晴天の巻機山、賑わう牛ヶ岳から雪渓をトラバースし静寂の割引岳へ
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- GPS
- 08:25
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,610m
- 下り
- 1,603m
コースタイム
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 2:20
- 合計
- 8:25
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
今回、最初は日の長い6月なので平ヶ岳に登ろうと考えていたのだが、登山口に至る国道352号線がまだ冬季閉鎖中だった。
ということで巻機山に変更した。
巻機山は過去4回計画したことがあったが、いずれも天気で中止している。
その内1回目は8年前、今回一緒に行く職場の先輩と計画したものだった。
その時は東京都南西部から日帰りで計画したのだが、お互い歳を取り無謀なことはしたくなくなり、今回は越後湯沢に前泊することに。
計画5回目にして、今回は梅雨時にも関わらず最高の天気に恵まれた。
登山口となる桜坂駐車場に6時過ぎには到着したが、天気の良い土曜日ということもあり思った以上に駐車スペースが埋まっていた。
準備している間も次々に車が入ってくるので、あと1時間もしない内に満車になってしまいそうだ。
縦走でない場合は基本ストックは手が塞がるのが嫌で使わないのだが、今回は山友だちに巻機山は絶対ストックがあった方がいいとアドバイスをもらっていたので、念のためストックをザックにくくり付けていくことにした。
これが後に役に立つことになる。
巻機山はぬかるみがひどいと何人かに聞いていたので、燧ヶ岳の長英新道や見晴新道くらいにひどいのかと想像していたが、覚悟していたためかそれほどでもない。
燧ヶ岳だけではなく、守門岳や三ツ石山でも体験したこの粘土質のぬかるみは、もともとの土質によるものなのか、それとも大量の積雪によるものなのだろうか。
日本海側の豪雪地帯に来たなと思わせる見事なブナ林を楽しみつつ高度を稼いでいくと途中、割引岳とヌクビ沢が見える見晴らしの良い場所に着く。
ここが六合目だった。
見晴らしが良いのでほとんどの人がここで休んでいくようだ。
団体さんが休んでいて、世話役の方がお菓子を配っているなと思っていると、その場で休んでいたこちらまでお菓子をいただいた。
山でのこういう交流が本当に嬉しい。
ヌクビ沢コースは破線コースだが、実際目の当たりにすると沢と雪渓が混ざり合う急峻なコースで、これは破線だなあと納得できる。
周囲にオオカメノキやナナカマドなどの灌木が多くなってきて、紅葉の時季もきれいだろうなと思っていると、樹林帯を抜けた。
八合目からは笹原になっていて、背後の上越国境、上信国境の山々が見事だ。
遠く白い山脈が見え、方向からすると北アルプス・後立山連峰だ。
とするとその手前の頭に雪を被る山塊は頸城山塊だろう。
そんな景観を楽しみつつ高度を上げていくと、稜線に到着。
巻機山山頂は並行する向こう側の稜線だ。
巻機山は残雪のゼブラ模様が有名らしいが、今年は雪解けが早いようで、残雪はあるがゼブラ模様ではない。
ニセ巻機山で「東京学芸大学…」という懐かしい名前を話している方がいたので尋ねてみると、ところどころに「東京学芸大学登高会」の標識があるとのこと。
これは後で巻機山山頂の標識がある「御機屋」でも見かけたが、巻機山と何か関係があるのだろうか。
ニセ巻機山から軽く高度を下げると巻機山避難小屋がある。
きれいな小屋だったが、湿地帯になっているのでブヨがすごい。
帽子を取ると頭にたかるし、いつの間にか手袋を外した右手指を咬まれてしまっていた。
そのすぐ先の織姫ノ池でなにかを覗き込んでいる人がいたので見てみるとカエルがいる。
高山の池沼でコロッコロッというカエルの鳴き声は聞いたことがあったが姿を見たことはなく、こんな大きなカエルだとは知らなかった。
そして塊状にくっついているカエルたちがいるのでよく見てみると、1匹のメスに3〜4匹のオスがくっついているのである。
大量にオスにくっつかれてメスは水没しており、なにか醜悪なものを見た気分になった。
美しい湿地帯を過ぎ、稜線に向かって登っていく。
「巻機山山頂」の標識があるが、ここは別名「御機屋(おはたや)」で最高地点はもう少し先だ。
目の前に越後三山が見える。
以前、八海山から越後駒ヶ岳と中ノ岳を見てこの形は知っていた↓はずなのに、
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1293508.html
登っている途中、背後に見える山が谷川岳かと尋ねられ、なぜ越後三山かもと答えてしまったのだろうか。
ケルンのある最高地点の所まで行くと、その間違った回答をした方たちに出会えたので、あれはおっしゃるとおり谷川岳でしたと謝ることができた。
そしてそのような話をしていると、この周辺の山に詳しい方から山の名前を教えていただけた。
この辺りは八海山と守門岳位しか歩いていないので、付近に見える山々が新鮮だ。
最高地点では見えなくなっていた越後三山が牛ヶ岳まで進むとまた良く見えるようになる。
今日は天気もいいのでかなりの人たちが牛ヶ岳まで歩いている。
ちょうどオレンジシャツの団体さんと入れ違いになり、場所を確保することができたが、牛ヶ岳の山頂もその先の展望のいい場所もかなり狭い。
45分ほど長居したが、周りには常に人がいた。
次は再び巻機山山頂を経て割引岳へ。
「御機屋」から割引岳方面に進むと、その先に雪渓がありトラバースする必要があった。
先を歩いている人たちは壺足だが、かなり斜度があるためストックを持っていない人は引き返してきていた。
前を行く人たちを見ていたらストックがあれば大丈夫そうなので行ってみることに。
ここで今までザックにくくり付けたままだったストックが役に立った。
ダブルストックなので1本は先輩に貸した。
そういえば以前はストックを持っていたのにどうしたのか尋ねると、最近は持っていない方が歩きやすくてとのこと。
2箇所の雪渓を通過すると、あとはいよいよピラミダルな割引岳へ。
六合目から見えていたあの割引岳だ。
雪渓のトラバースがあるためか、割引岳山頂に来る人は少ない。
牛ヶ岳山頂にいたオレンジシャツの団体さんの内、3名だけ登って来ていて、倒れていた割引岳の山頂標識の棒を立て直そうとしていた。
難しいだろうなあと思って見ていると、見事なバランス感覚で立て直しに成功。
その方たちが去った後、しばらく割引岳は貸し切り状態。
牛ヶ岳と同じく360度の展望で、より六日町盆地が眼下に近く見える。
ゆっくり山座同定をしていくと、会津駒ヶ岳、平ヶ岳、燧ヶ岳、至仏山、武尊山などが分かってくる。
日光白根山や皇海山も見えているようだ。
静かな山頂で過ごす至福の時間である。
ピストンなので下りは登りの時に撮り損ねた花の写真を撮っていく。
残雪の山肌を背景にハクサンコザクラが数輪咲いていた。
高山の花の季節は始まったばかりだ。
巻機山、天気が良かったこともあるが、想像していた以上に良い山で、幸先の良い夏山登山のスタートとなった。
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