木曽駒ヶ岳(登り福島Bコース、下り茶臼山コース)
- GPS
- 28:27
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 2,401m
- 下り
- 2,383m
コースタイム
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 2:34
- 合計
- 10:13
- 山行
- 4:21
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 4:44
4:16駐車場-4:52渡渉-6:00 5合目-7:02 7合目-7:56 8合目-8:59 9合目-9:35木曽駒ヶ岳山頂-9:55頂上山荘テント場
<受付、テント設置、休憩>
11:01テント場-11:35宝剣岳-12:22駒飼の池-12:55濃ヶ池14:19木曽駒ヶ岳-14:34テント場
8月20日(土)
3:47テント場-5:10西駒山荘-6:00茶臼山-6:53 7合目-8:09渡渉-8:36駐車場
天候 | 8月19日(金):晴れ、無風・微風。キャンプ場は夜風あり 8月20日(土):曇り一時雨、無風・微風 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・福島Bコース:登山者は少ないがコースはよく整備されていて歩き易い。7合目から8合目にかけて岩場が続くが慎重に進めば問題ない。 ・稜線に特に危険箇所なし。宝剣岳は鎖場があり登下降の際待つこともある。 ・茶臼山コース:茶臼山付近は若干藪っぽいが、山頂から5合目までは快適。5合目から沢に出るまでは笹藪のような細い道。踏み跡とマーキングはあるので迷うことはないが歩きにくかった。渡渉は流木とワイヤロープを用いた簡易的な橋を渡る。 |
写真
感想
福島Bコース登山口近くの駐車スペースには4時過ぎに到着。外気温は12℃ほどで、涼しいを通り越してシャツ一枚では寒いくらいだった。準備の後テント泊装備のザックを背負い4:16に行動開始。まだ真っ暗なのでヘッドライトを点灯して歩く。福島Bコースから木曽駒ヶ岳を目指すのはこれで3回目。さすがにコースもだいぶ覚えた。40分ほどで沢に到着。渡渉後に小休止。ここまでアンダーシャツと半袖シャツの2枚を着ていたが、暑いので半袖シャツは脱いだ。そしてここから本格的な登山道開始。急登だが良く整備されていて歩き易い。4合目、5合目と順調に距離と標高を稼ぎ7合目の避難小屋には7:02到着。ここで大休止。登山道は立派なのだが相変わらず誰もいない。避難小屋前のベンチで座っていると風が冷たく寒いのでシャツを一枚着足す。しかしこれは失敗だった。この後風が吹かないエリアを歩くので再び暑くなったのだった。7合目から8合目の水場付近までは露岩が続く。歩きにくいので慎重に進むしかない。8合目水場で休憩後稜線を目指す。稜線直下は時期が良ければお花畑だが、今年は既に終わっていたようで、あまり花は見られなかった。8:59に9合目、というか稜線に到着。青空、微風。これを見に来た。これを見たかったのだ。景色に見とれつつ休憩し、その後再度歩き始める。標高は高くなってきたが、風が弱かったのでシャツ一枚で十分だった。9:35に木曽駒ヶ岳山頂に到着。山頂はカオスを予想していたが、それほどではなかった。ロープウェイで上がってくるにしてもまだ時間が早かったのかもしれない。写真を撮りつつ山頂を楽しんだら下り始める。一回誤って馬の背方面に進んでしまったがやり直して頂上山荘を目指す。山荘のテント場には9:55に到着。適当な場所にザックを下ろしたら小屋に行き受け付け。水を補給後テント設営にかかる。時間が早かったせいもあり、張る場所に困ることはなかった。設営後行動食を食べたりサブザックに必要な物を詰め込んだりして、11時過ぎに散歩に出発。まずは宝剣岳へ。このピークは10年以上前に一度訪問しているが、あまり記憶に残っていなかった。中岳を過ぎるとロープウェイで上山したと思われるハイカーが大量に見られた。徐々ににカオスになりつつあるようだった。宝剣山荘から岩場の登りにかかる。途中鎖場が続くので持参したストックはデポする。鎖場の通過待ちをしつつ11:35に宝剣岳に到着。狭い山頂付近は撮影待ちの列が出来ていた。二度目だし列に加わる気はなかったので、写真を撮ったらすぐ下山開始。下りも通過待ちをしつつなのであまり進まない。無事デポしたストックを回収したら今度は池めぐりに行く。山小屋付近は人が多かったが、そこから一歩離れると嘘のように人の姿が見えなくなった。あまりのギャップに驚く。下りつつGPSを見ると何故かバッテリ残量が著しく減っていた。フル充電のエネループなので10時間以上余裕で持つはずなのに、である。仕方ないので予備の電池と入れ替え、ついでに誰もいないところでおやつの時間とした。ちょっと離れたところは座る場所を探すのも苦労するくらいの混雑とは信じられないくらい静かだった。
休憩後に行動再開。事前にあまり地図を真剣に見ていなかったため、下りがどの程度か分からず周りの景色を見ながら進んだが、どうやらかなり下ってしまうようだった。ということは最後は下った分登り返しになるが、軽荷だしまだ時間も早いのでなんとでもなるだろうと思った。下り始めるとあちこちにチングルマの綿毛が見られた。もう1か月早い時期に来ていたら、さぞかしきれいだったろう。周囲の景観もこんなところが木曽駒ヶ岳というか、中央アルプスにあるのか、と思うようなところになってきた。残雪の時期に来たいと思わずにはいられなかった。やはりアルプスはアルプス。駒飼の池は水がだいぶ干上がっていたが、雪解け水が豊富な時期であれば池になっているのだろう。この先も下りつつ進む。駒飼の池までは誰とも行き会わなかったが、ここを過ぎたあたりからは反対方向からのハイカーとすれ違うようになってきた。恐らく自分とは反対回りに池を見て回っているのだろう。濃ヶ池に近付くと再びすごいチングルマの群落が見られた。やはり夏の初めに来なければ、と思った。濃ヶ池には何組かのパーティが休んでいた。ここも残雪期だとさらに水量が多くて池のようになるのだろうと思った。季節を変えて是非再訪しなければ。池のほとりは休むところに先客がいたため、写真だけ撮って先に進むことに。分岐に至れば後は登り返し。既に時間は午後だが今日はガスも湧かず遠くまで展望が得られる。それが分かっていたのでここに来たのであるが。テント場への分岐を過ぎ今日二度目の山頂を目指していると、雷鳥の姿を見ることができた。今シーズン初の雷鳥。中央アルプスでは雷鳥の繁殖をしている最中と聞いているので、そのためか、足に目印が付けられていた。14:19に木曽駒ヶ岳山頂に至る。相変わらず人は多い。朝よりも増えた気がする。写真のみで下山しテント場には14:34に到着。およそ3.5時間の散歩だったがなかなか楽しかった。
テント場に戻った後はストレッチと明日の準備などをして過ごす。朝はガラガラだったテント場は徐々にカオスになり始め、次第に周囲の空きスペースは全てテントで埋め尽くされてきた。岩が露出していてかなりデコボコで寝るのが大変そうなところであってもテントは張られていた。さすがにまだ8月の夏休み期間だと思った。ロープウェイ組とは異なり自分は標高差1500メートル以上をテント泊装備担いで登ってきたため、相応の疲労感があった。夕食後さっさと寝ようとしたが、近くのテントで宴会が始まってしまい寝るどころではなくなってしまった。しかもこんな日に限ってテント泊には必携の耳栓を忘れていた。寝るのは諦めてひたすら体を横たえて疲労が回復するのに期待するしかなかった。歯ブラシも忘れたし、今日は天気以外は反省点が多かったが、隣のテントが宴会テントかどうかの見極めはできない。
8月20日(土)
2:30起床。前夜の宴会テントは周囲のキャンパーの注意で多少静かになったものの、その後は風の音が大きくて寝付けなかった。前の晩は夜通し運転してきたのでやはり数時間の仮眠しかしておらず、二晩続けて満足に寝ていないことになる。でも足を伸ばせて休息はできたので下山するくらいならなんとかなるだろう。食事と後片付けを済ませてテントの外に出る。空には半月と星が見えていたので予定どおりに茶臼山から下山するコースを選ぶことに。朝からガスだったり雨交じりの天気であれば、大人しく福島Bコースで下山することも考えていた。テントは一晩中風に晒されたせいか、フライシートの結露は全くなく乾燥した状態だった。これは助かる。テント本体は底面の濡れは致し方ないとしても、やはりカラッとしていて水気はなかった。水で湿ったテントは重いので、一晩中の風も軽量化のためには悪くないのかもしれない。テント撤収とパッキングを終え、3:47にテント場を出る。途中小屋に寄って用を足してから行動開始。山頂には向かわず巻き道で馬の背を目指す。まだあたりは真っ暗なので昨日に続きヘッドライト点灯。馬の背に至り下りの登山道を歩いているとパラパラ雨が落ち始めた。そんな。こんな早い時間から降るなんて聞いてない。雨というよりは遠くの雨雲の雨滴が風で飛ばされているようだった。いずれにしても予想外の雨で、念のためザックカバーを取り付けた。レインはジャケットを行動開始から来ていた。歩くだけならジャケットは要らないのだが、稜線は風があって来ていてちょうど良い加減だった。濃ヶ池の分岐付近で明るくなり始めるが、やはりまだ暗くてライトが必要だった。4時前発はさすがにこの時期としては早い出発だったが、この日は雨予報だったので早めの出発とした。稜線の景観が見えないのは残念だが、昨日一度見ているし、何より雨に当たるのが嫌だった。西駒山荘には5:10に到着。周辺のコマクサはもう終わりの状態だった。ここのベンチに座って休憩。雨は上がっていたがいつまた降り出すとも限らないので気が抜けない。ここから先は歩いたことのないコースなので楽しみ。しかし案内版を見ても茶臼山の文字がなく、地図やGPSなどを良く見比べて進む必要があった。茶臼山へのルートは途中まで桂小場まで行くルートと被るので、そのため記述がないようだった。方向が定まってからは安心して歩くも、時折念のためGPSで自分の位置を確認しながら進んだ。6時ちょうどに茶臼山に到着。この山の周辺が少し藪っぽくなっていたが、それでも特に問題はなかった。レインは登りになる前に脱いだので、涼しく歩くことができた。ここで下界と連絡を取った後はひたすら下ることになる。遠望が効くので遠くを見ると、御嶽山や乗鞍岳は雨雲が着いているように見えた。その雨雲がこちらに移動してこないとも限らないのでさっさと下ることに。
茶臼山のコースは各所にX合目を示す標識があって分かり易いかった。ルートも明瞭で歩き易い。快適な下りだな、と思ったが5合目から渡渉までが少し様子が異なった。それまでは尾根通しの乾いた道だったが、沢に至るまでは湿った笹藪のようなところで、道も狭く滑り易かった。地図を見ても沢に向けてジグザグに標高を落としていて、それまでの登山道とは様子が異なることが分かった。道が狭くて滑るし、笹の朝露が体とザックを濡らす。ザックはカバーをかけたままだった。濡れる登山道に足を滑らせないよう慎重に進み8:09に渡渉点に到着。ここまでくれば楽勝かと思ったが甘かった。橋がないのは事前に予想していたが、一応あったのだ。しかしかなりワイルド。枯れ木の流木がワイヤロープに結ばれていて、その上を歩いて渡るらしい。流木は細くて、自分の体重とザックの重さに耐えられるかかなり不安。渡渉点の上下流で渡れそうなところを探すが見つからない。簡易的な橋が嫌ならブーツを脱いで渡渉するかだが、それも大変。意を決してこの橋で渡ることに。渡渉中邪魔になりそうなストックは念のためリュックにしまった。渡渉時は、両手でワイヤロープをしっかり掴み、次に細くて折れそうな流木の上に両足を乗せた。この時点でボキッと折れたらワイヤロープにぶら下がることになるが、ザックが重いので耐えられず沢にドボンになるだろう。ストックで沢の深さを測っておけが良かった、と思ったがもう遅い。細い流木は案外丈夫で自分の体重+ザックの重みに耐えた。あとは両手でワイヤーロープをしっかり掴みつつカニ歩きで横に進む。数歩進めば足が岩乗り、それで渡渉完了。なかなかしびれる経験だった。この後は駐車場まで普通の歩き。沢水で土砂がえぐれた箇所もあったが、あのワイルドな渡渉に比べたら楽勝だった。8:36に無事駐車場到着。昨日の出発時と同じくらいの台数のクルマがあった。結局稜線で少し雨に当たった以外は濡れることもなく下山できた。むしろ下山後は薄日がさしてきたため、ザックにあったものを乾燥させることに。テントやシュラフはあまり濡れていなかったが、それでも使用後の乾燥は必須だ。
福島Bコースからの木曽駒ヶ岳は3回トライして2回山頂まで至った。このコースからはもうさすがにいいかなと思うが、次回以降は上松からのコースは歩いてみたい。
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