【北ア】千町尾根から行く乗鞍岳
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- GPS
- 12:39
- 距離
- 34.6km
- 登り
- 2,268m
- 下り
- 2,268m
コースタイム
- 山行
- 12:15
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 14:01
天候 | @天気 くもり時々ガス @気温 観測計を忘れてしまい欠測。登山口である青少年交流の家の電光掲示板の表示で13℃(AM5:20頃)、奥千町避難小屋の備え付けの気温計で15℃(AM10:00頃)、乗鞍岳では体感で12〜13℃(PM1:00頃) @風 南の風(そよ風程度) @積雪 千町ヶ原の手前に所々積雪。中洞権現から先の沢状地形にも雪渓あり。 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場は国立乗鞍青少年交流の家の舗装駐車場(50台程度)がある。道路を挟んだ未舗装駐車場(20台程度は駐車可能かと)もあるが、どちらに駐車して良いかわからなかったので、今回は舗装駐車場を使用した。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
!注意! 本コースのうち、丸黒山から先のP1870を超えてから千町ヶ原までの区間は、約3kmに渡って激しいやぶ漕ぎを強いられます。濃密なやぶを掻き分けるのに時間と労力が必要で、この区間をやり過ごすのに地図に記載されるコースタイムの2〜3倍はかかり、体力の消耗も激しいので、山行計画の際は、このことを想定しておく必要があります。 以下、各セクションごとの状況 @青少年交流の家から丸黒山まで@ 最初は林道状の道で途中に登山届提出ポストあり。林道終点から降る形で登山道が始まる。老若男女が登ることを想定した整備状況で、特筆して危険な箇所は無い。丸黒山手前のガンバル坂と根性坂といういかにも身構えてしまうような表示のある箇所があり、実際に急勾配で頑張りどころ。 @丸黒山から千町ヶ原まで@ 丸黒山から乗鞍岳方面への下り口からは、標高差150m弱の超急斜面。壁のような角度の部分もあり、特に下り方向の際はスリップによる転落注意。その先P1870を過ぎると、突然濃密な笹と灌木が絡み合った激しいやぶ漕ぎが始まり、その延長は約3kmとウンザリするほど長い。目印のピンクテープもヤブ漕ぎ区間ではほとんど無く、しっかりとルートファインディングする必要がある。ヤブの下にある登山道は、細心の注意を払ってうっすらと判別できるが、見失うことも多く、頻繁に現れる倒木が行く手を塞ぐと高確率で見失う。単純な尾根上を進むルートなので、尾根を外さないように注意すれば本格的に迷ってしまうことは無いとは思うが、いかんせん視覚に頼ることなので、明るい時間帯に通過することが必須。暗くなってからここにいることは即遭難を意味する。 @千町ヶ原から中洞権現まで@ 長いやぶ漕ぎ区間を過ぎると辺りは開けてきて、高層湿地帯の様相を呈するようになる。ここが千町ヶ原と呼ばれる場所で、まさにこの世の桃源郷。その先もう一度樹林帯を通過すると、再び高層湿地帯となり、奥千町避難小屋に到着する。普通はここで初日の行動を終えることになる。この先、みたび樹林帯を通過すると、超広大なハイマツの海に出る。ここではハイマツ漕ぎとなることを覚悟していたが、今回はしっかりと刈られており(感じからして昨年以前に刈ったかと思われる)、一般登山道らしい状態で、雄大な景色を堪能しながら極上のハイクができる。 @中洞権現から乗鞍岳剣ヶ峰山頂まで@ 中洞権現から稜線上を少し進んだあと、沢状地形へと一旦下って、大日岳・屏風岳をトラバースするように緩やかに登り、剣ヶ峰へと至る。岩稜帯だが、それに対応する一般的な注意を払えば特筆して問題となるようなことは無かった。 |
その他周辺情報 | 国立乗鞍青少年交流の家周辺には、これといった施設は無く(高山市営飛騨高山スキー場はあるが、この時期は当然閉鎖中)、高山市街地に行けば、様々な施設がよりどりみどり。高山市街地までそんなに離れていない(20km程度) |
写真
感想
自分は今まで、山に登るのに必要なことは何でも挑戦して身に付けたいと考えながら登山をしてきたのだが、そんな中、唯一今まで避けてきたメソッドが『やぶ漕ぎ』である。とりわけ『笹やぶ漕ぎ』については、かゆい、虫、毒蛇、ダニ、などなど、やりたくない理由を挙げ出したら枚挙にいとまがないわけなのだが、過日の水晶岳ツアーで進退窮まった際、ヤブに逃げることによってリスクを回避できたように、プラスの要素としてこれはしっかりと身に着けなければと思った次第だ。ということで、やぶ漕ぎを含むルートの選定だが、やぶ漕ぎ初心者がいきなり得体のしれないバリエーションコースというのもいかがなものかと思い、色々物色した結果、千町尾根を通って乗鞍岳に至るルートに決めた。ここなら一般登山道の範疇だし、雄大な大自然を満喫でき楽しみながらやぶ漕ぎの修業ができると考えた。
ということで、この千町尾根ルートのやぶ漕ぎ。率直に言って、やぶ漕ぎ初心者が挑戦するにはハード過ぎた。笹だけでなく倒木や灌木が折り重なったような濃密なやぶは正しくジャングル。それが3kmにも渡って続くものだから、体力の消耗著しく力技も必要で全身ヘロヘロ。そして予想通り、飛び交う虫、舞うホコリカス、ケムシの洗礼にも見舞われ、精神の消耗も激しかった。しかし毛嫌いしてきた笹やぶ漕ぎだが、出来ないことはないということがわかったのが大きな収穫だった。でももう当分は遠慮しておきたい(笑)
肝心の千町尾根からの乗鞍エリアだが、今回は生憎天候がイマイチだったが、それでも乗鞍が持つ圧倒的スケール、奥深さ、動物たちの楽園、豊かな植生を十分感じることができた。また、途中の千町ヶ原の桃源郷の雰囲気は畳平から剣ヶ峰の間だけでは味わうことのできない違う側面であり、乗鞍の雄大さと多様性をたっぷりと味わえる素晴らしいコースだと思った。また、コース距離は長いが、傾斜は全体的に穏やかで、途中避難小屋もあるし、あのヤブさえ無かったら乗鞍のすべてを味わえる素晴らしいルートになるのにな、なんて思ったりもした。今度は天気のいい日に再訪したいが、あのやぶ漕ぎがちょっとなぁ。
以下、備忘録
着用衣服・装備(スタート時)@
ミレーのアミアミ、半袖Tシャツ、アームカバー、靴下(中厚手)、ハードシェルパンツゲイター内蔵、薄手グローブ、帽子、3シーズンミドルカットブーツ
@持参装備・衣服(状況により使用する物など)@
チェーンスパイク(使用)、ピッケル(使用)、ハードシェルジャケット(使用)、予備化繊ベースレイヤー、予備ソフトシェルパンツ、予備薄手グローブ、防寒テムレス、サングラス(使用)、夏季用シュラフ、ヘッドランプ2個、予備のGPS機
@飲・食料@
ポカリ4.5リットル(3.5リットル消費)、おにぎり梅干し&辛子明太子3個(全消費)、巨大アンパン(消費せず)、プロテインバー2個(1個消費)、塩分チャージ飴5個(2個消費)
コメント
この記録に関連する登山ルート
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いつもパワフルなレコ覗かせてもらっています。
あの尾根行かれたのですね。
それもワンデイで…(゜o゜)
北アのメジャーな乗鞍でもあんなルートがあるんですね。
行ったものしかわからないあの酷い薮、心折れることなく歩かれたことに心から拍手させていただきます。
お疲れ様でした
コメントありがとうございます! 苦手のヤブ漕ぎ頑張りました!これによって少しでも登山技術が向上して安全の度合いを高めたいのと、行きたい山の選択肢が広げられると思い、自らを奮い立たせた次第です!
ところで、私もsumiさんのレコいつも覗かせてもらってます。sumiさんのような経験豊富な方が、今もなお足腰の維持向上の努力をされ、登山を続けておられる様子を拝見し、自分もそうなりたい!と勝手に目標とさせてもらってます!
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