登山初心者が行く槍ヶ岳 人生初の3,000m超えの結末は?


- GPS
- 56:00
- 距離
- 38.4km
- 登り
- 2,981m
- 下り
- 2,910m
コースタイム
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 9:05
- 山行
- 10:15
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 11:10
天候 | 9/13 晴れのち曇り 9/14 晴れのち曇り 9/15 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
長野自動車道安曇野ICから県道310号、国道147号を経て、穂高駅近くにある穂高駐車場 バス:穂高駐車場〜中房温泉/1,700円 復路 バス&電車:上高地バスターミナル〜新島々駅〜松本駅/2,450円(バス&電車のセット乗車券) 電車:松本駅〜穂高駅/320円(ICは使えません) 徒歩:穂高駅〜穂高駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・危険箇所は特にありません。 ・北アルプス3大急登と言われる合戦尾根は、時間も距離も短いため辛くありませ ん。安心して登りましょう。 ・大天荘手前の急登と水俣乗越〜ヒュッテ大槍が頑張りどころ。 ・雪渓は、アイゼンもしくはストックのどちらかがあれば楽勝でしょう。 |
その他周辺情報 | 徳澤園の野沢菜チャーハンの提供時間は10:00〜14:00 |
写真
感想
2/22の登山デビューの翌日に、鼻で笑われてしまった「2,000〜3,000m級の山に挑戦したい」との夢。実際に登山を始めてみてその苛酷さを知り、いつも単独行の私がアルプスや八ヶ岳に挑戦するのは、2年目以降だろうと思っていました。
8月までの目標だった赤岳をクリアした後、今年の夏山シーズン中の3,000m超えに向けて密かに計画を練りました。当初は、1泊2日のテント泊でもスタートからテント場まで遠くもなく、重い荷物を置いて身軽なまま挑戦できる仙丈ヶ岳にしようと思っていました。
しかし、前々回の蝶ヶ岳付近から10分間だけ見えた槍ヶ岳のカッコ良さに魅せられ、さらに現時点での私の実力がどれほどのものか確認してみたく、2泊3日で槍ヶ岳に決定。3,000m超えだけではなく、2泊3日も初めてです。
予定では、中房温泉〜上高地の表銀座縦走コース。ただし、今までに登ったことがない燕岳と大天井岳も踏むという、若干遠回りとなる欲張りコースとしました。また、槍ヶ岳登頂だけではなく、徳澤園で念願の野沢菜チャーハンとソフトクリームを食べることも目標としました。
槍ヶ岳に決定以降、頭の中では「アルプス一万尺」の歌が流れるようになり、中学1、2年生の時の林間学校のキャンプファイヤーを思い出しました。林間学校の直前になると、男子校のくせに真夏のクソ暑い体育館の中でフォークダンスの曲に合わせて歌と踊りの練習をやらされるのですが、週刊少年ジャンプで「ろくでなしBLUES」が連載されていて、ボンタン等の変形制服を身にまとった最後の世代です。バカ学校に通う頭の悪い生徒たちが真面目に練習するはずもなく、暑さでイラつく腹いせで、踊るフリをしてどこかで蹴り合い、殴り合いが始まるのです。中3の2学期まで三単現のSの意味すら知らなかった、勉強しないでひたすら遊んだ中学時代を懐かしみつつ、気持ちを高めました。
9/13
この時期は1年で最も忙しく、金曜日の帰宅も当然遅くなりました。このため、穂高駅近くの登山者用に開放されている無料駐車場に到着したのが4:20。連休初日のこともあり、駐車場はたくさんの車が停まっていて、バス停にはまだ誰も並んでいませんでしたが、皆さん4:48に発車する始発バスに並び始める機会を窺っています。これはマズイと思い、仮眠する暇もなく準備をし、学校に遅刻しそうなのび太が食パンを口に咥えたまま家を出るように、持参したおにぎりを咥えながらバス停に向かうと、ほんの僅かな時間の間に20人くらい並んでいました。その後も続々と並び始め、臨時バスで対応していました。後の方の皆さんは乗車できたのでしょうか?
中房温泉に到着すると、もの凄い人混みでした。観光バスやタクシーが続々と到着し、登山者は押し流されるように登山口へ進んでいきます。私も準備を済ませて出発しようと思いましたが、「山岳遭難を減らそう!登山者の位置情報を自動把握するモニター募集」という国土交通省の実証実験が気になり、参加してみることに。ビーコンを持ち歩くことで登山者の位置情報を自宅からでも確認することができるそうで、これが実用化されれば、私のような単独登山者でも身内の心配が軽減されることになります。地元のテレビ局が取材に来ていて、私もインタビューを受けました(オンエアされたかどうかは不明です)。これら一連の手続きが済んだら時刻は7:00。晴天の中、徹夜で挑戦です。
燕岳が人気がある山だということは事前に聞いていましたが、あまりの人の多さで山頂までほぼ渋滞でした。まるでベルトコンベヤーのようにゆっくり、ゆっくりと進み、自分のペースで歩くことはできません。どこかで必ず渋滞を発生させている方がいるので、その方を抜くしかないのですが、登りと下りが譲り合わねばならないくらい登山道は狭く、途中にある4つのベンチで休憩せずに足早に抜かしました。
今回経験した渋滞発生原因のうち、特に解消に苦労したのは、’配の女性(マイペース)、⇒鎮娜犹くらいのお子さん連れ(ご両親とお子さんがキャッキャと遊びながら登っている)、50歳代くらいの男性(「別にタイムを競うわけじゃないから、ゆっくり登ればいいんだよ」と大声で話ながら開き直り)の3パターン。この方たちは後ろのことを考えずに譲る気ゼロのようだったので、ベンチではなく途中の若干道が広くなる場所で他の方々とともに一気に抜かしました。
合戦小屋に到着すると、多くの方が大人気のスイカを食べていました。私は母親に「スイカは買って食べるのものではない」との教えで育てられ、子どもの頃にお店で買ったスイカを自宅で食べたことは1度しかありませんでした。ドリフでスイカの早食いを見ては、いつも「羨ましい」と思っていました。
そんな母親の教えを破り、購入してみることに。ただ、1カット800円で結構な大きさ。ハーフカットだと半額ではなく500円だったので、ハーフカットでも良いというソロの方を見つけ、2人で400円ずつ支払いました。食塩をかけて塩分を補給、スイカの水分を補給して元気が出て、燕岳を目指しました。
合戦尾根は、北アルプス3大急登と言われているものの、時間も距離も短いため、全然辛く感じません。個人的見解ですが、前々回の三股〜常念岳コースの急登続きの方が遥かに辛いはずです。
途中から天気は曇りだし、次第にガスも発生してきてしまい、毎度のことながら残念な雰囲気に。それでも「雨が降らないだけいいや」と言い聞かせ、予想タイムよりかなり遅めに燕山荘に到着。既に多くの方が休憩されており、テント場は満員御礼。大天井岳方面に向かう方はあまりいませんでした。ここがゴールの方が多いのですね。
ザックを下して、取り急ぎ燕岳を目指します。鳳凰三山のように砂地のような道を進み、燕岳山頂に到着。ガスで真っ白で何も見えませんし「燕岳頂上」と書かれた石があるだけで、人気の山の割には殺風景な感じでした。燕山荘に戻る際に、楽しみにしていたメガネ岩とイルカ岩を探したのですが、イルカ岩は発見できず。どれだったのだろう?
燕山荘に戻り、ヤマレコさんで良く見る変な顔のような石を探したのですが、こちらも見当たらず。ここまででかなり予想タイムをオーバーしているのでとっとと諦め、どら焼きを食べて大天井岳に向けて出発しました。ガスが切れて槍ヶ岳方面が見え隠れしながら進みます。途中で蛙岩がありましたが、蛙には見えませんでした。
大天井岳が近づくにつれて急登が見えてきて、途中で休憩しながらゆっくりと登られている方たちを確認できます。あれを登るのか…大変そうだな…。大天井ヒュッテとの分岐で、大天井岳を諦めて巻いてしまおうかと思いましたが、テント場の確認もしてみたかったので大天井岳方面に進みます。ここから先、大天荘までが初日では一番キツく感じました。
どうして合戦尾根が3大急登なのだろう?と首をかしげながら、息が切れないように呼吸を整えて登ります。テントを背負っている方が多く、道を譲っていただく際に「どちらまで?」と訊ねると、大半が「大天荘まで」とのこと。大天荘のテント場も混んでいるかな?私が「ヒュッテ西岳まで」と答えると、ほぼ皆さん驚かれていました。
大天荘に到着してテント場を見ると、まだ若干余裕がありました。とりあえずザックを下して、岩場をピョンピョンと駆け抜けて大天井岳山頂に到着。ここでもガスで何も見えず…。え〜い、今回の目標は槍ヶ岳だ!
早々に大天荘に戻ると、テント場は傾斜のある場所の2〜3張り程度の空きになっていました。ここで、おにぎりと大福を食べながら考えます。既に13:30だけれど、徹夜の疲れはそんなに感じないし、ヒュッテ西岳には明るいうちに到着できるはず。そして、ほとんどの方が大天荘泊まりだから、ヒュッテ西岳は空いているはず。さらには、少しでも早く槍ヶ岳に登りたい…。導き出した結論は、ヒュッテ西岳に行きましょう!でした。
大天井ヒュッテ目指して一気に下ります。途中で若い女性の方とすれ違っただけで、これまでに何度も経験してきた静かな(寂しい)山歩きの始まりです。大天井ヒュッテに到着するも休憩することなく通過。少し進むと「貧乏沢入口」と書かれていてる標識が地面に置いてありました。地図を確認しても、登山道がありません。何だろう?と思いつつ先に進みます(ここが北鎌尾根への入口であることは、翌日知りました)。
ビックリ平では、燕岳〜蝶ヶ岳までの稜線は雲で見えることなくてビックリせず、赤岩岳山頂の標識でも同様。結局ノンストップでヒュッテ西岳に到着しました。
小屋が小さかったので、少し不安気味にテント場を確認しに行くと、まだまだ平らな場所が残っていました。槍ヶ岳も近くに見えて、大天荘にしなくて良かったと思いました。受付を済ませテントを設営する際、土の柔らかさに感激しました。ほぼ同時刻に設営を開始したお隣さんと「こんなにペグが決まり易いテント場は初めてですね」なんてお話しながら、これまたほぼ同時刻に中房温泉をスタートしたことが判明。お隣さんは燕岳と大天井岳を踏んでいないそうで、「せっかくだから西岳も踏んでくれば?」と言われましたが、小屋の裏手に聳える西岳に躊躇し、「いや〜、もう時間が遅いですから」と言い訳。いつものヘタレっぷりを披露してしまいました。
夕食を済ませ、雲がかかる槍ヶ岳方面をしばし見つめ、「明日登るぞ!」と気持ちを新たにします。そして、明日以降の計画を練りました。ここまで順調に来れたので、槍ヶ岳を登ってから〜佻山拱面に進み、どこかでテント泊で新穂高温泉に下山して帰宅、⊂梨平まで下山してテント泊、焼岳に登ってから帰宅、上高地まで下山して、1泊2日で帰宅。でも、せっかく2泊3日を計画したのだから ↓△な。天気にもよるし、明日決めよう。19:00に就寝です。徹夜していたこともあり、熟睡。2:30頃に喉の渇きで一度目を覚ますも、水を飲んですぐに熟睡。疲れは取れましたが、満天の星空(だったそうです)を見逃してしまいました。
9/14
4:30に起床。天気を確認するため外に出ると、テントの表面は霜がビッシリ。山の夏は短いのですね。そして、まだうす暗い槍ヶ岳方面を見てみると、ピカピカ光っています。山頂に登って、ご来光待ちの方がいるのでしょう。そのうち、朝日が昇ってきて、槍ヶ岳がピンク色に染まります。雲ひとつないような晴天。これは絶景を拝めるのでは?と期待を胸に、朝食を済ませて出発です。
水俣乗越まで、鎖場と梯子を通過しつつ下るような感じです。特に問題なく先に進むと、鎖場と梯子だけではなく、岩場も登場。少し疲れてルンルン気分にはならなかったものの、アスレチックのように、一歩一歩槍ヶ岳が近づいてくるのを楽しみながら快適に進みます。有名な3段梯子ではビビっている方もいらっしゃいましたが、先月に権現岳の61段梯子を経験したので、まったく怖くありません(あの時八ヶ岳のキレットに挑戦したのは、いつか迎えるであろう、この梯子のためでもありました)。このような感じで、ヒュッテ大槍に到着。
するとどうでしょう。山頂から槍の肩まで、大勢の方が並んでいます。ここで、下山まで2〜3時間待ちとの情報を入手。ん!?ちょっと待て。ざっと計算すると、槍ヶ岳下山はお昼頃。昨日考えた ↓△麓孫圓任るかな?とりあえず、槍ヶ岳山荘まで急ごう。
槍ヶ岳山荘までは、殺生ヒュッテを見下ろしながら鎖場・梯子・岩場を進みます。危険箇所は特にありませんでしたが、このコースが厳しいと思う方は、一度殺生ヒュッテまで下り、つづら折りの優しい道で槍ヶ岳山荘を目指すと良いでしょう。
さて、槍ヶ岳山荘に到着すると、もの凄い人の数。3時間待ちとの情報は変わらなかったので、トイレを済ませて水分を補給し、途中で寒くならないように厚着をし、槍の肩あたりから列に並びます。少しずつでも進むのかと思いきや、まったく進みません。山頂で絶景を楽しんでいるのか、ほとんど下山してこないのです。私の前の前に九州から来られた年配の男性・女性(ご夫婦?)、前に横浜から来られた男性1名、後に(どこから来られたか不明)ご夫婦が並び、6人で会話をしながら待ちます。左を見れば双六岳方面が綺麗で、鏡平山荘が見えました。今日中にあそこまで行けるかな?
ほとんど動かぬまま1時間が経過した頃、周りから雲が発生し始め嫌な雰囲気に。すぐにガスが発生し始め、双六岳方面は真っ白で何も見えなくなりました。山頂でも何も見えないのでしょう。山頂にいる方たちが諦めてすぐに下りだしたのか、ようやく列が一定のペースで動くようになりました。「山頂では一瞬でも晴れるといいですね」と期待しながら進みますが、完全に太陽は隠れてしまい、シラケモードでした。
途中で一瞬だけガスが切れて明るくなったとき、列の動きがピタリと止まります。ガスで何も見えなくなっても、またガスが切れるのを期待しているのか動きません。しばらくして諦めたのか、ようやく動き出しました。
待っている間、小槍に登っているクライマーが数名いて、「アルペン踊りを踊ってくれませんかね」と話しながら眺めていました。また、高層ビルの建設現場の職人さんのようにザイルとハーネスを腰にジャラジャラと付けた重装備で、薄着でテントを背負った方がたまに下りてきます。寒さ対策で厚着、ザックを槍ヶ岳山荘に置いてきて身軽な我々とは明らかに違う方たちです。九州から来られた方が「北鎌尾根を登ってきたツワモノだ」と。
確かに凄いのです。下りも渋滞なのですが、鎖場で待つのが嫌になったのか、「こちらから下ります」と崖の方に消えて行きました。あのような感覚の持ち主が、北鎌尾根から登るのか…。華奢な単独行の若い女性もいて、皆でビックリでした。中には「槍ヶ岳の下りって結構怖いね」と言うツワモノがいて、「北鎌尾根を登れるのに???」と皆で笑ってしまいました。
事故が起きぬよう、1人づつ鎖と梯子をクリアして、並び始めてから3時間20分経過後に、ようやく山頂に到着。あまりにも待ち時間が長すぎ、真っ白で何も見えなかったため、3,000m超えの喜びは全くありませんでした。山頂では写真撮影と下りの梯子待ちの渋滞のため、20分程度滞在することに。一応、周りの雰囲気に促されて半強制的に「槍ポーズ」で写真を撮りました。
たまに山頂の右側の崖から、ひょっこりとツワモノたちが現れます。ここから登ってくるのですね。大渋滞に驚いたツワモノは「北鎌尾根から登れば、渋滞しないで済みますよ」と笑いを誘います。私が「じゃあ、北鎌尾根から下れば、渋滞しないで済みますよ」と冗談半分で言い返すと、「登りだけで精一杯です。下りは勘弁してくださいよ〜」と、また笑いを誘いました。その時です。
「あ〜あ〜、こんなことやっているから渋滞するんだよっ。後ろが詰まっているから写真撮影なんかしないでとっとと下山してもらえますか?ここの梯子は頑丈にできているから、1人づつじゃなくて2〜3人で下りても大丈夫だから」と、どこかのツアーの男性ガイドが喚きます。写真撮影はまだしも、下りの梯子で事故が起きたらこの男性は責任をとれるのでしょうか。せっかくの楽しい雰囲気が険悪なものと変わり、残念でした。お金を払ってこのようなガイドが担当になったら、私ならクレームを入れます。皆でこの男性ガイドを無視し、安全に下山しました。
結局、並び始めてから下山まで4時間を費やしてしまいましたが、6人で楽しく会話していたので、時間の経過は苦になりませんでした。この時点で、まだ槍ヶ岳山荘の入口まで並んでおり、この方たちが下山するのは18時頃でしょう。昨日のうちにヒュッテ西岳まで行っておいて良かった。大天荘スタートだったら、下山が16〜17時になっていたはず。しかし、昨日考えた 銑は全て諦めることとなり、ここで1泊して明日にもう一度登ろうかと思いましたが、連休明けの16日の午前に私にとって一年で一番重たい会議が設定されているため、天候不良等による延泊は許されません。何かあってはまずいので、早めの帰宅を目指し、横尾まで下山することにしました。
皆さんに別れを告げ、下山開始。既に槍ヶ岳山荘のテント場は満員御礼、殺生ヒュッテのテント場も設営するには苦しい場所しか空いていません。ここでテント泊するわけではないので、先に進みます。
ザレ場を一気に下り、天狗原分岐の先に雪渓が現れます。私はいつもストックを持参しませんが、皆さんのレコによると「ストックがあれば楽だが、アイゼンは必要ない」とのことですので、白馬の白馬乗鞍岳〜天狗原の雪渓のような簡単なものかと思いきや、結構な傾斜でした。しかも、キックステップが効かない微妙な雪面で、かなり参りました。まるでノルディックスキーのジャンプ台のような轍を、他の方はストックを使って楽々下る中、ゆっくりと下ります。重心を後ろにするとコケるのは確実なので、なるべく前傾姿勢を保ちます。途中でスッーと滑ってしまったときは、直滑降の体勢になってバランスを取りながらボーゲンのように抵抗を作って減速します。これの繰り返しで、何とかコケずに雪渓をクリアできました。今回のコースで一番の核心部でした。
雪渓クリア後の大曲から先は、林道のように歩き易い道となり、横尾を目指して地味に標高を下げながらひたすら進みます。ババ平に到着したのが16時過ぎで、ここでテント泊にしようかと揺らぎましたが、初志貫徹で進みます。槍ヶ岳の待ち時間が長いためにあまりお腹が空かず、昼食をとっていなかったので、槍沢ロッジで何か食べようかと思いましたが、暗くなる前に横尾に到着したかったので、先に進みました。
お腹の虫が鳴りやまぬ中、結局ノンストップで横尾に到着。登山をしていないであろう、一般のキャンプ客もいて、かなりの賑わいでした。きっと遅い時間まで賑やかだろうな…。受付をして、暗くなる前に設営完了。お腹がペコペコで、2食分を食べました。
明日はどうしよう?ここからなら、焼岳登山も可能かな?それとも蝶ヶ岳に登って長塀尾根で徳沢まで下山かな?…しかし、導き出した結論は、16日の会議のために早く帰宅する。見事なヘタレっぷりを、仕事を言い訳にして誤魔化します。
やはり夜は賑やかでしたね。寝付くまでに時間がかかりました。夜中に起きて、昨晩に見ることができなかった星を見ようとテントから顔を出してみたものの、残念ながら曇り空でした。
9/15
天気は曇り。槍ヶ岳山頂はどうだろうか?
今日は上高地まで3時間程度の楽な行程。しかも、徳澤園で念願の野沢菜チャーハンとソフトクリームを食べられる。空腹は最大の調味料とばかりに、朝食はいつもの半分以下で済ませ、ルンルン気分で出発です。
徳澤園に到着すると、多くの方が休憩がてらソフトクリームを食べていて、みちくさ食堂では、窓越しにスプーン片手に何かを食べている方が見えます。喜んで中に入ると、あれ?カレーを食べている?
メニュー表を確認すると、野沢菜チャーハンが見当たりません。係りのお姉さんに訊ねると「HPにも掲載しています通り、野沢菜チャーハンは10:00〜14:00の提供となります」とな。「なっ、なっ、なんですと???」一瞬耳を疑いました。事態を理解するのに10秒はかかったと思います。
ガーァァァン!!!!!
野沢菜チャーハンを食べるには、あと2時間待たねばいけないの?何のために朝食を少なめにしたの?昨日、頑張って横尾まで行かずに、ババ平でテント泊にすれば良かった…。完全に白旗でした。文句を言っても仕方がないので、こうなったらソフトクリームを5個くらい食べてやろうかと思いましたが、太りやすい体質ゆえ、1個で我慢しました。
まるで天国から地獄に叩き落されたように、ルンルン気分からトホホ気分でトボトボと足取り重く上高地を目指しました。笑顔の観光客で溢れている河童橋を俯きながら通過し、バスターミナルに到着。それはそれは悲しいゴールとなりました。
人生初の3,000m超えについて、感動、喜び、達成感は全くなく、残念ながらイマイチな感想しかありません。しかし、東鎌尾根コースは、ヒュッテ西岳以降まで辿り着けば1泊2日でも可能であることがわかりましたので、燕岳と大天井岳を踏まずに体力を温存する計画でいつか挑戦してみようと思います。
また、次回槍ヶ岳に登る際は、新穂高温泉スタートの西鎌尾根コースを選択してみようと思います。北鎌尾根コースはいつの日かのお楽しみとして…!?
そして…野沢菜チャーハンを食べに徳澤園に行かねばらない宿題ができてしまいましたとさ。
槍ヶ岳登頂お疲れさまでした。
連休と快晴が重なると凄いですね。4時間とは驚きです。
しかし、天気は良くて素晴らしい山行になりましたね。夏の鬱憤を晴らすかのように。
燕も表銀座も常念岳ま行ったことがないので、来年はその辺りにも顔を出したいと思っています。
誰とも話さずに4時間待ちだったら、苦痛で耐えられなかったかもしれません。
ともに並んだ方との一期一会に恵まれました。
槍ヶ岳は曇り空とガスで残念でしたが、その他はとても良い天気でした。
日焼け止めが効かずに小麦色状態で、後々にシミになりそうで怖いです。
燕岳から先、槍ヶ岳を眺めならの歩きは楽しかったですよ。
表銀座ではなく、蝶ヶ岳経由で上高地に抜けるのもアリかなと思っています。
1泊2日なら常念小屋泊、2泊3日なら大天荘と蝶ヶ岳ヒュッテ泊でしょうかね。
ぜひ検討してみてください。
槍ヶ岳に行ったのですね
しかしまた行程がハードですね!
私にはロングコースは無理です…
日程的に天気が良かったですが、昼からは曇る感じだったので、山頂では残念でしたね。
お疲れさまでした!
表銀座縦走コースは、距離が長いだけでそんなにハードではありませんよ。
中房温泉〜一の沢を歩かれ、奥穂高岳にも登られたlapipipi39さんなら全く問題ないと思います。
lapipipi39さんも、槍ヶ岳に登られた際にはぜひ「槍ポーズ」で撮ってみてください。
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