栃木283山:016 高薙山 2,180.9m・024 於呂倶羅山 2,020.6m
- GPS
- 15:30
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,338m
- 下り
- 1,333m
コースタイム
天候 | 5/25 晴→雨→晴 5/26 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
【栃木283山】 016 高 薙 山 2,180.9m(日光市川俣) 024 於呂倶羅山 2,020.6m(日光市川俣) |
コース状況/ 危険箇所等 |
1,949mピークでGPSログが途絶えてしまいましたので、それ以降の経路は手書きとなります。そして更に1,982mビーク以降は、道に迷った遭難者の経路です。 ある程度予想はしてましたが... ところどころに踏み跡はありますが、明確な登山コース的なものはございません。一般登山道ではありませんので技量が問われるコースだと思います。 高薙山手前の崩落地帯を過ぎる辺りから、痩せ尾のシャクナゲ藪地帯に突入します。シャクナゲの藪を巻きたくなりますが、両サイドは、右も左も切込んだ崖なので、藪の中を突き進む以外に選択肢はありません、しかも所々に急登な箇所があります。上りの場合であれば、四つん這いになり慎重に登れば、なんとか通れそうですが、下りでは危険を伴うのでお勧めできません。 以外と、赤テープはありましたが、分岐点にはもちろん案内板等はなかったと思います。道に迷わないよう注意が必要です。 おじさんが日頃歩いている里の藪山とは基本的に標高が違うので、藪漕ぎ困難さの他に標高が高い分の難易度の高さが加わるので、体力、技量、経験値、が必要となります。 たとえば、天気の変化に対する対応力や地図読みや非常事態に対する適応能力など... おじさんのはレベルで来る場所ではございませんでした。 栃木100名山以外の栃木の山には危険な山があります。 |
写真
感想
016 高 薙 山 2,180.9m
024 於呂倶羅山 2,020.6m
山歩き中は、全く楽しむどころか忍耐の連続... 山登りと言うよりも修行でした。そしてやっとの思いで登頂出来ましたが、その代償は大きすぎでした...
高薙山については去年の7月、駐車スペースの下見の為に西沢金山跡に訪れました。
その時のイメージは、おじさんのレベルで登頂するにはとても重く感じました。
通常2,000m級の山々だと、おじさんのイメージでは、登山口に案内板があるはずなのにどこにもありませんでした。一般登山者を受け入れていない荒々しい藪山をイメージしました。
今まで登頂した藪山はどちらかと言えば標高が低い山だったので、そこに痩せ尾根と急登と厳しい天候条件が重なる事になるのだと覚悟しました。更に低山の場合は道に迷っても、標高を下げると林道や公道にアプローチしやすいのに対して、奥日光では遭難が待ち受けているという厳しい現実がプレッシャーになりました。
そんな事を考えるだけでも、無事登頂して無事下山出来るかどうか、という不安が過りました。
なのでゆっくり慎重に焦らず歩けるように、登山日の条件としては日照時間が長い5月〜7月の期間としました。そして日没前に下山できそうにない場合は、エスケープルートとして、於呂?羅山から山王林道沿いの於呂?羅山登山口に下山する事にしました。日没前に下山すれば、日没後でも山王林道をあるく事が出来るので、無事ゴール地点の山王林道治山碑まで戻ることが可能です。
好天の日に合わせ決行する事としました。
てんくら日光白根山は1日中オールAで、早朝から快晴でしたが、昼過ぎから雨で視界が悪くなり進む方向を何度となく間違え、時間をロスしてしまい、於呂?羅山に到着した時点で、予定時間を信じられないくらいオーバーしていました。
それでも、計画通りエスケープルートで下山すれば問題なく下山出来たはずでしたが...
於呂?羅山 出発する時点でスマホが雨に濡れて電源が入らなくなりGPS機能を見て現在地確認をすることが出来なくなりました。
今日は、雨対策が全く出来ずに、もろ影響を受けてしまいました(反省)
幸い赤テープの目印はあるので、テープを追って東へ尾根沿いに進み、実際には有るのか、無いのかはわかりませんが、於呂?羅山登山口方向の目印を見つけたら右折し南へ続く尾根沿いを下山しようと思い歩き出しました。
が... 東へと進んでいるつもりが、赤テープを見失い、気が付くと雪渓が見える場所にいました。全く何処にいるのかが分からない?
於呂?羅山を基準とした時に東へ東へと進み、有るのか無いのか解らない於呂?羅山登山口方向の目印に気付かないままかなり標高を下げてしまった。
「であれば、現在地は、於呂?羅山の東側ということになる!」
「目の前の雪渓に下り雪渓を下れば位置的にうまくいけば、山王林道もしくは西沢に合流し西沢金山跡にたどり着くはず!!」
結果的に西沢金山跡手前の谷底の沢で、日没を迎える事になりました。
ジタバタしても危険なので、諦めてビバークする事で決心し、日の出を待って下山する事としました。
そしてスマホが復活し、GPS機能のおかげで現在地が解りましたが、携帯の電波が届かない為、家族と連絡が出来ずに、家族に心配をかかたままビバークするという、とても反省しなくてはいけない結果となってしまいました。
ビバークするのは今回が初めてですが、考えてみると、今までは運が良かっただけで、皇海山クラッシックルート、奥袈裟丸山、他にもあったかも?は、ギリギリの下山だった、その時何かあったら、今日と同じ、もしくはそれより悪い結果になったのだろう... 今後は改めて考えなくては...
雨はいつの間にか止んでました。
雨で衣類がびしょ濡れ状態だったので、濡れた衣類を脱ぎ、ザックの中にあるシャツとウインドブレーカーを着てその上からレインウエアを着ました。
ザックの中に、副隊長殿から以前いただいた、レスキューシートがあった事を思い出したので、使うことにし、レスキューシートにうずくまり岩場に腰を掛けて、日の出までの一晩をその場で過ごす事としました。
日没後の谷底の沢は、真っ暗な寂しい世界でした。気温が一気に下がったのか、寒くて、寒くて、常に手足を動かしてました。日の出まで寒さとの闘いでした。
レスキューシートがなかったら凍死したかもしれません。
ここで改めて、「副隊長殿、レスキューシートありがとうございます。」「無事ビバーク出来たのは副隊長殿のレスキューシートのおかげであります。」
普段の日常では、朝が来るのがアッという間の出来事ですが、人生の中で一番長く感じました。そんな中あまり考えたくはありませんが、一晩中雨が降らなかったのもとても幸運でした。それ以上は考えたくありません。
翌日無事下山する事が出来ましたが、山王林道一体は携帯の電波がつながる場所ではなかった為、電波が届く所まで車で移動し家族に無事であることを一番に伝えました。今後は、今回の事をよく反省し、今後どうするかを真剣に考えなければならないと思いました。
今回のコースについて、
shige-ponさんはじめまして、以前のレコの「高薙山 山王林道より、地味にピストン!」と「高薙山・於呂?羅山 西沢金山跡より、ぐるっと一周!」のコースを参考にさせていただきました。「ありがとうございました。」
山行を計画するさい、先輩方にレコを参考にして計画をするのですが、そこでよくshige-ponさんのレコを閲覧させて頂いております。その山行のレベルの高さに感心し憧れておりました。おじさんなので、shige-ponさんのようには行きませんが、今後ともレコ参考にさせて頂きたいと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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私も近いうちに、高薙山と於呂倶羅山を目指そうと考えていますが、どのルートが良いのか検討しているところです。
私も以前遭難しかけて反省した点は、照明を2ケ持つこと。一つは足元を照らす為のライトで携帯用のバッテリー(スマホの外部バッテリー)を兼ねています。なお、このライトはSOSの合図を発光する事もできます。もう一つは、単3電池でとても明るく照射できるライトです。常に単3形の電池はGPSの予備バッテリーとして携帯しているので、電池切れになっても大丈夫です。
そのGPSはガーミンのGPSですが、普段はログを取るために携帯しています。しかし、スマホが使えなくなったり、スマホのGPSが誤表示された時などに、自分の位置が正確に表示されるため、重宝しています。
まだまだs-montblancさんも、危険な山が沢山立ちはだかっていると思いますが、完全登山で行きましょう。
コメントありがとうございます。
とても反省の残る山行となってしまいました。
ルートについて参考になるかわかりませんが、私の感じたことです。
高薙山手前の崩落地帯から高薙山まで痩せ尾根にシャクナゲ藪が続き、おまけに所々に急登な箇所があります。上りであれば、四つん這いになり、慎重に登ればなんとか通れますが、下りで通るのはとても危険ですのでお勧めできません。
2,193mピークではなんとなく踏み跡通りに歩いてしまうと、温泉ヶ岳側に向かってしまうので注意です。(これはあくまでも登山レベルが低い私が感じたことなので、TEYANDAYさんのレベルでは問題ないかもしれません。)
駐車スペースは事前に2回探しましたが、 西沢金山跡付近の林道脇に1台ぐらいなら停められそうなスペースは数ヶ所ありましたが、地形的に急斜面沿いの林道なので落石が多い感じがしましたので、山王林道治山碑の駐車スペースが無難だと思いました。
色々とご親切に情報を教えて頂きありがとうございます。
足元を照らす為のライトで携帯用のバッテリー(スマホの外部バッテリー)を兼用 とはとても便利ですね、もしよろしければ製品名を教えてください。
TEYANDAYさんのおっしゃる通りである事を身を持って体験しました。
山では何が起こるか予想出来ないので、安心し登山が出来るよう装備を準備するのが基本ですね。
栃木100名山以外の栃木の山には危険が多い事を体験しました。
ライトの件ですが、"LED" "ランタン" で検索してみてください。私は、楽天で購入しましたが、昼白色と電球色の切り替えができ、マグネット付きなので車の室内灯にもなり、とても便利です。スマホも充電2回分くらいの容量があります。
車中泊のときは、車の天井に引っ付けて室内灯に。トンネル内を歩くときは、点滅させてリックの後ろにぶら下げたり。スマホのバッテリーが減ってきたときは、リックから長いUSBケーブルを使いスマホを充電しながら歩いたり。薄暗い時間に出発するときは、足元を照らすライトにしたり。とかです。
手のひらにのっかる程のまあるい小さなライトです。ぜひ探してみてください。
分かりやすいご情報で、とても助かります。
ありがとうございます。
とても便利そうで、使い勝手が良さそうですね。
早速、探してみたいと思います。
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