剱岳(北方稜線と源次郎尾根)
- GPS
- 25:04
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 4,818m
- 下り
- 4,827m
コースタイム
- 山行
- 9:27
- 休憩
- 3:21
- 合計
- 12:48
- 山行
- 9:56
- 休憩
- 2:08
- 合計
- 12:04
天候 | 両日とも快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
池ノ谷の雪渓は入渓ポイントから下流はもうない。 雪渓自体は大きなクラックはまだないが、途中1箇所だけド真ん中に穴が空いており不気味な水音があしてた。 源次郎尾根はⅡ峰の先の傾斜があるところと、山頂直下にあり。 ピッケル1本でなんとかなるレベルで助かった。 源次郎尾根装備 9mm50m シングルロープ ハーネス 環付カラビナ&ATC 環付カラビナ&120cmスリング2本 環付カラビナ&240cmスリング 120cmアルパインヌンチャク2本 アッセンダー クライミングシューズ |
写真
感想
梅雨の晴れ間を狙って剱岳。
夏のチンネのために池ノ谷を偵察&全装備で源次郎尾根を登るのが目的。
結果的に目的は達成できたが、今年の池ノ谷は梅雨明けには危険そう&全装備で登るの辛すぎで計画の変更になりそうだ。
池ノ谷までの道は林道終点の高巻きが核心。
暗いと踏み跡に導かれてわけわからんトコロを登ってしまう。
正解は作業員さんが使う隧道みたいなのがあるのだが、その左脇のガレた場所を登る。
ここだけ草があまり生えていないのでよく見ればわかるかも。
10mくらい登ると残置ロープが出てきて正解だということが分かる。
その後もトラバースするポイントでフィックスロープがでてきてルートを案内してくれる。
トラバース以降は完全に登山道になり渡渉点はジャンプで越えられた。滑らなくてヨカッタ。
渡渉点から尾根を乗り越すがメチャ急登。下りも急なので要注意。
池ノ谷は最初は緩いがだんだんと傾斜がでてくる。両岸がとんでもなく切り立っており落石あったらアウトという感じ。
標高2250mで左岸から安全に水を補給できる場所があった。
雪がなくなると超ザレている。
注意しても無意味なくらいザレてる。
先行者がいる時は常に落石に注意が必要あり。
三ノ窓から今回の目的であるチンネを観察。
なんとクライマーがいたのには驚いた。
なんとか夏に来たいものだがどうなることやら。
北方稜線は要ルーファイ。
基本的には稜線を行く。パッと見て行けなさそうでも意外と行けるようになっている。
長次郎のコル手前で10mほど懸垂下降あり。
山頂は誰もおらず疲れすぎて30分ほど休憩。
無風快晴で誰もおらず、こんな剱岳ははじめて。
疲れすぎて帰りたくなったが、頑張って剱沢キャンプ場を目指す。
カニのヨコバイがこの山行で1番怖かった。
ヤバすぎ。
平蔵谷のコルまで行くと、夏道が完全に埋まっていて、傾斜も面倒くさそうなため平蔵谷下降に切り替える。
滑落しながらもサクサク降りると、剱沢との出合い付近がスーパー岩崩。
人の大きさ以上の岩がゴロゴロしており生きた心地がしない。
こんな状態の平蔵谷の出合いでキャンプしたくはなかったが、見ると出合いの少し上流にテントが張ってあった。
これ以上歩く気力もなかったため隣にテントを張らせていただく。これが正常性バイアスか。
雪渓上でのキャンプだったのでちょっと寒かったが、ホッカイロを投入しグッスリ眠れた。
反省点としては晩ごはんは焼肉よりも汁物にすべきだった。体の中から温めないとダメ。
翌日は3時頃に人の声で目を覚ました。外を覗くと4人ほどが源次郎尾根に取り付いている。
自分は明るくなってから出発できるよう準備して、近くの枝沢から水を補給して出発。
水の補給は少々スリリングだった。
踏み跡がある草付きを登るとすぐに第1の岩場。
トポどおり濡れており、出だしがバランス悪い。
荷物を背負ったままでは厳しかったので、空身で登りロープをセットし登り返した。
確保支点と思われるロープスリングが2ヶ所あり使わせてもらったが、そこに掛けたカラビナを回収し忘れる凡ミス。
見つけたら遠慮なく使ってください。
第1の岩場より上は樹林帯の歩き。
最初は普通の樹林帯だが、だんだんと松の木が覆いかぶさる。
荷物が引っかかりながらも登っていくと、トポにも載っている第2の岩場。白い岩場がある。
この岩場は荷物を背負っても行けそうだったが、安全にZ方式で登った。
登った先はすぐさま第3の岩場。
ここはスタンスが細かく、3シーズンの登山靴ではとても登れる気がしなかった。
クライミングシューズに履き替えてZ方式でクリア。クライミングシューズは偉大。
岩場から上は視界が開けるようになりⅠ峰が見えるようになる。
硬い岩稜帯を快適に登ることになるが、Ⅰ峰はなかなか遠い。
しばらく登るとトポにある凹角が現れる。
足がかりが悪く苦戦したが、なんとか荷物を背負ってクリアできた。
この凹角の上からⅠ峰までは岩がボロくなる。
ルーファイしないで登ったらなかなかスリリング。
きちんとルーファイしましょう。
まっすぐ直登気味に登ったら沢登りの草付き高巻きみたいになってしまった。
ようやくⅠ峰に到着すると剱岳が眼前に現れる。
山頂に雪が残っているのは北方稜線から確認していたが、途中の1ヶ所にも雪が残っていた。
遠目で見ると雪も稜線もやたら急傾斜に見える。
でも実際に行くと稜線は快適、雪もどうにかなる傾斜でホッとした。
Ⅰ峰を下ってからⅡ峰に登り返す所も急に見えるが、実際は快適。
Ⅱ峰の懸垂支点はリング付のハンガーが3つもある豪華仕様。
50mロープ1本で支点からテラスまでピッタリ。
テラスから稜線のコルに3mほどクライムダウンの必要あり。
稜線のコルから山頂までは雪がなければ問題になるところはないだろう。
今回は雪が残っていたが、ピッケル1本でもなんとかなる。
ただ、ハムストリングがメチャ疲れるので注意。
2度めの山頂も誰もおらず山頂独り占め。
昨日と同じ山頂でもなかなかの達成感。
帰りは早月尾根で一気に帰りたかったが、中途半端に残った雪渓処理が大変で半分干からびた。
このルートは水の確保が大変だと思う。
池ノ谷も早月尾根もしばらく行かなくていいと思えるほど完全燃焼した2日間であった。
先週土曜に平蔵谷出合の剣沢にテントを張っておられた方ですね。
剣沢を真砂沢出合まで滑った帰りにお見掛けしましたが、ビンディングトラブルで大幅に遅れていてお声がけできませんでした。
池ノ谷の冒険譚楽しく読ませて頂きました👍
チンネも楽しんで下さい(^^)
午後6時ごろに出合い付近を登り返していたでしょうか。
6月なのに気合い入っているなと感心して見ておりました。
剱沢を滑って、チャンスがあれば三ノ窓雪渓を滑りたかったのですが、雨やビンディングトラブルであの時間になってしまい、あの日は剱沢キャンプ場に泊まりました。
滑り降りているときは平蔵谷出合にテントがひとつしかなかったのに、真砂沢出合から戻ってきたらもう1張り増えていたので、どのルートで来られたのかお聞きしたかったのですが、こちらの記録を読ませて頂き胸がいっぱいになりました。
チンネの登攀も楽しんで下さい😄
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