山道ですが、途中の紀美子平は重太郎さんの娘さんの名前が由来になっているのですね。重太郎さんが道を作っている間、娘を遊ばせていたのがこの紀美子平だそうで、いったいどんな親子なんだと思ってしまいました。
13日は穂高岳山荘に宿泊。夕方からトタン屋根を激しく撃つ土砂降りになり、このまま雨が続けば翌日の縦走は諦めようと思いながら、床に就きました。
14日、夜中までの土砂降りとはうって変わって快晴。もともと自称晴れ男ではありますが、やはりついてるなぁと思いました。山荘から美しい朝焼けを拝んで、いよいよ縦走開始。奥穂高岳の山頂から間もなく、馬の背、ナイフリッジと呼ばれる最大の難所にぶつかります。確かに怖い。しかし、今までの練習で成長したのか、はたまた麻痺したのか、体がすくむほどではなかったです。また、どんな危険そうな岩場でも、これまでの経験で培ってきた3点支持等の基本を誤らなければ、大丈夫でした。
危険だけど楽しい、これがこのコースの魅力です。実は、ジャンダルムの山頂に着いた時、山岳救助隊の人にヘリが来るから退避してくれと言われ、ゆっくり感動にひたることができませんでした。で、ジャンダルムの山頂にヘリが来るなんて、いったい何事かと思ったら、ビニルシートにくるまれた「荷物」を引き上げていました。救助隊の人は何も語りませんでしたが、おそらく、数日前に滑落した人の遺体なのでしょう。ここ数日、天候が悪くてヘリが来れず、ようやく雨が上がったこの機会に「回収」したのだと思われます。そんなこともあって、このルートでは死と隣り合わせなんだということを実感します。けれどその分、のりこえた時の達成感や感動はひとしおです。そして、運動神経はそんなによくないものの、丈夫な体にはしてくれた親に感謝したくなります。
危険が連続する西穂高岳までの約6時間、異常な集中力が持続しました。相当なアドレナリンが出ているのでしょう。仕事中では考えられません。そして、西穂から上高地まで一気に下山。こうして、2日の行程で国内最難関のルートを制覇しました。
念願のルートを踏破してみて、なんだか試験に合格して卒業を迎えるような感覚におそわれます。やっとひと段落。でも、これからさらに、新たな可能性に向かって挑戦していきたいです。
そうそう、西穂高岳の近くでライチョウと出くわしました。ライチョウを見るのは2回目です。天気がくずれてきたから出てきたのでしょうか。すぐ目の前を、特に警戒心もなくうろうろしていました。写真を撮りながらまじまじと観ていましたが、ぽっちゃりした体ではあるものの、意外とくちばしが鋭く、りりしい顔をしているなぁと感じました。本当についてます。
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