大峯北奥駈道(逆峯:吉野〜前鬼)
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- GPS
- 42:45
- 距離
- 55.7km
- 登り
- 4,594m
- 下り
- 3,999m
コースタイム
- 山行
- 13:17
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 14:15
- 山行
- 10:25
- 休憩
- 2:01
- 合計
- 12:26
- 山行
- 11:56
- 休憩
- 1:28
- 合計
- 13:24
- 山行
- 2:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:10
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
【前泊】
吉野駅から3Kmほど上がったところの旅館で前泊した。これが大正解だった。翌日の終盤に体力の限界に達してしまい、小笹ノ宿にたどり着いたときには、へとへとだった。もし前泊でこの3Kmの距離をかせいでいなかったら、翌日の最後はどうなっていたことだろうか。
【1日目】
洞辻茶屋までは順調に歩いたが、洞辻茶屋を過ぎてから、バテたというよりも、体力の限界に達してしまい、洞辻茶屋から山上ケ岳まで、2時間半もかかってしまった。
山上ケ岳を過ぎると、自然景観が一変し、美しい原生的な風景が広がった。最後の力を振り絞って小笹ノ宿まで歩いた。
小笹ノ宿は、テントスペースも十分にあり、水も豊富にあって、非常によい宿営地だった。避難小屋には2・3人の先客があるようだった。ただしこの宿営地でとても残念だったのは、いたるところに焚き火の跡があることだった。国立公園内はどこも焚き火は禁止されているはずだが、おそらくそんなことは承知の上で焚き火をしているのだろう。後から来たキャンパーの焚き火の火の粉で、テントに穴など開けられたらたまらないので、念の為、焚き火の跡がないような場所を選んでテントを張った。
焚き火は地面の植生を痛めるばかりか、燃え残りの炭は永久に分解されない。小笹ノ宿周辺は、おそらく日本でも有数の美しい原生自然の景観を残している場所だと思われるが、本当に残念だった。女人禁制などという理不尽な入域規制をする以前に、国立公園の自然保護区域内での焚き火の禁止を徹底してもらいたいと強く思った。ちなみに小笹ノ宿周辺には、環境省の石柱がしばしば見られたが、ここが国(環境省)の管理区域だとすれば、女人禁制などという差別的行為を、国はどうして黙認しているのだろうか、改めて不条理を感じた。
【2日目】
小笹ノ宿周辺の自然景観は本当に素晴らしく、ここが女性に開放されたら、訪れた女性ハイカーはさぞ感激するに違いないと思いながら歩き始めた。ただし、本当に女人禁制が撤廃されたら、しばらくは珍しさも伴って、女性ハイカーが大挙して押し寄せることになり、今の静寂さはなくなることにはなるだろうが…
途中から疲れが出てしまい、夕方までに目的の宿営地にたどり着くことを優先したため、行者還岳の登頂はあきらめた。
水の利便性を優先して、2日目は狼平にテントを張った。狼平は小屋のすぐ脇に川が流れているので、水は豊富にあるが、弥山から下りに45分、翌朝の登りに1時間以上かかってしまう。翌日の疲れを考えると、弥山の小屋脇にテントを張った方がよかったと思う。ただし弥山には水場はない。水は小屋で販売されているようだが、翌朝も早出する場合に、出発の時間に水が購入できるかどうか不安があった。そのため私は狼平にテントを張ったのだが、ウォーターパックを2つ持っていれば、予め翌日の分の水を買っておくことができるので、これを教訓として、次回からは必ずウォーターパックを2つ持参することにしたいと思った。
【3日目】
弥山から釈迦ケ岳までの区間は、倒木や岩場の難所が多く、加えて冬の間に崩落したと思われる箇所などもあり、大きなバックパックで歩くのが大変だった。釈迦ヶ岳の登りは、かなりの傾斜で岩場も多かったため、下りが心配だったが、南側は岩稜ではなく笹の斜面を下りて行く道だったので、助かった。しかし太古ノ辻に来るまでにたいぶ時間がかかってしまい、二ツ岩ですでに5時を過ぎてしまった。暗くなりかけた広葉樹の森に入ると、踏み跡やピンクテープの目印が非常に見え難く、不安を抱えながら急ぎ足で進んだ。何とか6時前に前鬼集落跡の祠まで到達することができて安堵した。
小仲坊は想像以上に規模が大きく、施設もきれいに管理されていて、好印象だった。しかし平日だったためか、宿坊には誰もいなかった。本坊の下方に、おそらく昔は田や畑だったと思われる棚田状の広い草地があって、山岳テントなら100張以上設営できそうに思われた。すぐ近くにかなりの勢いで流れている川があり、水はそこで汲んだ。しかし後で調べてみると、本坊の周辺に水汲み場があったらしい。広々とした草地にぽつんと一つ小さなテントを張った。宿営者は私一人だった。
【4日目】
最終日は、スマホの充電残量が30%以下になってしまったため、ヤマレコのアプリは起動させなかった。前鬼口にバスが来るのは7時31分で、1日に1便しかない。必ずこのバスに間に合うように、4時に小仲坊のテント場を出発した。ひたすら急ぎ足でアスファルトの林道を歩いた。すると6時10分には前鬼口に着いてしまった。前鬼口には今は営業していない売店の建物があり、その前に自販機があった。トイレもあったが、水は出ていなかった。制汗シートであせを拭き、シャツを着替えてバスを待った。コミュニティバスに揺られること2時間、大和上市駅で列車に乗り換え、帰途についた。
ー装備ー
【シュラフ】
モンベルのダウンハガー800#3番で十分だった。だたしモンベルのプラズマ1000 ダウンジャケットを持参して、寝る時も朝の食事時も、必要に応じて使用した。この時期、ダウンのパンツは必要ないと思う。
【着替え】
全行程5日間だったが、着替えは3日分にした。山だと同じものを2日間着ていても、それほど気にならないので、これで十分だった。
【ベースウェイト】
水なし(食料込み)の重量は11Kgだった。これに水2.5Lを加えると、総重量は、13Kgを超えることになる。私の体力では、13Kgは縦走時の重さとしては、限界を少し超えていることを実感した。次回南奥駆を歩くときには、軽量化を工夫して、水込み総重量を12Kgに抑えることを目指したい。
ー反省点ー
【コースタイム】
標準コースタイムを基準にして計画を立てたが、当然のこととして、テント泊縦走の場合は、荷物の重量があるので、大学の山岳部員のような体力がなければ、標準コースタイムではとても歩けない。私の場合、縦走の計画は、標準の1.3倍くらいの時間配分にしなければならないことを改めて実感した。
【火気】
今回は、プリムスのUltra Gas 250缶を持参したが、私としてはかなり贅沢に使っても、使用量は58gだった。結果的に110缶で十分だったことになる。250缶は非常に重いので、次回は110缶にして、非常用にエスビットの固形燃料とチタンの五徳を持参したい。固形燃料は五徳と風防を合わせても、60g程度なので、250缶を持参するよりも150g程度軽量化できる。ただし、固形燃料は着火し難いので、効率よく着火させるためには何か工夫する必要がある。
【食料・行動食】
必要カロリーを考慮して、行動食としてバランスパワーを1日分5箱(小分け10個)を持参した。しかし実際には1日小分け5個しか消費しなかった。本来はよくないことだが、疲れると食欲がなくなるためと、何よりも味に飽きてしまって、食べられなかった。アルファー米なども1食分余ったので、余った食料の重量は、何と900g程度になった。次回は、バランスパワーの持参は1日分小分け5個として、加えて都昆布やカリカリ梅のようなものを持つようにしたい。
今回始めて「その場deパスタ」という3分でできるスープパスタを持参したが、疲れている時に、これが非常に食べやすかった。重量も80gで、110gのアルファー米よりも軽量化できるので、次回は、アルファー米をやめて、モンベルのリゾッタと、スープパスタを中心にすることにしたい。ただし、(好みにもよるが)コーンリゾッタは、これだけで食するには塩けが足りず、とても食べ難かった。
【ウォーターパック】
通常は、2Lのウォーターパックを一つ持参しているが、テント場から水場が遠い場合に、翌日の水も確保しておく方が良い。ウォーターパックは大した重量ではないので、次回は2L用2個を持参したい。
【モバイルバッテリー】
毎日の行動時間が想定以上に長くなってしまった。それにともなってヤマレコの稼働時間も長くなってしまったために、スマホの消費電力が想定以上に多くなってしまった。モバイルバッテリーは重いので、ぎりぎりの重さで6700mAh/130gのものを持参したが、最終日は、スマホの電力残量が30%ほどになってしまった。そのため最終日は、ヤマレコを使用することを控え、GPSログを取ることができなくなってしまった。通常3・4泊ほどの場合は10000mAh程度を持参する人が多いと思うが、大容量バッテリーは重さとのトレードオフで、悩ましいところだ。下記のウェットティッシュを軽量化すれ、10000mAhクラスでもよいかもしれない。
【ウェットティッシュ】
私は食器の後片付けや歯ブラシのクリーニングに、アルコールのウェットティッシュを使用している。今回は、40枚入りを2個持参したが、実際には、1個しか使用しなかった。次回は、40枚入1個としたい。これで150gの軽量化になる。
【ズボン】
今回はズボンは履いているものだけで、テント場では軽量タイツにしていた。しかしズボンは、濡れたり酷く汚してしまったりした時に、着替えがないと困る。またタイツでは、テント場でうろうろする時に、何となく気恥ずかしい。もう1つ長ズボンや薄手のジャージパンツを持参するのでは、重量が増えてしまうので、次回は、軽量な短パンを持参したい。
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