宝川理水試験地から雨ヶ立・布引山
- GPS
- 15:07
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 1,466m
- 下り
- 1,461m
コースタイム
天候 | 4/1 快晴 4/2 霧のち雲りのち晴れ 温度ログ 4/1 最低0.64(20:23) 最高24.26(14:32) 4/2 最低0.73(03:32) 最高17.9(11:42) |
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過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
往路 水上駅8:32-宝川入口9:01 1150円 復路 宝川入口14:47-水上駅15:22 水上駅15:33-水上温泉15:39 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・宝川の林道のトンネルまではデブリの堆積した一か所以外は雪がない。トンネル過ぎから間歇的に僅かに雪上を歩く。 ・宝川理水試験地からの植林帯から稜線までほぼ雪は繋がっており広尾根なので危険個所はない。降りの場合1180mと1150m辺りは進路に注意が必要で今回下山時ルートミスした。 ・1日目取付いて直ぐ植林帯で踏み抜いたのでワカンを履きそのまま宿泊地まで通した。2日目は10本爪アイゼンで通したが、早朝のクラストは無かったので、ワカンの方が良かったと思う。ピッケルは使用せず。 ・当日か前日と思われるトレースがあった。自分の1日目往路のトレースは2日目復路ではほぼ溶けて消えていた。 ・雨ヶ立から芦川左岸尾根へは切れた稜線に藪がでて辛うじて雪庇上が歩ける。 ・芦川左岸尾根鞍部の雪は落ちている。 ・布引山最高点は笹が出ていた。手前の南側にはクラックが走る。 |
その他周辺情報 | 宝川温泉 ふれあい交流館 割引券で500円 |
写真
感想
雨ヶ立は岳人2013年5月号:高桑信一さんの記事「奥利根を駆け巡る旅」に惹かれ気になっていたが、それは芦川両岸尾根の周回だったので公共交通機関利用ではアプローチが難しかった。その後ヤマレコで宝川から登る実施可能なルートを見るようになり機会を窺っていて今季やっと間に合った。「山は付かないのが正しい 山名の由来は藤原集落の伝承でこの山に雲がかかると雨になるところから」との高桑さんの言に倣って山は付けず「雨ヶ立」と呼ぶ。
地形図で見る限り林道から芦川右岸尾根に取り付けそうな場所は複数あり、皆さんが同じ宝川理水試験地から取付いているのか不思議だった。今回判ったが、途中に鉄塔巡視路や踏跡など取付き可能なところはあるが、宝川理水試験地からは雪が消えた作業道らしき道があるのだった。どこまで上に延びているかは分からないが細尾根になってからも雪の下から覗く踏み跡を見掛けた。
このルートは最初茫洋な植林帯も初沢の右岸であることを意識していれば直に板幽沢との中間尾根に収斂して行き、1250mからの等高線の詰まった区間も実際はそれほどの勾配には感じない。雨ヶ立に早く到達するのに合理的である様に思った。
一日目のハイライトは1200mからの見上げるブナ美林と気になっていた八合目辺りの二重山稜のブナ林:快適な泊場は風も獣の気配もなく静かな眠りを提供してくれた。
二日目がメインだったが、あいにくの霧で展望なし、熊の冬眠場所であるという猫幽を恐々通過した。雨ヶ立は左岸尾根が合わさった高みだったのでそれと判った。コンパスの方向合わせて慎重に左の布引山方向に降る。鞍部からも方向を確認しつつ高みを目指した。着いた布引山は手前の1640mで南尾根の広がりを感じたのち北東尾根が合わさったのでそれと判った。手前南側にはクラックが走り最高点には笹が出ていた。風と展望のない山頂で休憩の間天気を待つ。自宅を出る前のwindyの予報では9:00以降晴れだったので7時過ぎではまだ早いのだが、1週間前全く曇りだった予報が徐々に良い方に変化した経緯があったのでさらに良くなったのでは無いかと期待した。
休憩も終わり霧の中で持て余し諦めて宝川温泉にでものんびり浸かる事にした。予定の1640m圏南尾根は初めてなので視界の無い降りを避け往路を戻ることにした。霧は徐々に薄くなるようだが期待は出来なかった。雨ヶ立で少し待った後、猫幽と黒木の岩稜帯を過ぎ1500mまで降って漸く薄っすらとした上越国境と一瞬の太陽や青みが見えたので、晴れるのを確信して雨ヶ立に戻った。
9時過ぎ予報通りに非常にゆっくりとした晴れへの変化と展望の広がりが期待できたので雨ヶ立で時間が許す限り待つことにした。大烏帽子山へ続く布引尾根や並行する刃物ヶ崎山尾根、柄沢山北東尾根、上越国境と徐々に広がって行き、朝日岳、白毛門、平ヶ岳、至仏山、笠ヶ岳、武尊山と続いた。どこまでも続く重畳たる山並み、最後に燧ケ岳と谷川岳が見えた所で「白銀のただ中にいる愉悦」に満足し10時40分山頂を後にした。
宝川温泉に着いた時、14時のバスに間に合いそうだったのでそのままバス停に向かい、水上でふれあい交流館に入ることにした。
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4/1 1日目
09:02 宝川入口BS らーめん武尊横 まだ営業前 バスの道中も周囲も全く雪はない。670m CAL680 ツルギJKT脱ぎベースレイヤーのみで出発 19.9℃29%
09:10 宝川方向に県道264を降ると直ぐ正面に芦川右岸尾根の末端が見えてくる。
09:15 利根川を渡る赤い奥利根橋
09:17 芦川右岸尾根末端に巡視路階段 14.9℃
09:18 宝川に漸く残雪を見る。
09:26 宝川温泉の手前で芦川右岸尾根への取付きを見る。建屋と墓地がある。
09:29 宝川温泉
09:31 温泉先の駐車場に3台 雪は全くない
09:32 一般車両通行規制の看板とロープ
09:38 芦沢右岸尾根の1024m峰南西尾根を回り込んむ カーブの手前で対岸に伊勢沢が流れ込む カーブには1台釣り人の駐車あり 川床が広がり左岸が豁ける。
09:45 堆積したデブリを乗り越えると林道は左に直角に曲がる 沢山のフキノトウが生えていた
09:47 1024m峰西尾根の土止め工事跡 地形図ではこの辺から取付けるように見える
09:49 小沢1 地形図ではこの辺から1115m峰に取付けるように見える
09:51 小沢2
09:59 小沢3 1115m峰が見える。
10:01 宝川右岸の1220圏峰北尾根1100m圏北東支尾根の張り出しで蛇行するエメラルドグリーンの宝川
10:04 登戸立沢橋
10:06 △1182.7南尾根/登戸立沢・相之沢中間尾根末端のトンネルを抜けると林道上に残雪を見る。
10:10 相之沢橋
10:11 残雪に立つ大利根国有林看板
10:12 瀬之沢 左の宝川は滑床でたまご状の岩がある。
10:14 三本目の沢 橋が掛かるが親柱が欠けているため名前が分からない
10:16 宝川右岸の1220圏峰北尾根1100m圏北支尾根の張り出しで南に向きを変える宝川の滑床
10:18 まとまった残雪
10:24 初沢左岸尾根への取付きを見る。
10:25 宝川理水試験地 小屋と看板があり、右から初沢が流れ込む。
10:35 トレッキングポールを出して初沢の右岸に取付いて基地露場にでると左から幅員1.5m程の道が上がってきて上流に続いていた。植林の中に入ると雪が続くようになる。
10:58 840m 踏み抜きが発生し体力を消耗しそうなのでワカンを履く ワカンでは沈まない
11:00 840m 窪んだ道形か小沢か判別しがたい地形が現れる
11:08 870m これは道だろう
11:13 880m ここも果たして道なのか沢なのか
11:16 890m 初沢が近づく
11:23 920m 左側に明瞭な沢が現れ初沢との中間尾根を登る体となる
11:31 960m 右に初沢を見る AL958(-2)
11:39 980m 勾配が増す AL975(-5)
11:47 1010m 雪の下に踏み跡 初沢の左岸から支沢が合わさる
11:52 1020m AL1022(+2)
12:01 1020m 新しいワカンのトレース
12:03 1030m 先ほどより大きい支沢が左岸から合わさる AL1032(+2)
12:14 1070m AL1076(+6) 計画より一本東の尾根を登っていた
12:18 1080m AL1092(+12)
12:20 1090m 雪の下に踏み跡
12:30 1140m 左から尾根が近づく
12:32 1150m 左から尾根を合わせ勾配が緩んだカラマツ植林の小平地 左は板幽沢 AL1160(+10)
12:36 1150m 露出した笹を越え右折すると小平地がさらに広がって行く、殆ど勾配のない尾根を右に向かう
12:37 1150m ここも果たして径なのか沢なのか
12:40 1160m カラマツと雑木混生の広大な平坦地 抉れた窪みが径に見えるので試しに辿ってみるAL1174(+14)
12:44 1160m 左の高まりとの間に抉れた窪みがあるので平坦になっている前方に進むと櫓状の人工物あり、いい目印になる。
12:48 1180m 左の小尾根に向かう 右には広大な平坦地 ブナが現れる
12:51 1190m 根開けが進む 左は板幽沢1500m右俣の支沢
12:55 1200m ブナ美林始まり
13:01 1230m ブナ美林 板幽沢1500m右俣の支沢右岸に根開け AL1237(+7)
13:06 1250m 勾配が増してますますブナ美林 右に武尊山 振り返る宝川右岸の山々
13:18 1300m 勾配が緩み 左に布引山南尾根辺りを望む 振り返る宝川右岸の山々 AL1306(+6)
13:24 1310m ブナ美林
13:27 1320m ブナ美林
13:37 1380m 緩やかな右岸尾根に到着してランチ AL1391(+11) 15.5℃31%
13:55 出発
13:58 1390m 平ヶ岳・赤倉岳の眺め 恐らく本日降りのアイゼントレースあり
14:00 1400m 平坦になり樹間から谷川岳を望む AL1415(+15)
14:06 1420m 二重山稜開始 トレースあり
14:17 1436m標高点付近 少し進んだあと戻って整地開始
15:02 窪地に設営完了 右の山稜に登ると笠から燧ケ岳が望めた
17:22 6.2℃64% カレーメシとウイスキーをやって早々に就寝
4/2 2日目
04:00 起床 風も獣の気配もなく静かでよく眠れた
05:34 撤収完了 この辺はまだ視界かあった
05:36 ツルギJKT、テムレス着、アイゼン、トレッキングポールで出発 昨日見えた笠から燧は見えない。
05:42 1450m 左の稜線に向かう 根開けを覗くと深い
05:50 1480m 西側をトラバースして行く、軽い雪庇の様になっているため稜線上がどうなっているか見えない
05:53 1490m 稜線に乗ると東側は緩く結構広かった。周囲の山を眺めるにここより高い所が雲に隠れるようだ 武尊山も見えず
05:56 1500m 芦川左岸尾根が見えて来た。鞍部の雪は落ちている。斜面は雪崩で磨かれているようだ
05:57 1500m 黒木の岩稜帯に入る 東は切れ落ちているが西は緩やかなブナ林 熊の冬眠場所を恐れる
05:58 1500m 次の黒木
05:59 1500m 3番目の黒木
06:02 1510m 黒木の切れ目の平坦地 前方に最大の黒木の岩稜帯 猫幽か 2.7℃90%
06:08 1530m 1530m 最大の黒木の岩尾根が近づき勾配が増す
06:11 1550m 黒木の岩尾根の分岐に向けて勾配が増す
06:19 1580m 岩尾根を合わせた稜線は勾配が緩む 雨ヶ立が近づき手前の笹を避けて西を巻く
06:27 雨ヶ立 △1626.6m 霧が濃い AL1639(+12.4)
06:32 1580m コンパスを出して布引山方向の鞍部に降る
06:35 1560m 鞍部 北側は藪がでている
06:39 1570m圏峰 最高点は藪がでている AL1581(+11)
06:45 1580m 1626m峰への登り AL1592(+12)
06:48 1590m 勾配が増してダケカンバ林
06:53 1626m峰 雪からクロベの枝葉が出ていた。岩稜の黒木はクロベかな。平頂の最高点には笹藪がでていたが、雪の繋がった南側を巻けた
06:56 1610m 小鞍部にダケカンバ AL1529(+19)
07:04 1650m 南尾根の降り口を過ぎた布引山の一角 藪がでる。AL1668(+18)
07:07 1660m クラックが走る。
07:10 1680m クラックと笹藪の出た布引山最高点を見る。
07:11 布引山 1680m AL1691(+11)
07:13 1670m 西端まで行くが霧が濃く布引尾根の続きはろくに見えない。休憩して様子を見る。
07:23 諦めて戻る。北東尾根の様子もろくに見えない。
07:31 1640m 南尾根の降り口から南尾根もろくに見えない。
07:36 1626m峰 AL1625(-1)
07:39 1610m 奥布引沢をみる。尾根はどれも緩やかで歩けそう
07:40 1600m 雨ヶ立も見えない 奥布引沢の低い所は見える
07:41 1590m 雨ヶ立の黒木の岩稜の辺りは見えてきた
07:43 1580m 雨ヶ立が見えて来た
07:44 1580m 布引山南尾根
07:49 1570m峰
07:55 1560m鞍部 雨ヶ立と布引山南尾根がスッキリしてきた。
08:06 雨ヶ立 △1626.6m戻り 芦川左岸尾根は良く見えるようになった。振り返ると布引山の南北の尾根が見えるようになった。
08:14 下山
08:19 1600m 芦川右岸尾根を見る
08:21 1560m 猫幽
08:25 1530m 急坂を下って傾斜が緩み、日差しがあればさぞかしと思うブナ美林 殻斗がたくさん落ちている。カモシカの足跡あり。
08:33 1500m 黒木の岩稜 右岸尾根は雪が落ち雪崩に磨かれた山肌を曝している
08:36 1500m 平坦な1500mの末端 西側は軽い雪庇の様になっている。芦川左岸尾根の向こうに薄っすら上越国境方面が見えて来た
08:41 1500m 雲が切れて太陽が覗き青みが差す 芦川右岸の山もすっきりしてきた
08:48 予報通りの天気の推移に回復を確信したので雨ヶ立に戻ることにすると樹間に初めて布引山山頂が見えた。
08:54 1510m 黒木の岩稜帯の間平坦なブナ美林
08:59 1530m 黒木の岩尾根 猫幽か
09:17 雨ヶ立 △1626.6m 本日三度目 始めてスッキリ布引山と 尾根の続きの1736m峰が見えた AL1632(+5.4) 朝日岳の下部が明るくなってきた
09:18 刃物ヶ崎山尾根
09:26 檜倉山 柄沢山
09:27 光芒射す稜線
09:28 薄っすら小沢岳 光芒射す右岸尾根
09:39 刃物ヶ崎山の奥に三ッ石山辺り
09:44 白毛門が見えだす
09:47 小沢岳 幽ノ沢山 イラサワ山が見えだす 大烏帽子山が見えだす
09:51 此方から見る白毛門は綺麗な三角錐 大烏帽子辺りも見えて来たが朝日はもう少し
09:59 巻機山 奥利根湖 平ヶ岳方向は霞む
10:00 朝日岳が姿を現す
10:05 朝日から小沢岳まで見えるようになったが巻機山はまだ霞む
10:06 小沢岳から赤倉岳まで徐々に姿を現す
10:12 燧ケ岳 至仏山は霞む
10:13 朝日岳が全貌を現す
10:21 朝日岳から赤倉岳まで何とか見える 至仏・笠はまだ霞む
10:23 白毛門の奥に谷川岳が見えだす
10:25 漸く 割引岳 巻機山 牛ヶ岳がはっきりしてきた
10:31 武尊山は霞むがたんばらスノーパークが見えるようになった 漸く至仏山 笠ヶ岳
10:35 漸く武尊山 谷川岳の雲が晴れた
10:38 釼ヶ倉山 平ヶ岳 幽ノ沢山南東尾根の△1594.0m峰の奥に下藤原山辺りが薄っすらと見えるようになった
10:44 1610m 薄っすら見えるようになった武尊山に向けて下山
10:47 1600m 芦沢右岸尾根と武尊山 至仏山 笠ヶ岳 平ヶ岳以西の展望とはここでお別れ
11:01 1500m 燧ケ岳が薄っすらと見えた
11:04 1480m 武尊山 至仏山 笠ヶ岳 薄っすらと燧ケ岳 谷川岳も最後の展望 二重山稜上の広い平坦地を見下ろす
11:10 1460m 西側の山稜から平坦地に降りる
11:12 1436m標高点付近 宿泊地戻り
11:24 1380m 支尾根分岐 AL1393(+13)
11:50 1170m 沢沿いに行き過ぎて平坦地にでる 左を見ると南に尾根が延びているので戻って尾根に乗る
11:59 小尾根から小沢の窪みのある広い平坦地に出て、見覚えのある櫓状の人工物を見る AL1178(+18)
右折して平坦な広尾根を緩く降り1150mで左折して細尾根に乗る
12:19 1080m 細尾根から東に降りる AL1092(+11)
12:21 1070m 細尾根の消失点 AL1085(+15)
12:24 1050m 初沢の支沢を東へ渡る
12:29 1030m 二俣 AL1045(+15)
12:40 970m 支沢が開いている AL987(+17)
12:56 890m 道形があるように見える
13:17 810m 雪が消えて幅の広い道が現れたのでアイゼンを外す
13:23 780m 林道に着地 昭和五十三年建立の不空羂索観音がある 釣り人の御守りとの事
13:36 滑床 宝川右岸尾根1230m圏峰北尾根を回り込む所
13:38 瀬之沢
13:40 相之沢
14:01 1024m峰西尾根の土止め工事跡
14:03 林道にデブリが堆積しているところ
14:18 宝川温泉が見えて来た
14:40 宝川温泉入口BS らーめん武尊は閉まっていた
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