本日のスタートはここから。実は、前日までお隣の初狩駅から鶴ヶ鳥屋山に登る予定だったのだが、友人に話したところ「先週の連休中に死者が出たらしい」との報。事故があったばかりの山に登るのもちょっと気が引けたので、急遽計画を変更し以前から気になっていた笹子雁ヶ腹摺山に登ることにしたのだった。
0
3/25 7:41
本日のスタートはここから。実は、前日までお隣の初狩駅から鶴ヶ鳥屋山に登る予定だったのだが、友人に話したところ「先週の連休中に死者が出たらしい」との報。事故があったばかりの山に登るのもちょっと気が引けたので、急遽計画を変更し以前から気になっていた笹子雁ヶ腹摺山に登ることにしたのだった。
駅に着いてトイレに寄っている間にバスが出てしまった(というか時刻表通りであれば絶対に間に合わない)ので、国道20号沿いを登山口まで歩く。バスに乗れていれば「新中橋」というバス停まで運んでもらう予定だった。まあ、もとより期待はしていなかったが。
0
3/25 17:09
駅に着いてトイレに寄っている間にバスが出てしまった(というか時刻表通りであれば絶対に間に合わない)ので、国道20号沿いを登山口まで歩く。バスに乗れていれば「新中橋」というバス停まで運んでもらう予定だった。まあ、もとより期待はしていなかったが。
馬頭観音がひしめき合う奇妙な情景。この一角で馬が頻繁に死んでいたとは思えないので、沿道の開発の折りに移設されてきたものだろう。馬頭観音は移設したら意味ないんだけど…え?破壊されなかっただけマシ?
0
3/25 7:58
馬頭観音がひしめき合う奇妙な情景。この一角で馬が頻繁に死んでいたとは思えないので、沿道の開発の折りに移設されてきたものだろう。馬頭観音は移設したら意味ないんだけど…え?破壊されなかっただけマシ?
自分はよく取り付きで迷うのだが、今回も登山口を入ってすぐのこの場所で迷った。地図の通り左の尾根を目指すか、しかし右手にも道が見えるような…そうしたら右手の斜面の上から、親切な地元の方が「道はここだよ!」と声をかけてくれた。感謝。
0
3/25 8:22
自分はよく取り付きで迷うのだが、今回も登山口を入ってすぐのこの場所で迷った。地図の通り左の尾根を目指すか、しかし右手にも道が見えるような…そうしたら右手の斜面の上から、親切な地元の方が「道はここだよ!」と声をかけてくれた。感謝。
結果的に言えば、左の尾根を目指してもこの鉄塔の少し手前で道は合流する。ちなみに右の道は少し荒れていたが、大月市の設置した道標があったので、市としては右の道がご推薦なのかな?
1
3/25 8:31
結果的に言えば、左の尾根を目指してもこの鉄塔の少し手前で道は合流する。ちなみに右の道は少し荒れていたが、大月市の設置した道標があったので、市としては右の道がご推薦なのかな?
「恩」の文字が刻印された石票。明治時代、この一帯が「御料地」であった名残だ。明治44年に御料地は山梨県に下賜され恩賜林となったので、その頃に埋設されたものだろう。
0
3/25 9:02
「恩」の文字が刻印された石票。明治時代、この一帯が「御料地」であった名残だ。明治44年に御料地は山梨県に下賜され恩賜林となったので、その頃に埋設されたものだろう。
樹林の隙間から目指す笹子雁ヶ腹摺山がちらちらと見える。登山道には雪はまったくなく、気温もぐんぐん上がってきたので、早々に着ていた上着を脱いで半袖になった。それでも汗が噴き出すほどの陽気…
0
3/25 9:05
樹林の隙間から目指す笹子雁ヶ腹摺山がちらちらと見える。登山道には雪はまったくなく、気温もぐんぐん上がってきたので、早々に着ていた上着を脱いで半袖になった。それでも汗が噴き出すほどの陽気…
ヤマレコ等でもよく見かける、電波反射板。無給電中継装置というものの一部らしい。防災無線などに活用される施設のようだ。
0
3/25 17:15
ヤマレコ等でもよく見かける、電波反射板。無給電中継装置というものの一部らしい。防災無線などに活用される施設のようだ。
笹子雁ヶ腹摺山に到着。標高1,357.7メートルピークで、三等三角点(点名:黒川)がある。なぜ点名は黒川?黒岳という別名はあるらしいが。なお、古くは「御殿」「笹子御殿」などと呼ばれていたらしい。一説によれば、もともとは笹子峠のことを「雁ノ腹摺」と呼んでいたのが、いつの頃からかこの山のことをそう呼ぶようになり、この近辺に「雁ヶ腹摺山」と呼ばれる山がいくつもあったことから、頭に村名を冠して名付けたという。
0
3/25 17:15
笹子雁ヶ腹摺山に到着。標高1,357.7メートルピークで、三等三角点(点名:黒川)がある。なぜ点名は黒川?黒岳という別名はあるらしいが。なお、古くは「御殿」「笹子御殿」などと呼ばれていたらしい。一説によれば、もともとは笹子峠のことを「雁ノ腹摺」と呼んでいたのが、いつの頃からかこの山のことをそう呼ぶようになり、この近辺に「雁ヶ腹摺山」と呼ばれる山がいくつもあったことから、頭に村名を冠して名付けたという。
気温が高かったので少々靄が出てぼやけているが、さすがに秀麗富嶽十二景。富士を望む景観は素晴らしい。
4
3/25 9:24
気温が高かったので少々靄が出てぼやけているが、さすがに秀麗富嶽十二景。富士を望む景観は素晴らしい。
このピークからは南アルプスの峰々も大きく望むことができる。ちなみに大月市からここまで登ってきたわけだが、このピークおよびこの先の尾根筋は甲州市(旧東山梨郡大和村)との市境となり、登山者は両市を出たり入ったりすることになる。
2
3/25 9:24
このピークからは南アルプスの峰々も大きく望むことができる。ちなみに大月市からここまで登ってきたわけだが、このピークおよびこの先の尾根筋は甲州市(旧東山梨郡大和村)との市境となり、登山者は両市を出たり入ったりすることになる。
なんと、米沢山方面への道は残雪に埋まっていた。急斜面なので無理をせずここでアイゼン(6本)を装着。この先雪が消えたり現れたりするたびに、着脱を繰り返すこととなる。
0
3/25 9:32
なんと、米沢山方面への道は残雪に埋まっていた。急斜面なので無理をせずここでアイゼン(6本)を装着。この先雪が消えたり現れたりするたびに、着脱を繰り返すこととなる。
詳しい場所はルート図を見て頂きたいが、米沢山の手前にとても展望の良い場所があった。登山道からはちょっと外れているが、今回一番の展望を得られた場所がここだった。
0
3/25 10:05
詳しい場所はルート図を見て頂きたいが、米沢山の手前にとても展望の良い場所があった。登山道からはちょっと外れているが、今回一番の展望を得られた場所がここだった。
同所にて笹子雁ヶ腹摺山を振り返る。こうして見ると、斜面の向きによって残雪の有り無しがはっきりしている。なお、「御殿」という別称はこの台形の山容が御殿の屋根のように見えることから付けられたそうだ。
1
3/25 10:06
同所にて笹子雁ヶ腹摺山を振り返る。こうして見ると、斜面の向きによって残雪の有り無しがはっきりしている。なお、「御殿」という別称はこの台形の山容が御殿の屋根のように見えることから付けられたそうだ。
ちょっとした岩場があり、鎖がかけられている場所もあったが、斜度は大したことはないので、雨などの悪コンディション時以外はお世話になることは無さそうだ。
0
3/25 10:13
ちょっとした岩場があり、鎖がかけられている場所もあったが、斜度は大したことはないので、雨などの悪コンディション時以外はお世話になることは無さそうだ。
米沢山に到着。笹子雁ヶ腹摺山とほぼ同じ標高1,357メートルピーク。その差わずか70センチ。偶然とはいえ奇跡的な一致だ。この山にも別称があり、その名を「ヨゲ沢山」「矢平(ヤダイロ)」という。米沢山という山名は、前者が変化したものかも知れない。
0
3/25 17:26
米沢山に到着。笹子雁ヶ腹摺山とほぼ同じ標高1,357メートルピーク。その差わずか70センチ。偶然とはいえ奇跡的な一致だ。この山にも別称があり、その名を「ヨゲ沢山」「矢平(ヤダイロ)」という。米沢山という山名は、前者が変化したものかも知れない。
残雪の残る峰々を振り返る。南アルプスはまだまだ雪山の様相だが、この付近は次第に雪が消え、夏山シーズンを迎えようとしている。
1
3/25 11:02
残雪の残る峰々を振り返る。南アルプスはまだまだ雪山の様相だが、この付近は次第に雪が消え、夏山シーズンを迎えようとしている。
お坊山に到着。標柱には1,421メートルと書かれているが、実際にはここは標高1,430メートルピークである。この山は3つのピークから成っており、ここは中央峰。西峰はやや低く1,412メートルで「トクモリ」と呼ばれ、東峰は1,421メートルのその名もズバリ「東峰」である。実はここにある標柱の1,421メートルは東峰のそれであるが、古くは東峰を「お坊山」と呼び、中央峰を「門井沢ノ頭」と呼んでいたことから発生した誤謬であろう。
0
3/25 17:26
お坊山に到着。標柱には1,421メートルと書かれているが、実際にはここは標高1,430メートルピークである。この山は3つのピークから成っており、ここは中央峰。西峰はやや低く1,412メートルで「トクモリ」と呼ばれ、東峰は1,421メートルのその名もズバリ「東峰」である。実はここにある標柱の1,421メートルは東峰のそれであるが、古くは東峰を「お坊山」と呼び、中央峰を「門井沢ノ頭」と呼んでいたことから発生した誤謬であろう。
今回は東峰へは行かないので、ここから大鹿峠へ下降する。ここでアイゼンを再装着。ところで、お坊山の山名の由来として「昔、笹子に住んでいた娘が、恋に破れて池(葦ヶ池)に身を投げ、その怨霊が大蛇となり、旅人を悩ませていた。そこに通りかかった親鸞(しんらん)が娘の怨霊を鎮めた」という伝説があるそうだが、親鸞がお坊さんだからお坊山なんだろうか。山との関連もよくわからない。
0
3/25 11:08
今回は東峰へは行かないので、ここから大鹿峠へ下降する。ここでアイゼンを再装着。ところで、お坊山の山名の由来として「昔、笹子に住んでいた娘が、恋に破れて池(葦ヶ池)に身を投げ、その怨霊が大蛇となり、旅人を悩ませていた。そこに通りかかった親鸞(しんらん)が娘の怨霊を鎮めた」という伝説があるそうだが、親鸞がお坊さんだからお坊山なんだろうか。山との関連もよくわからない。
この辺りが一番積雪が深かった。比較対象として約100センチのステッキを置いてみたが、同等かそれ以上の深さがある。この時点ではまだ午前中だから歩きやすかったが、午後になると踏み抜き地獄になっていたかも知れない。
0
3/25 17:27
この辺りが一番積雪が深かった。比較対象として約100センチのステッキを置いてみたが、同等かそれ以上の深さがある。この時点ではまだ午前中だから歩きやすかったが、午後になると踏み抜き地獄になっていたかも知れない。
大鹿峠に到着。別名を天神峠とも。なお、この場合の天神とは本日の終着点の景徳院ではなく、その手前(峠側)に現存する氷川神社を指すようだ。この峠からは道標にあるように笹子駅を目指すことも出来るが、今回は甲州市に降る予定なので、そちらには行かない。
0
3/25 11:38
大鹿峠に到着。別名を天神峠とも。なお、この場合の天神とは本日の終着点の景徳院ではなく、その手前(峠側)に現存する氷川神社を指すようだ。この峠からは道標にあるように笹子駅を目指すことも出来るが、今回は甲州市に降る予定なので、そちらには行かない。
大鹿山へは巻き道もあるが、三角点ピークをスルーしてしまうので、直登する。なかなかの斜度で、登り応えのある急坂だ。
0
3/25 11:49
大鹿山へは巻き道もあるが、三角点ピークをスルーしてしまうので、直登する。なかなかの斜度で、登り応えのある急坂だ。
登り終えるとすぐに大鹿山のピークに出る。標高1,236.1メートルピークで、三等三角点(点名:大鹿山)がある。この山名の由来は諸説あるが、単純に大鹿(伝承によれば百貫とも)にまつわる伝承が多い。その鹿を狩るために追い始めた場所が初狩(初狩駅の辺り)であったり、その鹿を持ち帰った場所が初鹿野(初鹿野駅…現在の甲斐大和駅の辺り)であったりと、この大鹿のエピソードは随所に見られる。なお、田野側(景徳院の辺り)では「雨沢ノ頭」と呼んでおり、単純に雨沢の源頭部に位置する山という位置付けで、鹿にまつわる伝承はない。
0
3/25 17:28
登り終えるとすぐに大鹿山のピークに出る。標高1,236.1メートルピークで、三等三角点(点名:大鹿山)がある。この山名の由来は諸説あるが、単純に大鹿(伝承によれば百貫とも)にまつわる伝承が多い。その鹿を狩るために追い始めた場所が初狩(初狩駅の辺り)であったり、その鹿を持ち帰った場所が初鹿野(初鹿野駅…現在の甲斐大和駅の辺り)であったりと、この大鹿のエピソードは随所に見られる。なお、田野側(景徳院の辺り)では「雨沢ノ頭」と呼んでおり、単純に雨沢の源頭部に位置する山という位置付けで、鹿にまつわる伝承はない。
「笹子村字大鹿御料地」の石票。御料地時代の物だから、相当に古いものだろう。冒頭で紹介した「恩」の石票より古い時代の代物だ。
0
3/25 17:28
「笹子村字大鹿御料地」の石票。御料地時代の物だから、相当に古いものだろう。冒頭で紹介した「恩」の石票より古い時代の代物だ。
ここからは景徳院方面に降るだけなので楽勝…のハズだったが、ここでまたしても雪。アイゼンを装着し降って行く。しかしこの一帯を越えれば、その後はアイゼンが必要な場所はなかった。
0
3/25 17:33
ここからは景徳院方面に降るだけなので楽勝…のハズだったが、ここでまたしても雪。アイゼンを装着し降って行く。しかしこの一帯を越えれば、その後はアイゼンが必要な場所はなかった。
これはいけない。わざわざこんな山の中腹にまでバッテリーを捨てに来るとは…その労力をほかの事に活かせないものかね。
0
3/25 12:24
これはいけない。わざわざこんな山の中腹にまでバッテリーを捨てに来るとは…その労力をほかの事に活かせないものかね。
最後の最後でルート選択を誤ったので写真を載せておく。この手すり付きの階段を下ってはいけない。かなり遠回りさせられてしまう。
0
3/25 12:50
最後の最後でルート選択を誤ったので写真を載せておく。この手すり付きの階段を下ってはいけない。かなり遠回りさせられてしまう。
階段の向かいにあるこの坂道が正解。よく見れば青テープもあるので、間違えないように…
0
3/25 12:51
階段の向かいにあるこの坂道が正解。よく見れば青テープもあるので、間違えないように…
自分はこの場所の左手から降りてきたが、この坂道から降りてくるのが正解。
0
3/25 13:03
自分はこの場所の左手から降りてきたが、この坂道から降りてくるのが正解。
景徳院はとても立派な建物だった。なんでも武田勝頼の墓所があり、500年以上の歴史を持つ寺院なのだそうだ。ちなみに建立当時は「田野寺」といったらしい。いつ、いかなる理由で名称変更をしたのか?しかも「景徳院」なんて随分と格好良いな。今回の終着点であるバス停はここから徒歩5分。バス停には休憩所があり、バスが来る時間までゆっくりと過ごした。
0
3/25 13:05
景徳院はとても立派な建物だった。なんでも武田勝頼の墓所があり、500年以上の歴史を持つ寺院なのだそうだ。ちなみに建立当時は「田野寺」といったらしい。いつ、いかなる理由で名称変更をしたのか?しかも「景徳院」なんて随分と格好良いな。今回の終着点であるバス停はここから徒歩5分。バス停には休憩所があり、バスが来る時間までゆっくりと過ごした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する