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Yamareco

記録ID: 624425
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

雪はどこへ?表銀座 燕〜上高地縦走

2015年04月27日(月) ~ 2015年04月29日(水)
 - 拍手
体力度
8
2~3泊以上が適当
GPS
52:27
距離
37.6km
登り
3,033m
下り
2,990m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:19
休憩
1:46
合計
7:05
距離 9.6km 登り 1,524m 下り 325m
9:26
20
9:46
9:51
30
10:21
10:25
23
10:48
10:51
33
11:24
12:05
20
13:14
13:33
10
13:43
11
13:54
4
13:58
14:06
5
14:11
14:12
9
14:21
14:23
9
14:32
14:44
34
15:18
15:29
33
2日目
山行
7:38
休憩
0:32
合計
8:10
距離 10.4km 登り 933m 下り 1,003m
5:56
83
7:19
7:24
8
8:15
9
8:24
8:25
48
9:13
9:14
108
11:02
11:17
85
12:42
12:51
75
14:06
宿泊地
3日目
山行
9:57
休憩
1:00
合計
10:57
距離 17.6km 登り 563m 下り 1,651m
5:38
142
宿泊地
8:00
8:06
5
8:11
7
8:44
9:21
3
9:24
9:25
11
9:36
8
9:44
9:45
14
9:59
6
10:05
58
11:03
43
11:46
11:56
34
13:09
6
16:35
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
穂高登山者無料駐車場 〜(安南バス)〜 中房登山口 〜 表銀座縦走 〜 上高地 〜松本電鉄バス&電車〜 穂高駅
今回の山行は表銀座を上高地まで通しで歩く目的が有ったため、松本電鉄を利用して穂高駅まで戻ったが、蝶ヶ岳から三股登山口に下りた方が、穂高駅まで戻るのに時間がかからない。
コース状況/
危険箇所等
5月目前のこの時期に雪はほぼ消えてしまっていた。

燕岳の登山道の合戦尾根の樹林帯、常念岳と蝶槍の間の鞍部樹林帯、蝶ヶ岳から上高地への長塀尾根の樹林帯に雪が残るのみで、縦走路の尾根上は夏道に成っている。

朝方は氷点下まで冷え込むため、樹林帯の残雪歩きは午前中にこなしてしまうと良いだろう。
気温が上がって雪が腐り始めると、踏み抜きが多く成りかなり厳しい状況に成ると思われる。
燕岳西の蛙岩近くで雪渓を歩く短い区間が有ったが、一歩一歩股まで潜る踏み抜きに体力を奪われた。
テント泊装備の重荷なら余計に疲労が増すと思われる。

喜作新道の大天井岳への直登の冬道にも雪は無し、何のためにピッケルを持って来たのか自分を疑いたくなった。

縦走路上の小屋は、大天井ヒュッテを除いてすべて営業中です。
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ
穂高無料駐車場
午前7時53分の中房登山口行きのバスに乗る予定。
少しばかり早く到着してしまい、やる事が無いため「穂高駅」まで歩いてみた。
ちなみに穂高駅発は8時丁度だ。
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穂高無料駐車場
午前7時53分の中房登山口行きのバスに乗る予定。
少しばかり早く到着してしまい、やる事が無いため「穂高駅」まで歩いてみた。
ちなみに穂高駅発は8時丁度だ。
27日09:00
中房登山口で登山届を投函し出発。
1
27日09:00
中房登山口で登山届を投函し出発。
4/27 11:26
合戦小屋まで上がってくると、雪はご覧のようにたくさん残っている。
この日この時間は気温が高く半袖でも良いくらい、おかげで雪は緩んでグサグサだ。
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4/27 11:26
合戦小屋まで上がってくると、雪はご覧のようにたくさん残っている。
この日この時間は気温が高く半袖でも良いくらい、おかげで雪は緩んでグサグサだ。
尾根から大天井の稜線を見る
2
尾根から大天井の稜線を見る
燕山荘への最後の急登だが雪が無い
燕山荘への最後の急登だが雪が無い
13:18 燕山荘到着
合戦小屋で昼ご飯を食べてたら、燕山荘に到着が遅くなってしまった。
1
13:18 燕山荘到着
合戦小屋で昼ご飯を食べてたら、燕山荘に到着が遅くなってしまった。
3度目の燕岳でやっと快晴の山頂に出会えた。
10
3度目の燕岳でやっと快晴の山頂に出会えた。
とりあえず槍
安曇野の市街地
めがね岩
イルカと槍
今日はここでダウン
少し手前の雪渓歩きで、厳しい踏み抜き地獄を味わい、疲労の限界を超えてしまった。
そのままでは行動不能で遭難に成ってしまいそうだったのでビバーク。
久しぶりの山行と自分の体力の無さに落ち込む。
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今日はここでダウン
少し手前の雪渓歩きで、厳しい踏み抜き地獄を味わい、疲労の限界を超えてしまった。
そのままでは行動不能で遭難に成ってしまいそうだったのでビバーク。
久しぶりの山行と自分の体力の無さに落ち込む。
腹も減ったのでご飯を炊こう!!
1合の無洗米を、20分もかけて炊き上げる。
5
腹も減ったのでご飯を炊こう!!
1合の無洗米を、20分もかけて炊き上げる。
カレーも作って、「カレーライス」の出来上がり
5
カレーも作って、「カレーライス」の出来上がり
燕山荘に夕日が当たって・・・・
4
燕山荘に夕日が当たって・・・・
すっかり夕闇に包まれた北アルプス
4
すっかり夕闇に包まれた北アルプス
28日の夜明け
5時前にご来光とは知らずにゆっくりしてたら、ちょびっと顔を出してくれました
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28日の夜明け
5時前にご来光とは知らずにゆっくりしてたら、ちょびっと顔を出してくれました
大下りの頭
ここから一旦鞍部に激下りして、喜作レリーフの有る「切通し岩」までのギザギザの稜線を楽しむ。
1
大下りの頭
ここから一旦鞍部に激下りして、喜作レリーフの有る「切通し岩」までのギザギザの稜線を楽しむ。
いよいよ大天井岳への登りが近づいてきた
5
いよいよ大天井岳への登りが近づいてきた
7:21
切通し岩の鎖場と梯子
2
7:21
切通し岩の鎖場と梯子
梯子の横にレリーフが岩に埋め込まれている
1
梯子の横にレリーフが岩に埋め込まれている
大天井岳直下の分岐
右=大天荘、槍が岳 左=大天井ヒュッテ、常念岳
2
大天井岳直下の分岐
右=大天荘、槍が岳 左=大天井ヒュッテ、常念岳
急登の途中の杭
巻き道の途中で「夏道」と「冬道」の分岐の目印に成っている
1
急登の途中の杭
巻き道の途中で「夏道」と「冬道」の分岐の目印に成っている
冬道の激登
雪の壁を楽しみに来た私に、この夏の登山道的な岩の連続は酷だ。
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冬道の激登
雪の壁を楽しみに来た私に、この夏の登山道的な岩の連続は酷だ。
激登の途中で燕を振りかえる
4
激登の途中で燕を振りかえる
8:16
大天井岳頂上
大天井ヒュッテの冬季小屋入り口
昨年6月にお世話になった思い出の小屋だ。
大天井ヒュッテの冬季小屋入り口
昨年6月にお世話になった思い出の小屋だ。
この山行初の雷鳥
このあと東天井岳までの稜線で3つがいに遭遇した
14
この山行初の雷鳥
このあと東天井岳までの稜線で3つがいに遭遇した
だから〜・・・登山道を行ったら踏んじゃうって・・・
まったく脇に逃げると言う事をせずに、「コッコッコッコ」と鶏を追う時のようにして遊んだ。
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だから〜・・・登山道を行ったら踏んじゃうって・・・
まったく脇に逃げると言う事をせずに、「コッコッコッコ」と鶏を追う時のようにして遊んだ。
こんな雪渓も残っているが、つぼあしのままで問題なしに通過できる。
こんな雪渓も残っているが、つぼあしのままで問題なしに通過できる。
見えてるヨ〜
だから・・踏んじゃうって・・・
4
だから・・踏んじゃうって・・・
常念小屋が見えた
1
常念小屋が見えた
常念岳
何度見ても、山腹のギザギザの登山道に気が滅入る
6
常念岳
何度見ても、山腹のギザギザの登山道に気が滅入る
11:06
常念小屋の入口は雪の中である
2
11:06
常念小屋の入口は雪の中である
12:48
常念岳山頂
14:11
常念岳への登りで体力を使い果たしたため、とても蝶が岳まで辿り着けそうに無い。
6
14:11
常念岳への登りで体力を使い果たしたため、とても蝶が岳まで辿り着けそうに無い。
鞍部から常念岳
卵どんぶりの大盛りが今夜のご飯
7
卵どんぶりの大盛りが今夜のご飯
雲行きが怪しくなり、夕方から夜の初めにかけて雨が降った。
暖かいとはいえ4月の夜の雨はテントを凍らせた。
雲行きが怪しくなり、夕方から夜の初めにかけて雨が降った。
暖かいとはいえ4月の夜の雨はテントを凍らせた。
4:59 29日の夜明け
昨夜の雨からは信じがたい晴天に成りそうな予感
1
4:59 29日の夜明け
昨夜の雨からは信じがたい晴天に成りそうな予感
すこしだけ紅く染まっている槍
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すこしだけ紅く染まっている槍
すこしだけ紅く染まっている穂高
2
すこしだけ紅く染まっている穂高
常念岳から蝶ヶ岳の間の鞍部樹林はこんな残雪
早い時間に通れば踏み抜きなくサクサク歩ける、雪が緩んだらと思うと気が遠く成る
2
常念岳から蝶ヶ岳の間の鞍部樹林はこんな残雪
早い時間に通れば踏み抜きなくサクサク歩ける、雪が緩んだらと思うと気が遠く成る
雪渓の急登
けっこう効きます
1
雪渓の急登
けっこう効きます
振り返って坂を見下ろす
1
振り返って坂を見下ろす
ずいぶん遠くなった常念岳
3
ずいぶん遠くなった常念岳
その分近く成った蝶槍
4
その分近く成った蝶槍
なかなかハードな鞍部の樹林帯歩き
この場所を歩くといつも心が折れそうに成る
1
なかなかハードな鞍部の樹林帯歩き
この場所を歩くといつも心が折れそうに成る
8:02蝶槍到着
蝶槍の脇に有った大きな獣の糞
何者でしょう??2.5cmの太さがある
蝶槍の脇に有った大きな獣の糞
何者でしょう??2.5cmの太さがある
蝶槍と常念のコラボ
2
蝶槍と常念のコラボ
蝶ヶ岳ー横尾ー常念岳の分岐
蝶ヶ岳ー横尾ー常念岳の分岐
稜線のこうゆう登山道って本当に素敵ですよね
2
稜線のこうゆう登山道って本当に素敵ですよね
旧蝶ヶ岳山頂
その向こうにビール・・・いやいや蝶ヶ岳ヒュッテが見える
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旧蝶ヶ岳山頂
その向こうにビール・・・いやいや蝶ヶ岳ヒュッテが見える
おつかれーした
アサヒと槍の最強タッグですな〜?
5
おつかれーした
アサヒと槍の最強タッグですな〜?
9:25 現蝶ヶ岳山頂
3
9:25 現蝶ヶ岳山頂
至福の時も終焉が近い
そろそろ長塀尾根の登山道に入って行く
至福の時も終焉が近い
そろそろ長塀尾根の登山道に入って行く
御嶽山の水蒸気噴煙は相変わらずだ
3
御嶽山の水蒸気噴煙は相変わらずだ
「妖精の池」冬バージョン
3
「妖精の池」冬バージョン
長塀の登山道はこんな風
午前中ならば雪は締まっていて、ほぼ踏み抜きなしで歩けた
長塀の登山道はこんな風
午前中ならば雪は締まっていて、ほぼ踏み抜きなしで歩けた
もうちょっとで徳沢園
1
もうちょっとで徳沢園
11:47 徳沢に降臨
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11:47 徳沢に降臨
振り返ると大天井
2
振り返ると大天井
河童橋
13:14上高地バスターミナル着
直後に発車する「新島々経由の松本駅行き」のバスに飛び乗った。
切符を買い、発車直前のバスに乗る前に、ソフトクリーム抹茶味を買って一息つけた。
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河童橋
13:14上高地バスターミナル着
直後に発車する「新島々経由の松本駅行き」のバスに飛び乗った。
切符を買い、発車直前のバスに乗る前に、ソフトクリーム抹茶味を買って一息つけた。
16:35 3日ぶりに車のある穂高無料駐車場に帰ってきた。
上高地から駐車場までが遠かったし長かった、歩いて居た方が気が楽だ。
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16:35 3日ぶりに車のある穂高無料駐車場に帰ってきた。
上高地から駐車場までが遠かったし長かった、歩いて居た方が気が楽だ。

感想

昨年の同時期に計画していた残雪期の表銀座縦走、それもGW直前の踏み跡の少ない時を狙っての物だったが、大人の都合により中止。

一年の時を経てついに計画の遂行される時が来た。
テント設営のための、それも雪の上でのテント設営を想定して、スコップまでザックに括りつけての山行だった。
ただ、他の方のレコで「雪が少ない」とは見たような気がしないでもなかった。

燕岳への合戦尾根もかなり上の「ベンチ」まで雪は無かった。
合戦小屋あたりは雪は有るものの多くは無いし、4月の下旬にしては気温が高すぎる。
アンダーレイヤー、ミドルレイヤーと重ね着をしてきた事が悔やまれるような暑さだ。

今回3度目に成る燕岳は、サンドメノショウジキでやっとの快晴、しかも平日で人は少なく、心行くまで楽しむ事が出来た。
燕山荘でキャンプを張る予定で居たが、時間に余裕があるので大天井のヒュッテまで行くことにした、しかしこれがいけなかった。
大天井ヒュッテは開業前なので、燕山荘で給水を行った。
3リットルで十分だったが、あいにく2リットルのペットボトルでしか売っていない。
2リットルでは足りないので、2リットルを2本も購入し自前の容器に移し替えザックに収めた。
この後に残雪の踏み抜き地獄が待ってる事なんて知らないから、少ないよりは多めの方が良いでしょうと言う貧乏人根性だった。

蛙岩を超えて順調に、すこぶる機嫌よく稜線歩きを楽しんでいたら、緑のロープが登山道をふさぎ、左手に見える残雪の上に行きなさいと案内している。
直後に股まで潜る腐った雪との戦いが始まった。

戦いじゃないな、これは最初から完全に負け試合だった。
一歩一歩股まで潜り、20kgに4リットルの水をプラスした重さの荷物は、容赦なく私の足から力を奪った、それはいとも簡単な事だった。
踏み抜き地獄が終わって座り込んでしまった、何時まで経っても息が荒いままでおさまらない。
午前中にあれだけ汗をかいて、もう出る汗は無くなったと思っていたが、同じくらいに汗が噴き出た。

この先に「大下り」の急登の下り坂が見えている、かなり下った先の鞍部は隠れて見えない。
このきつい状態でこの坂を降りたら、あの向こうに見えるギザギザの稜線までは辿り着けないだろう。
疲労による行動不能だけは避けないければならない。
今夜の泊地はここにしよう、稜線上で風の影響が気に成るが、幸い今夜は風が強まる事はなさそうだ。

疲れ切った私は、頭痛と吐き気を覚えながらも晩飯を掻きこみ、知らぬ間に眠ってしまった。
月明かりがまぶしい夜だった。
「ザッザッザ」という足音で目が覚めあたりを伺うと、テントの生地越しにヘッデンの明かりが揺れている。
こんな夜中に誰が歩いていると言うんだ?、気に成って時計を見ると午後9時11分だった。
その足音は「すいません・・・燕山荘はどちらに有りますか?」と言う。
しかもその足音は燕山荘の方から来たにも関わらずだ。

アカン・・・ついに逝っちまったよ・・・おれ。
絶対あの世に居るに違いない、だって目の前にいる足音の主は70代の老人で何時の物だか分からないウッドのシャフトのピッケル持ってるし、年期に入った革の重登山靴履いてる。
コートのような上着を羽織っては居るが、背負ってザックはやけに小さく頼りない。
んんんん・・・??革の登山靴?足が有るじゃないか!

私「どこへ行きたいんですって?」
老人「燕山荘へ行きたいんです」
私「いまあなたは燕山荘から歩いて来たんじゃないですか?」
老人「明かりが消えていてどこに有るのか分からないんです」
私「いまあなたが来た方に・・・40分ほど歩いた先が燕山荘です」
老人「はぁ・・・」
私「どちらから来たんですか?」
老人「一の沢から上がって、常念小屋に§¶ΠΨ・・大天井を・・」

途中がうまく聞き取れなかったが、登山口の名前や小屋の名前は合っている。
この地点でこの老人は完全に遭難している状態と思われるが、のらりくらりとしながらも、遭難の通報はしたくないらしい。
燕山荘まで行くと言う。
この後ずいぶん長い時間あの老人が気に成って眠れなかった、いや「あの世」の不安が付きまとい、スマホの電源入れてみたり、安曇野の明かりがこの世の物だろうと再確認したりと大変だった。

目が覚めると陽が昇る直前だった。
テントから顔を出して外を眺めると、槍が岳が朝日に染まってほんのりと紅く成り始めた、私にとってこの時間は至福の時だ。

今山行のメインイベント的な存在だった「大天井岳」への雪渓の直登、しかも急な。
が、それが無い。
昨日から見えているその斜面に雪が全くないのは分かっていたが、改めて現場まで来てみると、全くの岩稜の夏道と同じ登山道にがっかりした。

でも、燕から大天井までの初めての稜線歩きは、少し山に慣れた私にも新鮮で楽しいものに成った。

残りは、常念岳を超えて蝶ヶ岳に挨拶をし、観光客で込み合う上高地へ予定通り下りよう。
まったく雪が無かった事から、三泊四日の予定が二泊三日に成ってしまったが、2日目の夜の初めに少しだけ雨降った以外は、この上ないほどの好日に恵まれた。
おまけにGW前の静寂の中、一人の時間を多く過ごせて本当に幸せで楽しい時間を過ごせた。
ああ・・楽しかった。
いやいや、本当は何度「もう山登りなんか辞めよう」と思った事か。
あの雪渓の踏み抜き地獄と、何度も吐き戻すと思いながらも登り切った常念岳の北稜。
こうしてレコを書いていると、「次はどこへ行こうか?」と自問しているから笑ってしまう。

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訪問者数:1782人

コメント

会ってしまいましたね。
こんにちは。

一足早い北アからの帰還報告ご苦労さまです。
やっぱり雪少ないみたいですね。踏み抜きはハイマツですか?
2年前のGWで常念なんかは半ばラッセルしながらだった記憶があるのですが……。

遭難していた老人の話、怖いですね〜。その後どうなったんでしょう。
ヘッデン付けてるし動けているのだから大丈夫でしょうけれど、燕山荘見落とすってやばいですね。午後9時に灯りが無いっていうのもおかしな話のようで……。

若者が相手なら非常識だって喝入れる所ですが老人じゃ不気味ですね。
何処か別の時代から迷い込んできた登山者でしょうか。
2015/4/30 17:46
Re: 会ってしまいましたね。
ご無沙汰してます。
いやぁ〜、本当にちがう次元か世界にトリップ=私逝っちゃった?って思いました。
怒ろうにも、稜線で勝手にビバークしている弱みの有る私、何も言えません。

踏み抜き現場は稜線脇の這い松の上の残雪で、気温の高い午後で雪が腐ってたので当たり前のように踏み抜きました。
日当たりの悪いしらびそなんかの樹林帯はまだまだ大丈夫な歩きが出来ました。

kaakaka さんのGW山行が楽しいもので有りますように!!
アカン・・今夜もうなされそう・・・
2015/4/30 18:33
ご老人は、無事でしょうか?
graveltrekさん、お疲れ様でした

踏み抜き地獄でしたか...レコを読ませて頂いているだけで、自分までも辛くなってきましたよ

>本当は何度「もう山登りなんか辞めよう」と思った事か。
大いに共感です、でも下山したら「次どこに行こうかなぁ」ってなりますよね

気になるご老人ですが、ビバーク地点で過去に○○した方だったりして...。
2015/4/30 23:04
Re: ご老人は、無事でしょうか?
SHIBAWANさん、有難う御座います。

今回は3泊4日の予定で、10食程の食糧を担ぎました。
その食料の重さは尋常では有りませんね、米は5合有りましたし、おかずはフリーズドライとは言え、大きめのスタッフバックを一個米とおかずで独占され、重量も結構な物に成りました。

私がこれを書き込んでいる頃、SHIBAWANさんは涸沢に向かってる事でしょう。
山行報告楽しみにしてます。

graveltrek
2015/5/2 10:52
お迎えでしょうか?
連れてかれなくて良かったです。
ザックの片隅に老人の白髪とかなかったですか?(笑)

たまにブレてる写真は彼の仕業でしょうか?
2015/5/1 13:24
Re: お迎えでしょうか?
cyo-sukeさん書き込み有難う御座います。

>たまにブレてる写真は彼の仕業でしょうか?
きっと妖怪の仕業です。

>連れてかれなくて良かったです。
本当に気味が悪かったんですよ、日頃の行いが悪いので「お迎え」が来ても不思議では無いとは自覚して居ます。
雪が消えて来て、縦走の山行が楽しみな季節に成ってきました、今年こそはcyo-sukeさんとご一緒したいですね。
あれ?雪が消えると同時に・・・・裸族復活ですか・・・まさか・・???
ワハハ
2015/5/2 11:03
ゲスト
相変わらず…
ネタに事欠かない山行をなさって居られますなぁ、アニキ。
しかし表銀座とはウラヤマシイ( ´∀`)お天気にも恵まれたようで、さすが持ってるオトコはちがいますねー。

次は例のアレですかな?(^o^)
2015/5/4 9:42
Re: 相変わらず…
いやぁ〜〜、マイナーな山歩きを心がけてる私ですよ!!
おっと、コメント有難う御座います、osamu310さん。

>次は例のアレですかな?(^o^)
あれ?なんやったっけ?あれって?・・・痴ほう症に認知症が合併されて、忘れちゃった
北鎌尾根には行く気まんまんのgraveltrekでした。
2015/5/4 10:54
夏山のよう
北アもそうだったのですね。中央アルプスも去年の夏より暑いんじゃね?というくらい連日暑かったです。おかげで今顔が日焼けでヒリヒリします。
踏み抜き地獄、まさにそうですね。異常に体力を消耗しますよね、踏み抜き。
来年もまたこの時期に山行いくなら、もうちょっと気温低めがいいかな?極寒は嫌だけど。
2015/5/5 17:17
Re: 夏山のよう
takechin49 さん書き込み有難うございます。
あの4月の菜種梅雨に降った長雨が雪を溶かしちゃったのでしょうか?
残雪を期待した者には、少しだけ残念な稜線歩きを強いたこの春の山でした。

takechin49 さんのレコを読ませた頂きましたら、心から楽しんで居られるのが手に取る様に分かりました、私もtakechin49 さんを見習って、楽しむ山行を心がけて行きたいと思います、有難う御座いました。
graveltrek
2015/5/5 18:54
お疲れさまでした。
今年はほんとに雪が減ってしまったGWですよね。
4/26に爺ヶ岳へ行ったときに鹿島槍までの稜線も夏道でした。

私はもう少し雪の北アを見たかったため涸沢へ行ったんですよ。

しかしこういうお爺さん遭難するかもという意味でも怖いです。会いたくないw

踏み抜き地獄は例年の東大天井岳下部もすごいですが体力奪われてしまい泣きたくなりますよね。ロングコースお疲れさまでした。
2015/5/10 21:40
プロフィール画像
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