三峰川岳沢〜大仙丈ヶ岳、仙丈ヶ岳
- GPS
- 30:59
- 距離
- 28.1km
- 登り
- 2,837m
- 下り
- 2,574m
コースタイム
- 山行
- 8:54
- 休憩
- 2:19
- 合計
- 11:13
- 山行
- 9:42
- 休憩
- 2:47
- 合計
- 12:29
天候 | 1/6 晴れ 1/7 晴れ→お昼過ぎから雲が出てきて次第に稜線はガスっていった。日が暮れると風が強くなり小雪が舞う。視界は5m程度。 1/8 終日晴れ。朝は時々強風。地蔵尾根に入ると風も無く快適。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
▶登山ポスト:杉島ゲートには登山ポストは無いので事前に電子申請しました。(下山口の地蔵尾根柏木登山口には登山ポストがあるので車2台のときはここの登山ポストを利用するのもありだと思います。) ▶ルート状況(2024年1/8現在のものです。) ◆アプローチ ・杉島ゲートから丸山谷北沢と南沢の分岐までは林道なので暗くても問題なく歩けます。 ・丸山谷北沢と南沢の分岐から南沢の二俣までは堰堤を越えたり沢内も歩いたりしますが特に問題なく歩けます。 ・南沢の二俣からすぐに左の尾根を登って高巻きます。(沢通しで行くと途中で悪い滝があり結局高巻きますがその高巻きは悪いと思われるので出だしから高巻くのが無難だと思います。)高巻くと薄いトレース道がありそこを歩いていくと営林小屋跡までは問題なく歩けます。 ・岳沢越への沢筋の登りは踏み跡が判然とせずに初見では分かりにくいと思います。今回は前回と違い沢筋に雪がほとんど無く踏み抜きが無かったので行けるところまで沢筋を詰めました。氷瀑が出てきたら左の尾根を少し高巻き沢床に戻りました。(アイゼン履いてアックス持てば氷瀑は登れますが時間省略のため高巻きました。)沢床に戻ってあとは直上して岳沢越を越えていけばいいところ、近道しようと右上したら迷いました・・・その後ルート修正しながら岳沢越を下っていき正解ルートに合流、無事に三峰川へ下れました。 ・三峰川へ下りるとそれなりに雪があり前日入った先行者のトレースを辿って左岸と右岸を交互に歩いて岳沢出合まで行きました。 ◆三峰川岳沢(4級上 +)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは個人的な感想です。) ・全体を通して雪が少ない印象でした。 ・岳沢出合からも前日入った先行者のトレースがありそこまでの踏み抜きは無かったです。(先行者の方、ラッセルありがとうございます。) ・滝から滝の区間もトレースがありこまでの踏み抜きは無かったです。(吹き溜まり部分はトレース無し。) ・F1手前の前衛滝の滝壺が凍ってなくあれこれするも突破できなかったので高巻きを選択。右岸の巻きは登った後の下降が悪そうだったので灌木を利用して懸垂下降で下りました。 ・F1〜F9の状況は以下の通り。 ▶F1:15m(Kさんリード)滝壺は凍ってないので左の方から登る。終了点は滝上奥の倒木にスリングで構築。 ▶F2:10m(Kさんリード)F2手前に滝がありそれを登ると左のルンゼ奥に氷瀑、右にF2がある。F2は真ん中の凹角の階段状を登る。終了点はF3滝下の岩角にスリングで構築。(幕営予定地はF5〜F6の間の岩小屋にしていたが、ここで16:20だったので先には進まずここで幕営。) ▶F3:50m(Kさんリード)右側の距離が短いラインから登って滝上からは左上。終了点はF4手前の氷にアイススクリュー3本で構築。 ▶F4:30m(Kさんリード)中央凹角から左のラインの簡単なラインを登る。終了点は右岸の灌木から垂れ下がっている残置スリングを利用。 ▶F5:20m(フリー)左側の雪に埋まっていたナメ滝みたいのがF5らしいがヤマパン先行でコンテで登る。(右側には貧弱な氷があったがそこは登らず。) ▶F6:2段60m(フリー)1段目は雪面に左から巻いているトレースがありましたがヤマパン先行でコンテで登る。(フォローのKさんは肩絡みビレイで確保した。)2段目も1段目と同じような氷瀑で登れない事もなかったのですが氷瀑左端の雪道にトレースがあり時間ももったいないので巻きで登って最後の岩に突き当たったところで右にある氷瀑に移って登りました。(終了点としてF7下の氷にアイススクリュー1本で支点構築してフォローのKさんをボディービレイで確保する。) ▶F7:15m(フリー)ヤマパン先行でコンテで登る。登れるところまで登って氷にアイススクリュー2本で終了点を構築しピッチを切りました。 ▶F8(ソーメン流しの滝):110m(1P目、2P目ともKさんリード)今回は1P目出だしが既にかなり上部でロープが70mあったので1Pで登れると思ったのですが2Pで登りました。1P目はスタート地点から少し右へ登って左へ登っていくと傾斜が緩い区間が終わりバーティカルな氷へ。バーティカル氷を半分の登ったところで氷にアイススクリュー3本で終了点を構築してピッチを切ってました。(普通F8を2P目で登る場合はバーティカルが始まる基部でピッチを切ると思いますが、今回Kさんはバーティカル氷を登っている時にロープ半分のコールが聞こえこの先は?上まで抜けれるのか?と思ったらしくバーティカル中間の半端なところでピッチを切ったそです。)フォローで登っていくとロープ引上げの際にロープトラブルになったらしくKさんから『ここのロープをくぐってください』と言われましたが、ハンギングビレイ中でゴチャゴチャ面倒なのでKさんが構築した終了点の右(バーティカル氷の右端と岩の間のスタンスが安定したところ)の氷にアイススクリュー2本で新たに終了点を構築してロープを手繰ってロープトラブルを解消。2P目はKさんは1P目終了点から左へトラバースして右上〜直上する簡単なラインを選んでリード、フォローの私は1P目終了点から直上。しかし左へトラバースして登り始めるところにアイススクリューを1本打ってあったので直上から足元が微妙なところを左へトラバースする羽目に・・・(その後アックスを打ち込んで登ろうと荷重した瞬間ピック下の氷が割れて1回フォール。さっさと登ろうと焦りすぎでした。)2P目終了点は右岸の灌木にスリングで構築。ソーメン流しの滝は水っぽい氷でした。 ▶F9:25m(Kさんリード)右から登れば登りごたえがありそうでしたが、時間が押してたので左の距離が短いラインを登る。終了点はどうだったかな? ▶おまけ2段氷瀑(フリー)1段目を登ると二俣になっていて左へのルンゼがあるがそこは詰めずに右の2段目の氷瀑を登る。終了点は適当な氷にアイススクリュー2本で構築。(フォローのKさんはセカンドビレイで確保した。)登攀終了後ここでロープを片付ける。正面にまだ氷瀑が見えるが氷瀑下まで登ると二俣になっていて(ここがトポで言う奥の二俣かな。)ここから左のルンゼに入る。 ・左のルンゼに入ると雪山登山の開始。体力勝負です!!ルンゼをそのまま詰めても登れそでしたが(前回はそうした。)今回は奥まで詰めず手前から岩と草付を登って左の尾根に乗り、雪の付いたハイマツ帯の斜面を正面に見える尾根まで登りました(この辺は前回と同じ)トポでは『奥の二俣で左に入り最後は右の尾根を登って大仙丈ヶ岳へ出る。』となってますが、『奥の二俣で左に入り最後は左の尾根へ登って尾根に出てそこから尾根上を歩いていき大仙丈ヶ岳へ出る。』と登ったほうが分かりやすいと思います。 ◆大仙丈ヶ岳〜仙丈小屋 ・日没前に大仙丈ヶ岳に登頂できましたが、仙丈ヶ岳までの一般登山道途中で暗くなりヘッデン行動。暗くなってから吹雪いてきて視界は5mぐらい先が見えれば良いほうな状態でした。途中1箇所で登山道が分からなくなりましたが冷静に対応して無事仙丈ヶ岳まで到着しました。 ・仙丈ヶ岳から仙丈小屋までも相変わらず視界が悪く登山道も判然としなかったので迷いましたが、冷静に対応して携帯GPSのおかげでなんとか無事に仙丈小屋まで辿り着けました。 ◆下山 ・地蔵尾根を下りました。地蔵尾根は相変わらず長かったですが最終日はこの下山のみだったので前回ほど疲れはしませんでした。 |
写真
装備
個人装備 |
アイゼン
アイスアックス×2
アイススクリュー13cm×3
アイススクリュー17cm×3
ダイニーマソウンスリング120cm×1
その他登攀装備1式
雪山テント泊装備1式
アバランチビーコン
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共同装備 |
2人用テント
銀マット
たわし
雪入れ袋
ジョウゴ・フィルター
ガスヘッド
ガス大
コッヘル
8.9mm70mシングルロープ(ケブラー入り)×1
アイススクリュー21cm×1
クイックドロー×12
ファーストエイドキット
シャベル
スノーバー
ダイニーマソウンスリング180cm×1
ダイニーマソウンスリング240cm×1
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感想
所属山岳会Kさんのリクエストで1/6〜8で三峰川岳沢へ行ってきました。軽量化でいろいろやったけど・・・
Climbing
ヾ響
・氷瀑を登るのでロープは1本にして軽量化しよう。ダブルだと心配なので会装備のケブラー入り8.9mmシングルを使おう。(ここまでは良かった。)70mで長がすぎるけど、まいっか!・・・結果、ロープ担当の私はロープを担いでるときは重荷でした。(ロープは4圓△辰謄好拭璽隼は20塋皺戮任靴拭)
・岳沢越では高巻きが終わって沢筋に戻った地点からKさんがDWしてきたログ軌跡のとおり右寄りで行くと上まで登らずショートカットできると言われそれに乗っかりましたが、結果、右に行きすぎて迷いました・・・正解ルートへ合流するのに岳沢越から左へ左へルート修正しながら下っていくと正解ルートに合流。時間をロスしましたが無事に三峰川へ下れました。
・F1前衛滝の滝壺が凍ってなくて高巻きしたので時間ロスしました。
・初日は前回同様F6下の岩小屋でテン泊予定でしたがF3下到着時間は16:16。ヘッデン登攀はしたくないのでF3下の岩陰で幕営しました。(前回の1泊2日と違い今回の日程は2泊3日で明日は仙丈小屋までの工程なので余裕を持ってここで泊まりました。)
・F8(ソーメン流しの滝)まで登ってきて『あれ?正面の氷瀑ってソーメン流しの滝??いつのまに??』と思いましたが前回と氷の出来が違うので『???』状態でしたが、F8上部のバーティカル氷、下を見下ろすした感じ、Kさんとも話してやっぱりこの滝はF8だと確信しました。前回はF8下部はナメの水氷でしたが今回は階段状の水氷でした。(前回泊まったF6下の岩小屋が分からなかった。雪で埋まっていた?F6の2段目って巻けたっけ?F6の2段目の滝上には見覚えがあった。)
・F8の2P目のフォロー登攀中に1回フォールしました。右のアイスアックスを打ち込み荷重をかけた瞬間ピック下の氷が割れて体勢を立て直す間もなく落ちました。焦らずしっかり打ち込み確認しないといけないですね!
・今回の登攀ではアイスアックスのピックはほぼ新品のピュアアイス、アイゼンはフロント部をほぼ新品のダートに変えてきました。アイスアックスはピックが刺さりすぎて抜くのが大変でした。(この感覚久しぶり。いつもはすぐ抜けるからw)アイゼンはスタンスがしっかり決まって良かったです。やはり道具は大事です!
・大仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳の一般登山道で日没になり、日没後に吹雪いてきて視界は前方5mぐらい見えれば良いほうな状態となりました。途中1箇所でどっちに進むのか分からなくなり(前方は崖、左は崖、右は尾根が暗闇の方へだいぶ下っていく感じで間違い尾根なのでは?と思わせる感じ)Kさんの携帯GPSで現在地を確認しようとするも寒さで携帯は即ダウン。紙の地図とコンパスで北に方向を定め右の尾根を下ってみることに。尾根を少し下ってみるとすぐにまた登りになったのでここが登山道だろうと少し安心しました。(間違った尾根へ下りじゃなくて良かったです。それにしても5m先が見えないとはこうゆう事なのか!)しばらく歩くともう完全に登山道だと確信、その後無事に仙丈ヶ岳に到着しました。
・仙丈ヶ岳からは地蔵尾根へ下る道と仙丈小屋へ下る道の分岐まで下るだけなのですが、相変わらず視界が悪くて周りを注視しながら下ってはみたものの現在地がわからないと分岐まで来たのか来てないのか分からなかったです。『明るかったら問題なく、暗くても吹雪いてなかったらなんとか小屋が見えたかもしれないのにどうしよう?・・・よく小屋手前で低体温症から疲労凍死するのってこうゆう事なんだなー』と頭では冷静に考えてましたが行動は手詰まりになりかけてました。風を除けれそうな雪庇下を掘って寒さを我慢してテン泊かなーと考えましたが、Kさんから『仙丈ヶ岳まで登り返して反対側のルート(小仙丈ヶ岳ルート)から下ってみましょう。』と言われ下りで迷ったときは登り返すのがベストと思いその案に乗っかろうと思いました。ただ登り返して小仙丈ヶ岳ルートから下りても現在地が分からないままなら仙丈小屋へ辿り着けないのでその案でならそのまま登山道を北沢峠まで下山する最終手段として『その前に先ずは古くて寒さに弱くいつもすぐにバッテリー落ちしてしまう私の携帯のGPSで現在地を確認できないかどうか試してみて、ダメなら登り返しましょう。』とKさんに提案しました。アテにしてなかった自分の携帯を見ると充電は60%以上(iPhone7で購入して以来1回もバッテリー交換してなかったのですがバッテリーの減りが最近早いなーと感じ、この山行の前日金曜日にバッテリー交換してました。)、電波もあり拡大地図での現在地が分かったのでそれを頼りに小屋を目指すことができました。携帯充電用バッテリーはあったので最悪携帯電源が落ちてもなんとかなだろうとは思いましたが充電には時間がかかり面倒になるので携帯電源が落ちないよう携帯はザックに片付けたままにして、数十メーター歩いては立ち止まってザックを下ろし雨蓋下に外付けしたロープを外しザックを空けザックの中で携帯を操作し現在地を確認。右往左往せずに最短で小屋に着けるようこの作業を5〜6回ぐらい繰り返して歩いていると正面に崖?岩?何?みたいなのが現れて先へ行くか躊躇しましたがヘッデンの灯りを抑えて良く見ると小屋の外壁でした。なんとか仙丈小屋を見つけることができ、小屋に辿り着いた時には『助かったー』と思いました。
・アイス区間が終わって奥の二俣に着いた時、風が冷たいのと怪しい雲を見てハードシェルの下にダウンを1枚着込みました。グローブもアイス用から雪山縦走用に変えてたので日没後吹雪かれても動いている時は寒くはなかったです。(仙丈ヶ岳へ登り返すかどうか相談している時にKさんに寒くないですか?と尋ねると寒いですと言ってました。Kさんが低体温症にならずに良かったです。)
・最終日は5時スタートで11時下山完了の予定で計画を立ててましたが、そんなタイムスケジュールは忘れ6時起床としました。6時に起きましたが小屋に泊まっていた他2パーティーはまだ静かだったので私たちも2度寝、結局ダラダラして9時30分スタートとなりました。(朝のうちはまだ風が強かったのでそれはそれで良かったと思います。)16:30に下山完了しましたが下山予定時刻の11:00より大幅に遅かったので会の山行管理担当から心配のラインが届いてました・・・機内モードにしてて気付きませんでした。すみませんでした。(電波のあるところで連絡するのをすっかり忘れてました。)
・登りは足が重く相変わらずスピードが上がりませんが、そこまでの筋肉痛にならなかったので山に慣れてきたのかと思います。
・テントで寝る時の寒さ対策ですがマットを2重(サーマレスト Zライトソルに今回はニーモのエアマットを追加)にしたらだいぶ良かったです。シュラフはイスカエア450とイスカのシュラフカバーを使用。(寒くても嵩張らず軽量化しないといけないので。)
反省
・以前行ったことのあるルートでも時間がたっていたら再度下調べをしておこうと思いました。
・最近、天気予報は漠然と見ていて雨や雪マークじゃなければgoで山行に出掛けてましたが、もう少ししっかり見ようと思いました。
・自分で作った計画書なのにタイムスケジュール把握してないのはどうかと思う。入山前に計画書を再度見直して予定時刻ぐらいは頭に入れようと思いました。
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