【厳冬期】剱岳(早月尾根)
- GPS
- 26:38
- 距離
- 31.1km
- 登り
- 2,741m
- 下り
- 2,723m
コースタイム
- 山行
- 5:17
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 5:21
- 山行
- 6:08
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 6:23
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 8:29
- 山行
- 3:26
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 3:44
天候 | ■12/28(木) ※伊折→馬場島(林道)→松尾平 晴れ時々曇り🌤️ 気温:0.5℃〜14.3℃ 風速:樹林帯内の為 3〜5m/s ■12/29(金) ※松尾平→早月小屋 雪のち曇り時々晴れ🌥️ 気温:-13.8℃〜6.8℃ 風速:早月小屋付近で 無風〜8m/s ■12/30(土) ※山頂アタック日 曇りのち晴れ🌤️ 気温:-11.5℃〜5.4℃ 風速:稜線上で8〜12m/s ■12/31(日) ※早月小屋→馬場島荘 雪のち雨☔️ 気温:-3.3℃〜6℃ 風速:樹林帯内の為 3〜8m/s ■1/1(元旦) ※馬場島→伊折(林道) 曇りのち晴れ🌥️ 気温:6.8℃〜8℃ 風速:無風〜3m/s |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
⭐️ 12月1日〜翌年5月15日までの間に剱岳周辺に入山する場合、富山県登山届出条例により 入山予定日より20日までに 富山県に登山届を提出する義務があります。 条例に基づく届出が必要な区域、提出方法は下記を参照してください。 https://shinsei.pref.toyama.lg.jp/SdsJuminWeb/TetsuzukiDetail https://www.pref.toyama.jp/1709/turugidaketozan_winter.html ■今回は 例年ではあり得ない好天が続いたこと、また 大学山岳部7名/プロの方々4名/東京の山岳会5名/大学山岳部OB4名の強いパーティーが先行して下さったおかげで素晴らしいトレースができ、弱い僕らでもピークを踏めました。 昨年のような悪天候や、胸を越える深いラッセルでは 到底ピークを踏めなかったでしょう。 剱の神様、そして20名の先行の皆さんには感謝しかありません… ■早月小屋までの幕営適地は、松尾平/1280m/1620m/1800m/1900m/2100mにあり、他にも少人数ならば張れる箇所多数あり。早月小屋から上部は、2460mに張ることができる。 ■獅子頭を巻くトレースもあったが、私達は左側から雪壁を頂稜へ直登。懸垂下降でコルに下りた。 |
その他周辺情報 | ■下山後のお泊りとご褒美 【馬場島荘(年末年始特別営業)】 https://www.town.kamiichi.toyama.jp/page/2026.html 年末年始ということで、剱を愛する大先輩方が集まる特別な夜に 急遽泊めさせて頂きました。昔と今の剱の話、山の話を肴に美味しいお酒と料理に舌鼓を打ち、最高の年越しを迎えることができました。 ■下山後のお風呂 【舟山・立山天然温泉 湯めごこち】 https://yumegokochi.co.jp/ 立山ICから近く食事も楽しめる便利な日帰り温泉(タオル付き 980円) |
写真
装備
個人装備 |
【一般冬装備】
ハードシェル(上下)
ゲイター
インナー・アウター手袋
ゴーグル
バラクラバ
防寒装備(ダウン上下・象足・フリース・ウール帽子等)
予備着替え(アンダー・グローブ類・靴下等)
冬靴
ザックカバー
プラティパス(2ℓ以上)
テルモス(計1ℓ)
食器類
ライター
山行計画書
トポ
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備バッテリー(電池含む)
GPS(スマホアプリで可)
筆記用具
ファーストエイドキット
ダクトテープ
予備靴ひも
常備薬
日焼け止め
曇り止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
カイロ
ストック(2)
シュラフ
シュラフカバー
スリーピングマット
ビニール袋(数枚(靴入れ・ゴミ袋))
靴乾燥用新聞紙(適量)
ザック用ビニール袋(各人のザックが入る大きさ)
テントシューズカバー
ビーコン
スコップ
ゾンデ
ツエルト
緊急用バーナーキット(110缶/ガスヘッド/コッヘル/ライター)
【登攀装備】
ヘルメット
アイゼン
チェーンスパイク
アックス(リーシュ(2))
アルパインハーネス
セルフビレイコード+環ビナ
ATC+環ビナ
冬季用支点構築セット(120cmダイニーマスリング・環ビナ2)
120cmダイニーマスリング+カラビナ(1)
普通カラビナ(1)
ワカン
【食料品】
朝食(3)
行動食(4)
夕食(3)
嗜好品(各自/適量)
予備7日分食料(各自/アルファ米(9)・スープ類(9程度))
【その他】
風呂・着替えセット
前泊用シュラフ/マット他
|
---|---|
共同装備 |
【KM】
テント(ファイントラック4テン/冬張)
前泊用テント(モンベル3テン/冬張)
テントスノーペグ(8)
雪落し用たわし
鍋(1ℓ/1.25ℓ)/分離式バーナーセット(1)
ガス缶(500ml×5)
テント内銀マット(200cm×200cm/1)
ガラ袋(雪集め用/1)
LEDランタン(1)
捨て縄(2)
ブス板(1)
【NM】
マイクロトラクション+環ビナ(1)
【TI】
50mダブルロープ(1)
分離式バーナー(1)
|
感想
movie by Ise
movie by Non
movie by Non
movie by Non
思うことがありすぎて 何から書いたら良いか 正直分からない…
書けば書くほど 薄っぺらいものになりそうだから、大事なことだけ書くことにする。
2018年 厳冬期剱岳に登りたいとと思いはじめてから5年。
本当に色々なことがあった…
2019年の事故、捜索に明け暮れた2020年、天候不良で全く登らせてもらえなかった2021年、やっと早月尾根に取りつけたかと思ったら すぐにテントポールが折れたり 様々なアクシデントが重なり 敗退せざるを得なかった2022年。
そして 5年後の2023年、たくさんの幸運に恵まれて ようやく 僕らは剱岳のピークを踏ませてもらえた…
この5年、ほとんど全ての時間を山に費やしてしまった。正直 もういいかな… もうやめようと思った。
でも、この瞬間を現実のものにできたのだから それは無駄ではなかった。頑張って粘って良かった…
こんなに報われたと感じる瞬間は、人生の中でそうは経験できることではない。
支えてくれる仲間達がいなかったら きっと諦めていた。この瞬間を噛みしめることは出来なかった…
どう感謝の気持ちを伝えても伝え足りない。
こんな弱虫な僕らを ここまで連れてきてくれて 本当にありがとう、ありがとう…
だから、この山を JOCメンバーと 全ての山の仲間達、そして、ぐんそーに捧げます…
みんな、ありがとう!!!
6年前に八ツ峰を縦走してから、とにかく好きになってしまった剱岳。
それから主にバリエーションルートと雪稜を春夏秋と辿るうちに、厳冬期の剱が憧れから目標になった。
しかし猛吹雪のなかで悲惨な事故が起き、捜索とそれとは関係のないケガ。リハビリと激務で山がままならない数年間を過ごした。視界不良や急な雪稜の下りが怖かった。
それらが落ち着いてきた去年、自分の思う山と年末年始の剱に向かう準備を、ようやく再開した。
雪は少なかったけど、昨年11月久しぶりに早月尾根からルンゼを抜けて雪の剱に登れたせいか、今回は天候以外に大きな不安はなかった。
そして12月。
一週間前は3日間穏やかな予報だったのが、やがて私達の日程だと12/30にだけチャンスがありそうな、つまりこれしかない予報になった。
もちろんラッセルは不確定要素で、ここで遅れると登頂の可能性はほぼなくなる。
初日。去年と違ってしっかりとしたトレースがある!まずは体力温存のため松尾平に張る。
2日目。薄暗い降雪のスタートになったが、23日から早月尾根に入っていた大学山岳部パーティーをはじめ、3パーティーが先行してくれたおかげで、余力を持って早月小屋まで上がれた。
強く余裕のある彼らのキラキラした笑顔と、晴れてきた青空に映える霧氷、新雪に輝く奥大日岳や剱岳本峰が眩しい。
それだけでも、今年も来て良かったと思えた。
夕方には一日で伊折から早月小屋まで上げた強いパーティーも来て、心強い夜になった。
3日目。富山湾の夜景を眼下に標高を上げて行く。先行する2パーティーのおかげで、とても歩きやすい。ラッセルと凍った草付きが続いたあの時とは大違いだ。
獅子頭を懸垂下降したら、氷化したルンゼだ。アイゼンは少し丸くなっただけだが、決まりにくいところで蹴り込み過ぎたせいか、片方外れてしまった。毎回渾身の力で止めているのになぜ、などと思っている余裕はない。
けいたさんが刺してくれたアックスをステップに、座れるところまで数歩登ってアイゼンを付け直した。
あとは落ち着いて行けば大丈夫だ。
稜線に出ると、これまでの雪剱で一番の、見事に澄んだ眺望が広がっていた。
ぐんそーさん。命日の今日 私が登れたのは、きっと見守ってくれたからだよね。
しょーがねえなぁ、登らせてやりますか、という声が聞こえるような気がした。
これまで一緒に登ってくれた仲間も、気遣ってくれた友達も、本当にありがとう…
達成感とは違う気持ちで、目頭が熱くなった。
あとは気を抜かずに下りるだけだ。
飛雪はあるけど視界は良好。
翌日は雨も混じり、春先のような下山になった。
順調過ぎて、何だか現実味がない。
クリスマスのバンザイラッセルからこの日まで、トレースを作ってくれた他パーティーのおかげだ。ありがとうございました…
4日目の大晦日は、濡れた衣類を乾かしたくて、馬場島荘で後泊。
つきたてのお餅、たっぷりの焼肉、そして何より剱人たちの豪快な経験談。
毎年厳しい冬剱や小窓尾根を踏んできたレジェンド達からすれば、私なんてやっと一回冬剱を踏んだだけのひよっこ(年齢はともかくw)だろう。
でも私達の登頂を労ってくれる彼らの温かさも、大切なお土産になった。想像もしなかった、楽しい夜だった。
翌日は有磯海SAで地震に遭い、移動は翌朝にかかることに。
色々とお世話になった富山の方もご自宅に被害があったり、気がかりな帰宅となった。
この地震で大変な思いをされている皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
最後になったけど、今回がっつり背負ってくれたISEくん、技術的な安心感をくれたけいたさん、街から見守ってくれたJOCのみんな、どうもありがとう!
うまく言えないけど、これからもよろしくお願いします✨
大変な長文となり、失礼いたしました。
今回の地震で被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
初日は伊折の集落からスタート、約9kmの長く歩きづらい林道が続きます
予備食も含めて10日分の食料や燃料、そしてちょっとのお酒?がずっしりと肩にのしかかります…ビビって出発前にビール減らしてきて良かった!
馬場島に到着したら山岳警備隊の詰め所へ登山計画書の届出をし、ここから登山開始!
先行パーティー様のトレースをありがたく使わせていただき、予定よりもだいぶ早く松尾平に到着しました
先を目指すこともできましたが、予定通り着実に!松尾平の居抜き物件へテントを張ります🍻
二日目は雪の中のスタート…
好転の予報でしたが、気持ちが中々上がらず
ひたすら急登を進みます
そんな中、団体で下山をしてくる方々とすれ違います
聞くと某大学の山岳部で23日から早月尾根に入ってるとのこと、ここまでのトレースは彼らがつけて下さいました
本当に感謝です!そして皆んなキラキラし過ぎ!
彼等から元気をもらい、天気も回復し、今日の目的地の早月小屋に到着
この日も早々にテントを張り、明日のアタックに備えます🍻
三日目はアタック日、予報では一日中晴れ!☀️
2600mを超えてくると一気に斜度がキツくなり、雪壁越えの連続
下は切れ落ちているので一瞬の油断も許されません、一歩一歩を慎重に足を進めます
核心部の一つ獅子頭はトラバースはせずに直登、そこから懸垂下降を選択
50mロープで問題なく足りました
そこから暫く高度を上げるともう一つの核心の氷化したルンゼに突入、両手両足をしっかりと蹴り込んで登ります
しかし途中Non0916さんの左足のアイゼンが外れてしまうというアクシデントが!しかし全く動じない二人!
Non0916さんの左足の下へけいたさんのアックスを刺してフォローするという絶妙なコンビネーションでルンゼを突破👏相性抜群なザイルパートナーの姿を目に焼き付けることができました🙏
そこを抜けると安全地帯、山頂まではビクトリーロード、雲ひとつない山頂から360度全ての山々を見ることができました
下山のロープ出しは3箇所
ルンゼの懸垂下降、獅子頭の登攀、2700m付近の雪壁(先行パーティー様の残置を使わせていただきました、ありがとうございます)
個人的に下山でシャリバテで足が進まず…今回の反省点でした
テントに入り栄養を補給します🍻
四日目は雪のち雨
行動時間こそは短いですが、びしょ濡れになりながらの下山
年越しは馬場島荘にお世話になることになりました🍻
剱を愛する猛者の集団の中で大変恐縮でしたが、山の深さを感じることができました
五日目(元旦)は林道下山のみ
無事の下山を皆んなで喜びました🙌
がしかし帰宅途中のサービスエリアで地震に遭い缶詰め状態に、まさかの六日目をテントで迎えるとは思いませんでした
今回も誘っていただいたけいたさんとNon0916さんに大変感謝です
皆んなで登れて本当によかった!
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