八ヶ岳(荒天の中岳〜赤岳〜横岳〜硫黄岳縦走)
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- GPS
- 11:10
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 2,121m
- 下り
- 2,110m
コースタイム
10:30 桜平出発 - 11:00 夏沢鉱泉 - 11:45 オーレン小屋(小休止) - 12:50 赤岩の頭 - 13:40 赤岳鉱泉(小休止) - 14:20 中山乗越 - 14:30 行者小屋(テント泊)
2日目
6:40 行者小屋出発 - 6:50 阿弥陀岳分岐 - 7:25 中岳コル - 7:40 中岳 - 8:00 文三郎尾根分岐 - 8:05 キレット分岐 - 8:20 竜頭峰分岐 - 8:25 赤岳頂上(南峰) - 8:40 北峰 - 9:10 県界尾根8合目分岐 - 9:45 赤岳天望荘 - 10:40 三叉峰
10:50 横岳 - 11:15 硫黄岳山荘(小休止) - 12:00 硫黄岳 - 12:35 夏沢峠 - 12:55 オーレン小屋 - 13:25 夏沢鉱泉 - 13:50 桜平
天候 | 7日 曇り時々雨 8日 雨(稜線は暴風雨) |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ゲート脇に駐車場がありますが、 その手前道路の横にもそこそこ停めれるスペースがあります。 唐沢鉱泉分岐からのダートは、乗用車ですと、底面を擦る可能性大です。 (でもかなりの乗用車が入っていましたけど) 自分の車は、オフロード車なので、全然気になりませんでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストはよく確認しませんでした。 なぜなら、今回から初めて日本山岳ガイド協会と長野県警察で取り組みが始まった「コンパス」に登録してインターネットから登山届を提出したからです。 これは、非常に簡単。 ルートの登録や登山開始時刻、下山予定時刻、所持品等を入力し、送るだけ。 下山予定時刻から携帯電話等で3時間以内に下山届を送れば終わり。3時間以上過ぎても下山届がなければ、本人に連絡が入る。 尚且つ、7時間以上経過しても連絡がない場合は、緊急連絡先に連絡が入り、捜索願いが出されることになる。といった流れです。 これでちょっと煩わしかった登山届に記入等も必要ありません。順次長野県以外にも広がるそうです。 コース状況は、桜平から行者小屋までは危険なところはありません。 行者小屋から稜線への取り付きからは、鎖場とか梯子が出てきます。 特にキレット分岐〜竜頭分岐〜頂上や、縦走路の三叉峰、横岳付近は岩場の連続です。 県界尾根の下りは急峻な坂の連続なので、鎖、梯子も続きます。 今回のような降雨時は、滑りやすく注意が必要です。 また、県界尾根8合目から赤岳天望荘へのトラバース道は、不明瞭な箇所もあり、使わない方が賢明です。 間違って沢筋を下りてしまい、遭難しそうになりました。 天候、視界も悪く、集中力に欠けていました。 まずいと判断し、最悪、赤岳頂上を目指し上部に上ることだけを考えて引き返しました。 そこで、見覚えのある階段に到着し、そこはルートとしては間違っていないと判断し、そこから先の踏み跡を慎重に見渡し、正確なルートが確認でき、一安心しました。 赤岳から硫黄岳の縦走路も岩場の連続なので気を付ける必要があります。 硫黄岳周辺は、ガスが出た時は、ケルンのみが頼りです。 今回の縦走路や夏沢峠からオーレン小屋までのルートで、幾つか崩落による迂回路もありましたが、鎖場、梯子のところ以外では特に危険なところはないでしょう。 下山後の温泉は、尖石温泉縄文の湯に入浴。大人400円と親切な料金でした。 |
写真
感想
最近の土日は、台風やら前線やらで天気の悪い週が続いていましたが、それも山行の一つと判断し、大荒れの天気の場合は、無理せず引き返そうと考え、夏山も終わりになった八ヶ岳へ向かいました。
今回のルートは、せっかくなので、南八ヶ岳の核心部を縦走すると共に、赤岳鉱泉、行者小屋を通る、周回コースを計画しました。
通常は稜線を南に向かうことが多いと思いますが、今回は、反対のルートです。
桜平からテントの張れるところまでを考えると、赤岳鉱泉は近いし、2日目の歩行距離を短くしたかったため、行者小屋泊の反時計周りルートにしました。
初日桜平から出発すると、早々に小雨が降り出し、心配になりましたが、その日は、小雨程度が降ったり止んだりで、テン泊先の行者小屋までなんなく着きました。
夜は時折突風もありましたが、雨も降ったり止んだりで、小屋を出発する時は、それほど雨も降っていなかったので、予定通り出発しました。
文三郎道は、雨で滑りやすく危険と判断し、中岳コルを目指しました。
稜線まで出ると、一面何も見えません。
天気が良ければ最高の眺めであったのに残念です。
険しい岩場を進み、ようやく赤岳山頂に登頂。
その後、稜線沿いに赤岳天望荘へ進む道もつまらないと思い、県界尾根から赤岳天望荘へのトラバース道を行こうと考えました。
これがちょっと失敗の始まりでした。
視界も悪く、登山者もこのような天気では、殆どいない状況で、県界尾根を下ってすぐ分岐があるだろうと思っていたが、9合目まで下りても分岐が出てこない。
このまま進んで分岐を見つけれなければ、車を停めた桜平には簡単に戻れない。
ここで最初に焦った。
進むべきか、戻るべきか。疲れもあったが、とりあえず8合目ぐらいまでは行ってみようと焦りながら下っていったので、途中の梯子で足を滑らせ、右手中指も捻って怪我をしてしまった。
そして何とか進むと分岐があった。
ここで若干気が緩んだ。
安心して意気揚々と進んだが、集中力がかけていたのか途中で沢筋を下りるミステークを犯した。
踏み跡らしきものもあったので、大丈夫と思い込み進むが、段々と踏み跡が薄くなっていく。
ここで、ちょっと考えた。
周りを見渡し、踏み跡らしきものを探すが、どうやら獣道ばかりみたいだった。
再び焦った。
この段階では、この沢筋に入る手前に人工物の梯子があったので、そこまで戻れば絶対に大丈夫だと言い聞かせ、戻ることにした。
そして梯子まで戻った。
時間のロスは30分ぐらいであろうが、精神的には1時間、2時間といったロスである。
そこで、本来の道を探したところ、正確な登山道を確認することができた。
どうしてこんなところで、沢筋に下りてしまうミスをしたのだろう。
やはり、精神的に焦っていたのだろう。
ようやくその道を進み、赤岳天望荘に到着。
その後、地蔵尾根から下る判断もあったのだが、この段階では、風もそれほど強くはなかったので、視界は悪いが予定通り縦走路を北へ進む。
地蔵の頭のお地蔵さんを過ぎていくと、次第に風は強くなり大変な環境になってきた。
普通ならこんな条件であれば、すぐに下山することが良識であるとは思いつつ、とにかく進むことにした。
展望もなく、視界も不良でとにかく歩くだけ歩いたといった感じである。
いや、歩くよりも攀じ登り、何とか下るといった感じだ。
横岳を過ぎ、硫黄岳山荘で休憩した時は本当に生きた心地がした。
その後の硫黄岳へのルートも視界不良と暴風雨で遭難の名所であることが良く分かった。
夏沢峠へのルートを下る時はもう安心しきった。
夏沢峠から、オーレン小屋、夏沢鉱泉を戻り、ようやく桜平まで帰ってきた。
それでも歩行時間は、予定の範囲内でした。
今回の山行は、遭難するパターンがどういったものか、その始まりを把握することができました。
かけがえのない教訓として、今後の山行に生かしていきたいと思います。
一番大事なのは、今回のような天候時は、あきらめが肝心であるとが最確認できました。
八ヶ岳の大展望や硫黄岳の爆裂火口等全く景色が見れなかったので、また、あらためて天気の良い日に同じルートを使い、再確認してみたいものです。
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