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Yamareco

記録ID: 5275272
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日高山脈

豊似岳〜二観別岳〜美幌岳〜広尾岳

2023年03月14日(火) ~ 2023年03月17日(金)
 - 拍手
GPS
80:00
距離
45.0km
登り
3,653m
下り
3,742m

コースタイム

1日目
山行
10:46
休憩
0:07
合計
10:53
4:57
51
追分峠
5:48
0:00
227
9:35
9:42
368
15:50
・916
2日目
山行
9:06
休憩
0:07
合計
9:13
6:07
25
・916
6:32
6:35
57
二観別岳(1005m)
7:32
7:36
437
本二観別岳(1009m)
14:53
0:00
27
・936
15:20
790m地点
3日目
山行
3:43
休憩
0:10
合計
3:53
5:27
130
790m地点
7:37
7:44
15
・1068JP
7:59
8:02
15
8:17
0:00
63
・1068JP
9:20
・923の北側
4日目
山行
7:33
休憩
0:24
合計
7:57
5:20
130
・923の北側
7:30
7:35
43
・1186
8:18
8:37
88
10:05
0:00
175
尾根末端
13:00
0:00
17
中広尾川林道起点
13:17
ゴール地点
天候 3/14 晴れ時々曇り
3/15 晴れ
3/16 晴れ→曇り→雨
3/17 晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
下山後は中広尾川林道起点付近〜追分峠までタクシー利用
1日目
薄暗い中、追分峠を出発。
1日目
薄暗い中、追分峠を出発。
豊似岳を目前に牧場の道を進む。
1
豊似岳を目前に牧場の道を進む。
・373の尾根取り付き付近。前夜の雪で初冬のような雰囲気。
・373の尾根取り付き付近。前夜の雪で初冬のような雰囲気。
・653に上がってもまだ雪は少ない。
・653に上がってもまだ雪は少ない。
800mで広い雪庇が出てきた。襟裳岬を振り返る。
800mで広い雪庇が出てきた。襟裳岬を振り返る。
三枚岳〜・1088〜豊似岳への稜線はとても歩きやすい。
1
三枚岳〜・1088〜豊似岳への稜線はとても歩きやすい。
直下は雪が少ないがハイマツは寝ているので難なく通過。
直下は雪が少ないがハイマツは寝ているので難なく通過。
豊似岳(1105m)到着。
2
豊似岳(1105m)到着。
観音岳方面を振り返る。
観音岳方面を振り返る。
・1093から北西の稜線へ。ここが縦走のスタート地点。
1
・1093から北西の稜線へ。ここが縦走のスタート地点。
・964への登り、広く快適な稜線が続く。
1
・964への登り、広く快適な稜線が続く。
樹氷が残っていてまだ冬の雰囲気がある。
1
樹氷が残っていてまだ冬の雰囲気がある。
970mピークへの登りは急だが藪を掴んでシューのままで問題なし。
970mピークへの登りは急だが藪を掴んでシューのままで問題なし。
二観別岳は近いように見えて意外と遠い・・・
1
二観別岳は近いように見えて意外と遠い・・・
940mからの下りは急斜面。ツボにしたらモナカ雪でハマって進まず、結局シューのままズルズルと下る。
940mからの下りは急斜面。ツボにしたらモナカ雪でハマって進まず、結局シューのままズルズルと下る。
・922への登り、部分的に藪が出ているので右側からトラバース気味に雪を繋いでいく。
・922への登り、部分的に藪が出ているので右側からトラバース気味に雪を繋いでいく。
・922の上部は密林にでかいザックが引っかかって面倒だった。
・922の上部は密林にでかいザックが引っかかって面倒だった。
・922ピークより。ようやく二観別岳が間近に。
1
・922ピークより。ようやく二観別岳が間近に。
初日は・916でテン泊。
1
初日は・916でテン泊。
2日目
テン場に朝日が差し込む。
2
2日目
テン場に朝日が差し込む。
まずは二観別岳へ。
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まずは二観別岳へ。
二観別岳(1005m)到着。
藪に覆われていた夏と違って見晴らしが良い!
2
二観別岳(1005m)到着。
藪に覆われていた夏と違って見晴らしが良い!
豊似岳がくっきり
1
豊似岳がくっきり
稜線を本二観別岳へ進む。1000mピークまでは広く歩きやすい。
稜線を本二観別岳へ進む。1000mピークまでは広く歩きやすい。
ちょっとしたナイフリッジが出現。
1
ちょっとしたナイフリッジが出現。
細いけど藪を掴んでシューのまま行く。
1
細いけど藪を掴んでシューのまま行く。
本二観別岳(1009m)到着。ここからの眺望は夏と変わらず素晴らしい。
アポイ〜ピンネシリ。
4
本二観別岳(1009m)到着。ここからの眺望は夏と変わらず素晴らしい。
アポイ〜ピンネシリ。
これから歩く広尾岳への稜線、そして南日高の山々が立ち並ぶ。
2
これから歩く広尾岳への稜線、そして南日高の山々が立ち並ぶ。
楽古岳〜十勝岳〜トヨニ岳〜ピリカヌプリまでははっきりと確認できた。
2
楽古岳〜十勝岳〜トヨニ岳〜ピリカヌプリまでははっきりと確認できた。
本二観別岳の北もそこそこの急斜面。
本二観別岳の北もそこそこの急斜面。
・869周辺はなだらかで気持ち良い。
1
・869周辺はなだらかで気持ち良い。
610mコルを経て、・752ピークへ続く稜線。
610mというのは日高の稜線で最低標高なのでは?
610mコルを経て、・752ピークへ続く稜線。
610mというのは日高の稜線で最低標高なのでは?
・683付近は雪が少なく、そろそろ藪漕ぎになりそう。
・683付近は雪が少なく、そろそろ藪漕ぎになりそう。
美幌岳、1068JPが少しづつ近づいている・・・気がする。
1
美幌岳、1068JPが少しづつ近づいている・・・気がする。
・706手前は細くて雪が少ない。
・706手前は細くて雪が少ない。
・706を下ってから200mの登り返し。
・706を下ってから200mの登り返し。
かなりの斜度だが藪を掴んで這い上がった。
かなりの斜度だが藪を掴んで這い上がった。
・936まではさらに数回のアップダウンが続く。
・936まではさらに数回のアップダウンが続く。
・936を越えると視界は開け、尾根も広くなった。
1
・936を越えると視界は開け、尾根も広くなった。
790m地点でテン泊。
雪質が程よい硬さで綺麗にブロックを積めた。
2
790m地点でテン泊。
雪質が程よい硬さで綺麗にブロックを積めた。
3日目
美幌岳が正面に見える快適なテン場から出発。
1
3日目
美幌岳が正面に見える快適なテン場から出発。
豊似岳がもうこんなに遠くなった。
2
豊似岳がもうこんなに遠くなった。
ご来光を迎える
青と赤のグラデーション、この時間帯の山が一番美しい。
1
青と赤のグラデーション、この時間帯の山が一番美しい。
1068JPまではあとわずか。
1068JPまではあとわずか。
・1068JPに到着。空身で美幌岳へピストンしていく。
・1068JPに到着。空身で美幌岳へピストンしていく。
美幌岳(1121m)到着。山頂だけ雪が少ない。
1
美幌岳(1121m)到着。山頂だけ雪が少ない。
1068JPから主稜線を北上。840mコルは風の通り道なのか完全に地面が出ている。
1068JPから主稜線を北上。840mコルは風の通り道なのか完全に地面が出ている。
悪天候に備えて、昼前から寝床を確保。
1
悪天候に備えて、昼前から寝床を確保。
4日目
テン場から夜明けの海岸線を望む。
2
4日目
テン場から夜明けの海岸線を望む。
オレンジ色に染まった稜線を北上。
1
オレンジ色に染まった稜線を北上。
4日間毎日朝陽を受けて山を歩けるなんて幸せだ・・・
2
4日間毎日朝陽を受けて山を歩けるなんて幸せだ・・・
・1176への登りを快調に進む。
・1176への登りを快調に進む。
・1176より、豊似岳から歩いてきた長い稜線を振り返る。
1
・1176より、豊似岳から歩いてきた長い稜線を振り返る。
主稜線分岐の・1186はもうすぐそこ。
1
主稜線分岐の・1186はもうすぐそこ。
・1186に到着。南日高のトレースが一気に繋がった。
2
・1186に到着。南日高のトレースが一気に繋がった。
今回最後のピーク、広尾岳へ。
主稜線から離れていても存在感がある。
今回最後のピーク、広尾岳へ。
主稜線から離れていても存在感がある。
カリカリの斜面にアイゼンを効かせて・・・
カリカリの斜面にアイゼンを効かせて・・・
広尾岳(1231m)到着!
楽古岳から北側はガスっているようだった。
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広尾岳(1231m)到着!
楽古岳から北側はガスっているようだった。
海を目前に、急斜面を下って中広尾川へ。
海を目前に、急斜面を下って中広尾川へ。
・919までは快適な尾根、その下は踏み抜き多数・・・
・919までは快適な尾根、その下は踏み抜き多数・・・
尾根末端まではなんとか雪は繋がっていた。
尾根末端まではなんとか雪は繋がっていた。
最後に中広尾川林道を起点まで歩く。
最後に中広尾川林道を起点まで歩く。
崩壊
どれも水量は少なく、渡渉は飛び石で問題なし。
崩壊
どれも水量は少なく、渡渉は飛び石で問題なし。
7kmの林道歩きを終えて林道起点へ。
7kmの林道歩きを終えて林道起点へ。
タクシーで追分峠に帰還。
タクシーで追分峠に帰還。

感想

日高稜線の南端部分の軌跡を繋げるため、雪が締まって距離が稼げるこの時期を狙って豊似岳〜広尾岳を縦走してきた。

この区間には地形図上で山名表記のある山は無く、(通称)美幌岳の北のジャンクションピークから南は標高1000mに満たない地味な稜線がひたすら続いている。普通の人はまず歩くことはなさそうな所だが、脊梁線縦走を達成したKo玉さんの著書や、北大山岳部の方の最近の記録があった。それらを参考にさせていただき挑戦。


【1日目 3/14】
早朝に追分峠を出発。肉牛牧場の道は前夜までの雪がうっすらと積もっていて、それが冷え込みで凍ってカチカチになっていた。牧場の道から登山道に入っても積雪は浅く、・653で少し増える程度だった。800mで尾根の右側に広い雪庇が出てきたのでそのあたりからスノーシューを装着。三枚岳から豊似岳への稜線は広く安定した雪庇で快調に進む。

豊似岳からオキシマップ山の方向に少し進み、・1093から北西に伸びる稜線へ。ここが今回の縦走のスタート地点となる。940ピーク〜・964ピーク〜970ピーク〜・922ピークといくつものアップダウンを越えて行く。この辺の稜線は屈曲を繰り返しているので、二観別岳は意外と近づいてこない。それでも夕方には二観別岳の手前まで来ることができた。・916の北東の斜面を整地してテン泊。ほぼ無風で静かで厳冬期のような寒さもなく、翌朝までぐっすり眠れた。


【2日目 3/15】
この日は終日晴れ予報。こんな日は距離を稼ごうと意気込んで3:30にアラームをかけたが、起きたら4:30だった・・・。速やかに撤収し、まずはひと登りで二観別岳へ。ここから本二観別岳までは中間に細い部分がある。両側は切り立っているので上をスノーシューで慎重に進む。藪も出ているのでそこまで難しくはなかった。・1009の本二観別岳からの眺望は素晴らしく、ピリカヌプリまでの山並みがくっきり見えた。

本二観別岳からは一気に下り、800m〜600m台の似たようなアップダウンが続く。標高を下げても藪漕ぎになる場所は無く、雪は程よく締まってスノーシューで歩きやすい場所がほとんどだった。快晴、無風ということもあって暑い。昨晩作った水も足りなくなり、上はシャツ1枚で雪を食べながらひたすら歩いた。

・706と・936の間には標高差200mほどの急登がある。ここは流石にアイゼンの出番か?と思いきや、雪はかなり腐っていて、雪庇の境の笹藪を掴んで這い上がっていたらスノーシューのまま行けてしまった。・936を越えてコルに降りる途中に良い感じの平場があり、この日はそこでテン泊。稜線の上部から風の音がゴーゴーと聞こえてくるが、テン場はあまり風が当たらず快適だった。


【3日目 3/16】
前日までの暖気と夜の冷え込みで雪面はカリカリに締まっているので、アイゼンで出発。シューよりも足取りが軽くて自然とペースが上がる。振り返ると、朝陽の中に豊似岳が小さく見え、2日間でずいぶん長い距離を歩いたんだな〜と実感した。

広い稜線を進んで2時間ちょいで・1068ジャンクションピークに到着。ここにザックをデポして美幌岳までピストンしていく。美幌岳の頂上は雪が浅く、夏に沢から登った時とあまり印象が変わらない感じだった。

・1068JPから急斜面を下って主稜線を北へ。この日は午後から雨風が強くなる予報。行程には余裕があるし翌日も好天予報なので、どこかで停滞してやり過ごすのが良いだろうと判断。まだ朝なのに寝床を探しながら歩く。・923を下った所に西風を避けられる小さな平場を見つけたので、そこを整地してテン場にした。

テントでゴロゴロしていると13時から雨が降りだし、15時ごろには風も強くなって時折テントがバタつく。雑に積んだ雪のブロックが強風で崩れてテントに落ちてきてびっくり。暗くなっても雨(雪?)風は変わらず、外に出るのも億劫になったのですぐに寝た。


【4日目 3/17】
3:30に起きると昨夜までの雨風は収まって晴れていた。朝陽でオレンジ色に染まった主稜線を北上していく。18時間も休んだおかげで体調はばっちり、コルから300mの登り返しもサクッとこなして・1176に上がる。雨と冷え込みで雪はさらに締まって超快適だった。・1186で主稜線を外れて今回最後のピークの広尾岳へ。夏はハイマツに囲まれていた頂上も、雪があると開けていて眺望も素晴らしかった。

積雪期に広尾岳に登った記録はあまり見ないが、夏と同じように北尾根〜西広尾川に下りても面白くないので、敢えて北東尾根〜中広尾川に下ってみる。直下100mはかなりの急斜面だが雪は適度に緩んでいて問題ない。・919の先までは締まって歩きやすく、880mで東に向きを変えて標高を下げると踏み抜きが増えてきた。

尾根末端から中広尾川沿いの林道を進む。地形図では線が途切れているが、さらに上流へも林道跡は続いているようだった。林道起点までは約7km。途中5ヶ所くらいで崩壊していたが、渡渉は全て飛び石でOKで靴を濡らす所も無い。路面の残雪は浅く、多少ズボるものの7割くらいはツボ足で歩けた。

・69の西広尾川林道起点で雪の無い道路に出る。タクシーを呼んでみるとすぐに来てくれた。追分峠まで13000円であっという間に到着。片道縦走でタクシーを使うのは初めてだったが、自転車やバイクをデポする手間が無くて非常に楽だった。出費がでかいので頻繁には使えないけど・・・。



【まとめ】
3日目の午後以外はほとんど晴れ、雪も締まって歩きやすく、天候と雪質に恵まれた山行だった。今回新たに登頂した名のある山は一つも無いけど、稜線のトレースが繋がって1本になっていくのはとても充実感がある。日高主稜線の残りは2区間、今年中に終わらせてしまいたい。

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