八経ヶ岳は空の棲み家(天川村〜弥山〜八経ヶ岳)
- GPS
- 13:48
- 距離
- 25.8km
- 登り
- 1,923m
- 下り
- 1,898m
コースタイム
- 山行
- 10:22
- 休憩
- 3:14
- 合計
- 13:36
天候 | 晴れのち雨、濃霧、ひょう |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
暗くても歩けるくらい明快 |
写真
感想
雨の青根ケ峰から下道、バスを利用し天川村に至る。青々とした山々の源流を辿る気持ちで、八経ヶ岳を目指す。雨でふやけた踵の皮膚がずる剥けているのを感じたが、痛みを感じない程の興奮と疲れを宿せば前に進むことが出来る。奈良県警のホームページから登山届を提出し、登山道に入る。
しばらく森の中を歩く。この辺りの山には鉄塔がずいぶん沢山建っており送電する音が野鳥の声に混ざり合いながら聞こえる。この電気が谷あいの村や集落の生活を支えているのだから、その勇姿を拝むほかはない。谷を挟んで反対側の尾根まで空中を通るケーブルは一体どのように敷設したのだろうか?
通行を阻むかのようなロープを跨ぎ、天女の舞・天女の頂を進む。道は薄くかろうじてわかる部分と、道がないので進みやすい場所を探しながら進むことになる。頂の手前に豊かな山渓が広がる箇所があり、思わず立ち止まる。遠くの名前もわからない尾根にもいつか私は行くのだろうか。
狼平避難小屋まで少し高度を下げながら進み、沢とつり橋を渡る。ここの避難小屋はかなり綺麗で宿泊予定のパーティーが体ほど大きな荷物を担いで入っていく。少し離れてテントを張る人も。沢も近くにある好条件の小屋で何日か宿泊しても面白いはずだ。
避難小屋から弥山へ。弥山から八経ヶ岳の尾根をにらみ、ここで上着を着ておく。木道を歩いて大黒岩の脇を抜けると、背の低い松がみられるようになり、弥山へと至る。弥山には山小屋や社があり観光地のようであった。ベンチで小屋から来たであろうベテラン登山者の人と山の話をした。
夕暮れ前に弥山をあとにして八経ヶ岳へ。かなり近い。山頂は荒れた岩肌のような場所で、座禅でも組みたくなる。弥山や明星ケ岳を眺めながらインスタントのラーメンを作って食べる。
八経ヶ岳付近の木に小さな天幕を張り様子を見ていたがあれよあれよと雲が押し寄せて来た。19時過ぎにはひょうや雨が横殴りに変わり、濃霧となった。やむを得ず下山することにした。
ランタンとヘッデンを使いながら狼平避難小屋まで歩き、濃霧で完全にホワイトアウトとなった。光量をあげても前が見えなくなったため、少し寝ることにした。目を閉じて1時間ほどのプレイリストを聞き終えて辺りを見ると、5mほど視界が確保できたため、再び下山する。
林道下の廃道?を歩く。谷には濃い霧がたちこめ雲海のようになっている。このまま高度を下げれば濃霧を突っ切ることになるが観察していると風で流されている。
濃い霧にはランタンに照らされた私自身の影ができる。神秘的な霧の森に白く吐いた息が吸い込まれていく。
天川村には26時に到着する。屋根付きのベンチで横になると素晴らしい景色が思い出された。
この辺りの山には空が棲み着いていて、そのエネルギーが山に蓄えられている。小学生の時に習ったかもしれない、雲や霧ができる自然の仕組みが、生きているかのようだった。
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