室堂〜薬師・黒部五郎〜新穂高縦走
- GPS
- 76:50
- 距離
- 51.3km
- 登り
- 3,715m
- 下り
- 5,034m
コースタイム
- 山行
- 3:40
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 4:10
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:40
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:10
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 8:50
これで百名山 87山目
三百名山 157山目
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
穂高有明より扇沢へ送迎(5:40出発) 7:30始発トロリーバス 扇沢より黒部ダム経由 室堂へ <帰り> 新穂高ロープウェイ前よりバス(14:55発) 平湯乗継 島々へ(17:00着) 迎え有り穂高有明へ(17:30着) |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に問題なし |
その他周辺情報 | ・扇沢 トロリーバスの出発時刻の確認 ネットと違っている場合有り ・新穂高ロープウェイ前 双六ホテル 温泉800円 良い |
写真
感想
<1日目>
地元といってもいいお隣の富山県の山だが、奥深い山域を目指す。
扇沢より室堂に入る。
室堂から雄山はじめ立山の峰々が青空にくっきり浮かぶ。
気持ちよくスタートを切る。
一ノ越までは雄山を目指す登山者や観光客が多い。
一ノ越の先は人も少なくなり静かな山行となる。
立山カルデラの上に広がる五色ヶ原はすでに見えているが遠い。
鬼岳付近には残雪が残り注意しながら進むところもあるが、天気も良く問題なく通過できた。
進む左手、東側には針ノ木岳などの稜線が黒部湖より立ち上がっている。
後ろを振り返ると雄山が雄大な姿を見せている。
獅子岳へ登頂。五色ヶ原そして山荘が大きく見えている。
その先には、遠く今回目指す薬師岳が望める。
獅子岳から先はザラ峠へ下り、カルデラ脇の険しい登山道を五色ヶ原へ。
池塘、湿原の広がる間を抜け、宿泊する五色ヶ原山荘へと到着。
五色ヶ原山荘、びっくりしたのはお風呂!
大人6人は湯につかることのできる湯船。
疲れも取れ、リラクッスすることができた。
6畳に5人。隣には兵庫県から見えた楽しい方。
この方とは薬師小屋山荘でもお隣で眠った。
その他87歳の方71歳の方。
皆さん元気がいい。そして山に詳しい。
沢山刺激をもらい、これからの山に向けても力が涌いた。
その夜の食事は…。
<2日目>
今日が、私にとっては勝負の日。
朝4時には出かけようと決め、ほぼ予定通り山荘をライトをつけ集発。
木道にライトを照らし、慎重に歩む。すでに集発した人もいた。
今日の行程は、スゴ越え目指す薬師岳への登頂。
そして、薬師岳山荘までの12km、10時間以上の行動予定だ。
鳶山を過ぎたあたりでご来光を仰ぐ。オレンジ色に染まる山々が美しい。
越中沢岳に登るとぐっと薬師岳が迫り、その手前にスゴの小屋も見える。
後ろを振り返ると立山が遠くシルエットになって浮かぶ。
越中沢山の下り、足元に雷鳥が。
親鳥が山道の砂地を掘っている。
その周りにひな鳥が5羽ちょこちょこと動き回っていた。
親鳥の人を恐れない堂々とした動きとヒナの幼い動きにしばし見とれた。
スゴ乗越小屋ではCCレモンとカップ麺そしてリンゴジュースでエネルギーを得て、薬師岳への岩場の急登へと準備ができた。
この時点で、予定していた時刻より早いこともあり、余裕をもって行動がとれたのも良い結果に結びついていった。
間山に差し掛かると雲が出始める。
しかし後は薬師岳への登りだけとなり、最後の力も出た。
北薬師岳に到着。
眼下には薬師の壮大なカールが広がり、山容の大きさが圧倒的に迫っていた。
そのカールの淵を慎重に上り詰めると薬師岳の山頂が待っていた。
とうとう今回の目標、薬師岳への登頂。
山頂には薬師堂があり、早速今回の登頂の喜びと家族の安寧をお祈りした。
山頂からは正面に雲がかかるものの赤牛岳を見ることができた。
私にとって最後に残った北アルプスの領域になる。
次には登らせてもらいたいという気持ちも沸いて出てきた。
山頂近くには、避難小屋と愛知大学の遭難の碑が建っていた。
最後の薬師岳山荘への滑る下りに注意しながら山頂を後にした。
薬師岳山荘
受付をするとお茶が出され、美味しくいただくことができた。
食事は美味しく、布団一枚に休むことができた。
ただし、水がない小屋でそこはお金を出すしかない。
夕刻、少量の雨が降る。今回の山行ではこの数分の雨だけで、本当にラッキーな4日間となった。
<3日目>
今日のメインは黒部五郎岳だ。
最初の登頂では、山頂が完全に雲の中に入り周りが何も見えない状態だった。
そこで今回は少しでも視界があればと願っての黒部五郎岳への2度目の登頂を目指すのだ。
薬師岳山荘から薬師峠までの下りは思っていた以上にきついものがあった。
しかしここに美味しい水場があった。
黒部五郎岳への登りには水場はなく、ここで美味しい水を満たしていった。力水になった気がする。
太郎平小屋・太郎山通過
北ノ俣岳の大きな山容が目の前に広がる。
緩やかな登りで、薬師岳が遠のき、黒部五郎岳が近づいてくる。
北ノ俣岳山頂近くはハクサンイチゲの白い花の絨毯状態。
振り返ると薬師岳がその絨毯に寝そべっているかのようだった。
赤木岳を過ぎ中俣乗越を過ぎると黒部五郎岳への急登が始まる。
ここで時間は早かったが昼飯にし、登りへのパワーを充電した。
これが良かったのか、ほとんど疲れることもなく楽しい急登を味わうことができた。
黒部五郎岳の稜線に出ると少し雲が出て視界が良くない。
また前回と同じ雲の中の黒部五郎岳かとちょっと力も抜けた。
山頂についても雲がかかり、またかという思いでとりあえず山頂の写真を収めた。
ところがしばらく待つと雲の動きがあり、カールが眼下に広がりそしてその先に鷲羽岳と水晶岳の姿が現れたのだ。
嫌われることなく山頂での一時を楽しむことができた。
カールの中を下山し黒部五郎小舎を目指す。
コバイケソウが美しく斜面に広がっていた。
沢の水は、美味しく、石の美しさもあって別世界の表情だった。
黒部五郎小舎
思いっきり混んでいました。
3人で2枚の布団です。
食事はここが一番だったかな。好みもあると思いますが。
さて、部屋はテントイレのにおいが漂う大変良い環境でした。
その中で布団番号9、10、11(私)13。4人。
大変気が合ってしまい一杯飲もうということになり、各々が山の酒「双六」を購入。
小舎の外で仲良く飲むことができた。
黒部五郎岳、笠ヶ岳に夕焼けも美しく、美味しく和やかな雰囲気を味わうことができた。
あっという間に暗くなり、その後消灯まではということで話は弾んだ。
とくにカール入り口付近にあった○○○の話が出た。
あれはすごい。20代か30代までの男の物だ。
太さ、形そして三色に色分けされていた。
今朝のものに違いない。
熊はティッシュをかけていかない。それにしても立派。
それにしても場所が通り道。相当に切羽詰っていたのだろう。
様々な想像をめぐらし、部屋中が腹を抱えての就寝となった。
興奮したのと、狭さにじゅうぶうな睡眠はとれず次の朝となった。
<4日目>
今日は三俣蓮華岳、双六岳を経由して下山するだけ。
昨日の4人で楽しく過ごすことができたことに礼を言いそれぞれ分かれていった。
その中で私を入れた3人は三俣蓮華岳方面へ一緒に歩みを進めた。
今日も最高の天気!
黒部五郎岳に朝日が当たり山頂がオレンジ色に輝いていた。
三俣蓮華岳では、今回の目標薬師岳そして黒部五郎岳がその美しさを増していた。
二つの峰が肩を並べるようであった。
そして、今回私の歩いてきた立山一ノ越から薬師岳、黒部五郎岳までの道のりを振り返ることができた。
さらに槍ヶ岳、穂高岳の稜線が逆光でシルエットになり険しい稜線を見せつけていた。
4日目のフィナーレを飾るにふさわしい三俣蓮華岳の山頂となった。
双六岳からはサッカー場とも言われる山容の先に槍が飛び指す様が見られ
気持ち良く下山を開始した。
でも長い新穂高までの道のりは変わらなかった。
百名山の87座目になる薬師岳に登れた。
様々な出会いもあり、勇気やこれからの山への向き合い方なども考えさせられた。
長野県に住んでいると、私だけだろうが、とかく日帰りの登山が多くなっていた。
しかし、山を楽しむためには山中泊の良さを改めて思った。
これからは時間もある。自分の山だと持っている燕岳、常念岳、蝶ヶ岳を見直すためにも山泊を計画していこうと思う。
ふるちゃん
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