丁岳 残雪期反時計周り周回
- GPS
- 23:22
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,309m
- 下り
- 971m
コースタイム
天候 | 1日目:雨、落雷、雹 2日目:曇り、晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
丁岳までは積雪無しのところは明瞭な登山道有り。丁岳から左回り周回、時折登山道無し |
写真
感想
渡渉、雪壁登攀、ザイルワーク、事故現場回想、懸垂下降、雹、滑落、落雷、夜読図下山断念ビバーク、積雪20〜30cm、沢下降らが詰め合わさって満足。初めて日帰り装備でビバークしたが、良い経験になった。自分の限界を試すような山行になった。
2023年4月7日22:00花巻→24:00道の駅鳥海郷
6:00出発→12:10丁岳→15:20萱森→18:10観音森→20:30ビバーク
5:30出発→7:50林道→9:20下山
ゆらゆらと街灯に照らされているガス道を進み道の駅鳥海郷に着くと既にBさんが居た。kinからお酒をいただき3人で飲んで寝る。起床。登山口まで車で進むが、途中橋の渡った先に廃車のバンが立ち塞いでおり、登山口まで片道少なくとも2kmはある道をツボ足で歩く。雪に足を取られたので登山口まで山スキーがあればよかったと思った。登山口を過ぎ堰堤を越えたあたりの水流が弱い場所で渡渉。雪解け水でかなり冷たい!私はBさんからビーチサンダルを借りた。kinは裸足だった🥶
渡渉後、登山道の尾根に乗る。雪が少ない。ちょっと残念。途中右手に滝が見えた。すごい。遠くからでも大きい滝とわかった。雪解けはえ〜な〜、地面に首からダランと垂れた花が辺りを咲き散らしてるしもう春だな〜と思いながら進む。この時期に丁岳ピストンするなら核心はここであろうco850まではアイゼンピッケル無し。co850からは雪壁になっておりアイゼン、ピッケルを使い、スタンディングアックスビレイで1人ずつ雪壁を登る。トップはkinで垂直に見える壁に登っている姿は格好良かった。kinは来週雪稜バリエーションルートである白馬主稜線に行くらしいので頑張って欲しい。
無事雪壁を越えコンテのまま丁岳頂上へ。ガスってきたし、フラットな地形なのでコンパスを合わせながら。昼前に頂上踏んだら周回予定だった。多少過ぎたが、その判断を預けてとりあえず事故現場へ向かった。確かにスパッと切れており、雪庇の切れ目が半月上に切れ目があってあぁこの巨大な塊が落ちたのかと納得した。私としてはここで今日はピストンで帰ると思っていた。
もうちょっとだけ進んでみようの連続で結局周回になった。最終的な判断はBさんに任せていたが、自分もやはり周回したい気持ちもあった。ただ頭の片隅にherozoさんの丁岳周回はハードだったという記録があり、残雪期ということもありかなり時間はかかるんだろうなと思っていたが、やはり日帰りでは帰れなかった。丁岳からはハードだった。本当に登山道なのか分からない斜度 と左右にスパッと切れて気の抜けない道と藪漕ぎの連続。天気が悪くなってくる。ピカッ!ゴロゴロと鳴る雷(一回きりだったが怯えるのに十分だった)も我々に襲いかかる。正直に言うと観音森まで弱音を吐きたいし帰りたかったが、逆に追い込まれてハイになっている感覚が交互だった。観音森までの道は一貫性のない自分の性格を露呈させた。登山をすると自分の中に気づきが生まれる瞬間があるがそれは大事にしたいと思っている。
天気が良くなって星が綺麗だなぁ。観音森から下りはヘッデンをつけ、コンテを解除して降りる。昼の読図でさえ間違えるのに夜の読図は困難を極めた。本当にこの道で合ってあるかの疑心と登山道っぽい道に出た時の安堵感を覚えている。灌木に掴まりながら観音森を下り、co823らしきところに出る。真っ暗でフラットな場所で、夕方からの積雪の影響で登山道が余計分からなくなってしまい最初で最後のGPSを見る。若干手前だったが大まかには合っていた。だがそこから降りるところを間違えてしまい遂に我々の体力と精神に限界がきたのでビバーク決行。杉の葉を雪の地面に敷き、ツェルトを2枚重ねにして3人が同じ方向で身を寄せ夜を明かす。夜は本当に寒かった。ザック上部の開閉する紐、シュリンゲが凍っている。濡れた体(なぜkinと私だけが濡れていたのか分からない)に隙間風が寒い。特に足先が冷えた。常に体がブルブルと震えたり、近くに動物の気配があり寝れる状況ではなかったが、意識は2回ほど途切れた。寝る前と朝方の計2回のガス炊きは本当に助かった。暖かった。
起床。曇り。視界良好。いまいる尾根を下る判断をする。伐採作業道なのか時々木にテープが貼ってあった。このまま尾根を下るのかと思ったが、Bさんの提案で杉林はうるさいので右隣の沢を下降をすることになった。昨晩から降り積もった雪が雪崩ないか心配だったが、滝が現れるまでは沢は確かに途中まで快適だった。雪橋の下からドドドと水流の音がする15mほどの滝の右岸にて1ピッチ目、トップでkinがBさん確保でクライムダウン(ビレイヤーの任意のタイミングでトップを降ろす)で降り、2番手の自分は懸垂下降で降りる。その時アックスをフリクション?支点強固?として木に括っていて自分がそれを押さえるやうに教わったのが印象的だった。2ピッチ目はkinがトップでbさんのビレイで降りる。次は自分が懸垂で降りる。最初のkinと私が支点に使った木は最後にbさんが降りるには心許なかったので2mほど下のより強い木に支点を確保してbさんは降りる。そのあとは傾斜が強いが灌木に掴まりながら降りスノーブリッジを渡って作業道に出た。帰りに△そばやに寄りbさんと別れ我々も帰路に着いた。
まとめ。丁岳山域(丁岳ー萱森ー観音森)は標高だけ見れば1200m未満の山々であり大したことはないが、登山道自体とても急で特に今回は周回や残雪期といった変数でとてもハードだった。登山者に充実感を与えてくれる山域だったと思う。夏道はどんな感じだろうと気になるので機会があれば誰かと行きたい。Bさんからはコンテで気をつけること、スタンディングアックスビレイの方法、木を支点にトップを確保する方法(怪しい)、肩がらみでもバランスを崩したトップにとっては助かるということ、薮に引っかからないようにトップが懸垂してるときに送ってやる方法、シェルの手袋で全ての動作をできるようにすること、等を学んだ。
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