夏の終わりの北アルプス「燕岳〜大天井岳〜常念岳」
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- GPS
- 21:19
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 2,398m
- 下り
- 2,557m
コースタイム
- 山行
- 4:53
- 休憩
- 2:29
- 合計
- 7:22
- 山行
- 6:43
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 7:05
天候 | 快晴☀(初日) 小雨ガスのち曇り🌨(二日目) 晴れ時々曇り🌤(三日目) |
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過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
前泊は梓川SAで仮眠 穂高駐車場(無料/50台ほど) ▽往路 ✅JR穂高駅から乗合バスで中房温泉登山口へ ▽復路 ✅一ノ沢登山口からタクシーで穂高駐車場へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
①【中房温泉〜合戦小屋〜燕山荘】 急登で知られているが、登山道はとてもよく整備されている。 道迷いの心配はありませんでした。 ②【燕山荘〜大天荘〜常念小屋】 アップダウンや岩場歩き、途中に鎖と梯子がありますが、 慎重に歩けば大丈夫でした。 ③【常念小屋〜一ノ沢】 長い急こう配。岩場歩きに渡渉、橋渡りを繰り返します。 滑落危険個所や落石注意箇所があります。 往路の合戦尾根よりも技量を必要とするように感じました。 |
その他周辺情報 | ♨【立ち寄り湯】 安曇野しゃくなげの湯 http://syakunagenoyu.info 大人(安曇野市外)700円 露天風呂、サウナあり 🍽【食事】 道の駅アルプス安曇野ほりがねの里 https://horigane.or.jp/ |
写真
装備
個人装備 |
山小屋ではインナーシーツの持参を求められました。<br /><br />マスクとアルコール消毒剤も。
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備考 | サングラス |
感想
仕事がひと段落したので遅い夏休みをとって山行へ
念願の北アルプス縦走に。初アルプスでも歩きやすいと人気の表銀座コースに登ることにしました。夜都内を発ち梓川SAで仮眠。朝5時半に穂高駐車場に到着。すでに4分の1が埋まっていました。天気予報では今日から3日間は晴れと期待が高まります。
JR穂高駅から、中房(なかぶさ)温泉までは乗合バスで移動。この日の始発は午前6時40分。臨時便も1台出ました。大人片道1800円。50分ほどで到着しました。
登りは、アルプス三大急登で知られる合戦尾根。朝陽も上り始めているので、アウターは着ずに半袖と長袖シャツのままスタート。ひんやりとした林道歩きは気分よく、足取りも軽くなったのですが、急登続きにバテ気味に…。登山者に道を譲ったり譲られたりして、何とか合戦小屋へ。ここまで2時間40分。名物のスイカが甘くて癒されました〜。見ていると、登山客は100%がスイカを買ってましたね(笑)
ここから先は、高度がどんどん上がり、日差しを直接受けることも。帽子とサングラスは必須ですね。見晴らしもよくなっていき、遠くに槍・穂高の姿が見えてきます。森林限界を過ぎたあたりから、燕岳の美しい山容も確認でき、燕山荘の赤い屋根がはっきりとわかるように。下から見上げると、よくぞあんな高いところに山小屋を作ってくださったなあと感心しました。終わりかけの高山植物を愛でながら、山荘へ到着!色とりどりのテントが青空に映えていました。晴天のなか、風がとにかく心地よい!槍・穂高はじめ、水晶岳、野口五郎岳がくっきりと見渡せます。燕岳の黒と白のコントラストの美しさに息を飲み、これが夢に見た絶景パノラマかとしばらく時間が経つの忘れ見とれてしまいました。
燕山荘は、全国屈指の人気の山小屋。この日もほぼ満室のようでした。事前に記入してきたコロナ対策シートを提出し、検温とアルコール消毒を済ませてチェックイン。大人13,000円(夕朝食事付き)。寝床まで従業員が案内してくださり、至れり尽くせりだなあと感激しました。寝床は2段式の1階部分。約3畳を2人で分け合います。間をロールカーテンで仕切ることができ、プライベート空間が確保できるようになっていて、申し分ないと感じました。お隣りさんは先月も燕山荘に泊まったそうで、今回は槍ヶ岳を目指すとのこと。
重たい荷物を寝床に置いて、いざ燕岳の頂へ。花崗岩でできた燕岳は長年の風雨で削られた奇岩が有名。いるか岩、めがね岩と写真を撮っているうちに、山頂に到着!頂はあまり広くはありません。譲り合って登頂記念の撮影を済ませます。山頂からは360度見渡せ、剱岳の雄姿も。ひと足延ばして北燕岳を周り、燕山荘へ。
燕山荘の食事はこれまでヤマレコレビューで読んだとおり、ここが2700mの高山とは思えないほど充実しています。夕食後のオーナーの山の話とホルンの音色は一生の思い出となりました。
2日目は未明から小雨。ガスが出て槍・穂高どころか周りが見えない状態…。買ったまま使わずにいた雨具を取り出し出発。幸い足元は見えますが、不安なので先行者の姿を見失わないように歩きます。風も出てきて、本来ならば、槍・穂高を横に見ながら尾根歩きができたはずなのに、と気が滅入ってきます。岩場を歩き、アップダウンを繰り返すうちに、分岐点に。右に行くと槍ヶ岳方面。左は大天荘。ここまで来て、喜作レリーフを見落としてしまったことに気づきました…。登山者はほとんどが右手へ。このコンディションのなか、槍ヶ岳方面に行くのかと頭が下がる思いと、この程度の天候で後ろ向きになっていた自分が恥ずかしくも感じました。
気を取り直して、大天荘へ登ります。風が横から吹き付け、ガレ場の足元に注意しながらゆっくりと足を進めます。途中、道しるべが勇気を与えてくれます。大天荘の姿が見えたときは正直嬉しかったです。ここまで約3時間。
昼ご飯とコーヒーで身体を温め、いざ大天井岳へ。雨は止み、雲の合間に青空も見えるようになっていました。ガレ場続きの登山道を歩き、5分ちょっとで山頂へ。小さな祠がありました。厚い雲の中から槍の穂先がかろうじて見えたような見えないような。しばらく待ってみましたが、天候回復は望めず、下りて、常念小屋を目指します。うっすらと陽が差し掛かってきたので、雨具はしまい、風よけのハードシェルアウターを着て出発。
ひたすら登山道を歩きます。途中、高山植物を楽しみながら歩いていると、先行していた登山者が、雷鳥らしきものを写真に撮ったが本物だろうかと声をかけてきました。見せていただくと、まぎれもない雷鳥が!聞くと、このあたりに5羽いますよと。木々の間を目を凝らしてみると、雷鳥の姿が。2羽、3羽と確認ができました。鳴き声まで聞こえます。きょうは天候が良くないので、雷鳥の姿は拝めないかもしれないと思っていただけに、ラッキーでした。ここまで足を運んできて良かったです。
この先、東天井岳の間で、今度は野生の猿と出会いました。しかも、10頭くらいの群れ…。子ザルの姿も。登山道の周辺で食事中のようでした。気づくと、右にも左にも。囲まれてしまったようです…。近づいてこないか、食事を邪魔されて(横盗りすると)襲ってこないか、ドキドキしながら通り過ぎます。
登りと下りを繰り返し、急な坂道を下ると、常念小屋の赤い屋根が見えてきました。ここもカラフルなテントが賑やかに並んでいます。上から見ると綺麗ですね。
常念小屋は、12人1間の相部屋。検温とアルコール消毒を済ませてチェックイン。大人13,000円(夕朝食付き)。常念岳へ登ろうか考えましたが、槍・穂高は雲に隠れているため、明日に取っておこうと休憩することに。柔らかい西陽を浴びながら缶ビール(800円)を飲む幸福をかみしめました。贅沢ですな(笑)
3日前(最終日)6時前に出発。常念岳を目指します。すでにご来光を見ようと登っていた登山者が徐々に下りてきていました。常念岳は100名山とあるだけに存在感のある山容です。ザレ場とガレ場、大きな岩場をジグザグに登り、高度を上げていきます。陽が登ってくると当然ですが、風が出て来ます。足元に気を配りながら登ります。対岸の槍・穂高を眺めると、ちょうどいま、あそこに山頂にも登っている人がいると感じました。
山頂まで約1時間。槍・穂高はもちろん、隣の蝶ケ岳、そして遠く八ケ岳も見渡せる眺望。順番に登頂記念の写真を撮り、引き返します。
常念小屋でコーヒーブレイク。一ノ沢に迎えのタクシーを依頼し、下山へ。この一ノ沢コースは、急で長い坂道を下ります。しかも沢沿いのため、靴底程度ですが渡渉を繰り返し、丸木橋(横3つ、4つ)も何度も渡ります。ほぼ岩場歩きのため、滑らないか慎重となり、時間がかかりました。尾根も痩せている箇所もあり、落石注意の箇所も。沢の音と高山植物には癒されましたが、長い登山道に心底疲れました…。「山の神」を過ぎると、終点の一ノ沢林道へ到着。タクシーが待っていてくれました。
タクシーで穂高駅へ向かっている最中、野生の鹿の親子が通り過ぎました。運転手さんも思わず、車を止め、窓越しに見入っていました。ことしは雨が多く、登山は例年より少ないようなことを言っていました。
一ノ沢から穂高駐車場まで、5700円(迎車料金込み)。
下山後の立ち寄り湯は、
「安曇野しゃくなげの湯」へ。
大人(市外)700円でした。
http://syakunagenoyu.info
2泊3日で山行に行ったのは初めてでした。自分の力量では心配でしたが、いざやってみると充実さと自信で満たされ、次回はどこを目指そうかと考えています。帰りの車から八ケ岳や南アルプスの山々を見ては、今度は山梨かなあと。それまで健康で体力づくりに努めたいと思います。
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