七倉ゲートより烏帽子岳・裏銀座周回
- GPS
- 19:54
- 距離
- 46.2km
- 登り
- 3,120m
- 下り
- 3,107m
コースタイム
- 山行
- 6:24
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 8:39
- 山行
- 9:34
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 10:49
4:39駐車場-6:19ブナ立尾根登山口-9:08烏帽子小屋-9:20テント場
<テント設営と休憩>
10:26テント場-11:18烏帽子岳-13:12テント場
9月17日(土)
4:30テント場-7:03野口五郎岳-7:34分岐-8:33南真砂岳-11:24湯俣温泉-12:44林道終点-14:15高瀬ダム-15:22駐車場
天候 | 9月16日(金):快晴、無風 9月17日(土):晴れ、稜線は微風、それ以外は無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・駐車場にはトイレあり利用可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ブナ立尾根:急登だが良く整備されていて歩き易い。 ・烏帽子岳:山頂は狭い。登りは鎖場もあり。 ・裏銀座稜線:晴れれば展望は最高。 ・竹村新道:真砂岳か直下付近のトラバースが危険。足下が崩れやすく、慎重に通過する必要がある。下りでも長く感じるため、早めの行動が必須と思う。 ・湯俣温泉から林道終点までは、アップダウンはあるものの歩き易い。 ・ダム周辺にはトンネルが多く内部一応照明があるが、あまり明るくないためヘッドライトを使って歩いた。 ・高瀬ダムから七倉ゲートまではタクシー以外に徒歩でも通過できるが、ダンプの通過が多く特にトンネル内ではすぐ脇を通り過ぎて行くためかなり怖い思いをする。タクシーの利用が無難。 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
9月16日(金)
夜通し運転して七倉の駐車場には4時過ぎに到着。途中碓氷軽井沢付近で霧雨に当たったが、現地は晴れて星が見えていた。食事とトイレを済ませた後4:39に行動開始。今回はタクシーを使わない。早朝というかまだ夜なのでトンネルを通過する車両もない。ただ歩けばいい。1時間以上歩いて高瀬ダムに到着。既に明るくヘッドライトは不要。特に休憩なしでそのまま進む。トンネルを抜け吊り橋を渡るとキャンプ場が出てきた。今は使用できないようだが、ここで水分補給の小休止。足場が砂地で歩きづらいが更に進み6:19にブナ立尾根の登山口に到着。駐車場を出てから1時間40分経過していた。ようやくこれから本格的な登山開始となる。ブナ立尾根は過去に登りで2回、下りで1回利用していてこれで計4回目。急登ではあるが整備状況がよく歩き易かった印象があったが、やはり今回も同じだった。後続にどんどん先を越されるがペース配分が違うので気にせずマイペースで進む。途中右手側に崩壊地が見え、相変わらず日々崩壊が進んでいるように思われた。天気快晴無風の中3時間弱登って9:08に烏帽子小屋到着。受付を済ませてからテント場に移動。案の定というか、朝早いためか、まだひと張りも見当たらなかった。どこに張っても良いとなると案外悩むが、このテント場は整地がとても良くて、しかも箒で地面を掃いて均しているのか、とてもきれいだった。こんなテント場は初めて。平で寝心地の良さそうなところを選んで設置。持参した麦茶を飲んだり行動食を食べたりする。
10:26に行動再開。サブザックは持参しなかったので、大きなザックを担いで歩き始める。テント場は携帯圏外だったが、少し上がったところで電波が入ることが分かった。これで定時連絡もできそう。小屋で当面の水を調達した後に烏帽子岳を目指す。ここは以前一度登っているがしばらく前なのであまり記憶がない。天気は相変わらず抜群似良く、稜線からは明日歩く裏銀座が見え、水晶岳や赤牛岳も見えた。烏帽子岳の道はアップダウンがあるが軽荷なのでそれほどきつくはなかった。しかし分岐を折れて山頂を目指すと案外きつい登りが出てきた。道幅も狭いし、急傾斜。慎重に進むと鎖も出てきた。持ってきたストックが邪魔だったが置き場所も見当たらないのでそのまま持っていった。11:18に烏帽子岳到着。眺望は良いのだが狭いので長時間いられない。次の人に譲って近くで展望を楽しむ。烏帽子の岩峰から降りつつ先にある池を見る。以前紅葉の時期に通過した際きれいだった記憶があり、行ってみることに。9月も中旬なので一部紅葉は始まっていたものの、まだまだこれからだった。それよりもこの周辺は烏帽子岳までは人が多がその先は誰もいなくてそのギャップに驚いた。池めぐりをしつつ、途中気に入ったところがあれば岩の上に座って休憩した。誰もいないが熊でも出てきそうな雰囲気なので、あまりのんびりもどうかと思った。景色を楽しんだら熊鈴を鳴らしつつテント場に戻る。風がないので暑くて仕方ない。小屋方向に歩くと続々とすれ違う人。いずれもザックが小さいので烏帽子岳までだろう。帰りに小屋に寄り、夜と明日の分の水を購入。思いの外暑くて水の消費が多かった。
テント場に戻ったものの、日照があり暑くてテントにはなかなか入れず。外に座ってストレッチしたり足のマッサージをして過ごす。日が陰りようやくテントに入れるようになると本格的に明日の準備。17時過ぎに食事を終え定時連絡をした後18時前には就寝。日が出ていると暖かいというか暑いくらいだったが、日没後は上下ダウンを着ていてもちょうどいいくらいだった。
9月17日(土)
3時起床。天気は良く月も星も見えた。半月だったが明るくてテント場をよく照らしていた。テント撤収とパッキングを済ませて4:30予定どおりに行動開始。支度中は寒くてレインジャケットを着ていたが、行動開始時はシャツ2枚のみ。ヘッドライトを点けて歩き出す。少し歩くと稜線に出る。下界と通信して定時連絡。東の空が赤く染まっている。今日は朝焼けが当りの日かもしれない。天気は相変わらずよく、周囲の山がシルエットになって見える。撤収したテントは何故か全然結露していなくて水気が少なく、軽荷で運べるのがありがたかった。しかし昨日暑くて水を思った以上に消費したので、今日は1.5リットルほど持参した。湯俣まで行けば給水できるはずだ。登りをゆるゆる歩いているうちに日の出の時間になった。周囲の山が紅く染まる。野口五郎岳が赤くなる時間に立ち会えた。遠く水晶岳にも日が当たり始めていた。裏銀座を歩くのはこれで3度目、前回はガスの日だったので展望がなかったが、今回は晴れの好展望を引き当てることができた。三ッ岳は山頂をパスし、西峰は稜線ルートを選んだ。花の時期なら迷うことなくお花畑ルートだが、9月中旬では期待できなかった。周囲には誰もおらず貸し切りのような登山道を進む。まれに反対方向からの登山者とすれ違うが、それも時たまでしかなかった。裏銀座は案外空いていると思う。野口五郎小屋を過ぎ岩場を上がると野口五郎岳が見える。7:03に山頂到着。風が抜けるところなので、シャツだけでは寒いくらい。ここで定時連絡。稜線は思った以上に携帯の電波が入り、連絡に事欠かなかった。野口五郎岳からの展望は素晴らしく、槍ヶ岳、乗鞍岳、笠ヶ岳、水晶岳等々、北アルプスのオールスターと言ってもいいくらいの山々が見られた。ガスの日でなくて本当に良かった。
野口五郎岳を過ぎると稜線から竹村新道の分岐に出会す。快適な稜線歩きもここまで。もうしばらくは槍ヶ岳や鷲羽岳が見えるが、その先は谷に降りて行く。携帯ももう入らない。真砂岳からの下りは初め少し怖い思いをする。斜面のトラバースがあるのだが、足場が悪くて崩れている。不用意に進むと滑落しそう。慎重に進むしかなかった。ここを除けば南真砂岳までは比較的快適。アルプスの稜線の雰囲気がある。8:33南真砂岳到着。分岐から1時間ほどだった。ここで最後の定時連絡。休憩後南真砂岳から下り始めるがここでちょっとしたトラブルに。左足が木の枝に躓いて転倒。その際一回転(前転?)したらしく、頭と右手首付近を打ち付ける。回転した先にハイマツがあってそこに無事着地。ハイマツがマットというかベッドになったようだった。身に付けていたGPSやカメラ、スマホは飛ばなかった。派手に転んだ割にはダメージは少なかった。と言いたかったがサポートタイツの右膝付近が大きく裂けていた。既に5年目でそろそろ買い替えか、と思っていた矢先の転倒で大きく損傷してしまった。右膝も少し擦りむいた。転倒の際に着いたと思われる右手首付近も少し痛い。ストックを着く動作に問題はなかったが、引っ張る動作をすると痛みが走った。下山まではなんとかもつと思うが、それもよく分からない。この先コースタイムもまだだいぶ残っているし。慎重に進むほかない。崖での転倒でなくて本当によかった。場所が場所だったらかなりやばかった。
大転倒の後は特に慎重に進む。南真砂岳からの斜面が終わると湯俣岳へ登り返す。この登り返しが案外きつい。標高が下がり樹林帯歩きになったので風もなく暑い。湯俣岳の三角点には登山道の刈り払いを行う道具が残置されていた。所々で笹が刈ってあって歩き易く、感謝であった。とは言え歩く人は少ないとみえ、場所によってはハイマツに覆われていたりするところもあった。湯俣岳から先は急傾斜の下り。登って来る人は全く見掛けない。今日は南真砂岳の下で数人見たがそれ以外は皆無だった。ここは下りで通るのもしんどいので、登りで使うのはかなりきつい。普通にブナ立尾根から上がったほうが楽だと思った。急登で転げ落ちないよう注意して下り、11:24湯俣温泉に到着。下界とまでは言わないものの、一気に人の姿を見るようになった。テント場を出る際1.5リットル持参していた水はここまででまだ1リットル近く残っていた。稜線は寒くて飲む気にならなかったし、その先も案外消費せずに降りられた。しかしこの先は距離も長いし標高が低く気温も高いので、少し水を足していくことに。水分補給のみで通過。稜線を歩いていた時はここでキャンプでも良いなあと思っていたが、南真砂岳で大転倒した後は、さっさと下山に頭が切り替わってしまった。ウェアが損傷していたり、多少ではあったが、右手首の痛みが気になっていたためだ。
吊り橋を渡って対岸へ行き、その後は歩きやすい遊歩道を進む。アップダウンはあるものの、竹村新道と比べたら遥かに楽だった。12:44に林道の終点到着。関係者のものと思われるクルマが駐車してあった。スペースがあったのでここでザック内の濡れ物を干すことに。テントは案外乾燥していたが、グランドシートがびしょ濡れだったのでここで乾かした。マットも念のため出してしばらく放置。40分ほど乾燥と休憩をして行動再開。ダム湖のほとりを歩いて14:15に高瀬ダム到着。途中のトンネルは相変わらず暗くて寒かった。ダムサイトに着くとタクシーのドライバーに声をかけられたが、今回は歩くのが目的なので断った。少し飲み食いしてザックの重量を減らした後歩行再開。ここから先はアスファルト車道歩き。ジグザグの車道を下ったらトンネルが連続する。前日の早朝はクルマは全くなかったが、今回は午後の時間帯のため、多くのダンプと途中ですれ違うことに。それにしてもこのダンプが恐怖だった。4-5台のダンプがコンボイを組んで通過するのだが、これが更に4-5グループに分かれていた。合計で20台くらい自分の1メートル程度脇を通過していくのだが、トンネル内は狭く暗いので、見落とされでもしたらアウトだった。ダンプのドライバーもプロなので、見落としはないとは思うものの、ヒヤヒヤしながらの通過だった。数多くのダンプが通過した後はタクシーの通過なので、これはそれほど怖くはなかったが、ダムサイトで砂利を積んだダンプが再びコンボイで通過する時はとても怖かった。悪夢の倍返しのようだった。この日の核心がここにあったか、という思いだった。このコースを次回歩く時は、少なくとも帰りはタクシーを利用しようと思う。
汗と埃と排ガスにまみれてトンネルを通過し、15:38に無事駐車場到着。11時間くらい行動したことになる。歩行距離も30kmに近く、かなり体力と脚力を使った感じ。しかし最後のトンネル通過時は、怖さが勝って疲労や足の痛みもほぼ感じなかった。でもこんな怖い思いは今後したくない。最後がなんだか、という気になってしまったが、烏帽子岳も裏銀座も素晴らしく、今度は季節を変えて花の時期に訪れてみたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する