下ノ廊下〜北方稜線〜劔岳〜雷鳥平〜黒部平
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- GPS
- 80:00
- 距離
- 44.2km
- 登り
- 4,997m
- 下り
- 4,916m
コースタイム
10/6 6:20 起床 -7:30(トロリーバス)7:46 黒部ダム 7:55-8:53 内蔵助谷 9:10-
10:10 新越沢 10:32-11:40 白龍峡 11:54-12:40 十字峡 13:00-13:55 半月峡
14:03-14:54 仙人ダム 15:15-16:03 阿曽原小屋(泊)
10/7 3:50 起床 5:10-6:14 仙人ダム 6:23-8:36 尾根頂上 9:00-9:25 仙人温泉
9:40-11:30 仙人池ヒュッテ 12:15-12:55 池ノ平小屋(泊)
10/8 3:30 起床 5:08-5:48 小窓雪渓 6:00-6:33 小窓 6:50-(6:45 雪渓ルンゼ通 過)8:25 三ノ窓 8:33-9:05 池ノ谷乗越 9:30-10:45 劔岳 11:30-13:22 剣山
荘 13:40-14:20 劔沢野営場(泊)
10/9 2:35 起床 4:003-5:35 雷鳥平 5:50-7:14 一ノ越 7:30-8:00 東一ノ越
-9:50 黒部平 10:06-11:00 ロッジくろよん-11:15 黒部ダム 11:35(トロリー
バス)11:50 扇沢
天候 | 10/6 快晴 10/7 晴れのちガス 10/8 晴れのちガス 10/9 雨のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
紅葉シーズンとあってアルペンルートは混んでいたようです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎下ノ廊下…工事は入っていましたが、完全通行可 新越沢出合左岸に巨大雪渓あり。通行の妨げにはなりませんけど… 仙人ダムが不思議な感じでした。近代遺産指定で見学もできるようで す。 地図を07年のものを持参したところ、阿曽原峠から仙人温泉までのル ートが廃道となっていました。 ◎仙人池まで…急です…梯子です。仙人谷に大した感じではないですが、ブリッジ をくぐるところありました。 今山行で仙人池が紅葉のピークだったそうです。2日前は仙人峠辺 りだったそうで…毎日見ていると違うそうです。 ◎池ノ平まで…問題なし。北方稜線の情報が聞ける。 ◎北方稜線 小窓まで…鉱山道は展望台から先がいわゆる経験者ルート 意外によく踏まれている。ペンキ印多し。目印の滝を過ぎてしばらく トラバースし続けました。 朝早かったので雪渓はカチカチでした。傾斜はありませんがアイゼン 使用 三ノ窓まで…盛夏はお花畑であろう中の踏み跡トラバース、直角に折れルンゼ状 を登り、スラブの草付き帯に出る。このあたりがどこでも歩けそう なのでガス時は迷うと思います。 しばらく上へ上へ進み、トラバースになると沢状を2か所通過する。 2本目のみカチカチの急雪渓あり。ほんの3〜4mくらいの距離だが アイゼン着用、上部にシュリンゲがあるので補助ロープで振り子ト ラバースでもありか? 小窓ノ王の基部手前を上へ向かうと、稜上に出る。出たところが発 射台の下り、結構がれている。下った先を少しの登りで三ノ窓 池ノ谷ノ頭まで…池ノ谷ガリーは石がただ乗っているだけという感じ。各所にトレ ースあり、どこを登ろうか迷う。石のない砂の露出が登りやすか った。 ひたすら登ると池ノ谷乗越、狭い。長次郎雪渓側見える。 チムニー状の岩溝を登ると池ノ平ノ頭 自分はここが一番好きだった。 劔岳まで…自分的にはここからのルート判別が難しかった。 長次郎雪渓側を巻きながら進むつもりが、つい歩きやすいところを行 くと、行き詰ってしまう。ガス時は迷いやすそう。 長次郎ノ頭はトラバースしているつもりが、懸垂ルートに出てしまっ た。思ったよりも岩峰の下側に向かって行くようだ。 懸垂支点のところから長次郎側にザレを下る。ほかに登山者がいた場 合、戻って巻き直した方がいい。結構崩れる。 これを越えるとピークまでは踏み跡はっきりしている。 久し振りの劔、鎖が新規一掃され避難小屋も基礎のみとなり、ハングルの看板も目立ち、登山者が多いことを思わせてくれていました。 ◎一ノ越〜ロッジくろよんまで 東一ノ越までは下り加減の良く踏まれた道。台風の影響もあったと思うが東はとても風が強かった。 タンボ平の下りも問題なし。普段アルペンルートを使っているのでとても新鮮な風景。黒部平からダムはヒバやブナの大木があり、何の問題もないルート。一番ここが落ち着いたかな?? |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
劔北方稜線、なんと響きのいい名前なんだろう。
この憧れの稜線を縦走できたことは、まさに感動!!達成感はこの上なし。
さらに下ノ廊下…ここにも行ったこともなく『全部つなげちまえ!』という感じで計画する。そうそう、ついでに東一ノ越も通ったことないし…交通費浮くし…
台風も接近しているようで、どちらが早いか競争だっ!!てなことで、一周ルートを敢行した。
10/6 下ノ廊下は結構混んでいる。みんなこの後どこへ行くのだろう?退屈な川沿いの道は、鳴沢小沢を過ぎたあたりから高度感が出てくる。新越沢出合の滝は50mくらいあろうか?ここを遡行した記録を見たことがある。狂ってるとしか言いようがない。
この先から退屈だなんて言ってられない道になる。時たまザックが岩に引っかかり、番線がずっと張ってあって良かったと思うときもある。
別山谷付近でパトロール中の警備隊と遭遇、池ノ谷ノ頭から先で稜線を外して歩けと情報を得る。
冬は牛首尾根から十字峡に懸垂して黒部川を渡るということから、もっと静かに水が流れているかと思ったら、全くの真逆。展望台からの十字峡は豪快だった。
半月峡付近から道は狭くなり、高度感もかなりある。右岸に黒四発電所の建造物を見ると、谷が浅く開けてゆき東谷出合の吊り橋で右岸に渡る。山道と思っていたのでかなり意外。さらに仙人ダム施設内トンネルを通過し、高熱隧道を渡るという
意外なコース取り。こんなところに鉄道を通してしまうなんて人間はすごい。
再び登りとなり、崩れかけたTNを通過して阿曽原温泉に向かう。地図が古く、小屋のおやじに聞けば、直接仙人温泉に上がる道は廃道になったとのこと。
初日から温泉に入ったらだれるかなと思ったが、じゃあここに近いうちに来るかと言われれば、それは違う。速攻入浴!!硫黄臭はTNのほうが強かった。風呂に脱衣所も電灯もなく、星がとてもきれいだった。
/7 再びダムへ戻り、雲切新道へ。急登、急登、汗だくになり尾根頂上。雲切谷の滝は見事に多段で落ち込んでいる。上部の紅葉は素晴らしく、仙人温泉小屋のおやじには絶対仙人池に寄れと言われた。
仙人谷を数度渡り返しながら高度を稼ぐ。傾斜が落ち仙人池ヒュッテに着くと、ここでも小屋番がゆっくり景色を楽しんでくださいと言っている。
そんなに勧める理由は…って、すごすぎる!!感動の鳥肌が立ったのはこの時が初か?今日は池の紅葉がピークらしい。昨日までは仙人峠辺りだったらしい。そんなに変わるもんか?
GWには来たことがあったが、紅葉はさらに素晴らしい。裏劔すごすぎる。まるでヨーロッパに来ているようだった。明日はあのどこを登るんだろうか?
三ノ窓まで入るのを諦め、池ノ平で幕営。台風が来ているらしく天気が心配だ。
ここまで来て二股経由になってしまったら…でもそれはそれで仕方ないか。池に降りて木道で昼寝する。
この日の行動を結構安易に考えており、5時間くらいかと思っていたが、阿曽原温泉のおやじには「8時間」と言われた。まさにその通り。すごい勘だ。
/8 前日午後、かなり曇ってきたので『終わった…』と思っていたが、ラジオやテレビの天気予報は今日一日の天気は保障された感じだった。
鉱山道をしばらくで小窓雪渓に至る。朝も早く、せっかくアイゼンも持ってきたので使うことにする。以前スキーで来た時の印象と同じで、傾斜はない。小窓に着くと毛勝三山が見える。
夏はお花畑であろうトラバースの踏跡は、すぐに登りとなる。小窓ノ頭はどこだかわからない。岩ルンゼ状を越えるとスラブの草付き帯となる。上越の沢登りのようで気分いいが、ガスったらルートはわかりづらいはず。時折ペンキ印なんかもある。小窓ノ王がすごい迫力で正面に見える。まさに王だ。文献で見かける雪渓2本は手前は解けており、先はカチカチの急傾斜で目に入る。この時期であれば岩を下まで下り、雪の付いていないところをたどっても可能かと…
危険なことはしないのがモットー、当然アイゼン着用。重くても安全なら、その重さは誤差である。逆ルートの人がピッケルのみで通過したと言っていたが、すごい。
小窓ノ王の基部を行くのかと思っていたらば、一本ガレ沢を挟んで上部へ行く。稜上が肩で、日本海方面の展望が広がる。そして発射台の下りへ。
思ったよりも不安定、池ノ谷ガリーを正面に見ながら踏み跡通りに三ノ窓へ下る。ガリーは壁か?と思うくらい急に見える。チンネも素晴らしい。
少しの登り返しで三ノ窓、ここもあこがれの地である。スキーで挑戦したこともあったが、八ツ峰方面からの雪崩攻撃で中退していた。しかし『窓』とはよく言ったものだ。ちょっと声を出したり、石が動いたりするとかなり響くほど両側が迫っている。池ノ谷は真っ直ぐに伸びて標高を落としている。よく、積雪期のこの周辺の写真を見かけるが、一体どうやって登ってくるのか?半分冬羽になった雷鳥が近づいてきた。
ガリーは至って不安定、しかも異状に…どこでも行けそうだが、石のない踏み跡部分が比較的歩きやすかった。中間部より上にガリー内に大岩があるが、ここから上の方が安定していた。下りに使う方が嫌かな。
池ノ谷乗越に着くとなぜか安心した。あの狭さ、学生の時に使っていた『ダンロップ』に共通する感じ…大きなエスパースは先輩たちの家、虐げられた下級生は狭いダンロップ、いつしか広い所では落ち付かない体になっていたのか!? 犬か?
両側の岸壁額縁にはまった写真のような針の木方面の景色が素晴らしい。
15分ほどチムニー状というか溝状の岩登りで池ノ谷ノ頭。今山行でここの眺めが一番好きだった。
これで核心は終わったかな、なんて思っていたら甘かった。踏み跡状がなくなった時の見定めがポイントとなりそうだ。でも、単に見落としたのか??ガスったらちょっと厳しいと思った。
ルーファイ、トラバース、ガレ等々結構気を使った。気を使ったはずが長次郎ノ頭の巻きで、懸垂ルートに出てしまった。この手前で登山者とすれ違って確認していたのに、何やってんだ俺…支点の手前のガレを落石しないように下り、下部に見えていた踏み跡に合流する。コルから復習すると、もう少し下の方を巻いて、シュリンゲをつかむところに出なくてはならなかったみたいだ。反省。
劔本峰までは普通の岩稜帯登り、薄曇りの元、台風の影響もなく頂上に到着。久々の劔、360度の風景を堪能した。
ここから先が長かった…多分緊張感が切れたのか、まだ切らしてはいけないところなのに。『帰るまでが遠足です』の境地だ。鎖や梯子が新しいものに一掃されていた。避難小屋は基礎だけを残してなくなっていた。
明日は絶対影響ありと思っていたので、雷鳥平まで下る予定でいたが警備隊で天気を聞いてからにしようと、剣山荘前を出発。警備隊で確認すると、午前中は何とかなりそうで、御前で強風なら稜線をやめて室堂経由にすればと言われ、ノンポリの自分が嫌だと思いながら、そそくさと劔沢で幕営実施。幕営料なし、水は雪渓融水。
/9 風が強くなっているが星はまだ見えていた。4時くらいに出発したが別山乗越で雨が…こうなると何故昨日、雷鳥平まで下っておかなかったのか?と自問自答してしまう。
文明の利器が近づく室堂方面はとても危険だ。公共交通機関への思いが揺れる瞬間だ。でも今日は負けなかった!今月、この先の山行回数を考えたら、トロリーのみで抑えなくてはならない。厳しいサラリーマンの現状、アルペンルート使用=死を意味する。
一ノ越、東一ノ越とともに強風ですごいことになっていたが、タンボ平へ向けて下り始めると風も収まる。スキーの下見よろしく、思ったよりも進んでいない紅葉を見ながら歩く。ロープウェーは運行しており、見やすそうな位置から手を振るもノーリアクション…熊でも出そうな静かな登山道を黒部平まで下る。
さらに黒部湖まで歩き始める。東から全体を通して踏み跡バッチリ、同じことを考えている人が少なくないことを物語っている。
少し歩いてはブナの実を拾って食べる。最後の区間は巨木がルート脇に多く、雰囲気も良い。ここが一番落ち着くロケーションだった。ただ、学校登山の180人通過には参りましたが…
ダムはもう下界、3日ほどで紅葉の雰囲気もずいぶん変わったように見えたのは、仙人池での一言に影響されたから??決められたルートを歩かされている感が少ない北方稜線、楽しかった。やりきった感一杯のまま、大町温泉へ急いだ。
来週以降はどこへ…
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