【北アルプス最深部縦走】雲ノ平・高天原温泉
- GPS
- 36:19
- 距離
- 55.5km
- 登り
- 3,923m
- 下り
- 4,128m
コースタイム
- 山行
- 4:19
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 5:33
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 7:36
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 6:49
- 山行
- 7:46
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 8:54
- 山行
- 6:16
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 7:12
天候 | 2日目以外は晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
毎日アルペン号 新宿〜折立 帰り 新穂高温泉〜平湯温泉〜新宿 |
写真
感想
日本最後の秘境、念願の雲ノ平へ思い切って行ってきた!
以下非常に長文
【1日目】
薬師キャンプ場までは山友と一緒。おなじみ毎日アルペン号の折立行きで向かう。2時間おきにある休憩で目が覚めてあまり寝られず到着。でもめっちゃ晴れてた!熊が出たキャンプ場は閉鎖されたまま。準備していざスタート。途中ベンチがたくさんある三角点までは地道に樹林帯の道。そこから一気に展望が開けて薬師岳が現れる。遠くには剱岳や立山も。結構ベンチも多いので休み休み行けるし、眼下の有峰湖がどんどん小さくなっていったり遠くの山も見えたり眺めを楽しみながらのんびり登れる。
歩きやすい道をのんびり登ると太郎平小屋。直射日光でそれなりに疲れたのでフルーツ缶を食べてひと休みしてからキャンプ場へ。薬師岳方面に少し歩くとあり、近くに沢があるのか常時結構な水音で流れ落ちてる。さっそくテントを設営したら軽くごはんタイム。その後他のテント見学したり水場を確認したらお昼寝。キャンプもそうだけど設営終わってひと段落してからの昼寝は至福の時間。夕方軽く食べたら早めに就寝。
【2日目】
テントから出たらまさかの雨…晴れ予報だったのに。さっさとテントを撤収し太郎平小屋へ引き返す。その先の分岐で山友とお別れ。止みそうにない雨の中どんどん下がっていく。下の木道が滑ること。幸い川は水量増しているわけでもなく、かかっている橋を普通に渡った。でも雨だとやっぱり滑りそうで危ない。
やっとのことで薬師平小屋に到着。この時点で靴も靴下もびしょ濡れ。トイレを済ませていよいよ雲ノ平への急登へ。いろんなレコとか話聞いたりしてキツイことは覚悟してたから、ひたすら無心で登った。岩場が多いけど八ヶ岳の岩場みたいに巨石をよじ登っていく感じではなく、よく見ればそれほど段差なく登っていけるので思ってたよりはキツくなかった。それより雨の方がきつかったな。
ひたすら登って傾斜が緩む頃、ようやく雲ノ平エリアに。ガスって何も見えないけど雨が止んでかなり楽にはなった。アラスカ庭園はガスってるからかよく分からず。針葉樹林に囲まれてるからアラスカ庭園?木道をのんびり歩いてるとついに憧れの雲ノ平山荘到着!!早々と受付を済ませて、お昼ごはんとケーキセットで長雨と急登の疲れを癒した。身軽になったら祖母岳へ。山頂はアルプス庭園になっているらしい。見どころは池越しの祖父岳とか三俣蓮華岳の眺め、あと少し登ってから振り返ると雲ノ平山荘がポツンとあって水晶岳が雄大にそびえる様かな。あとは帰って食堂で雑誌を読みながら黒部五郎岳をのんびり眺める。めっちゃ贅沢な時間だったなぁ。夕方になるにつれどんどん青空が見えてきて、綺麗だったし。夕飯は石狩鍋。美味しかったな。夕暮れ時はまさに世界そのものがアートだった。空のグラデーションとか迫力のある雲とか取り囲む山々とか灯りのもれる山荘とか全てが美しい。すぐガスってきたからあまり見られなかったけど、一瞬見えた星空も凄かった。夕暮れ時に出会った人と話してたら盛り上がって、高天原山荘行くって言うからせっかくだから明日は高天原山荘泊まりに急遽予定変更。
【3日目】
朝から晴天!高天原行くだけなのでお気楽ハイキング。最初は祖母岳へ。やっぱり晴れてる方が好き。山頂から祖父岳と三俣蓮華岳の間に槍穂高見えるのね。山荘まで引き返したら今度は祖父岳方面へ。テント場を見下ろした後スイス庭園へ。スイス庭園越しの水晶岳とか高天原が一番かっこよくて好きだな。スイス庭園分岐からテント場分岐の間でぷぅぷぅ音がすると思ったら、なんと雷鳥がいた!しかも子連れ!のんびり食事しながら散歩してて癒されたわ…
山荘まで戻ったら高天原へ。丘を2つ越えたら樹林帯へ。これが結構急。はしごも3つくらいあったし、高天原からの登りは結構しんどそう。飽きるくらい下ってようやく高天原峠到着。ここからもしばらく下って高天原山荘前の湿地へ出る。水晶岳とか雲ノ平の台地に囲まれて不思議なところ。まさに秘境感が溢れてる。
高天原山荘はランプの山小屋。受付したら2階の大部屋に荷物を置いて温泉へ。1キロ歩くので、ちゃんとした靴がいいかも。温泉は川沿いに全部で3つ。女性専用と混浴と、川を挟んで野天風呂。野天風呂は名前の通りかなりワイルドなので勇気いるけど、ここまで来たら入らないわけにはいかなかった。秘境で入る温泉は格別だったなぁ…温泉後は山荘まで帰っておやつを食べながらのんびりした。もう午後遅くなってくると寒い。そういえば数日前に有峰林道で土砂崩れのため折立側が通行止めになったらしい。
夕飯はオイルランタンの灯る中美味しいごはん。夕日に染まる水晶岳は見れなかったけど、夜はゆっくり過ごせた。
【4日目】
5時過ぎに出る。高天原に行くきっかけになった人と分岐まで一緒で、それぞれ折立と鷲羽方面へ別れた。鷲羽方面へは岩苔小谷を登っていくんだけどこれが結構長い。後半は渡渉が何回もあるし。岩苔乗越を目指して登るわけで、でも雲ノ平の直登に比べると後半はとても眺望が良くて気持ち良い。谷を緩やかに曲がりながら流れ落ちる川の先には水晶岳と祖父岳の麓に挟まれて薬師岳がそびえていて、カッコよくて何回も振り返りながら登った。乗越に着くと一気に展望が開ける。今までほぼ見えなかった槍や常念山脈が広がり鳥肌ものだった。
そこからワリモ岳へ。頂上に近づくほど岩が多くなり、山頂表示付近は槍方面の展望なし。薬師方面は好展望で、太郎平や薬師岳、雲ノ平が一望できて、よく歩いたなと感慨にふける。鷲羽へ下るところにロープが少しあり、ちょっと怖いかも。それより鷲羽岳への登り返しがあらわになり、そんなに下るの?!とうろたえてちょっと固まる。この辺りは滑りやすくて歩きづらいので注意して下って登った。鷲羽岳山頂はさすがの展望。槍穂高はもちろん360度見えてとても良い。鷲羽池からの槍穂高も絵になる。三俣山荘への下りはえげつなかった。急で滑りやすくて気の抜けない下り道が延々と続く。下り始めは下が見えなくて、はるか下にある三俣山荘が見えてからも下がっても下がっても高度感が薄れず山荘も小さいまま。ただ登る人はもっと辛いだろうな。
下るのも飽きてきた頃三俣山荘へ。ハイマツ?の中に山荘とテント場がある。食堂は2階にあって、槍とか薬師岳を見ながら贅沢ランチができる。カレーは美味しかったし、なんとコーヒーはサイフォンで淹れてくれる。あと冷たい水が美味しかったな。ここで雲ノ平で一緒だった、名古屋から来た2人組と遭遇。この人たちとは高天原に行く時にもすれ違った。
腹ごしらえが済んだら三俣蓮華岳へ。ここは本当すごかった。今回の山行のまさに核心部。もうね、北アルプスのオールスター感が凄いの。槍穂高、常念、双六から笠、黒部五郎に太郎平から薬師、もちろん雲ノ平に鷲羽から水晶、赤牛などなど、これだけ見える素晴らしい展望で、かつ山頂が広くてくつろげるという、文句なしに今まで行った山でも最高の眺め。心なしか他の登山者もテンション高かったり、腰を据えてのんびり眺めを楽しんでいたり、良い山だった…名残惜しく双六へ。ピークの丸山を越えて登り返して双六岳へ。この辺りも稜線がカッコいい。例のだだっ広い稜線は双六岳から双六小屋の間にある。丸い稜線と槍の対比が面白いところ。
双六岳の巻道と合流して少し下るとようやく双六小屋。小屋前にテーブルが豊富にあって小屋も広くて綺麗。泊まりたかったけど持ち金の都合もありテント場へ。池のほとりにあるテント場で、樅沢岳と双六岳に挟まれた鞍部だからか風が強いところらしい。幸いこの日は風が全くなかった。三俣山荘で会った人達にここでも会いしばらく話し。この広い山域で何回も会うっていうのが面白い。寒くなりそうだったので早めに夕飯にする。そして夜は寒かった。身の危険を感じるくらい。持ってるもの全部着込んだけど、もう冬装備じゃないとだめだね。なんとか明け方まで生き延びた。
【5日目】
朝は結構風が強かった。ここまで来たし樅沢岳から西鎌尾根を見たくて朝一で登った。風が強くて気温が低いから、体感は完全に冬。夏手袋をしてても指先の感覚がなくなってくる感じ。山頂からはカッコいい眺めだった。槍へ向かう人には通過点だろうけど、いつかここを通って槍に登ってみたいと思えた。
テント場へ戻ってテントを片付けて新穂高へ。てっきり下るだけかと思ったら、弓折乗越までは結構登り降りがあって、4日登ってきた身には応える…尾根に上がってからはどんどん近くなって屏風のようにそびえる槍穂高がとてもカッコいい。弓折岳まで行ってこの光景とも見納めして、鏡平山荘へ。曇ってたし暑くなかったからどうかなと思ったけど、かき氷やってた!この山荘も綺麗そう。トイレもめっちゃ綺麗でちらっと見えた中の洗面台とか下界のかと思った。
その後はひたすら下り。これ登りは相当ヤバいんじゃないか。雲ノ平の直登とか鷲羽岳とか岩苔小谷の登りとかよりも、この下りが一番きつかった…なんとか下りきってわさび平小屋で腹ごしらえしたら新穂高まで一踏ん張り。これも結構長かったけどなんとか到着。バスの時間もあり、平湯で温泉入って帰った。バスターミナル近くのひらゆの森はおすすめ。露天風呂の数がめっちゃ多くて、森の中で温泉入ってる感じ。
タイミングもあり前から憧れていた雲ノ平に今回思い切って行ってきた。槍穂高を常念からこの前見たわけだけど、その向こうにとんでもない光景が広がっていたとは、本当行って良かった。中でも三俣蓮華岳の眺めは一生心に残る光景だった。まとめてたらもう行きたくなってきた…⛰
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