秋山郷・ムジナ平から鳥甲山周遊
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- GPS
- 07:20
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,451m
- 下り
- 1,450m
コースタイム
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 7:20
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
万仏岩やカミソリ岩、難所はたくさんあるけど、カミソリ岩─鳥甲山間の鎖と金網掛けされてるヤセ尾根(カミソリの刃)が個人的には一番イヤだった。 難所歩きに自信が無いかたは、屋敷コースの往復が無難。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
スパッツ
サングラス
|
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感想
日本を代表する秘境とされる秋山郷の鳥甲山に行って来た。秘境とされる秋山郷の秘峰だけあって、かつて出版されていた登山ガイド本では、公共交通機関を利用する前提で2泊3日の日程でのプランが紹介されてた。1日目は登山口近くの温泉に宿泊し、2日目に鳥甲山に登頂し下山。しかし帰りのバスが無いので麓でもう1泊して、3日目に帰宅…という塩梅である。このガイドが出た頃はまだ南越後観光バスの路線バスが和山温泉まで来てた頃で、オンデマンド化された今だったら公共交通機関を使った登頂はもっとハードルが高いだろうか。私が秋山郷に初めて来たのは、苗場山登頂しに来た1991年のことで、路線バスの車窓から国道405号の悪路を見て「自分の運転では絶対来るまい」と心に固く誓ったものだった。しかし、その後弟子(妻)と2009年に苗場山を再訪しに来た時(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2605317.html)はその誓いを破って(苦笑)マイカーでアクセスしたけど、上越市で前泊してクルマが少ない時間帯に現地入りするなど、秋山郷は「あまりクルマで行きたくない場所」という位置付けはあまり変わらなかった。それから10年以上経った今、秋山郷の国道405号よりもっと悪路を経験したからか、ようやく出向く気になった。もっとも最初は雑魚川林道経由での現地入りを計画してたけどとてつもなく遠廻りになるため、正攻法で国道405号から正面突破することにした。
鳥甲山はいろんな登山ガイドをみても「上級者向け」や「健脚者向け」との扱いで、特に和山コース(ムジナ平登山口)からは登りの一方通行とすべき…と言われるほど。距離的には和山コースの往復が一番ラクそうなんだけど、諸先輩方の忠告に素直に従うのであれば、和山コースから登って屋敷コースに降りるか、屋敷コースのピストンしかあり得ない。屋敷コースのピストンは標高差が大きく、間に細かいピークのアップダウンがありそうなので、結局、和山コースから登って屋敷コースに降りることにした。この行程を組んだ場合、公共交通機関利用なら問題ないけど、マイカーの場合はクルマを取りにムジナ平まで車道を戻らなければならない。その距離は6 km、標高差は150 m。過去の山行ではさんざんジョギングで登山口まで戻ってクルマを回収してる私でも、下山してきてすぐにこの距離と標高差をジョギングで戻るのは無理!…と諦め、徒歩での移動とした。標高差150 mの殆どは最後の3 kmで登ることになるから、なおキツイ! 自宅から鳥甲山くらいの距離であれば、早朝2時に自宅をクルマで出発して、登山口に6時に着いて登山開始…というのがお決まりのパターンだけど、「上級者向け」や「健脚者向け」との扱いの鳥甲山、疲労で登山道を踏み外して滑落…ということが無いように、前日のうちに現地入りして、ムジナ平でテント泊し、休養十分な状態で登ることにした。弟子には『もっきりや』に泊まるよう勧められたけど、予算の都合で断念(苦笑)。
10月1日の正午頃に『キャラメルハウス』(自宅)を出発。国道405号で屋敷入口まで来て中津川を渡って、下山後に歩くことになる林道を通り、4時前にはムジナ平登山口に到着。テントを張ってさっさと就寝。テントではなかなか思うように眠れないというひとも居るようだけど、翌朝4時までビックリするくらいよく眠れた(苦笑)。夜が開ける頃の5:24に、ムジナ平登山口を出発。テントは日干しも兼ねてそのまま張りっぱなしだ(笑)。いつも起きてすぐ山歩きすることは無いので(テント泊の時すら出発の2時間前には起きてる)、体が思うように動かない感覚を感じながらいきなりの急登を上る。寝起きでアタマも廻らなかったのか、せっかく持ってきたヘルメットもクルマに置いたまま(苦笑)。40分ほどの歩きで稜線に乗って、ヤセ尾根を行く。目指す鳥甲山は手前のピークに隠れて姿はみえない。最初の休憩は小水の頭(・1,437 m)のつもりだったけど、気付かないうちに通過してしまい、6:19に万仏岩の下部に到着。鎖が設置されてるけど、向かって左側(西側)のほうに廻って三点確保しながら登ってクリア。万仏岩を通過して最初のピークで休憩。遮る物無い展望が広がるなか、頭だけピョコンと出ている面白い峰があるので調べてみたら、裏岩菅山だった(苦笑)。休憩の後、さらに先を進む。いくつかのピークを過ぎ、ヤセ尾根から樹林帯のなかに入ってく。7:42に白凜瞭に到着。手頃な丸太が転がってたので、コレに腰掛けて休憩したけど、他の場所に立ってる標識の特徴からすると、横転した標識のようだゾ、コレ(苦笑)。
白凜瞭と頂上との標高差は100 mくらいしか無いけど、白凜瞭からは一旦100 m以上下って200 m以上登り返すことになる。展望が無い樹林帯の歩きが多いけど、展望が開けたところからは赤瑤筌ミソリ岩の姿が確認出来たものの、ラスボスの鳥甲山はまだ姿をみせない。カミソリ岩を西側から廻り込んで登った高みからようやく鳥甲山の姿を目にした。この高みから、両側が切れ落ちたヤセ尾根を下る。鎖が設置されてるけど、この鎖の支柱、宙に浮いてないかい?(苦笑) 鎖を信じ切ってはイケナイ…。難所を通過したら巨岩の東側に出る。直進する踏み跡と右手に急降下する道があって、どっちへ行けばいいか分かりにくかったけど、ピンクのテープが新めの右手に下る道に入る。急降下して、トラヴァースして、急坂を上り返して同じ巨岩の基部に戻る形になったけど、直進してはイケナイ何かがあるんだろう、きっと…。
足元に秋山郷の集落が山腹に散りばめられているをみて、谷の向こうには苗場山の巨躯をみながら先を進む。鳥甲山頂上はあまり眺望はよくないと聞いてたので、西側の志賀高原や北アルプスの山並みもしっかり確認。あとはラスボス・鳥甲山への登りだけだと思ってたら、ほんの5 mほどの距離だけど、両側スパーッ!の究極の平均台・カミソリの刃が登場。どうやってこれ渡る? フツウに平均台の上を歩くような要領で渡っても失敗することはほぼ無いだろうけど、万一失敗した時が致命的。鎖のほか、左側に20 cm × 20 cmくらいのマス目の金網が被せてあったので、このマス目に片足ずつ入れて横に移動する方法でここはクリア。この先は今度こそ鳥甲山への最後の上り。それらしい目印も無い屋敷からのコースの合流点を通過し、8:55に鳥甲山頂上に到着。私がこの日の一番乗り!…と思いきや、屋敷から登って来たという2人組がすでに頂上で休憩中。鳥甲山頂上の眺望はイマイチなのは、北アルプスがある西側に樹々が生い茂ってるせいだろうか。佐武流山や米山方面はバッチリみえた(苦笑)。
頂上では20分休憩し、計画どおり屋敷のほうへ下る。屋敷へのコースはムジナ平からの道とは違って難所は少ないけど、細かいピークをたくさん越えるので、アップダウンが大きい。赤凜慮まで下って休憩のつもりが、赤凜慮西のピークで間違って休憩(苦笑)。後ろからやってくる登山者が鳴らす熊鈴の音が近くで聴こえてるように感じたので、休憩してる間に追い抜いてもらおう…と思ったけど、休憩してる10分の間には音の主は来なかった(苦笑)。その後、屋敷登山口に下山するまで、熊鈴の音色に追い立てられるような感じの下りになった(苦笑)。登山道は屋敷下降点まではヤセ尾根の歩きで、屋敷下降点からはひたすら下りで(苦笑)、最初のうちは歩きやすい登山道かと思わせておいて、涸れ沢の上部に踏み込むと石がゴロゴロしてて歩きづらい。一旦幅広な登山道になるけど、雪崩防止のためという巨大な壁が現れると壁の工事の影響で道の付け替えがあったのか再び荒れ気味となり、最後まで傾斜が緩むことなく屋敷登山口の車道に転がり落ちるようにして11:36に下山。登山口にはクルマが数台駐車されてたほか、ムジナ平登山口への戻り用に自転車が2台デポされてた。
屋敷登山口からムジナ平登山口までは6 kmの車道歩き。自転車やクルマが行き交うなかでの歩きで、12:44にムジナ平登山口に到着。クルマに戻ったらまず窓を全開にして、荷物に入ってたけど結局山のなかでは食べなかった弁当を喰ってから、よく乾いたテントを撤収し、家路に就いた。
帰りは林道経由で前倉集落まで出て、『萌木の里』の手前で国道405号に合流したんだけど、スマホの電波が入らず『Googleマップ』が役に立たない状況。こんな時もあるから、紙の1:25,000地形図『鳥甲山』を持ってきててよかったなぁ〜と感じた次第(旧図郭の地形図だとこの林道は範囲外だケド)。
「上級者向け」や「健脚者向け」との扱いを受けて、前泊するなどそれなりの対策をして挑んだ鳥甲山だったけど、対策が奏功したのか無事に上って降りて来れた。体力的に充実していたのが大きかったんだろう。先々月に登った船窪岳(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4617129.html)のほうがよっぽど怖かった…(苦笑)。あと、計画段階から解ってはいたけど、6 kmの車道歩きは長かった…(遠い目)。
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