中川川水系 モロクボ沢〜水晶沢〜左岸尾根(神奈川県連リーダー養成学校沢実技
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 674m
- 下り
- 671m
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■中川川水系 室窪沢支流水晶沢 遡行グレード:1級上 .皀蹈ボ沢出合は用木沢出合から林道を約10分。 林道右手の地殻変動観測施設の先で左に中川川を渡る橋を進み、白石キャンプ場 跡地の右隅の道を歩いて、モロクボ沢に架かる赤いやまびこ橋を渡る。 しばらくで道はなくなり、平地をショチクボ(塩地窪)沢出合へ適当に進んで モロクボ(室窪)沢に入渓する。 しばらく西進し、沢が南西から北西に向きを変えると眼前にモロクボ沢大滝 (30mと言われるが等高線から判断して落差25mくらい)が現れる。 20m手前、左手のザレ小沢から取付きトラバース気味に滝方向に踏み跡を追って 上がり、左上する凹角をクライミングする。少々要ハイステップ。(卦蕁 その後は落ち口に向かってトラバースして巻く。 大滝から標高800mまでの短い区間がモロクボ沢の美景箇所。 3段Y字状7×20m、2条幅広2×5m、2段4×8m、2条3×5m、 2条4×7mとナメ滝が続き、いずれもきれいな釜を持っており 晴れた午前中はグリーン色が美しい。 堰堤を右隅から巻けば、そのセクションも終わり平凡となる。 I弦840mで水晶沢(右)とモロクボ沢(左)の二俣。 水量比は3:2くらい。 モロクボ沢を目指す人は真っ直ぐ方向から流れる水晶沢に入らないよう注意。 付近は古く太いワイヤーが散在している。 今回は右の水晶沢に入る。 3条1.5m、2条1.5m小滝を越えると標高850mで、左からキメ岸沢が トイ状2条12×20m滝で合わさってくる。(水量比1:3) 水晶沢本流は右(東)に向きを変え、ナメ状4条3×6m滝、そして 北に向きを変えて2条4m壁滝が登場。 直登は厳しいので、10m手前、左のザレを上がりトラバースして落ち口上流で ザレをクライムダウンして巻く。落ち口の壁へ下りないよう注意。 その後はきれいな3段L(長さ)30m以上のナメを越せば標高895mで 左俣を分ける二俣となる。(水量比2:3) ズ庫鵑2条2×4mとそれに続くナメがあり、右俣には12m(下段8m、 上段4×6mで下からは下段しか見えない)が架かっている。 右俣12mは流芯左を直登可。(卦蘢度) 再びきれいなナメを越え、北西に少し曲がる箇所で2段6m滝。 1.5+2段5×10mで概ね左手を直登する。(卦蕁次 ここからしばらく沢は北西に伸びる平凡なゴーロ帯となる。 ΡΔら合わさる顕著な涸れ支沢を2本見送り、標高995mで沢は北に向きを 変えると2段7mだ。 下段スラブ状3×5mは左端をスメアリングで登り(卦蕁法⊂綯4mは 左側をくの字状に巻いて登る。足元が少々ズルズル。(卦蕁 続く3×5mを教蘢度で登ると、2m垂爆。 流芯左から取り付き右壁にステミングして登れる。(卦蕁 Э紊矇舛貮弦1100mで斜度の緩い幅広岩壁状10×15mが出てくる。 染み出しのある階段状部分を教蕁椶播个襪函標高1110m二俣。 ここはそのまま北西に向かう左沢に入りやすいので、水晶沢ノ頭を 目指す場合は入らないよう注意が必要。 ちなみに左沢は傾いたスラブ壁状になっている。 右沢には壁状6m棚で、左沢との間をくの字状に巻いて越す。 点在するアザミが時折痛い。 標高1130mで正面右からザレの枝沢が入るが、ここはやり過ごし北向きの 沢状か北北東向きの尾根状を詰める。 いずれも少々急な土ザレで息が切れるが、少し頑張れば水晶沢左岸尾根 (雷木沢との界尾根)に乗れる。 左岸尾根を登ると植生保護柵にぶつかるので右へ回り込めば、柵と柵の間を 通って東海自然歩道に合流。 右へ30m行けば標識と古いベンチのある水晶沢ノ頭(1278m)。 ※最近は「頭」を「アタマ」と呼ぶ人が増えてきたが「カシラ」だ。 ┣嫉海楼貳姪仍各擦覆號未愎覆瀁鮴估修ら下りるか、南へ進み善六ノタワから 西丹沢自然教室へ下りるか。 今回は講習なので水晶沢左岸尾根(水晶沢・雷木沢の界尾根)を読図下降した。 水晶沢ノ頭から南に30m下り、赤テープ箇所から先ほど登ってきた柵と柵の 間から下って左岸尾根に乗る。 標高1210mで尾根上は3m壁となるので左側(東側)を迂回して巻き下る。 標高1120m小ピークからそのまま南南西の尾根に下らないよう注意。 正しくは一旦東に下って南に向かう明確な尾根。 標高915mで尾根は東北東へ向かっているが、そのまま行ってしまうと 雷木沢に下りてしまう。 ここは右手(南東側)の少々急で広い植林帯斜面を下る。 少しで出てくるカヤトの藪で先が不明瞭になるが、このカヤト藪を突っ切れば 尾根状になる。 標高810mで植生保護柵が尾根上に作られていて、左手にはオレンジの作業用 ハシゴあり。ハシゴを申し訳なくまたいでそのまま山腹をトラバース気味に 進むとコル上で再び柵にシャットアウトされる。 左下に柵をまたげるハシゴがあるので、単管がつづら打ちになったザレを下って ハシゴを再び越え、山腹をトラバースして尾根に戻る。 あとは少々急な尾根をジグザグと下れば、モロクボ沢とショチクボ沢の二俣 上流部に下り、飛び石で徒渉して往路を戻る。 ■今回の学校(神奈川県連リーダー養成学校) http://www.k-rouzan.net ■沢登り、クライミング、読図講習(マウントファーム) http://mt-farm.info/ ■丹沢限定沢登り記録集(All by kamog) http://mt-farm.info/tanzawakiroku.html |
写真
感想
皆さんお疲れさまでした。
下降の読図について「難しかった」と意見が聞こえたので
読図に関する講習リマインドです。
■読図(水晶沢左岸尾根下降)について
使用したカスタマイズ地形図を見ながら読んでください。
1)水晶沢ノ頭(1278)〜1050mの区間
このセクションは下る予定の尾根は概ね南北に伸びています。
従って、下りていく尾根の左側(東側)の沢(雷木沢水系)の流れる方向は、
南東や東、東北東など必ず「東」という字が入ると思います。
また同じく右側(西側)の沢(水晶沢水系)は、南南西、南西などに流れ落ち
すなわち「西」という文字が入りますね。
ただ一箇所だけ1190m辺りの尾根の分派点だけ、その中間の沢はほぼ南に
流れ落ちるという少々イレギュラーポイントがあります。
尾根の分派点でどちらの尾根に進むかを選択する方法として、
両尾根(または3つ以上の複数尾根)の方向をコンパスで見定めるだけでなく
その中間の沢(尾根と尾根の間はすべて沢ですから)の流れ落ちる方向を
見て取れるだけ確認するのが読図のコツのひとつです。
ということで、このセクションの事前に注意点として把握しておく箇所は
”弦1190mでは南に向かう沢の左の尾根を行く
標高1120mで尾根は南南東から南または南南西に角度を変えるので、
正しい尾根に乗れば左側(東側)の沢はほとんど東または南東に落ちる。
もし間違って南南西向けの尾根に乗ってしまうと、左側の沢は尾根と
近い距離で並行して南南西に流れているのでおかしいと思うはずです。
なお1050mから尾根は概ね南東に向きを変えますが、このポイントの
見極めとして考えられることは
1080〜1050mまでの区間は等高線から見て長いベロ状なので平坦な尾根で
1050から先、そのまま南へ進むと傾斜が急になるので判断できるはずです。
よく小ピークの上に立っただけで現在位置の確認を行う風景を見ましたが
確認できるところまで下りて視認することも大事です。
2)1050〜850mの区間
この区間の尾根方向は概ね南東に伸びています。
カスタマイズした地形図を見ると、左側(雷木沢水系)の沢はほとんどが
北東に向け流れています。右側(モロクボ沢水系)の沢は南東、南南西、
南南東に流れ、それぞれ「北」という文字と「南」という文字が入ります。
上述と同じように正しい尾根に下りているか確認できると思います。
3)それより下部
そして読図上最大の核心です。
930〜920で尾根は東北東に向きを変えますが、そのまま尾根通しで進むと
雷木沢の820〜840m辺りに下りてしまいます。
間違って雷木沢に下りてしまい、これを下降しようとしても、等高線から
見てわかるように、線間隔は密になり、おまけに凹み具合もなくなるので
大きな滝になっていることが予想され、それらの下降は厳しいでしょう。
実際ここには上流から「25m大滝」「2段20m滝」「2段15m滝」と
その他小滝が連続しています。
これらを地形図から予想して、だから930〜920mで間違わず南東尾根に
乗ろうね!とメンバー内で事前情報共有しておくことが必要です。
本当に地形図通り滝があるのか、と思うかもしれませんが、十中八九
困難があると思ってよいです。
さて920辺りから南東尾根に乗りたいのですが、地形図上は尾根の始まりが
判然とせず、少し下りると尾根形が出てきますね。
そんな時はコンパスを信じて南東に下りましょう。
実際ここは植林帯斜面を下り、カヤトの藪を突っ切ると尾根形が現れました。
ただ経験したとおり、植林帯ということは植生保護柵や作業径路が錯綜し
我々の意図したルートの阻害要因になることです。
目的とする方向を意識にいれつつ、また設備の意図を見極めつつこなさなければ
なりません。
こと尾根の末端の選択は地形図と現実をよく見極めなければなりません。
尾根末端は壁になっていることも多いので。
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