霞沢岳、そして土砂降りの中、徳本峠から大滝山、さらに蝶ヶ岳へ
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- GPS
- 80:00
- 距離
- 31.5km
- 登り
- 2,552m
- 下り
- 2,701m
コースタイム
2日目 6:34徳本峠小屋―7:33ジャンクションピーク―8:24 P2―8:32 P3―8:40 P4―8:52小湿地―8:54崩壊地―10:01 K1―10:53霞沢岳11:05―11:27 K2―13:17 P2―14:13スタジオジャンクション―15:04徳本峠小屋
3日目 6:24徳本峠小屋―7:39明神見晴し―9:09大滝槍見台―11:50 2457m―12:33大滝山南峰―12:43大滝山荘―12:48大滝山北峰―13:04鍋冠山分岐―14:42三股分岐―14:59蝶ヶ岳ヒュッテ
4日目 6:04蝶ヶ岳ヒュッテ―6:25大滝山分岐―8:15まめうち平―9:41三股登山口―9:57三股駐車場
天候 | 1日目 曇り 2日目 曇り時々雨 3日目 土砂降り 4日目 雨のち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
翌日、高山からバスで平湯へ、乗り換えて上高地へ。 帰りは三股からタクシーで豊科へ(5,500円)。JRで豊科から松本へ。ワイドヴューしなので名古屋へ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1日目:上高地バスターミナルに登山ポストがあります。上高地〜徳本峠までは特に問題はありません。 2日目:徳本峠から霞沢岳まではヌカルミが多いですが、特に危険な場所はありません。霞沢岳まで、スタジオジャンクション、P2、P3、P4、K1、K2と幾つものピークを越えて行くので、疲れます。 3日目:徳本峠から大滝山までは、森の中を歩きます。軽いアップダウンがあり、コースが長いので疲れます。登山道はヌカルミが多く、丸太が敷かれている場所が、恐らく50箇所以上あります。登山靴の中までグジョグジョです。2457m地点からは急登ですが、見事なお花畑が大滝山山頂まで続いています。大滝山北峰からはハイマツ帯で、土砂降りに加えて強風。身体が冷えてきます。ハイマツの陰で風を避け、手袋をつけます。ファイントラックの布、普通の登山手袋、さらに雨用のオーバーグラブと3重にします。森の中の下りになると風は納まり、コバイケイソウの群落が現れます。北峰を降り、蝶ヶ岳への登りにかかります。色んな花が咲いています。三股への道を分けると、再び暴風雨。ビジョビジョになって蝶ヶ岳ヒュッテにたどり着きました。 最終日:蝶ヶ岳ヒュッテから少し下ったところで単独の青年が登ってきました。青い顔をして、「そこの分岐でクマに会いました」。「大滝山の方ですか?」、「三股の方へ行ったようです」、「グエッ!」。クマ除け鈴はザックにぶら下がっていますが、それから暫くは大声を出して下ります。クマさんも道を譲ってくれたようで、どんどん下ります。登山道は概ね歩きやすい道です。ヒュッテを発つ時、4時間後にタクシーを予約しましたので、それに間に合うように下ります。三股の駐車場に着いた時、ちょうどタクシーがやってきた所でした。 |
写真
感想
飯豊に登るため2日間の夏休みをとりました。東北地方は豪雨災害に見舞われ、登山口までの道路が崩れ落ち、飯豊登山は断念しました。週末2日間と合わせて4日間がスッポリと空き、前回予定して行けなかった霞沢岳に登ることにしました。霞沢岳だけでは勿体無いので、大滝山を経て蝶ケ岳に登るという計画を立てました。
前日夕方のワイドビューひだに飛び乗り、高山駅前のホテルに投宿。
翌2013年7月27日、バスで平湯まで行き、ここでバスを乗り換えて上高地に入りました。時間はたっぷりあるので、梓川右岸の散策路を廻り明神へ。途中、穂高神社奥宮に参拝し登山の無事を祈願しました。観光客と登山者が入り混じった明神から徳本峠への道に入ると、めっきり静かになりましたが、ちょこちょこヒトに出会います。徳本峠は訪れる人も少ない場所と思っていましたが、結構な賑わいです。テン場も満杯、小屋は新しい建物だけでなく、古い小屋にも団体さんが、それでも溢れた人が小屋のテントに入れられているようでした。夕食までの時間を外でビールを飲み、それだけでは足らず、持参のブランデーを飲みながら過ごします。夕食は古代米にテンプラと、凝った食事です。
2日目は霞沢岳に登りました。生憎の曇り空、雨も混じって期待していた穂高の展望は全く得られません。キツリブネ、ミヤマキスミレ、コメバツガザクラ、ヨツバシオガマ、シナノオトギリ、タカネグンナイフウロ、オタカラコウ、ミヤマキンポウゲ、ヤマハハコ、キヌガサソウにサンカヨウと、花々が次々と姿を見せます。小屋を出てから丁度1時間、ジャンクションピークに到着。曇ってはいますが、浅間山、八ヶ岳、甲斐駒、何となく富士山も見えます。それからも幾つものピークを越えて、頂上はまだかまだか。K1に登りつき、地図を見ると頂上まであと25分とあります。霞沢岳の南斜面にはお花畑が広がっていました。ハクサンシャクナゲ、ハクサンフウロ、コバイケイソウ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、ウラジロヨウラク、ニッコウキスゲにクルマユリ、まさに百科繚乱。25分どころか、倍の50分かかって山頂に辿り着きました。昭文社の地図は全くいい加減です。あいにくの天気、山頂からの眺めは全くありません。明日の蝶ケ岳に期待しましょう。ヌカルミ道、ズボンの裾は泥だらけとなります。徳本小屋に帰ると、スタッフが、仲間のお姉さんの20うん歳の誕生会をしていました。まだ他に客もなく、わたしも招き入れて頂き、温かいコーヒーとケーキをご相伴させて頂きました。スタッフの皆さんありがとうございました。
3日目は朝から大雨。徳本小屋からすぐに森の中の静かな道に入ります。緩やかなアップダウンが続く気持ちの良い道です。樹々に遮られて風はありません。真っ白なギンリョウソウが雨に濡れて輝いています。ユウレイソウなんて失礼な名前は、このギンリョウソウには似合いません。「明神見晴らし」、真っ白な世界が見えるだけ。「大滝槍見台」ではもう全く期待はしていませんが、一応壊れかけのやぐらに登りました。案の定、真っ白です。その先暫くすると若い男性に出会いました。本日出会った唯一の人です。「太滝山北峰の稜線はすごい風でした」と教えて呉れました。次々とヌカルミが行く手を塞ぎます。筏のように敷かれた丸太の上を何度も渡ります。ダブルストックが有効です。大滝山南峰の登りはキツイですが、南斜面に広がるお花畑が慰めて呉れます。雨宿りして昼食を摂ろうと思い、大滝山荘の玄関に入りましたが誰もいません。止む無く北峰まで行き、大雨の中で徳本小屋が作ってくれた弁当を食べました。この先、風雨を遮るものは無いハイマツの中の道を辿ります。やがてハイマツも途絶え、猛烈な風雨が頬を叩きます。濡れた身体が一気に冷え込んできます。これはヤバいぞ。背の高いハイマツを見つけて風を避け、手袋を装着。風に飛ばされないよう一歩一歩踏みしめて進みます。やがて樹間の下りとなり、風も遮られ、ひと息つきます。コバイケイソウの群落が続きます。今年はコバイケイソウの当たり年とか、見事です。キヌガサソウもシナノキンバイもアオノツガザクラも群れ咲いています。鞍部から蝶ケ岳まで最後の登り、樹々が無くなり、三股分岐から再び風が強まります。雨の中、徳本小屋を出てから8時間24分、フラフラになって蝶ケ岳ヒュッテに着いた時は、本当にほっとしました。
4日目、出発前に安曇野タクシーに電話をし、これから蝶が岳ヒュッテを出るので4時間後に三股に来てくれるように頼みます。小屋から出て、下山早々に出会った若者からクマ出没の話を聞き、大声を出しながら下っていきます。喉が枯れてきたので声を出すのは止め、クマ除け鈴に任せます。クマさんも道を譲ってくれたようで、どんどん下ります。頂上から1時間20分の「まめうちだいら」を目指します。時間的にも地図的にも、そろそろ着いただろうと思いますが、それを示す標識はありません。随分経ってから「まめうち平」と記された案内板がありました。ここから急坂下りが始まります。昭文社の地図で「まめうちだいら」と記されている場所とは別の場所のようです。歩きやすい道をどんどん下り、無事、三股に降り立つことが出来ました。駐車場にはまだタクシーは来ていません。しばらく待ってタクシーが来て、運ちゃん、「早かったですね。普通は4時間かかるんですけど」。まだまだ行けそうです。
4日間を通じて、期待した穂高の大展望は全く見られませんでした。3日目は土砂降りの中でしたが、夏山最盛期のこの時期に、山の中で出会う人も少なく、たった一人でまことに静かな山歩きを楽しむ事が出来ました。
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