高瀬川遡行(葛温泉→晴嵐荘)→竹村新道標高1605m迄 ピストン下山
- GPS
- 20:18
- 距離
- 32.0km
- 登り
- 1,934m
- 下り
- 1,902m
コースタイム
- 山行
- 9:44
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 9:45
- 山行
- 9:35
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 9:52
天候 | Day1:AM:パラパラ雨(晴れ間も覗く)、PM:シトシト雨 Day2-3:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
高瀬ダム堰堤から青嵐荘までの道は、デブリが多く、滑るとダム湖にポチャんという箇所が数箇所あった。また、落石が怖いので、なるべく低い気温の時に通過したほうがベターかも。 |
その他周辺情報 | 登山後の温泉:葛温泉高瀬館 大人700円 気持ちいい。 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
シェル(上下)
タイツ
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
バラクラバ
ネオプレーン靴下
ネックウォーマー
着替え
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
絆創膏
三角巾
簡単な補修キット(針金
ガムテープ等)
保険証
スマホ
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
防水デジカメ
ビンディング
スノーボード
スノーシュー
アイゼン
GPSロガー(座標表示可)
マップポインタ
テント
マット
シェラフ
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
ロールペーパー
ヘルメット
6mm12mロープ
テープスリング2本
2mテープ1本
2mシュリンゲ1本
ATCガイド
安全環付カラビナ
カラビナ3個
|
---|
感想
※ジャンルを沢登りにしてますが、やってることはスノーシューによる雪上歩行、渡渉、ピッケルも用いた登攀 と スノーボードブーツによる歩行 です。
●出発前〜前日
2〜3週間前に3/30〜31が休めることが分かった。
有休は無いので欠勤になるが、業務への支障はあまりない。
妻に「4日 雪山いかしてー」と お願いした。
色々紆余曲折あったが、家の車を使わせてもらうことになった。ありがとうございます。
一応、何人か声かけたが、休みが合う人は居ない。ま、あたりまえ。
一人で行くというと、妻は口をとんがらかす。。。
それでも、ジフィーズみたいなのを買ってきてくれたりと、妻は色々と協力してくれました。ありがとうごぜぇいやす。
山中三泊だー♪どこいこーと色々夢が広がってたんやけど
天気予報で日曜雨♪、がーーーん!
それで日曜は小屋停滞できるとこにしようと思って、
今の時期でも入れそうな無人小屋を色々調べて、
名無小屋が名前もイイしなってことで
「土曜 名無小屋への移動日、
日曜停滞、
月曜は小屋に荷を置いといて 湯俣岳へ向けていけるとこまでで また名無小屋泊、
火曜に下山。」
という計画を立てました。
この週の平日は仕事場の大引越しの直前で、結構残業があったりなんかもして
全く準備ができませんでした。睡眠時間を優先してしまったので…。
金曜夜は仕事場の呑み会がありましたが、山優先で欠席予定やったんですが
「いきましょやー」といわれ、1時間だけ顔を出してから
ウーロン茶のみゴクゴク飲んで帰りました。
自宅着が21時半頃やったかな。さー、これから準備です。まず、計画書を所属山岳会と長野県警webに提出するところからスタート。
計画書のあとは、地形図のプリント、でもって、チェックリストを見ながら持ち物を探し回る。。。
結局家を出たのは夜中1時です。
単独だと待ち合わせ時間とかがないので、ついつい遅くなってしまいがち?!
ガソリンスタンドで給油しながら、「俺ほんまに現地まで行けるかなー」と思ってました。
GoogleMapのAndroidアプリのナビによると到着予定時刻は朝7:00頃やったような気がします。
が、高速道路運転中に眠気がやってきて、2:15から菩提寺PAで仮眠。
起きたら6:30前でした。がーーーーーん。で、まだ眠いという体たらく。
とりあえず、所属山岳会と妻に「予定を変更します。また連絡します。」と連絡を入れて
気分的には、「日曜雨やし、月曜未明から登ろうかな」てな感じ。
なので、高速代もケチったろ思て、関ヶ原ICからは下道で向かいました。
この下道運転中にも春眠暁を覚えずで休み休み進んでいき、
寝覚の床の観光などもしつつ、
16時に大町のマクドに着きます。
ここはWiFiが使えるからです。
で、かなり悩んだ挙句、
計画を
「日曜は雨をやり過ごすため高瀬ダム堰堤脇の不動沢トンネル内でテン泊、
月曜はテントを置きっぱなしで烏帽子岳ピストン(いけるとこまで)してテントに戻り、
火曜は名無小屋方面へ行けるだけ行ってからピストンで戻る。」
という風に変えて、山岳会と長野県警webに出しました。
土曜の夜はテン○ウという中華料理屋さんで食べたんですけど、
餃子の王将の有難味が分かってしまいました。
大町で餃子の王将が開店すれば、きっと流行るのではと思った次第です、すみません。
ビールも呑んで とあるコンビニの駐車場の真っ暗なところで車中泊。
●1日目
薄明るくなってきたころに起きて、準備しだすけど、なかなか準備が終わらない。
「前夜にある程度 準備しとくんやったな」と思うのは いつも通り。
それでも、まぁ朝食も摂って ザック二つに荷物を詰め込んで葛温泉に向かいます。
葛温泉の冬季閉鎖ゲート前に着いたところで衝撃の事実が発覚。
道路に雪がありません。完全に乾いてます。
子供用のソリにザックを一つ積んで引きずっていくつもりだったのです…。
リヤカーでもあればいいんやけど。。。
で、ザック内の荷の配分を変えて、二つのザックを持って歩き始めます。
重過ぎて とても高瀬ダム堰堤まで辿り着ける気がしない。
出発直前、防水カメラのレンズを割ってしまったこともあり、気分はかなり凹んでます。写すと、二本の曇った帯のようなものが映ってしまいます。
「せっかくやし行けるとこまで行こ。」と歩き出してスグに雨粒がポツリポツリと当たる。「え゛〜〜〜〜〜〜〜〜っ、雨は昼からちゃうんっ?」と言っても誰も返事してくれない。「本降りになったら、高瀬ダム堰堤まで着いてなくても、トンネル内とか雨のかからんとこで休もう。」ということにして、歩き続ける。雨はやんだりぱらついたり。すぐにトンネルに着く。「冬季期間中は照明を消してます。」みたいな看板がある。たまにつけてある非常口を示す電気以外の照明はなく、ほぼ真っ暗。
昨秋買ったばかりのヘッドランプを点けて、「夜間行動時以外にもヘッドランプは使えるのだ♪」と重荷に苦しめられながらも ご満悦。
でもトンネル天井にリスクがありました。
つららが垂れ下がっています。
落ちてるつららもあります。
いつ落ちてくるかわからないので、上ばかり見て歩いてました。
あと、ザック二つを どうやって持つか というのは結構な課題で、
歩きながら、あぁでもない、こぉでもない と色々持ち方を変えながら歩いてます。
山の神トンネル前の小屋みたいなトコに黒猫が居て、声をかけられる。
「食いもんくれよー、腹減ってんだよー、わかるやろー」と言ってるように
聞こえる。
お菓子でもあげようかとウェストバッグを探ると、急いで近寄ってくるので
パーで制止。探り始めると 寄ってきて パーで制止、、、、を5〜6回繰り返して、よーやく、羊羹をみつけて、包装を剥いて置いてあげました。らば、さーっと数m下がった。「なんなんや…」
「ほなな」と声をかけて、10mほど歩いて振り向くと、黒猫は羊羹をゲットしていた。背中の一部の毛が抜けてて可哀そう。病気なんやろか、栄養失調かな、そんなに痩せてないけどな…。
山の神トンネルは多分、一番長いトンネルですが、蛍光灯が15m間隔ぐらいで点いてます。変な音がするなーと思うと、前から人間が現れた。60〜70歳台と思われる男性です。岩魚一匹釣った釣り師で ご帰還中とのこと。「熊が出るぞ」と、「俺は熊が出たら、この傘で つっつくんや。テレビで効果あるてゆうてた。」(関西弁ではありませんでしたが)
「熊が出たら どうするんや?熊はよく見かけられてるらしいで。」と確認してくれはります。
「ストックで突きをしてみます。」
「スキーで滑る程 雪ないで。名無小屋のほう行ったらあるかもしれんけど。単独はあかんで。」とか…、色々教えて下さいました。
印象的な邂逅やったわけですが、熊は事前の未検討項目でした。
「冬眠から起きてるかなぁ。ぬくいしなぁ。」
「ん〜…。」
「帰ろかな。」とも思ったんですが、
「まぁ高瀬ダムの堰堤まではいこ。」と。
歩きながらも、頭の中は熊で一杯です。
高瀬ダム堰堤をジグザグに道どおりに登ります。
路面に雪はありませんが、つづら折れ道の上のほうは、とけてきた、もしくは崩れてきた雪で 乾いた路面幅が かなり狭くなっています。
堰堤上は風がきつく、ボードが飛んでいくかと思いました。
予定泊地の不動沢トンネル入口から少し入ると、冷たーーい風が吹いてきます。
「ここにテントはる…かぁ…。」
寝てる時には襲ってこなかったとしても、テントや荷物をデポっとくと
熊に荒らされるかもしれないなぁとか
寝てる時にきたら、テントの中からストックで突いたらええんかなぁとか
色々考えてる内に、当初予定の名無小屋で寝りゃえぇやんって思いました。
計画書に書いた行動とは異なってしまうけど、熊に襲われるよりはいっか。
ほんまは、連絡がつくところまで行って計画変更を伝えてからにしたほうがいいに決まってるのですが…、それすると もう戻ってきて奥に入る時間は無いなぁ。
ということで、この日じゅうに名無小屋に着くべく頑張ることにしました。
ちなみに ここの公衆電話はブルーシートでくるんで なにかぐるぐる巻きにされてて使えない状態でした。また、ダム堰堤上での私のDocomoSIM(MVNO)のスマホでは圏外でした。
高瀬ダム バックウォーターの右岸沿いの道をたどります。
まず最初、デブリがありました。
斜度は25度ぐらい。デブリ末端はダム湖面です。
ダム湖に落ちたら 這い上がれないな。。。
デブリの下に歩行者用トンネルみたいなのがあります。
入っていくとドアがあり、鍵がかかってます。え゛〜、けちーっ!
仕方がないので、デブリの上を歩いていきます。
スノーシューの歯が案外ひっかかるようで、あまり滑ったりすることなく
通過できました。
で、またまた 長いトンネル。
トンネルを抜けて、数十m歩くと またトンネル。
その後、デブリのon and off。
とにかく、小沢、枝沢、ルンゼ地形なんかのとこは 全て、雪崩のデブリがあり、
外傾してるとこをトラバースするので、ダム湖に落ちないかとひやひや。
デブリは もちろんボコボコ。
左右のスノーシューどおしをひっかけて、こけそうになったことも数度ありました。
ほんまやばかった。
あと、枝もうるさくて 大変なデブリが2〜3か所あって
そこは、ザックを一つだけもって、一個先においてから、また戻って
もう一個のザックを背負って運ぶ
…みたいな、「一人 荷揚げ(荷トラバース?)」みたいなことしてました。
いつの間にか雨は パラパラからシトシトに変わってます。
ブーツの中はビチョビチョ。
明日以降、ブーツとか靴下とか どないしょー。替えの靴下もネオプレーンの靴下もあるから、ま、えっか。
「明るい内に名無小屋に着けるかな」と不安になります。
漫画地図(昭文社のエアリア、山と高原地図のこと)にコースタイムが載ってるけど前述のように「一人荷トラバース」したりしてるので、めちゃくちゃ遅いし、車の入れる道の終点から名無小屋までの状況が雪やデブリで どうなってるのか行ってみないと分からない。。。最悪、暗くなったらテント張るかー、それなら最後のトンネルのところで張ったほうがいいのかな と逡巡します。
水力発電所の建物や導水パイプが見えて、東沢出合の東電第五発電所に居ることを特定しました。漫画地図を見て、「あとちょっとやな」と思いましたが、ここからが大変でした。デブリ、えぐかったです。
それでもなんとか林道終点に着き、ここから小屋までは等高線の詰まり具合からデブリは今までよりマシかなーと予想します。
が、しかし、登山道の上には1m以上の積雪(ほぼ氷)があり、登山道の木製の橋がデブリの勢いか積雪の重みのせいかで潰れてるところに出くわします。このままは進めない、左は木の混んだ壁っぽい斜面、右は大きめの石の上に積雪があるように見える白くて のっぺりした川原。迷わず、川原に降りることにしました。登山道に拘らず、川原をまっすぐ歩いていったほうが早いかもと思いました。
ただ、小屋が川原から離れたところにあったら、通り過ぎてしもたらあかんなと、支流、枝沢の数はきっちり数えて自分の位置を特定していきます。
膝より上が濡れるのは避けたいので、川原から木道に戻ったりもしました。
葉の無い林の中をシャクシャクと進みます。「あ、小屋やー」と思うが、近づくと大岩の上に雪が載ってるだけ…ニセ名無小屋みたいなのが数回あった後、「だいぶ暗なってきたなぁ」というところで ようやくリアル名無小屋に着きました。
やったね、俺!
ぐちょぐちょのブーツや靴下を脱いで、上着とか脱いで、荷物の整理もそこそこに
お湯割りで祝杯をあげました。
キレイな小屋です。畳は4枚、土間も4畳半ぐらいありそう。土間の真ん中には簡易薪ストーブみたいなのがあり、薪か炭とかで暖をとって、鍋の加熱も出来るようになってます。薄っぺらのアルミロールシートが5〜10枚ありました。また、ブルーシートがあったり、写経用紙なんてのも置いてありました。人気のないところで写経というのは、もしかしたら最高のシヤワセなのかも とも思ったりしました。(一瞬だけ)
小屋付近ではAMラジオは入りませんでした。雑音のみ。
明日、尾根を上がったら、もっかいトライすることにしました。
ジフィーズっぽいのを2食分たべたら、もー眠くて仕方ないのですが、明日の段取りを考えます。ピストンで帰るしかないので、また、あのデブリ地獄の高瀬ダム湖畔を歩かないといけません。明日は晴れ予報やから、晴れたら気温も上がるし、デブリ地帯が今日通過した状態と変わってるかもしれないし、今日の通過にかかった時間よりも もっと長くかかるような状態になっているかも…と思いました。
今日は1日で葛温泉ゲートから名無小屋まで来ましたけど、帰りは1日では足りないかもと思いました。なので、2日目の内に東沢出合のスグ北にあった、スノージェットだか、トンネルだかのところまでは戻っておこうと考えました。
1日目の寝る直前にメモってた2日目の計画は↓です。
「5:30名無小屋発→湯俣岳方面へ向かう。→9:15折り返す→13:00名無小屋着→13:30名無小屋発→16:30東沢トンネル(仮称)南端」
とっとと早めに寝たせいか、何度か目が覚め、そのたんびに、
バーナーでブーツのインナーを乾かしてました。
湯気が上がってきて、スんゴい匂い…。
●2日目
準備を終え、小屋横の沢で水を汲んだりしながら
行動計画をどうするか気になってたんですが
高瀬ダム〜名無小屋間は気温が一番低い時に通過するのが
最も安全であるとの結論に至りました。
理由は、デブリが硬く締まっていて、スノーシューなりアイゼンなりの歯が効くし、崩れ難い。ということと、気温が上がって雪が解けてくると、落石が発生しやすくなる。という点です。
で、この結論に至ったのは、名無小屋に不要なもの(スノーボードとかスノーボードとかスノーボードとか…)をデポって軽荷で歩ける状態になってからやし、既に6時前になってたので、件の危険区間の通過は3日目に順延することにしました。
これで ちょっとでも奥へ行ける♪11:00の時点で引き返すことにしました。
今日の靴下はネオプレーンです。
濡れてもええわってな具合です。
朝の雪は、雪というより氷になっていて、昨日の午後と全然ちごて、歩き易いです。昨日の午後は結構、沈んだり、崩れたりもしてたから。
快適に広い雪の川原をスノーシューウォーキングです。贅沢な遊びやなー。
川からは湯気が上がってます。温泉のせい?幻想的な光景です。
手をつけてみると、水を汲んだ枝沢の手が切れそうな冷たさとは打って変わって、あまり冷たくありません。ぬるいとまでは言えないけど。
空は真っ青、雲一つなし、そして前や後ろに雪をいただいた山々が見える。写真とりまくりなので、それなりに時間がかかってます。
硫黄岳と思われる山が見えて、「あんなん登れるんかいな」と思いました。
昨日と同じく、川原に下りたり、登山道に戻ったりしながら進んでいきます。
踝以下の浅い流れをスノーシューのまま渡渉したりもしました。
メーカー想定外の使い方かもしれませんけど、案外滑らないし、イイ感じです。歯は減ってるでしょうから、帰ったら研いだほうがいいかも。
この雪のある川原の景色を見ていると、なんだか黒部の上ノ廊下を思い出しました。上ノ廊下は お盆でも結構雪が残ってました。もちろん雪の量は3月末の高瀬川のほうが多いですけど、雰囲気似てる部分があるような気がしました。
湯俣山荘と思われる大きい建物の下の川原を通り過ぎ、しばらく行くと、
吊橋と いきなり庭付き一戸建てが見えてきます。
この辺りは それなりに水深があって、あと、水が温泉成分で濁ってるせいもあって、
膝下だけの濡れで渡渉するというのが無理そうに見えました。
なので吊橋で右岸から左岸に渡ることにしましたが、右岸の吊橋の袂の登山道上には1.5mの積雪があり、吊橋には全く積雪がなく、要は、橋に乗るには1.5mの段差がある状態。渡渉しようか吊橋にしようか逡巡しましたが、吊橋に決心。荷物を置いて降りると、スノーボードのブーツでも いい具合に降りれました。このheadのブーツ、アルペンに売ってるような はっきり言って安モンなんですけど、底のブロックパターンがいいのか、スノーシューやアイゼンをしていない状態でも なかなかグリップが良かったです。でも、この段差、帰りに上がれるかなー。。。なんとかなるやろ。
庭付き一戸建ては晴嵐荘という山小屋で、扉は鍵がかかってました。
竹村新道の取り付きがスグには分からなかったのですが、晴嵐荘の前の標識まで行ってから、なんとなく辿っていくと見つかりました。
ここから登山道、といっても雪があったり、なかったり、んでもって、スゴイ急な尾根に結構忠実に道がついてるみたいで、ほんまに大変でした。
両手を雪壁に突き刺して、スノーシューで両足けりこんでいきながら登るというような場面もありました。雪が腐りつつあったせいか、アイゼンだと ところにより、股まで足が埋まったりして、登るのにとんでもなく時間がかかったので、基本スノーシュー、片手ストック、片手ピッケルで登っていきました。
相変わらず晴天で暑くなってきたので、川原歩きの時点から、シェルは脱いでました。
尾根で高度を上げていくと、段々と奥の山々が見えてきて、テンションだだ上がり。
鷲羽岳とかワリモ岳のほうは結構雪がべっとりとついてました。
高度計1605mの地点まで来たところで、11時になり、時間切れで引き返すことにしました。湯俣岳ピークまで行ってみたい気持ちはあるけど、明日の危険地帯通過のために体力は残しておかなあかんし、この急な尾根道の下山も大変そうやから、これ以上登るのはやめました。
AMラジオ、この尾根でも聞こえませんでした。
標高を もう少し上げれば、もしかしたら入るかも。
案の定、降りるほうが大変で、自分のトレースを見失って、トラバースして戻ったところがありました。また、上から見ると「よぉこんな急なとこ登ってきたな」というところがあり、懸垂で降りようかとも思ったんですけど、一番長いロープは6mm12mで、回収するなら6mしか降りれないので、やめにしました。30mのを持ってきたほうが良かったです。で、等高線を見ると、高瀬川の下流側にトラバースしていったほうが斜度が緩くなりそうやったので、登山道から完全に離れてトラバースしていくと、さほど木がうるさくない緩い斜面が見つかり、そこを降りていきました。雪がべっとりついたルンゼで、晴嵐荘にまっすぐ降りれそうな最短ルートもありましたけど、日射で かなり温度が上昇してるし、自分がトリガで雪崩る可能性が高そうな気がしたので、そこをオケツで滑っていきたい欲望は抑えました。
晴嵐荘まで戻って一安心すると随分疲れが出てきて、以後、単に歩いてるだけの時も結構しんどかったです。今日は早めに寝よと思いました。
小屋着が3時半頃。なんだか自分の秘密基地に戻ってきた気分です。
案の定、新規顧客は居ませんでした。
早々に焼酎お湯割りを飲み干し、ジフィーズもどきを1食たべたところでダウン。
何回か目が覚めて、文庫本を読んだりもしました。
●3日目
決戦の3日目です。
想定通り、雪は締まってます。
ラジオが聞けなかったので、出発前晴予報やった天気が実際には崩れたら嫌やなーと思ってたんですが、今日も快晴。
気分よく出発します。
気にしてたデブリの通過は、1日目よりも雪が締まっていたこともあり、「一人 荷トラバース」を繰り返したりすることはなく、歩きとおすことが出来ました。
1日目、しとしと雨の中、歩いてた道は、快晴で歩くと景色が全く違って見えます。
ここでも写真を撮りまくりました。
高瀬ダム堰堤に着き、せっかく担いできたブツを一回は使おうと準備してると
狙っていたかのように東京電力の四駆が登ってきます。
「なんで、いまー???」と思うが、黙って待ちます。
なんか点検しながら登ってるみたいで、時間はかかりましたけど、堰堤の上まで行ってくれましたので、片方のザックを転がしてからド○ップ。
あとは、ひたすら歩き。
山の神トンネルに行くまでに東京電力四駆が抜き去っていきます。
中部電力なら「乗ってくかい?」って声かけてくれるけどー???
ま、歩きに来たので、歩くのが好きなはずなので、歩きます。
山の神トンネルに行くまで長かったし、山の神トンネルも長かった。最後の試練。
あ、帰りもまた このトンネルで人と会いました。
ヘッドランプをしてたので、「山に登るんですか?」と訊いてみると、「ダムまでだけ行きます」とのこと。
そういえば黒猫は帰りには見かけなかった。期待してたんやけど。
七倉山荘の人が除雪してました。
少し話してから また歩きます。
一言二言でも人と会話を出来ること自体が嬉しいです。
七倉トンネル手前でヘッドランプを探すが、、、、無い!
荷をひっくりかえしても無い。
んーーー、3日目の朝まで使ってたから、3日目に落としたのは間違いないけど、いったいどこで?!?!ド○ップの時かなーーー。へこみます。
このトンネルは蛍光灯がついてなくて、ほんまに暗いから、ヘッデンの代わりにスマホのライトで照らしながら歩きます。
と、後ろから車が。
七倉山荘の軽四のオッチャンが「乗ってく?」と声をかけてくれました、真っ暗なトンネルの中で。優しいなー。ありがとうございますと乗らせていただきました。
ザックを積むのも手伝ってくれて、「めちゃくちゃ重いな」とびっくりしてはりました。このドライブのおかげで30分は早く葛温泉に着けたのではないかと思います。
下山連絡を入れて、高瀬館で湯に浸かって、終了。
kuni'sカントリーキッチンで昼飯食いたかったけど定休日。
穂高のあたりで めん処しみず とかって店で もりそば大盛りを喰いました。
美味かったです。
食後、遠くの山並みを眺めながらドライブ。レタスだかサラダとかの名前のついたナンタラ街道という飛ばせる農道を通って、洗馬からはR19をひた走り、中津川から高速で帰宅しました。
妻の おかげでイイ3日間が過ごせました。
ありがとうございましたーーーー。
(了)
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