奥秩父主稜線Ω縦走
- GPS
- 18:14
- 距離
- 38.9km
- 登り
- 3,545m
- 下り
- 3,058m
コースタイム
- 山行
- 8:08
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:51
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 9:23
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
復路:甲州市民バス「落合」 |
コース状況/ 危険箇所等 |
茅谷尾根・岩岳尾根は東京都水道局管理道 石保戸山から藤尾山手前までは防火帯の気持ちの良い稜線 藤尾山の下りはルートファインディング要注意 |
写真
感想
1日目(5/4): 丹波〜将監小屋
丹波山村奥秋の民宿を4:50に出発し青梅街道(R411)を2卻發い拭20分で余慶橋に達し橋の袂の黄色い鎖を越えて登山道に入るとモノレールの始点になっていた。山梨県ながら東京都水道局の多摩川源流域の森を管理するための巡回用で設置されてまだ新しくレールはピカピカで小屋の中には座席や荷台のある車両が格納されていた。「単軌道」と称すようで略登山道に沿っている。登山道は丹波川を大きく高巻き断崖絶壁の峡谷に沿って進む。モノレールが上に上がって行ったが登山道は真っ直ぐ繋がっているのでそのまま進むと枝沢からロープで河原に下りているようだった。地図には河原に下りる所はない筈で引き返すとモノレールに沿って道が続いていた。
此はモノレールから離れてはいけないと学習し忠実に辿ると軈て河原に下り火打石谷に架かる橋を渡った。此の部分だけモノレールは軌道が外され傍らに置かれていた。橋を渡るとモノレールは山に登って行き車両基地に達した。この先も山を登って行くようなのでモノレールは捨てて小常木谷に沿って続く登山道を進んだ。橋が2本続き地形図とは違う。小常木谷を渡って直ぐに斜面を登りだす筈なのに右岸に渡った後また左岸に戻っている。様子見に暫く進むともう一本橋があり右岸に戻って登山道となり一安心。此の道も東京都水道局の管理する作業道のようで火打石谷の橋の処に「一般登山道ではありません。」との掲示があった。どうやら茅谷尾根の北側を徐々に高度を上げていくようで地形図とは微妙に異なっているが此の道しかないようだ。
単調な登山道で特に危険箇所もなく、標高1,320m位で稜線に達した。茅谷尾根から岩岳尾根にかけては険しい岩稜が続くが略全て巻き道がある。テント装備のザックが重く今日はピークハントの遊び心が湧かない。稜線唯一の“山”、岩岳(1,520m)は、地形図では南側を巻いているので注意を払っていると何と現地では北側を巻いていた。北東側の鞍部で現在位置を確認すると通り過ぎていることが判明した。此処は外せないので、ザックを置いて引き返すように山頂に向かった。山頂には3等三角点「岩岳」があり山頂標識も設置されていたが展望のない狭い山頂だった。元に戻り先に先に進むとP1515も南側を巻いていた。ハシカキノタルに到ると登山道の様相が変わり前飛竜へ向けての一貫した稜線歩きとなった。等高線が詰り、有るか無いかの踏み跡を便りに急登斜面を登って行った。標高が上がるに連れ樹木の隙間が広がり所々展望が開けていた。
ヘロヘロになりながら丹波からの一般登山道ミサカ尾根の露岩のピークに達した。360°展望が開け、前飛竜や飛龍山、奥秩父主稜線の山々、大菩薩嶺や雁ヶ腹摺山、その間には富士山が顔を覗かせていた。丹波からミサカ尾根を登ってきた男性が上がってきた。今山行初めての人との出会いだ。飛龍山に行って丹波に戻ると云う。前飛竜への稜線も岩場で険しく山頂に達するが小さな標識があるだけで展望は得られなかった。少し北側に開けた箇所があり、前方に見える飛龍山は大きく尾根が繋がっていないように見えた。鞍部からの登り返しは100m程あり、飛竜権現に達すると奥秩父主稜線の縦走路が巻くように付いていた。飛龍山へは此処からピストンで約80m登る。雲取山荘や将監小屋から来た人達も此処にザックをデポして飛龍山を目指した。15分程で飛竜山(2,077m)山頂に達したが最高所には何の表示もなく、80m程先の3等三角点「比竜」(2,069m)の置かれた処に山梨百名山の標識などがあった。
引き返して権現様の分岐で昼食を食べ、近くにある禿岩に立ち寄った。飛龍山は展望のない山なので個々の露岩からの展望は満足させてくれる。大菩薩嶺や雁ヶ腹摺山、富士山等が一望でき、此処で昼食を取る人も多くいた。登山道は飛龍山の西側を巻き大常木山(おおつねぎやま)との鞍部、“大ダル” (1,823m)に到った。大常木山(1,962m)の稜線に上がり竜喰山(2,012m)から将監峠まで縦走する予定だったが大常木山の斜面を見上げると意気消沈し、このまま将監小屋まで巻き道を行くことにした。地形図の点線道路GPSの軌跡は大きくずれる箇所があり地形図の修正が待たれる。巻き道とは云え、枝沢の度にアップダウンがあり決して平坦ではない。途中水の流れる谷を3本越えたが最後の竜バミ谷の枝沢は断崖で取水は困難なようだ。次の尾根の出っ張りで将監小屋が見えた。時刻は13:05、小屋まではまだ30分以上かかる。
13:40禿岩から約2時間の巻き道歩行で小屋に到着した。コロナの影響でまだ営業はしていないが小屋番は入り、テントの受付と飲料の販売はしていた。料金1,000円を払いビールと一緒にコーラを買うと何と800mlのボトルだった。昨日のテン場は大変な混雑だったらしく今日も傾斜のある通路に張る人や諦めて将監峠に行った人もいた。小屋番の話しでは秋頃に営業再開するそうだ。
2日目(5/5): 将監小屋〜落合
今日の行程は、落合から乗るバスが15:30一本しかないので安全策を取って明るくなるとすぐに歩きはじめた。テント場の人の中には何処に行くのか暗いうちに出発した人もいた。見通しの良い斜面を上の方に行くとすぐに将監峠に到り、小屋でテントを張れなかった人が幕営していた。笹原の気持ちの良い稜線に朝日が射し木々が輝き体に力が漲る。今日も行けるか!
山ノ神土(やまのかんど)に到ると笠取小屋への巻き道と和名倉山への道が分岐した。予定では此処から尾根に取付き西御殿岩に登るつもりだったが笹が覆い踏み後もないようなのであっさり諦め「←笠取山・雁坂峠」の指導標に従って進んだ。25分程歩くと西御殿岩への分岐に達した。山頂の西外れから折り返すように登るので今回は直登を目論んでいたのだが、前回同様の登路を辿った。分岐点に2つのザックがデポされていたが、この先の稜線歩きを目論んでそのままピークを目指した。稜線に達した処にザックを置いて西御殿岩(2,075m)に登頂した。ザックの主の男性が先客だった。
岩と云うだけあって360°の展望があり昨日登った飛龍山や雲取山、大菩薩嶺を従えた富士山、そして目の前には和名倉山が一際大きく聳えていた。和名倉山は将監小屋に連泊してピストンする人が多いが秩父湖へ向けて藪を漕ぐのが醍醐味だ。山頂展望を堪能して下りようとするとまた一人男性が登ってきた。皆将監小屋でテント泊した人達だった。デポ地点から登山道のない稜線に踏み出すと微かに踏み跡があり安心した。岩稜の小ピークを3つ程越えると正規の登山道が合流し唐松尾山へと進んで行った。唐松尾山(2,109m)は、今山行の最高峰で3等三角点「唐松尾」が置かれているが樹林で展望は得られなかった。先客がいたが挨拶が返ってこず気分を害した。軈て西御殿岩を先発した人が到着し、会話が成立し気分が晴れた。此の人より先着したということは稜線ルートが短絡ルートであることが証明された。
この先は稜線を忠実に辿りP2044等小ピークを幾つか越えると気持ちの良い笹原となった。鹿に食べられ余り育っていないので歩くには好都合だ。登山道左手に小高いピークがあり前回すっ飛ばしてしまった黒槐ノ頭(2,020m)でピークに立つと展望はないが有難いことに山頂標識が掲げられていた。此の間に唐松尾山で追いついた男性がまた先に行ってしまった。登山道に戻ってすぐ反対側に外れ黒槐山(2,024m)を目指す。此処も笹原の山で微かな踏み跡を辿って登頂した。小さな山名プレートがあり樹林越しに唐松尾山が望めた。北から西に湾曲する尾根を進み登山道に復した。
暫く行くと笠取山の取り付きに達した。前回は稜線ルートを歩いたので南側の巻き道を通り水干に立ち寄りたいので山頂に行ってここに戻って来ることにした。黒槐で先に行った男性のザックがデポされていたのでもしや同じようなことを考えているのでは? とザックを置いて再会を楽しみに登って行った。岩稜の小ピークを2つ3つ越え笠取山(1,953m)に達すると南側が開け富士山が望めた。ザックの主の姿はなくどうしたのだろう? 来た道を引き返し、一番東のピークから下山路の案内のあったので尾根を下るとシラベ尾根方面への下山路の分岐点に降り立った。ザックのデポ点に戻ると彼のザックは置かれたままだった。一体どうして? と思っていたら登山地図には山頂の更に西のピークに山梨百名山の山頂標識があるようでそこまで行っていたのだろう。
笠取山南の巻き道を進むと大きく括れた谷があり、地図に神社マークがあり、登山地図には水干(みずひ)神社と記されていた。現地には祠など神社らしいものはなく「水干」とだけ刻まれた石碑が立っていた。近くの案内板には、多摩川源流とあり一ノ瀬川から丹波川を経て多摩川となり東京湾に至る138劼硫論遒琉貪となる。但し此の地点には水はなく60m程下で“水場道”が付けられている。笠取山西の鞍部で山頂ルートが合流、笹原のピクニック広場のような風景の小高い丘に乗上がると"小さな分水嶺"で多摩川、富士川、荒川の3川を分けている。多摩川は水干沢ではなくその支流のようだ。一木もなく360°の展望で雄大な笠取山や雁峠の向こう燕山(つばくらやま)、古礼山、そして奥秩父主稜線の最高峰、北奥千丈岳(2,601m)や国師岳(2,592m)も望めた。
稜線の道と略並走するように木道があり笠取小屋に続いているが、稜線道を忠実に歩き、P1832を経由し笠取小屋を左下に見てヤブ沢ノ頭(1,802m)に達した。3等三角点「高橋」があり、三角点名を示す標識はあったが山名を示すものはなかった。ヤブ沢峠でダートな奥山作業道に出会い、2厖召蠅藁啼司發となった。鳥小屋分岐に達すると柳沢峠方面への道が右に分岐し、暫くすると林道も谷間に下って行った。
踏み跡の薄い稜線を南に進み石保戸山(いしやすどやま1,673m)に達した。3等三角点「石保戸」があり、休憩に持ってこいのベンチ岩もあった。昼食休憩を取り東への稜線を進むと幅20mもある防火帯の稜線となり、この先藤尾山の北尾根手前まで続き所々歩いてきた稜線や大菩薩嶺、鶏冠山が望めた。どこでも歩けるので防火帯に惑わされルートを外すことがないように要所でルートファインディングに努めた。東の鞍部に達し地形図通り点線道に出会うが、ノロカワ頭(1,511m')に立ち寄るため笹藪を漕いだ。直ぐに抜けだし倒木の斜面を上がったがピークには山頂を示すものは何もなかった。
北東側への下りは支障なく指入峠に到った。ノロカワ頭の西で交差した点線道は北側を巻いて来て再び出会った。林道もあり広々とした峠で二本楢へのS字稜線に取り付いた。二本楢(1,582m)山頂も何もなく、何度も折れ曲がりながら新犬切峠(1,378m)に下った。笠取山登山口の作場平への車道が交差した。此の地点に臨時駐車場が設けられ車が1台だけ止まっていた。作場平まではまだ3劼發△襦0譽寮イ悗瞭擦分岐し少し行くと犬切峠で林道が2本分岐、その脇の防火帯の稜線に取付き藤尾山(1,606m)を目指した。標高差が220mもあり最後に手強く、延々と歩いてきた防火帯の開けた稜線も終端を迎え、笹藪の中の踏み跡を辿った。鹿の食害にあい、枯枝が残るだけになっていたので問題なく歩けた。山頂西側のピークに乗上がると山頂は指呼の間、山頂に到ると3等三角点「天狗棚」がある。この山、別名を「天狗棚山」と呼ばれ三角点名が先か別名が先か悩ましい処だ。
最後の山だが展望はなく、随分予定時間を短縮できたのでゆっくり休んで下山に掛かった。西のピークに戻り南西尾根を下るが踏み跡がなく尾根を間違えないようコンパスを合わせ慎重に下った。何となく踏み跡か獣道が時々ありP1346に達した。しっかりコンパスを合わせて下って行くと獣害防止ネットがあり出入口の紐を解いて進んで行くと計6回も開け閉めを繰り返した。車の音が聞こえだすと断崖絶壁となりネットの出入り口を見つけ急な斜面を下って車道に下り立った。東京都水道局の出張所の向かいに山梨市民バスの落合バス停があり1時間20分バスを待った。柳沢峠を越え大菩薩の登山口や大菩薩の湯でも登山者が乗り込み立客も出て塩山駅に到着した。
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