黒部ダムから読売新道・赤牛岳&竹村新道・南真砂岳経由で高瀬ダムまで@テントと小屋3泊4日の旅
- GPS
- 73:59
- 距離
- 50.5km
- 登り
- 3,871m
- 下り
- 4,041m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 6:05
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 10:45
- 山行
- 7:34
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 9:14
天候 | 奇跡のほとんど晴れ! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
船
新宿西口臨時バス停23:15→5:32扇沢(高速バス白馬線7500円) 9/15(THU) 扇沢7:30→7:46黒部ダム(関電トンネルバス, 1570円) ※ガラガラでもWebきっぷを買うのがオススメ。一般窓口が開くより早くWebきっぷの発券機が開くので乗車口に早く並べます。 奥黒部ヒュッテ泊(テント1000円+入浴700円) 9/16(FRI) 水晶小屋泊(一泊二食昼弁当14400円) 9/17(SAT) 春嵐荘泊(テント2000円+温泉1000円) 【復路】9/18(SUN) 高瀬ダム→薬師の湯(タクシー,5000円) 大町温泉郷14:50→15:10信濃大町(路線バス,540円) 信濃大町15:43→19:06新宿(あずさ46号,4840+特2450円の4割引) |
コース状況/ 危険箇所等 |
黒部ダムの大きさを感じる長いトラバース道に渡し船,ハードで名高い読売新道に赤牛岳,ご来光で祖父岳,そして下山は湯股温泉につながる竹村新道とどれも魅力的なルートでした。以下,詳細です。 【黒部ダム→平ノ渡→奥黒部ヒュッテ】電気バスの黒部ダム駅から黒部ダムを抜け,ケーブルカー黒部湖駅に向かう途中で遊覧船乗り場方面に分岐します。遊覧船乗り場を抜けロッジくろよんから先,平ノ渡(黒部湖の渡し船)の桟橋までは,ひたすら黒部湖に落ちる斜面のトラバース道です。気を付ければ問題ありませんが小さなアップダウンが続きます。平ノ渡は1日5本しかなく,10月から便数が減るので要チェック。桟橋の上,徒歩3分ほどの所に平ノ小屋があり,待ち時間調整にとても助かりました。食事はありませんが缶飲料が買えます。平ノ渡の乗船時間は5分ほどで,その先,奥黒部ヒュッテまでも同様にほぼトラバース道です。山と高原地図で脅しが入っているように急な梯子や崩落箇所の橋が増えますが,逆に言えばしっかり整備されているので,悪天候を避ければ特に問題ないと思います。 【奥黒部ヒュッテ→読売新道→赤牛岳→水晶岳→水晶小屋】コースタイム11時間と長丁場で,何よりも途中に水場も小屋もないのが最大の難関。担ぐ食料と水の量の見積りを慎重に。この日の早朝一番乗りだったらしく下半身は夜露でびちゃびちゃ,顔はクモの巣だらけになりました。赤牛岳までは巨木の間を縫って進む急登やガレ場が続くものの,危険箇所は頂上付近の短い崩落地やガレ場ぐらいかと思います。なお,赤牛岳登頂で満足するとその先のこちらも長い水晶岳までのガレのアップダウンで心が折れます。ゴールは赤牛岳ではなく,水晶岳だと心に言い聞かせましょう(過去の自分に笑)。 【水晶小屋←→祖父岳】ここは本来,雲の平縦走で拾うべき百高山ですが,水晶小屋からほど近いのでご来光登山ついでに拾いました。途中ガレ場が少しあるくらいで夜でも問題なしでした。 【水晶小屋→真砂分岐→竹村新道→南真砂岳→湯俣岳→湯股温泉】真砂分岐までは裏銀座縦走路を通ります。この区間はガレ場が多く少し気を使います。真砂分岐からの竹村新道は上部の前半は崖側に傾いたザレた狭いトラバースや崩落地が多いので注意レベルを少し高めに。南真砂岳から先は特に危険箇所はありません。湯俣岳まではハイマツや笹がトレイルの上まで生い茂っています。それより下は笹払いもしてあり,歩きやすくなりました。 【湯股温泉→高瀬ダム】黒部湖畔とは違いこちらは歩き易い。高瀬川の下流に向かって歩くので基本下り。たまに崩落地を高巻きするぐらいです。 |
その他周辺情報 | 【奥黒部ヒュッテテント場】小屋から徒歩2分ほどの砂と草地のほぼフラットなテン場で寝心地良好。沢の音も心地よい。1000円。トイレは小屋のを共用し水洗。特筆すべきはテン泊でも700円で小屋のお風呂に入ることが出来ます。ボディソープ,シャンプーは備え付け(ドライヤーはありません)。この日は平日木曜日で空いていたので,家族風呂的に順番に貸し切りで入れました。ドコモの電波は全く入りません。まさに秘境。 【水晶小屋】テント場が無いので小屋泊にしました。一泊二食昼弁当付きで14400円。水は有料でミネラルウォーターは500mL300円,天水は1L100円です。布団一枚貰えますが,隙間なくギッチリ。低い天井の梁で頭をぶつける人多数。ドコモの電波は良好。 【湯股温泉春嵐荘テント場】竹村新道登山口に隣接しています。テントは予約が無くても受け付けるとのこと。一張1000円,一人1000円,温泉利用料1000円で3000円。小屋の真横のフラットなテン場でトイレ&温泉,水場が目の前で超便利。温泉は硫黄泉でいつでも入れます。石鹸類は使用不可(持ってれば使うなとは言わないそうな)。ドコモの電波はギリで掴みますが通信出来ないので実質圏外(竹村新道少し上の展望台では普通に使えたのですが)。ここから川の左岸を上流に歩いて15分ほどに野天温泉エリアがあります(写真に載せました)。 【大町温泉薬師の湯】大町温泉郷バス停から徒歩2分ほど。750円。タクシーの運転手さんが割引券をくれて600円。広い内風呂に露天,カランも沢山あります。内風呂は旧館にもあり混雑しても安心。休憩所とレストラン(そば,カレーがメイン)もあります。温泉博物館併設でバスの待ち時間に温泉の勉強が出来ました。 |
ファイル |
【後日参考用】初日と二日目の天気予報
(更新時刻:2022/09/19 19:45)
【後日参考用】三日目,四日目の天気予報
(更新時刻:2022/09/19 19:45) |
写真
装備
個人装備 |
半袖シャツ
アームカバー
フリース(薄)
レインウェア(上下)
タイツ
ズボン(薄)
靴下
指だしグローブ
アウター手袋(夏用防水)
夏帽子
靴
ザック
朝昼夜ご飯
行動食
非常食
飲料(計1.5L)
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
時計
サングラス
タオル
テント装備一式
マット(厚)
シュラフ(#3)
身体ふき
燃料
コンロ
調理一式
ナイフ
ロールペーパー
ストック
カメラ
スマホ
ラジオ
虫除け
マキロン
着替え(下着&半ズボン&歯ブラシ)
|
---|---|
備考 | 赤牛岳登頂時は飲料2.8L,菓子パン4つに行動食でしたが,全体的に不足気味でした。 |
感想
金曜日からの縦走予定だったのを何とか木曜日にも有給が取れたお陰で台風との競争に打ち勝ち,奇跡的な全日程晴天の下で読売新道から竹村新道までを縦走し,念願だった最奥の赤牛岳を踏むことが出来ました。
今回のルートの入口である黒部ダムからの黒部湖畔ルートは,まっ平なようでアップダウンの激しい地味にハードなコースで,途中の渡し船が良い休憩になります。汗を沢山かいても奥黒部ヒュッテはお風呂に入れるのが嬉しく,さっぱりしてから熟睡できました。
翌日の読売新道は暑くなる前に標高を稼ごうと早朝出発。赤牛岳までは想定していたよりも意外とすんなり着いた気がしましたが,赤牛岳でのゴール感が強すぎて,その先の水晶岳までが暑いしめちゃめちゃ辛かった。その日の宿泊地の水晶小屋はテント場がないので久しぶりの小屋泊となり爆食い,爆飲。生き返りました。交差点のような小屋だけに様々な縦走ルートで来られた方々と山の話が出来て楽しかったです。
三日目は小屋で沢山食べたお陰で元気復活。祖父岳での御来光から始まり,こちらもハードコースとの噂の竹村新道にドキドキしながら入ってみると意外と普通で安堵し,百高山の南真砂岳を拾い,湯股温泉でまたすっきり。ここでビールを飲んでテーブルでご一緒した方も百高山をやっていて,そうそう,その山,そうなんですよねー,っていう会話が楽しかったです。
最終日は湯股温泉の野天温泉エリアに行き,着替えるのが面倒なので入らず見るだけにしましたが,河岸から熱湯が吹き出し硫黄で焼けた黒い石,近づくと熱気を感じる地獄な風景,その脇の様々な湯温が楽しめるように作られた天然温泉は間違いなく一見の価値ありだと思います。
最後に高瀬ダムまで平坦な道を歩き,更に七倉まで歩くかと菓子パンを頬張っていたらタクシーの運転手さんに声を掛けられ,色々話していたら5000円で薬師の湯まで貸し切りにしてあげるとのご提案。七倉まで歩いてもそこから信濃大町までタクシーで8000円ぐらいかかるかもなあと考えていたので超ラッキーでした。
天気に恵まれたお陰でやりたいことが全部出来たため,てんこ盛りのいつもよりさらに長いレコになりました。読んで頂いた方,ありがとうございます!
前回に続く北ア秘境の山旅、お疲れさまでした!!
黒部から高瀬ダムにいくなんて、本当に素晴らしいとしか言いようがありません。
赤牛岳なんて中々行ける様なところでは無いですから。
本当にうらやましいですね、その根性と体力が!!
北ア人気のお決まりの景色と違って本当の山の良さが出ていて、これぞ、山男(もう古い言葉かな?)って
感じでかっこいいですよ。
自分は行けないので、写真で楽しませて頂きました、ありがとうございました。
(napieeさんが戻ったあと、しっかりとスッポンポンになってお湯をいただきました)
日本百高山をやっているのですね、私もやっているので、知っていれば、河原歩きの際にでも山談義で盛り上がったかもですね。お互い達成に向けて頑張りましょう(^^♪
Kazさんの過去レコ拝見しました。前日のあのテーブルでKazさんとも百高山ネタを楽しみたかったです!南アルプスにあと3回行けば完了という感じで,百高山もうほぼリーチですね。私はどうも南アルプスの天気の神様との相性があまり良くないようなので困っています(笑。
聖ー赤石,お互い天気が良いときに行けると良いですね!ではまた何処かでお会い致しましょう。
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