五竜岳と唐松岳〜遠見尾根→八方尾根日帰り縦走
- GPS
- 13:26
- 距離
- 32.3km
- 登り
- 2,884m
- 下り
- 2,893m
コースタイム
- 山行
- 12:46
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 13:26
白馬五竜スキー場 → 五竜岳 6:30
五竜岳 → 唐松岳 2:41
唐松岳 → 八方池山荘 1:46
天候 | 小雨のちくもり、ときどき晴れのちパラパラ雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※帰路に、八方尾根ゴンドラを「仕方なく」利用950円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆テレキャビン乗り場〜アルプス平〜地蔵の頭〜五竜山荘〜五竜岳 西側の舗装道路を少し歩くと、ゲレンデ内にある遊歩道(作業車道路のよう)入口があり、アルプス平(実際には、少し上に取り付く)まで、迷うことなく歩ける。 地蔵の頭から散策路で小遠見山までは、ラクラク、ただし、下草が邪魔くさい。 小遠見山から小さいピークをいくつか越え、いつしか、「嫌になる」位の急坂、岩場となる。ただし、夏場であれば、滑落する感じはしない。 ふわっと、登りきると、白岳となり、すぐ下に五竜山荘が見える。 五竜山荘から五竜岳までは、約1時間。最初は巻くようにだらだら登りを歩き、後は、岩場の急坂。五竜岳頂上は、稜線から少し入った場所にある。 ◆五竜山荘〜唐松岳頂上山荘〜唐松岳 楽しい稜線歩き、と言いたいところだが、遠くから見て、五竜岳と唐松岳が、「独立峰」と見えるように、下って、登る稜線となる。唐松岳頂上山荘手前は、くさりのある、岩場となっているので、慎重さが必要。特に、すれ違うときには、相手との間合いに十分注意しておきたい。くれぐれも、渋滞タイムに、ムリして、先を急ぐような「暴挙」は、とるべきでない、危険なゾーン。 山荘から唐松岳までは、ガスの中でも、安心して歩けるコース。 ◆唐松岳頂上山荘〜八方山荘〜八方尾根ゴンドラ乗り場 見晴らしの良い、八方尾根は。人気のコース。初心者も多いようで、「譲り合い」の精神を強く意識したいコース。常識は通用しにくいので、ストレスを蓄積して、注意散漫になり、ケガをしないようにしたい。 |
写真
感想
夏休みは、北アルプスの急登コースを歩きたい。
剣岳(早月尾根)、燕岳(合戦尾根)、烏帽子小屋(ブナ立尾根)は歩いたので、今年は、五竜岳(遠見尾根)にした。
どうせ歩くなら、ピストンでなく、周回コースにしたい。
調べてみると、五竜岳と唐松岳をセットで、それも、ゴンドラ、リフト、電車、バスを利用しない、トレランさんのレコがあった。
テレキャビンを使わないと、登山口から五竜岳までの標高差は、2,000m超。ドM心をそそってしまう。
問題は、所要時間であるが、走れない私は、早く歩きだすことでカバーすればよい。
そんな軽い気持ちでこのコースを歩くことにした。
台風11号の影響で、白馬村で1日停滞を余儀なくされ、11日午前2時30分にスタート。
まだ、小雨模様であるが、天候は回復傾向にあると信じ、歩き出した。
当然、この時間にテレキャビンは運行しておらず、スキー場内にある「遊歩道」(実際には作業車通行路)を歩くことになる。はなから使うつもりはないが・・・。
カッパを着るのが嫌なので、折り畳み傘を差して歩くが、時々強風にあおられて、おちょこになる。しまいには、骨が1本折れてしまった。でも、頑張る。
下草が濡れていて、小遠見山に着くころには、ズボンが濡れる→しみ込む→靴下が濡れる→靴の中ビショビショになる。
熊除け対策で鳴らすラジオからは、白馬村と南木曽町で大雨警報発令中とあるが、空を見ると、回復基調と読み、山歩きを続ける。
地蔵の頭から五竜岳までは標高差1100m余りであるが、西遠見山までがダラダラ登りで、なかなか、高度が稼げない。五竜山荘手前の登り高度差300m部分で、ようやく、急登コースを実感することになる。
台風の影響か、登山客の少なそうな「五竜山荘」に立ち寄り、天候の様子をうかがった。好日山荘のスタンプもついでに押してもらった。天候は、やはり回復基調ということであった。「白馬村が大雨警報」と告げても「ああ、下界はそうかも知れませんね」「カミナリはここらへんはあまり鳴らないんですよ」。勇気付けられた。
五竜山荘から五竜岳は、ガス&小雨の中。最初は巻くような緩やかな登り、巻いた後が、岩場の急登コースとなる。クサリも多く付いていて、その上、風も強い。カサのおちょこと格闘しながら先を進む。気付くと、右手人差し指が出血。岩で切っちゃったかな?よく考え見ると、カサを差し直すとき、折れたカサの骨が、指を突き刺したことが判明した。確かに痛かった。名誉の負傷?いや、ただのバカである。しかも、このあと、もう1回、出血することになる。
五竜岳は、稜線から少し入った場所にあった。100m位かな?ここが、強風で、吹き飛ばされそうだった。単独行だし、誰も歩いていないし、わずかな距離だが、この行程で、一番、身の危険を感じた場所であった。
五竜岳頂上で、ガスが晴れ、不完全ながらも、鹿島槍ケ岳の腹が見えた。良かった。
風が強く、寒くてとても長居はできないので、すぐに唐松岳を目指して歩くことにした。
五竜岳から唐松岳までの稜線も、強風でときどき飛ばされそうになる。幸い、雨はやみ、ときどき唐松岳も見えるようになったので、淡々と歩くことができる。
途中で、この日初めて、登山者とすれ違った、歩き出して、8時間は過ぎていただろうか。白馬から来たペアの方だった。少し話をさせていただいた。そのあとも、唐松山荘までは数組の登山者と出会うのみ。登山者が多いコースは時間帯をずらすなどしているが、それにしても、この日は、稜線部分は少なすぎる。
唐松岳頂上山荘手前は、岩の登山道でクサリが多数付いている場所。岩が乾いてくれて、本当に助かった。大きい岩のピークを超えると、立派な山荘が突然現れた。
ここからは、観光地?と思わせるように、一気に登山者が激増する。また、八方尾根から来た山ガール2名が、「唐松岳はこっちですか?」と、私が歩いてきた方向に歩き出そうとしていたので、山荘の方向を指さし「頂上はあっちですよ」と答えたら、「じゃあ、アレは何ですか」と信用しないのか、聞いてきたから「五竜岳方面にある、ピークの一つですよ」と答えた。その後、彼女達は、山荘入口で半ズボンの男性にピース姿の写真を撮ってもらっていた。どうでもよい情報であった。
山荘から唐松岳頂上までは、勾配の緩やかな道。唐松岳頂上もガスの中、雨に降られないだけでも良しとする。
山荘に戻る途中、ガスが晴れた。気持ちも晴れた。
八方尾根は、ときどきぱらつくことはあったが、お天気雨。陽射しも出るようになり、快適な尾根歩きとなった。登山者がどんどん湧くように登ってくる。五竜岳の静かな雰囲気と余りにも大き過ぎて、心の中で、笑ってしまった。
最後のミッションは、リフト、ゴンドラを使わずに下山すること。リフト2本は、なんとか実現できたが(ちなみに、リフトは1本、片道300円とか)、ゴンドラ乗り場付近をウロウロしても、鉄線で囲まれ、歩けそうな道がない。看板には、「立入禁止、凶暴な雄牛放牧中」とあった。ゴンドラ乗り場の従業員に聞くと、遠回りの車道を歩くしかないと言われ、かくも、「全部歩く」という目標が崩れ去ってしまった。
ゴンドラの中は、一人消沈して、やけ酒ならぬ、「やけおにぎり」をした。
ゴンドラを下りてから、車の置いてあるスキー場まで、約1時間、ときどき、歩いてきた山を仰ぎ見ながら歩いて戻った。
おしまい。
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