馬場島から毛勝三山(猫又山、釜谷山、毛勝山)
- GPS
- 16:25
- 距離
- 22.2km
- 登り
- 2,411m
- 下り
- 2,404m
コースタイム
- 山行
- 6:04
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 6:16
天候 | 2日間共晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
標高2000m以上で残雪あり。稜線北斜面で最大15cm位。猫又-毛勝間の稜線は踏み跡、マーキングを辿るが、薮漕ぎも随所にあり。 |
写真
感想
締切仕事で忙しく、週末出かけられるか微妙だったが、土日天気良い予報なので頑張って金曜夜10時に仕事を片付け、土曜朝発でも行ける近場で、でも登り甲斐のある毛勝三山踏破とした。
土曜日朝6時過ぎに富山の自宅を出て、コンビニ寄った後馬場島に向かう。馬場島から白萩川の林道に入ると300mでゲート一般車通行止め、5,6台の車が止まっていた。支度をして歩き出すのが7時過ぎになった。猫又山あたりの日帰りだと皆5時位に出発しているが、今日僕は猫又山頂に着けば良いのでこの時間でも大丈夫。
取水堰堤の左手に真新しいセメントのスロープが出来ていて、ブナクラ峠方面はここを上がるが、大猫山へは手前で左の山腹に取り付く。工事用のプレハブ建屋との間、2m位の大岩に矢印が書いてあり、どうやらここが取り付き点。いきなり刈り払い立ての、これが登山道と疑う様相の、しかも壁のような急坂をずり上がる。少し上がると登山道と確信できる、踏み慣らされた道に出た。工事の関係で新しく移された取り付き点だったのだろう。
標高1400mのピークまで淀みなしの急登、標高1200mを越えたあたりで奥大日岳が見え、次いで剱岳が見えて少し楽しくなってくる。1400mから先は急・緩を繰り返し、1857mの先に草原と池のある大猫平、その先急登を一登りで芦見尾根の稜線に達する。稜線に出る手前、窪地状の鞍部からの取り付きが判り難かった。稜線に出ると直ぐに、登山道を少し左に外れて新しいお地蔵さんのあるピークがある。大猫山とも何とも書いてないが、その後それらしい場所は見つからなかったので、ここが大猫山と思った。2万5千分の一地形図にはこの稜線に山の名はなく、山と高原地図の「大猫山」の丸印はもっと東側にあるが、そこは等高線では標高2100mを越えている。(お地蔵さんは2050mのピーク、そのもう少し先に三角点だけが登山道の真ん中にあるのが大猫山との情報もあった)
大猫山から先は眺望の効く気持ち良い尾根道、行く先には目的の猫又山が、うっすら雪化粧で聳えている。その猫又山が次第に大きくなり、その肩に乗り、草付き斜面を登ると頂上直下の小平地、そこに荷物を置いて2,3分で猫又山頂に着く。これまでも眺めながら登って来たが、あらためて目の前にドドーンと剱岳! 振り返れば明日目指す釜谷山、毛勝山、西には富山湾と富山平野、東は後立山の大展望である。
小平地に戻りテントを張る。新潟から来たと言う、女性の単独者が先に張っていた。2時間位して3人パーティーが登って来て3張りとなった。3人パーティーは大猫山の登りで会っていて、大阪の人達、そして一人はヤマレコユーザのkuma-sanだった。ここは展望では最高級のテント場、皆で夕暮れのドラマを楽しみ、夜は満点の星空だった。
2日目、明け方はテントに霜がつき、ペットボトルの水は凍ってなかったが、コッヘルに注ぐと見る間に氷水になった。過冷却だったのだ。他の人達が夜明けを眺めるため待っている中、僕はアタック仕様で出発した。最初は猫又山頂をパスして釜谷への稜線に向けて下り気味にトラバース、北斜面でべったり雪面で凍っているが、何とかキックステップは利く。トラバースを終えて笹薮の一角にテープ、踏み跡が笹薮に入り込んでいる。それを抜けると岩場の稜線、岩とハイマツの間を攀じ下りると草付きにかすかに踏み跡が伸びている。稜線のトップは笹かハイマツの薮、東側斜面が草付きで、斜面が緩ければ草付きをトラバース、きついと稜線の薮に分け入る。踏み跡がついているところもあるし、見つからなくて力ずくで分け入るところもある。毛勝まで大体ずっとこんな感じである。昨日あたりに一人行ったらしくて雪の上にはトレースがあり、おかげで迷う所は少なくなった。このトレースはmakkuronekoさんのものと判明。
1時間と少しで釜谷山に到着。めったに人の来ないこの山頂に、真新しいピッカピカの山名標識がある。猫又山にも同じデザインのがあって、誰が作って運んだのかと思ったら、裏に魚津市と書いてある。毛勝にも出来ていて、今年国土地理院が山の高さを改定し、毛勝山が少し高くなって釜谷と同じになったのに合わせ、一挙に据え付けたらしい。
釜谷から毛勝に向っての尾根の下りが、やせ気味で稜線の薮漕ぎを強いられる割合が高かった。釜谷-毛勝南峰間は直線距離で1100m、猫又から釜谷までと同じくらいだが、こちらの方が余計に時間がかかった。毛勝の南峰から主峰の北峰までは、これまでの区間と比べれば苦労は少なく済み、距離は半分だがそれ以下の時間で北峰に着いた。2人組が山頂に居て、昨日毛勝の西北尾根を登りモモアセ山の草原にテントを張っていたそうだ。30分滞在後、猫又への帰り道につく。片道2時間半以上かかり、戻りもそう早くはならないから5時間を越えて往復、それからテント畳んで下山だから今日は長い行程になる。
帰りの道探しは、行きよりは苦労が減るがなくなりはしない。行きにはキックステップが良く効いた雪の草付きが、帰りには緩んで滑りやすくなり、自分のトレースがあるのにそれに乗れない、という苦労もあった。今回未だ要らんだろうとピッケルもアイゼンもないのだが、この程度の雪でも備えあれば安全確実だったかなとも思った。荷物の重さとの兼ね合いでもあるが。以前に猫又に登ったのは5年前の10月25日だからほぼ同じ時期で、そのときは剱は白かったが猫又には全く雪はなかったのだ。
行きより少しだけ短い2時間15分で猫又のテン場に戻って来た。昨日からの良い天気は続き、暖かくもなり、大きな剱を目の前にのんびりしたくもなるがそうもいかない。テントを畳んでいる間に2人ほど日帰りの人が通って行った。
さてそれではブナクラ峠目指して下りて行く。最初は草付きの広い斜面で、トレースも見えないので(見つけなかったので)適当に下りて行ってから確認したら、北の方にかなりずれていたので、慌てて軌道修正して漸くマーキングのあるルートを見つけた。後は樹林帯に入って、細いがはっきりとした道を、またまた急坂で随所にロープがかかっている道を下りて行く。剱岳の手前、赤谷山がだんだん大きくなり少しずつ剱岳を隠して行く。眼下にブナクラ峠が見えて来て、何人か休憩しているのも見える。巨岩の裾にかけられた長いロープを伝って岩の下に出ると、ブナクラ峠は目の前だ。
ブナクラ峠の直下は100mほどの岩ゴロ地帯で、その下から樹林帯の道となる。岩ゴロの下端で道は左に折れており、ここはマーキングが無いと絶対皆真っ直ぐ下りてしまう。峠から上よりも背の高い樹林帯となり、しばらくは今までと同じような急坂、標高1600m位まで下りて少しずつ傾斜が緩くなって歩き易くなって行く。標高1300mで戸倉谷、ここから先は随所に沢が入り、流れの上を歩く所もあるくらいで水の心配は要らなくなる。
下りの後半でやらかしたのが道間違いで、それも2回、後ろから付いて来た単独の人も巻き込んでしまった。道が急に折れ曲がっていてそれを知らせるテープマークがあるのだが、それを見落とすと真っ直ぐにもしっかり踏み跡が付いているというパターンである。多分そういう場所が10箇所くらいあって、8箇所くらいは正しく曲がったが2箇所で見落としてしまった。猫又-毛勝間の道なき道を通って来た感覚が残っているので、いつもならもっと早く引き返すところを、まだこれならまともな道だと、いよいよ進めなくなるまで行ってかなり損をしてしまった。
登山口にいよいよ近づいて、最後に大ブナグラ谷と小ブナグラ谷の渡りがある。以前早朝暗い時に対岸のマーキングが見えなくて、上流と下流のどっちに向っていいのか迷った。霧のときも迷いやすいだろう。小ブナグラからは間もなく取水堰堤が見えて、後は林道を小一時間のんびり歩いて登山終了となる。
天候、展望に恵まれて素晴らしい山行だった。月曜からは天気が崩れる予報で、これで完全に冬山になってしまうかもしれない。帰ってからの筋肉痛は、足だけでなく腹筋、背筋と二の腕に起きた。薮漕ぎと力ずくの乗り越えが多かったからだ。
帰宅後、ザックをばらしたら、テントの本体が見当たらない。車の中に残ってないか点検したが、ない。下山の途中でそれを引き出した覚えは全くないので、猫又山頂下のテン場で積み残した恐れが強いと思ってきた。どなたか見つけた人がいましたらお知らせください。
コメント
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Nishidenさん、はじめまして。
BCの先輩のレコとしていつも拝見しておりました。
クマさんのレコを拝見していたところNishidenさんとお会いしたとのことだったので立ち寄らせていただきました。
自分も先日猫又でテン泊したのてすが、毛勝までの縦走路が見つけられず断念しました。
次はNishidenさんのレコを参考にさせていただきます。
もうすぐBCシーズンですね。
富山の山にもちょくちょくお邪魔したいと思いますので、お会いしましたらよろしくお願いします!
Nishidenさん、こんにちは。
天空のテントサイトではお世話になりました。
毛勝三山やぶこぎピストン走破、すばらしいです。
これだけ雪が積もってると、ボクなんかはちょっとビビッてしまいます。
さすが、地元の方ですね。
また、このシーズン、BCでお会いできたらと思います。
しかし、テント本体が・・・・
クマ
Kuma-sanさん、Sanchan33さん、
ご挨拶ありがとうございます。
猫又山の、天空のテントサイトの感動を共有できたことに喜ばしく思います。
Sanchan33さんのレポの写真は素晴らしいですね。腕も良いのだと思いますが、あんな凄い光の場に出会いにまた行きたいなと思いますね。
今度は毛勝側からにしようかな、季節はいつにしようかなどともう考えています。
アルペンルートが閉まると富山県と近県の中低山にスキーで出没しますので、どこかでお会いしましょう。五箇山あたりなら金沢からの方が近いくらいですし。
関西方面からもぜひどうぞ。
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