立山〜剱岳
- GPS
- 29:57
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 2,013m
- 下り
- 2,017m
コースタイム
- 山行
- 5:17
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 6:15
- 山行
- 8:06
- 休憩
- 2:19
- 合計
- 10:25
天候 | 晴れのち曇り、曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
その他周辺情報 | 下山後は薬師の湯(750円)を利用。 |
予約できる山小屋 |
剣山荘
|
写真
感想
コロナと天候不順のため、山の計画が大いに狂わされた夏でした。最後の最後に、1泊2日で立山と剱岳を縦走してきました。本当は、テント泊で2泊3日かけ、ゆっくりめぐるつもりでしたが、やはり天候があまり安定しないので、荷物を減らして小屋泊にし、日程を2日間に凝縮しての山旅でした。
夜中に東京を出発して、2時半頃扇沢に到着。土曜の深夜だったので、駐車できるか心配でしたが、扇沢駅最寄りの有料のところも、その手前の無料のところも余裕がありました。無料のところに停めて、仮眠。6時に起床し、7時に出発。7:30の電気バスの始発にも余裕をもって乗ることができました。このご時世というのもあるでしょうし、ちょうど花の盛りを過ぎ、紅葉にはまだ早い、ややオフシーズンの時期のため、空いていたのでしょう。
室堂に着くと、雲一つない快晴でした。日差しはまだ強いものの、短い山の夏は過ぎていて、草の緑はやや黄みがかって、秋の気配を感じさせます。目の前には、屏風のようにどーんと霊峰立山がそびえ、右手には浄土山、左後方には奥大日岳が見えます。奥大日は堂々と座禅する大仏のようにも見えました。どれもありがたい山々で、まるで山の曼荼羅の中にでもいるようです。
立山の雄山までは、老若男女、初心者から上級者まで大挙し、渋滞気味でした。しかし、雄山を過ぎると登山客が一気に少なくなり、静かな山歩きを楽しむことができます。立山最高峰の大汝山まで来ると、目の前の後立山連峰が爽快に見渡せ、北の白馬岳から南の針ノ木岳まで、ひと山ひと山指差し確認したくなります。歩いてきた雄山の先に伸びる薬師岳や黒部五郎岳への稜線。その先の笠ヶ岳。そして、ひときわ鋭角にそびえる槍ヶ岳へと向かう裏銀座の稜線と表銀座の稜線が壮大に連なっています。北アルプスの山が全て見えると言っても過言ではないでしょう。本当に絶景。時間を忘れてずっと見ていられます。
再び歩みを進めていくと、白砂の真砂岳や別山越しに剱岳が顔を出します。快晴だった空に瞬く間に雲が湧いてきます。剱岳が間近で眺められる別山や剱御前まで来た時、その姿はガスをまとっていました。しかし、このガスをまとった剱岳のほうが、なんとなく不気味で誰も寄せつけない迫力を感じさせます。
少しの疲労を感じながら、2か所の雪渓を越え、ところどころのお花畑に癒されながら、剣山荘に着きました。ここは剱岳に最も近いながら、シャワーもあって快適な山小屋です。到着早々汗を流し、夕食を摂りました。外はもうガスガスで真っ白け。風も強くて夕焼けどころではありませんでした。夜中に時々起きて外の様子を確認しましたが、星は見えず、強風もあり、翌日の剱岳登頂に不安を覚えました。
4時に起床し、4時40分くらいに出発。出かけ前に山小屋の主人に確認したところ、このくらいの風なら気をつければ大丈夫とのことでした。遅くなればなるほど雨の心配もあったので、とにかく早朝から急ぎ剱に登頂してしまおうと考えました。平日で悪天候のため、剱に行く人は、ぼくら以外に9組16名ほどしかいませんでした。先行していた1名は山頂まで行ったようですが、3組6名が前剱あたりで撤退してきたので、不安をあおりました。
風は強いし、山頂に近づくにつれ、雨も少し降ってきてしまいました。岩は濡れ、靴も濡れ、手袋も濡れ、滑って落ちるのではないかという恐怖心が高まります。鎖場は全部で13か所。よく整備されています。ふだんなら、鎖場と言えど鎖に頼らず三点支持で登っていくのですが、絶対に落ちてはいけないので、頼りました。特に、平蔵の頭やカニのタテバイあたりでは、鎖を握る手に力が入ります。
山頂まで来た時には、雨と冷や汗で全身が濡れていましたが、この悪条件のなか登頂できたことに、大きな達成感を得ました。剱岳は9年ぶり2回目です。9年前は、馬場島から早月尾根を登り、とにかく日帰りすることを目標に14時間ひたすら歩いていました。あまり難所があった記憶がありません。今回は雨風で難易度が増していたので、2度目と言えど感動がひとしおでした。
下山もとにかく慎重に。カニのヨコバイが一番恐怖を感じた箇所でした。あいにくの天候でしたが、時折見かけるお花畑が癒やしになりました。剱岳と言うと、岩と雪の印象でしたが、至るところにお花畑があって、楽園のようです。もう少し時期が早ければ、チングルマやコバイケイソウも見事だったでしょう。
10時前に剣山荘に戻ってきて、食事を摂って、デポしてあった荷物を回収しました。本当に至れり尽くせりの山小屋でした。そして、再び出発。剱御前小舎まで戻り、さらに雷鳥沢を下って、室堂方面に向かいます。当初はガスガスで全く視界がなく、志気も上がりませんでしたが、雷鳥沢を下る頃から、陽が差したり、青空がのぞいたりして、気持ちよく歩くことができました。雷鳥沢なのにライチョウに出会わなかったのは心残りですが、2日間、あらゆる山の天気に遭遇し、山の良さも怖さもあまねく体験でき、なにより剱岳登頂も果たせ、非常に充実した山旅になりました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する