鏡平経由笠ヶ岳、笠新道下山で救助要請
- GPS
- 24:13
- 距離
- 41.9km
- 登り
- 3,110m
- 下り
- 3,098m
コースタイム
- 山行
- 5:41
- 休憩
- 2:04
- 合計
- 7:45
- 山行
- 5:57
- 休憩
- 3:13
- 合計
- 9:10
- 山行
- 7:06
- 休憩
- 2:47
- 合計
- 9:53
天候 | 晴・曇・ガス・雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
当初はクリヤ谷下山の計画でしたが、笠ヶ岳山荘に確認したところ下草刈をしておらず通行止めとのことで、笠新道下りに切り替えた。天気予報は芳しくなく 3日のうち2日は雨、しかも雨の日が山行当日までコロコロ変わった。天気図では能登沖で低気圧閉塞停滞で強風・雷雨がリスク、なので鏡平山荘から下山をエスケープとして臨む。
結果は初日は晴→曇、二日目はガスと一瞬晴、最終日は小雨/曇りで、夜に風雨というパターンで歩行への支障は少なかった。山先輩が言うように縦走は行ってみないとわからない。一方で笠ヶ岳テン場の夜明かしは、テントが飛ぶのではとドキドキの一夜で寝た気がせず。でも総じて山歩きとしてはまずまずだった。
しかし、メンバーの転倒で岐阜県警の山岳救助のお世話になってしまった。2,055m付近で路肩の草を踏み抜き滑落、ずるずる滑って2mほど落ち笹で滑って上がれない。登ってきた登山者に手を貸していただき、ロープを使い引き揚げて事なきを得た。ロープワークは私はほぼ知識ゼロ、同行の紐プロお姉さまが紐を二重にしてエイト変形で身体に巻く部分の長さ調節ができ引き上げる力が加わると結び目が硬くなる投げ縄様の引揚げロープを結び使用した。
その10分後、2,012m付近の転倒は痛みのため立てず歩けない。即救助要請で110番(10:06)。今回行程ではほぼ携帯電話が繋がったのはラッキー。岐阜県警からの折り返し電話(10:18)で、視界不良のため地上からの救助となり救助隊の到着を待つ。なんとパトロール3名が笠ヶ岳に向かっていて救助要請の20分後の10:25頃現場到着という速攻。救助指示を受けた時に1,900m付近を登っていたとのこと。これもラッキーとしか言えない。3名の隊員が要救助者を代わるがわるおんぶハーネスで背負い、先導役が路面状況を伝達したり下から支えたり、後方からはスリングでテンションをかけながらゆっくり慎重に下山。15kg前後の荷物が重いと騒ぐ私だが、その3倍以上を背負う、凄いとしか言えない。途中で数名、更に数名が加わり10名弱の体制での救助となった。
転倒原因は眼鏡の曇りを急斜面でなくなった所で拭いた際に足元注意が散漫になり踏み抜き・滑落とのこと。ただ、小雨の長い下りのペースが速かったのも事実。眼鏡を拭く余裕がない無理したハイペースの下りも大きな転倒原因と思う。何でもない所で滑落すると聞いていたが、これら要因が重なって容易に通過できるはずの場所で転倒が起こった。その何でもない所の路肩が切れ落ちていたら最悪の事態となっていたと思うとぞっとする。
改めて、
1)転んでも死なないハイキングと登山は違う
2)確実に足場を確認して安全に行程を歩き切ることが絶対条件
3)長期滞留でも低体温症にならないこと
4)万が一のセルフレスキューとParty内レスキュー、ロープワーク
5)救助要請の際に正確な経度・緯度・高度伝達とスマホの十分な電源確保
6)電波が繋がらないと救助要請できない、定期的に電波状況確認
等々、登山に対する認識が改まる山行となった。
登山はハイキングと異なり、楽しさ以前に安全が最優先。そして、動けなくなった人たちを日々救助している救助の組織・皆様・チームワークには脱帽&感謝しかない。チーム間のスムースな連携・迅速な救助方針検討・それらを支える組織と現地に入る10人規模のリソース・コロナで逼迫する中の救急搬送と病院リソースの消費・・・、道楽で遊びに来て救助隊にお世話なる・・・どう考えても申し訳ないでは済まない事象で、結論としては事故は絶対に起こしてはいけないし、再発防止を含めてできることを色々と考えたいと思う。
荷物重量は、テント1泊装備と食料、水は1.5L程度で14kg+カメラ2.2kg。水分消費は、初日Hot紅茶200ml、スポーツドリンク500ml、ほうじ茶150ml、計850ml、二日目Hot紅茶200ml、スポーツドリンク500ml、計700ml、最終日Hotほうじ茶100ml、スポーツドリンク400ml、計500ml。2022年7月27日(水)8:00記
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