阿弥陀岳 南稜・中央稜【南稜P3・P4リッジ登攀】
- GPS
- 08:41
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,259m
- 下り
- 1,233m
コースタイム
天候 | 晴れ、山頂付近はガス 暑くもなく、寒くもない良コンディション |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
踏み跡は明瞭すぎるくらい明瞭です。 南陵P3、4とも直登しない場合は巻けます。 P4は特に上部分の岩が脆いです。 大きめの岩でも高確率で動きます。結構落石します。途中ハーケンが打たれていました。 中央稜を下山で使用する場合は1箇所ルートミスしやすい地点あり(通称「タオル」地点)。 踏み跡が錯綜して判りにくいですが、下山方向に向かって左に下降点があります。 誤って直進するとドン突きが15〜20mの岩崖、クライムダウンは困難かと思われます。 |
写真
装備
個人装備 |
メット
ハーネス
グローブ
セルフビレイコード+カンツキ(PAS等)
ビレイ器(セカンド確保機能付き)+カンツキ2枚
スリング120cm+ビナ×2
スリング180+カンツキ×1
スリング240+カンツキ×1
捨て縄120+フリクション細引き2本+ビナ×1
ヌンチャク×3(1つはアルヌン)
ナッツキー
登山靴
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共同装備 |
8.6mm50mロープ1本
カム・ナッツ・トライカム各種
|
感想
ご縁が有って今回もhirosioさんと阿弥陀岳南稜へ。無積雪期にこのルート辿るのは恐らく7年振りになると思います。
美しい樹林帯から高度を上げ、険しい岩尾根を登攀し標高2805mの山頂を目指す。冬季であれば通常1泊を要するルートです。
無積雪期は日帰り可能で、加えて冬季では通常トラバースするP3、P4リッジの登攀を楽しむ事ができます。
クライミングギアの重さにヤラれながら急登を登り、立場山を過ぎ青ナギに至れば眼前に広がる阿弥陀岳の姿。そして奥は権現岳から編笠山へ連なる南八ヶ岳の山々。
さらに急登は続き、無名峰でようやく南稜の末端へ。クライミングギアを身に着けながら見上げる南稜は、いくつもの岩峰が折り重なり、さながら岩の要塞を思わせる眺めに緊張感が高まります。
そして南稜を進み、赤岳や横岳を眺めながらのP3、P4のリッジの登攀は、美しい景色と高度感の中、ロープを結びあった仲間と共に岩場を攀じる、クライミングの喜びを感じる素晴らしい時間です。難易度的にも登山靴で登るのならこれ位までかな?という感じの快適さです。
クライミングを終えて阿弥陀岳の山頂へ、全周に広がる山々の景色が最高のご褒美となります。この日はガス多めでしたが、それでも赤岳は時折その姿を見せてくれました。3000m近い標高特有の日差しと空気、肌で感じるこの感覚は、何度体験しても新鮮な気持ちの良さです。
今回の山行では仲間の成長を感じ、嬉しい出会いにも恵まれ、実りの多い素晴らしい一日となりました。
hさん今回もありがとうございました。次回もまたよろしくお願いします。
以下再訪に備えた備忘録です。
●P3リッジ
卦蕕魃曚┐覆つ度で素直にリッジを登って行くルート。クラックが無いので支点はピナクルにスリングで取る。離陸してすぐの出っ張り岩下部に残置ピトン有り。またこの岩はザック引っかかり注意。
そこをクリアし一旦傾斜が緩んだ後、少し立った部分を登り切った所が終了点。リングボルトが有るが怪しいので、加えてピナクルにスリングで終了点を作る。その為240cm、180cmのスリングをそれぞれ各人1本ずつは携行したい。
その先は歩きのピッチとなるが、先ほどの終了点を見送って先までロープを引くと激重になるしコールも届かなくなるので注意。
歩きピッチから尾根上の歩きとなり、一か所直登困難な大岩は左から巻く。右からも巻けるが微妙なチムニーで良くない。しかも下が立場川の支沢へ急激に落ち込んでいてとても怖い。
●P4リッジ
靴鯊腓く越えない印象だが、ラインの屈曲による横方向のムーブや、右側が大きく落ち込む高度感や部分的な不安定さからプレッシャー的には-を感じる。P3リッジと比較すると明らかに難易度が高い。
離陸時にキャメC4#1で支点が取れる。右上トラバースムーブを起こす前に上のクラックに支点を取る場合(取らなくても登れるが、万一落ちたらグランドする)はマイクロカム(キャメX4#0.1か#0.2)が必要。
弱点を繋ぐと右側の凹角伝いに回り込む形になるが、残地ピトンやリングボルトが4〜5個有るので、ルートとしてはこれで妥当な印象。中盤部分に大きな岩でも動く不安定な場所が有るので注意。
ロープの流れが悪くなるのでアルヌンを4〜5本程度、カムの場合も延長したいので120cmスリング+ビナを2つ程持って離陸したい。通常のヌンチャクは1〜2本で十分。ってかほぼ使わない。
こちらの終了点はハンガー等は見当たらないので自前で作る。左の縦クラックににキャメC4#0.75、右の横クラックにキャメC4#0.3〜0.5が使えるが、右の横クラックはハンバーガーみたいな岩なので、ガチに荷重が入るとパカッと岩が開く可能性も考えられる。
付近の岩も不安定な重なり方に見えてカムを選択したが、岩を探しつつ少し前進し、岩にスリングで支点を取った方が良いかもしれない。コールが良く通る崖際のこの場所は、足元にガレが堆積しているのでセカンドビレイ中の落石に注意。
阿弥陀岳山頂へは左へ巻き降るとザレガレなので尾根上を行く。山頂直下の大岩は右から巻き山頂へ。
●中央稜
踏み跡明瞭だが、樹林帯に入ってから1箇所だけ迷いポイント有り。尾根上から唐突にルートが左(南東側)へ曲がるが、迷い踏み跡も残っていて判り辛い。
尾根上の迷い踏み跡をそのままトレースすると、岩壁の上に出てしまい、懸垂下降を強いられる。
おかしいと思ったら引き返すと、ピンクリボンに気付く。年代物のタオルが目印として木に結び付けられていて(でも知っていないと見落とす判り辛さ)この場所を「タオル」と呼んでいる。
●松ヤニ
ハイ松の藪漕ぎでパンツやギアに松ヤニが付着するけど、エタノールを含ませた綿棒で擦ると取れる。
前週に引き続き、yamamoっさんとアルパイントレーニング。今回は八ヶ岳連峰、阿弥陀岳南陵のP3、P4リッジの登攀が主題です。
急登の先に見えた聳え立つ阿弥陀岳の岩稜。
…これは俺に登れるのか?と少々不安でしたが、たどたどしくも何とかP3をリード、P4はセカンドで登りきることが出来ました。
今回も次につながる経験値を得ることが出来た気がします。
また、同日に別PTで登られてたJochさんチームの皆さんに後ろから声援を貰ってとても心強かったです。写真もありがとうございました😊
そしてyさん、今回もメンターありがとうございました。感謝です!
また次回も宜しくお願いします!
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ありがとうございました〜!
P4楽しそうですね〜!
次回はこちらの投稿を参考にしてカム持参で行きたいと思います!
今度ご一緒よろしくお願いします!
以前からブログを参考にさせて頂いているので、今回初めてお会い出来て感激です。
P3では以前残置支点を見た記憶が有ったのに、今回見落としてレコからも抜けていましたが、jochさんのブログを見て修正することが出来ました。こちらも感謝です。
南稜は良いルートなので、機会があればまた再訪したいと思います。
計画中の件、こちらこそ仲間に入れて頂き感謝しています。
初見の岩場なので色々教えてください。ご一緒できる日を楽しみにしています。
久しぶりにお会いできてうれしかったです!(遅刻したのは結果的には良かった?笑)
P4ですが楽しかったですよ~、ぜひ次回はP4も楽しんでください
次回、よろしくお願いします~
私は怖かったのでスルーしました。
P3は出だし少々怖いですが、楽しかった記憶です。
ここは歩くだけでも楽しいですよね。
P4は右下側がガッツリとキレ落ちていて怖いですね。登山靴ではこれ以上は遠慮したい絶妙な難易度ですが、残置支点の数から過去に登った先人の姿が偲ばれます。
南稜は険しさと景色の素晴らしさ、標高とスケール感がバランス良く、再訪したくなる良いルートでした。
遠くない日にお会いできる事を楽しみにしています。今後とも宜しくお願いします。
阿弥陀南稜気持ちよさそうねえ
もう何年前だっけ?
P4の出だしが怖くて縮こまってたの思い出したわʕ º ᴥ ºʔ 今じゃぁP3も含めて登れる気がしないわ。
7年前、御嶽山噴火の噴煙が遠くに見えた年だよ。
中央稜のタオルもあの時と同じようにぶら下がっていました。
なにもかも懐かしい…。
もっさんのレコとても細かく書いてあるので参考になります!
沢ばかりで久しぶりの丘の上だけど登れるか心配(笑)
P4右下が切れてて怖いので、トラバース前に支点が取れればメンタル楽になります。
中央稜のルートミスポイントは僕らが先週、枝を拾ってこれでもかと通せんぼ作ってきたので、判りやすくなっていると思います。
天気も良さそうなので気持ちの良いクライミングをお楽しみください。
週末僕らは反対側でマルチです。またどこかでバッタリしましょう(笑)
近々南陵を登りに行く予定をしています
カム、スリング等の詳しい情報とても助かりました!
ありがとうございます❣️
初めまして!コメントありがとうございます。もう南稜は登り終えられたでしょうか?
拙いレコですがお役に立てたら幸いです。自分もルートやギアの情報等、皆さんのレコを参考にさせて頂いているので誰かの役に立てていることを知れて嬉しいです。
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