笈ヶ岳(富山百山 49座目)
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 1,665m
- 下り
- 1,646m
コースタイム
- 山行
- 11:32
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 12:43
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
中宮温泉ビジターセンター(展示館)裏がスタート地点です。駐車場がありますが管理事務所より展示館以外のお客様の長時間駐車をご遠慮いただきたいとの意思表示がなされていました(感想の所で詳しく触れます)。 また、19時から翌7時までビジターセンターから4キロ手前のゲートが閉めきられるため山行当日未明に車で来てもゲートからの徒歩スタートになることと思います。 http://hs-whiteroad.jp/?p=1539 |
コース状況/ 危険箇所等 |
展示館〜ジライ谷出合 尾添川を右に見ながらの水平道(遊歩道)です。 トンネル、軽い渡渉、トンネル、沢状地形の雪渡りが2回、野猿広場、ジライ谷の渡渉と続きます。 ジライ谷出合〜大岩〜ジライ谷ノ頭 渡渉したら左手の雪塊を目指します。 それ以後は強烈な急登です。所々にロープが設置されています。 雪上歩行は最初だけで殆ど夏道です。 ジライ谷ノ頭直下は雪道でも夏道でも行けるようになっていました。 ジライ谷の頭〜冬瓜山 道は藪っぽくなりますが踏み跡は明瞭です。ここでも夏道と脇の雪上歩行のどちらでもいける区間が散見されます。 山毛佝山からの稜線に合流してからは雪上歩行が多くなります。 冬瓜山直下の急登ロープ場をこなすとナイフリッジがありますがそれほど危険ではありません。ナイフリッジに雪はありません。 冬瓜山〜シリタカ山 鞍部まで降りた後、右手に白山を眺めながらの快適な雪上歩行です。 シリタカ山〜中宮ルート分岐付近 鞍部まで降ります。 行く手に岩峰が見えますがそこは登らずに左側にトラバースして回り込みます。回り込んだ先にそれなりに急登の斜面がありますのでそこを直登すれば仙人窟岳と笈ヶ岳を結ぶ稜線に辿りつきます。少し藪を漕いで雪付のよい東側(岐阜県側)に出ます。 中宮ルート分岐付近〜笈ヶ岳 稜線を辿ります。頂上は地面が完全に露出しています。 復路の冬瓜平ルート 当日、K松工業山岳部パーティーが開拓したと思われるルートです。 シリタカ山へ登る途中から山腹を巻くように右へトラバースしていき少しずつ標高を下げます。冬瓜平からは少しずつ標高を上げていき山毛佝山と冬瓜山を結ぶ尾根にジライ尾根が合流する個所を目指します。 終盤にブロック崩壊雪崩の走路と思われる個所を横切ります。 なお、5月2日現在において復路で山毛佝山方向へ向かう間違いトレースがあります(途中でみんな引き返しているのでそんまま突っ込んでしまう人はいないと思いますが)。 |
その他周辺情報 | 中宮温泉へ行きたかったのですがゲート閉鎖時刻が迫っていたので断念しました。立ち寄り湯は大門温泉センターを使いました。 http://www.hakusan-spa.com/c6035.html |
写真
装備
備考 | アイゼンは未使用でした。 何となく行動食に持って行った塩羊羹の威力が大きかったです。食べるとすぐに元気が出ました。 今回は暑くて大量の水を消費して水切れになりました。 水切れをカバーした方法は感想で記載します。 最後あたりで夏道の急降下をストック使用で降りていたら足を滑らせて滑落しそうになりました。多大な荷重がかかったストックは曲がってしまいました。 ストックなしで降りた方が安全だったと思います。 |
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感想
当初、笈ヶ岳は富山百山のガイド本通りに大笠山からの稜線を辿って行こうと思っていました。テント泊か大笠山避難小屋泊になるのですが、自分にそこまでの体力があるかどうか自信がなかったことと今年の雪解けの早さが気になって(稜線に雪はないのではないか?)最もたくさん登られている定番ルートで行くことにしました。
前日夕方に現地入りしたところ「展示館駐車場の長時間駐車はご遠慮ください」という趣旨の看板が立っていました(明言していませんが登山者を対象としているのでしょうね)。そのうちに管理事務所係員が棹とビニール紐で駐車場に通せんぼ(但し、車1台分の通り道は残す)の措置を取り始めました。自分は少し思案して車を出し、料金所ゲートへ向かったところいい具合に空き地があったのでそこを車中泊地(および車デポ地)としました。
この時期にしか登れない山に全国から登山者が殺到するようになったのでこのような措置も仕方ないのかと思います。
ジライ谷渡渉について
往路は先行パーティのやり方をそのまま真似ました(水量少な買ったです)。復路は水量が増していましたがしっかりしたロープが設置されていました。有難い事です。
往路
ジライ谷出合〜ジライ谷ノ頭
往路は絶対にスピードを出さないよう体力温存に努めました。それでも急登はきつかったです。
剱岳界隈の山々にこのような急登はあるのですが今回は距離が長くて大変でした。
ジライ谷の頭〜冬瓜山
ガイドさんのような佇まいの男性(ガイドさんではなかったのですが)とそのパーティと前後することになりました。「冬瓜山ルートは藪が出ていて無理なのでは」という情報をその方からもらい、往復とも冬瓜平ルートにしようかと言葉を交わしたのですが足の速い別の先行パーティが冬瓜山を目指したので引っ張られる感じで自分もそちらへ向かいました。
それに対してこちらのバーティは冬瓜平ルートを目指したようです(後で同じタイミングで合流点で遭遇しました。所要時間がほぼ同じだったようです)。
冬瓜山のナイフリッジ立って歩くことはせずにいざり歩きしましたがそれほど危険とは感じませんでした。
冬瓜山〜シリタカ山
山頂直下の夏道から雪面に降りるまでちょっとしたギャップがあり、「逆コースだときついのかな」と思いました。
シリタカ山までは気持ちの良いコースなので行きも帰りも冬瓜平経由というのはもったいない気がします。
シリタカ山〜中宮ルート分岐付近
シリタカ山からの降り方に迷った時は「左を意識」が正解かと思います。
鞍部まで降りたら岩峰にトライしようとして行き詰ったグループが近くに見えました。
「あれは無理でしょうね」と近くの登山者とお話して自分はさっさと左側のトラバースルートに入りました。
トラバース後の直登がきつくてゆっくり登っていると後続の方々(というか本来は自分より先行していた方々)に次々抜かれました。この山に向かう方々の体力はスゴいですね。最初の下山者と遭遇したのもこの区間でした。その後、ぱらぱらと下山者と遭遇です。
稜線東側に出るための藪漕ぎですが、ちょっと遠回りをするうちに方向感覚がおかしくなり藪を抜けたときに「あれ、一回りしてまた戻ってしまったのかな?どうしてあの方向に頂上が?!」となりました。藪って怖いと思いました。
中宮ルート分岐付近〜笈ヶ岳
重たくなった足を頑張って持ち上げ一歩一歩踏みしめます。山頂直下は雪が切れてザレていますが特に問題なく行けます。山頂は登山者で大賑わいでした。
復路
笈ヶ岳〜中宮ルート分岐付近
最後に稜線西側へ出るための藪漕ぎですが往路の時と異なり、あっという間に終わりました。往路はルートをミスしていたようです。
中宮ルート分岐付近〜シリタカ山取りつき(冬瓜平ルート分岐)
先行登山者がうっかりと仙人窟岳方向へ少し進まれてしまい引き返してこられました。往路で苦労した急傾斜の雪道も復路では十分雪が緩んでいるのでザクザク進めます。
但し、トラバースは気を付けました。トラバース後、シリタカ山への鞍部付近で水切れが心配になりハイドレーションの中に雪を加えました。地表面の汚い雪をピッケルで削るとそれなりにきれいな雪が出てくるのでそれを入れます。水が冷たくなって一石二鳥でした。
シリタカ山取りつき〜冬瓜平ルート開始地点
山腹を巻くようにトラバースしているのですが結構な高度感がありました。このような道は山側の足(今回は左足)が疲れます。立派なトレースなのでこれが今期使われる事に成るのだろうと思いました。
終盤に雪崩斜面を横切るのですが目の前をこぶし大の石が転がり落ちてくるなどいやな感じのところです。行かれる方は気を付けてくださいませ。
冬瓜平ルート開始地点〜ジライ谷の頭
沢山あるトレースに従って歩いていたら突然トレースが少なくなり最後の一つ尾根に登る途中で消えていました(そのトレース逆戻りしていたのですが自分は方向に注意していませんでした)。
この尾根は山毛佝山方向へ向かうもので「みんなで間違った」ようです。そして自分も間違えました(笑)。
ただ、正しいルートが判らなくなりパニくりそうになっていたところ登山者が降りてこられたので正しい方向が判明しました。落ち着いて地図とコンパスを使えば自分独りでも正しい方向を割り出せたのかも知れませんがヘロヘロになっていたので思考力も鈍っていました。
ここからは主に夏道を降りて行ったのですが途中でハイドレーションが吸えなくなったので確認したところ、中身が雪だけになっていました。
水切れの怖さは知っているので必死に考えを巡らしました。
ザックからハイドレーションを取り出しシャツの後ろから背中に添わせるように入れ、その上にザックを背負いました。丁度いい具合に体温で雪が解けてくれて水も飲め、しかも背中がひんやり(というか冷たい)なのでいいアイデアだと思いました。
ジライ谷ノ頭〜ジライ谷出合
飲料水となる雪の量が心もとないのでこの辺りで雪をハイドレーションに補充しました(綺麗な雪が採れる最後の場所がここでした)。
自分にとっての核心部は復路のこの区間でした。足の踏ん張りも効かなくなり集中力も散漫になっていたところで滑落しそうになりました。その際、ストックを曲げてしまい残念に思っています。
ジライ谷出合〜展示館
展示館から見て最初のトンネル出口付近にカタクリの大群落があります(往路では気づきませんでした)。これは癒されましたです。
自分は何となく遭遇した登山者をカウントしていたのですがこの日に登頂されたのは35〜40人ぐらいだったと思います。
個人的にはいろいろピンチなこと、危ないことがありましたがとても良い山行ができたと思っています。
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