記録ID: 46415
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
黒部五郎岳、薬師岳
2009年09月17日(木) [日帰り]


- GPS
- 17:22
- 距離
- 36.8km
- 登り
- 2,938m
- 下り
- 2,931m
コースタイム
0:00折立-3:05太郎平小屋(休憩給水10分)-6:50黒部五郎岳(休憩21分)-
7:11黒部五郎下山開始-10:20太郎平小屋(休憩給水11分)-12:44薬師岳(休憩11分)
12:55薬師下山開始-14:20太郎平小屋(休憩給水18分)-17:22折立
7:11黒部五郎下山開始-10:20太郎平小屋(休憩給水11分)-12:44薬師岳(休憩11分)
12:55薬師下山開始-14:20太郎平小屋(休憩給水18分)-17:22折立
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回は折立からの黒部五郎岳と薬師岳の日帰りピストン。 本来は先週末の予定であったが、悪天候により山行を中止した。 台風14号の進路が定まらない中で、好天の予報に何とか平日に休暇を取得してリベンジを果たした。 駐車場のある折立は有峰林道の内部にあり、入り口ゲートで1,800円の通行料を支払えば、何日でも滞在できる。 通行時間は6:00-20:00であるが、亀谷ゲートから入る場合は19:20頃まで通過する必要がある。 出る場合のゲート通過は一応20:00までであるが、ネット上の未確認情報では、出る場合は20時を過ぎてもフリーだったそうだ。下山時に時間ぎりぎりになっても焦らずに行動した方が良いと思われる。 コース上に鎖場やハシゴ等の危険箇所は無い。 太郎平から黒部五郎までの稜線は気持ちの良い穏やかなコースであるが、途中に小屋も水場も無く、風雨を凌げそうな場所も無いため、悪天時であればこのピストンは辛いと思う。 今回雨天強風を避けて日程変更したのも、この部分に不安があったからである。 薬師岳は、薬師峠から薬師平まで、短距離ではあるが沢筋を急登する。沢には何カ所かの分岐があり、間違ったコース(旧登山道?)にもしっかりした踏み跡があるため、赤テープやペンキを常に探しながら歩いた方が良い。特に夜間は要注意だろう。 今回のコースタイムは22:40(昭文社)であり、今までの歩き方同様、もし運動中心拍数140-180(目標160)をキープできれば、休憩時間を入れても16時間程度だが、疲れない歩き方をするためには心拍数目標を150程度に落とす必要があり、正直どれくらいのタイムになるかは未知数である。登山経験の短い私にとってはこれだけのロングを経験したことは無く、自分の限界を知るための挑戦的な試みでもあった。 多少遅れても日没(17:56)までに下山するために、午前0:00を出発時刻と決めた。 折立キャンプ場には20時前に到着したが、駐車場は2割程度でガラガラ。 車中泊の準備をしていると2名がヘッドライトを点けて出発していった。3時間ほど熟睡する。 キャンプ場で騒ぐ女性たちの奇声で11時過ぎに目が覚めたので、食事と準備体操をして、日付が変わるのを待って出発をした。 夜間の単独行は寂しいものだが、登山道に入ってもしばらく山中に響き渡る女性達の声がこの時ばかりは励みになった。 |
写真
富山市街地の夜景。森林限界を越えたあたりから視界が急に開ける。後を振り返ると富山の夜景が眼下に広がる(手ブレだが雰囲気だけでも 笑)。
足下は霜が降りて、ヘッ電の明かりでキラキラと光っている。
月は地平線近くの晦(つごもり)間近のため、今日は満天の星空。あまりの星の多さに平衡感覚を失う錯覚を覚える。
流れ星が時折降る中を宇宙に吸い込まれる様に淡々と登っていく。壮大だが、何故かディズニーランドのスペースマウンテンを思い出した。
足下は霜が降りて、ヘッ電の明かりでキラキラと光っている。
月は地平線近くの晦(つごもり)間近のため、今日は満天の星空。あまりの星の多さに平衡感覚を失う錯覚を覚える。
流れ星が時折降る中を宇宙に吸い込まれる様に淡々と登っていく。壮大だが、何故かディズニーランドのスペースマウンテンを思い出した。
太郎平小屋の水場。登山道が木道に変わり傾斜が無くなると小屋のシルエットが見えてくる。水場は小屋の裏側で登山道に面している。水をどこから引いているのか判らないが、一旦大型のタンクに貯められ、そこからのオーバーフローで流されている。¥の箱に小銭を入れて給水する。今日はここを拠点としたピストンのため本日だけで3回お世話になった。
赤城岳から東側を見る。夜明けが近い。左側の赤牛岳からのなだらかな稜線から水晶岳、少し離れて祖父岳、割物岳、鷲羽岳が並び、三俣山荘があるだろう三俣蓮華とのコルあたりから太陽が出ようとしている。
上空には痩せた月と金星がまだ輝いている。
雷鳥がグエグエとあちこちで鳴いている。時折登山道にも飛び出してくる。おっとり見えても登山道では結構早足で驚いた。フラッシュを使わなかったため写真はピンぼけでNGだった。
上空には痩せた月と金星がまだ輝いている。
雷鳥がグエグエとあちこちで鳴いている。時折登山道にも飛び出してくる。おっとり見えても登山道では結構早足で驚いた。フラッシュを使わなかったため写真はピンぼけでNGだった。
黒部五郎岳の肩から山頂方向を見る。
北側カールルートの方から単独行のオジサンがやってくるのが見えた。山頂で休憩していると空身でやってきて、写真を撮ると直ぐに下山していった。本日は黒部五郎小舎からで、明日太郎平小屋から折立に下山するとのこと。このオジサンには中俣乗越近くで先を譲られ、さらに薬師岳の下山途中でもすれ違った。
北側カールルートの方から単独行のオジサンがやってくるのが見えた。山頂で休憩していると空身でやってきて、写真を撮ると直ぐに下山していった。本日は黒部五郎小舎からで、明日太郎平小屋から折立に下山するとのこと。このオジサンには中俣乗越近くで先を譲られ、さらに薬師岳の下山途中でもすれ違った。
黒部五郎岳山頂。快晴である。
左から、薬師岳と東南稜が黒部川に向かって落ち込む。その右奥には先週登った剱岳と立山が並び、その手前には立山からの龍王岳、獅子岳等の稜線がこちらに伸びてくる。さらにその右奥は、旭岳、白馬岳、鑓ヶ岳が並び、唐松岳、五竜岳と稜線が続いている。その手前の赤牛岳の稜線からは鹿島槍、針木岳、蓮華岳の山頂が顔を出し、水晶岳まで。
左から、薬師岳と東南稜が黒部川に向かって落ち込む。その右奥には先週登った剱岳と立山が並び、その手前には立山からの龍王岳、獅子岳等の稜線がこちらに伸びてくる。さらにその右奥は、旭岳、白馬岳、鑓ヶ岳が並び、唐松岳、五竜岳と稜線が続いている。その手前の赤牛岳の稜線からは鹿島槍、針木岳、蓮華岳の山頂が顔を出し、水晶岳まで。
山頂南側パノラマ。
左から、三俣蓮華岳、丸山、双六岳が近く、その奥には、槍ヶ岳、大喰岳、南岳、大キレットを挟んで北穂、涸沢、奥穂、西穂の穂高岳。その右手前には、抜戸岳から笠ヶ岳までの稜線が近く、さらに右奥には乗鞍、御嶽が見えている。北アが殆ど見渡せる大展望である。
約1ヶ月前に笠ヶ岳からこちら側を見ていた時の写真がこれhttp://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=44408&pid=b3b0c26f13595bda1c18dab609546e94
後で確認したらここで写真を30枚程撮っていた。名残惜しいが、本日は先が長いので下山開始する。
左から、三俣蓮華岳、丸山、双六岳が近く、その奥には、槍ヶ岳、大喰岳、南岳、大キレットを挟んで北穂、涸沢、奥穂、西穂の穂高岳。その右手前には、抜戸岳から笠ヶ岳までの稜線が近く、さらに右奥には乗鞍、御嶽が見えている。北アが殆ど見渡せる大展望である。
約1ヶ月前に笠ヶ岳からこちら側を見ていた時の写真がこれhttp://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=44408&pid=b3b0c26f13595bda1c18dab609546e94
後で確認したらここで写真を30枚程撮っていた。名残惜しいが、本日は先が長いので下山開始する。
神岡新道分岐点。薬師岳の左側には剱岳と大日岳の稜線が見えていた。
黒部五郎単独であれば、最短ルートは飛越トンネルからである。有峰林道の外側なので1800円を節約でき、なにより通行時間を気にしなくて良い。
北ノ俣岳で休憩していたオジサンは、昨日飛越トンネルから入り、避難小屋で1泊したとのこと。今日は好天にも拘わらず人が少ないらしい。確かにここまでまだ3組5名しか見ていない。
黒部五郎単独であれば、最短ルートは飛越トンネルからである。有峰林道の外側なので1800円を節約でき、なにより通行時間を気にしなくて良い。
北ノ俣岳で休憩していたオジサンは、昨日飛越トンネルから入り、避難小屋で1泊したとのこと。今日は好天にも拘わらず人が少ないらしい。確かにここまでまだ3組5名しか見ていない。
薬師峠からの登りはガレた沢の急登が続く。
太郎平小屋からの往復コースタイム的は5:30と、黒部五郎の9:00に比べればまだ短いが、こちらの方は急登の連続であり、もし薬師を先に登っていたら恐れをなして黒部五郎には足が向かなかっただろう。太郎平から2山を日帰りピストンするならば、やはり黒部五郎を先にした方が良いと思う。
本日は終日天候が持ちそうなので、インシュレーションとツェルト等のビバークセットは太郎平にデポして来たが、それでも足取りは段々重くなった。
太郎平小屋からの往復コースタイム的は5:30と、黒部五郎の9:00に比べればまだ短いが、こちらの方は急登の連続であり、もし薬師を先に登っていたら恐れをなして黒部五郎には足が向かなかっただろう。太郎平から2山を日帰りピストンするならば、やはり黒部五郎を先にした方が良いと思う。
本日は終日天候が持ちそうなので、インシュレーションとツェルト等のビバークセットは太郎平にデポして来たが、それでも足取りは段々重くなった。
薬師岳山荘と山頂部。あと200m程度だが、山荘からの登りが結構長く感じた。ここから見えている手前のピークには避難小屋があり、てっきり山頂だと思ったが、東南稜を合わせるピークであった。山頂はそこからトラバース気味に稜線を北に進む。
薬師岳山頂。先行していた単独行の方とほぼ同時に山頂へ到着した。この方は薬師岳山荘にザックをデポして、サブザックで登っていた。
山頂でお互いに記念写真を撮った。
これでもう大きな登りはないと思うと力が抜けた。
山頂でお互いに記念写真を撮った。
これでもう大きな登りはないと思うと力が抜けた。
山頂からのパノラマ。
目の前の赤牛岳の右奥には野口五郎岳。水晶岳、割物岳、祖父岳と稜線が続き、その奥に鷲羽岳、槍ヶ岳。穂高は雲に隠れてしまった。
赤牛岳に左には唐沢岳が頭を出し、烏帽子岳、北葛岳と続く。その左奥には、蓮華岳、針木岳、スバリ岳、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、鑓ヶ岳と後立山の山並みが続き、その左手前に立山が大きく、剱岳はガスで霞んでしまった。
目の前の赤牛岳の右奥には野口五郎岳。水晶岳、割物岳、祖父岳と稜線が続き、その奥に鷲羽岳、槍ヶ岳。穂高は雲に隠れてしまった。
赤牛岳に左には唐沢岳が頭を出し、烏帽子岳、北葛岳と続く。その左奥には、蓮華岳、針木岳、スバリ岳、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、鑓ヶ岳と後立山の山並みが続き、その左手前に立山が大きく、剱岳はガスで霞んでしまった。
折立ヒュッテ。日没の約30分前にようやく到着。最後は疲労と睡魔との戦いであった。
今までも徹夜山行は何度も経験しているが、コースタイムが長い場合、運動開始前の睡眠(私の場合は殆ど車中泊)により注意を払う必要があると痛感した。
今までも徹夜山行は何度も経験しているが、コースタイムが長い場合、運動開始前の睡眠(私の場合は殆ど車中泊)により注意を払う必要があると痛感した。
感想
下山後は、先日の立山の山行後にも行った、ウェルサンピア立山(携帯画面割引で500円)で入浴して、そのまま駐車場で3時間ほど爆睡した。
今回の経験によって、ロングコースでのペース配分が大体把握でき(心拍数で170を越えないこと!)、近日中に予定しているコースタイム的に同程度の鷲羽-水晶、さらには沼平からの荒川-赤石の日帰りの目処が立った。
また、水場の条件さえ問題なければ、聖-光の日帰り周回も可能だと思う。(たぶん来年?)
いずれにしてもロングコースの山行は好天時に限定され、より注意深く日程を決める必要がある。
今年の1月からのダイエットで、約9kg体重を落としたが、当初の目標通り、さらに7kg落とすことができればもっと楽に歩けるはずなのだが。。秋は美味しいものが多くて困る。
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日帰りで百名山ですか。暗いうちから歩くのは大変ですよね。私たちも日帰りが多いですが、私がいやいやします。ブログ見ましたが、夫婦合わせて100キロないので体は楽なんでしょうね
富士山お疲れ様でした。
私は熊恐怖症なので単独の夜間山行はいつもドキドキです。小動物の動きや自分で踏んだ木の枝の音でびくびくしながら歩いています。
変人に見られるのでここではあまり詳しくは書きませんが、不思議な(恐怖)体験も多いです。
でも、普通は山中泊でしか楽しめない夜明けの景色やガスが上がる前の大展望も楽しめますし、涼しいうちに登ってしまうので、体力的には相当楽なんですよ。
スリムな方が羨ましいです。
私は所謂中年太りで体脂肪をボッカしているようなものです。
ダイエットにも取り組んでいますが、体重減少と山行能力が反比例で向上することを実感しています。
どうするかと思っていました。
シルバーウイークの山行で、しばらくヤマレコにご無沙汰だったのですが、
やりましたね!
でも、MATSUさんの記録を拝見する限り、
慎重で準備も万全に思うので、過激な山行の割には安心して見れますよ。。
コメント有り難うございます。
恐がりなので慎重にならざるを得ないというのが本音です。
地形やルートを予め頭に入れて行動を想像できれば、山行はほぼ成功すると信じていますが、皆さんの山行記録は事前シミュレーションに非常に役に立っています。
To-さんの今回の南ア周回の記録も今度参考にさせて頂きます。
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