記録ID: 694916
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白山
白山別山(リハビリ登山)
2015年08月08日(土) ~
2015年08月09日(日)
体力度
5
1泊以上が適当
- GPS
- 16:39
- 距離
- 24.4km
- 登り
- 1,857m
- 下り
- 1,897m
コースタイム
1日目
- 山行
- 7:29
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 8:41
距離 12.1km
登り 1,456m
下り 197m
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●市ノ瀬〜<三ッ谷林道>〜杉峠登山口 駐車場からいま走ってきた車道を15分ほど戻る。多くのクルマからの衆目にさらされながらの歩きは、その天邪鬼ぶりがとても心地いい。というのも、猫も杓子も砂防新道な白山登山において、このルートから登る人は、100人に一人もいないだろう。1000人に一人ぐらいは居るかも知れない。三ツ谷橋(764m)から車道を左折して林道に入る。 途中でヘリポートの横を通り過ぎるあたりで、50匹ぐらいのアブに取り囲まれる。これはイカンとばかりに、ムシペールアルファをポンプしたら効果テキメン、ほとんどのアブは離散したが、すでに数箇所刺されてしまっていた。誰だ?虫除けスプレーなんかアブやブユには効かないと言ったヤツは?ムシペールアルファはディート成分12%で国内薬で最強の部類だ。ディート成分とは、米軍がジャングルで行動する兵士のために開発した言わば兵器であり、効かない訳がない。人体に多少の影響があるかも知れないが、常時使用しなければ大きな問題はないだろう。 西俣・東俣の分岐(798m)で東俣方向へ進み、橋を渡ってすぐにある奇妙な小屋(埋め火の里という札あり)を右に見ながら直進すると林道右側に”杉峠登山口”の案内杭がすぐに目に入る。まだ沢からそんなに離れていないので、数匹のひつこいアブに遠巻きされる。 ●杉峠登山口〜<三ッ谷尾根?>〜杉峠 杉峠登山口は三ツ谷登山口と書かれているガイドブックもあるかもしれないが同じ場所だ。登山口から稜線までは急登になるがすぐに着く。ここまで来たらもうアブはやってこない。稜線に着く前に左折する分岐があるが、曲がってはいけない。稜線に着いてからも登山路はいささかの容赦もなく急登が続き、別山展望台という札のかかった場所まで続く。 その後、登山路は地図の1249mピークを通過せずに南西側に巻き、今度は白山展望台という札のかかった場所に着く。このあたりに来ると斜度はゆるやかになり、標高1200m前後をアップダウンする。そのまま進んで、もしヌカルミのような場所にはいったら、たとえ踏み跡があってもルートミスしている。正しい登山路はその左側(北東側)にある。小さい沢を何度か横切って、沢内を3mほど進む場所があるが、そこが常水の水場だ。三ノ峰避難小屋に泊まろうとお考えなら、ここでたんまりと汲んでいったほうが無難だ(煮沸は必要)。三ノ峰避難小屋では水が採れない場合がある。 常水の水場からほんの少し登ったら杉峠(1325m)に到着する。全般的に杉峠までの登山路は概ねしっかりとしていて、崩落したり草木に覆われた部分はほとんどなかった。名前が無い様なので、”三ツ谷尾根”と勝手に呼ばさせていただく。到着した杉峠は加越国境の稜線で、これから進む三ノ峰方面と反対側に進むと赤兎山などに行ける。 ●杉峠〜<加越国境稜線(途中から鳩ヶ湯新道)>〜三ノ峰避難小屋 杉峠から六本桧までの加越国境稜線は荒れていて、登山路が草木に完全に覆われている部分がけっこうある。しっかりとルーファイしながら進んだ方がよい。ルートを少し外すと沼のような場所もあるが、そんなに危ない場所はない。 この夏山最盛期シーズンに、市ノ瀬から六本桧まで一人の登山者とも会わなかった。白山に登るほとんどの登山者は”阿呆の一つ覚え”みたいに砂防新道をピストンしているのだ。他にこんなに素晴らしいルートがあるのにもったいない話だ。 六本桧では同じ市ノ瀬を、ボクと反対回りに朝出発したという登山者に会った。暗いうちに出発したのだろうが、あの長いチブリ尾根を登って別山からぐるっと回って来たという。まだ11時すぎなのに、なんという体力だ!まるでニシデンさんか、サンチャンの到来か・・・。いっぽうボクはと言えば、とある怪我で1ヵ月半ほど運動できずに治療に専念していたが、それを言い訳に”食っちゃ寝え”していたら体重が10kg近く増え、情けないほど体力を落としてしまっていた。すでにヨレヨレのテイで歩みが鈍く、暑さがそれに輪をかけた。 六本桧から三ノ峰避難小屋までの登山路は、これまでとは違って、よく整備されている。というのも、上小池(鳩ヶ湯)方面からの登山者によく利用されているからだ。さらに良いことには、この鳩ヶ湯新道と呼ばれている加越国境稜線は、お花畑が凄かった。六本桧(1420m)から三ノ峰避難小屋(2096m)まで一気に標高差600mを稼がないといけないが、展望が良いのと、お花畑に癒されるので、歩みは遅くなったが、つらい感じはしなかった。 避難小屋まで4リットル近い水を担ぎ上げたので、特に問題はなかったが、一応、避難小屋の東側斜面にある雪渓を確認しに行った。雪渓はかなり小さくなっていたが、まだ2週間ぐらいは大丈夫だと思われた。雪渓下部には鉄のトユ状のものがあって雪融け水を汲みやすい。まわりにはハクサンコザクラも発見した。斜面が急なので、もし汲みに行く場合は慎重に下ってほしい。また、煮沸はしたほうがいい。 避難小屋では、福井県にある自然博物館の学芸員さんとその助手の方がいらっしゃって、小屋周辺でレッドデータブックの標本採集を行っていた。夜、いろんな話が聞けて面白かった。 ●三ノ峰避難小屋〜<白山南山稜線>〜別山、御舎利山 今回の周回コースは早朝に市ノ瀬を出発したら日帰りも可能だが、是非ともこの避難小屋に泊まってほしい。なぜならば、早朝の小屋周辺の雰囲気や展望が素晴らしいからだ。この避難小屋が満杯になるというのは聞いたことがないが、別山平のニッコウキスゲが満開のときだけは、あり得るか?でも小屋内は結構広いので、詰めたら20人ぐらいは泊まれるだろう。 その別山平のニッコウキスゲは、もう完全に終わっていて草原状態だった。満開の時期は7月中旬ごろだったと思うが、その時期は天候が不安定なのでなかなか来れていない。また、別山平には御手洗池などの池塘があるが、登山路から微妙に見えないため、寄らずに通り過ぎる登山者が多い。いい場所なので寄ってくべきだ。別山山頂まであと標高差200mを登れば登頂できるが、途中の展望があまりにもすばらしいので、疲れた気分がしない(ハズ)。 ●御舎利山〜<チブリ尾根>〜市ノ瀬 御舎利山からチブリ尾根は妙に感動的にその長い下降路がスタートする。チブリ尾根に関しては、多くのレポートがあるので、そちらを参照いただきたい。 ‐ |
その他周辺情報 | 下山後の温泉に関して、初めての方には、市ノ瀬駐車場の前にある白山温泉を勧める。ここは日本秘湯の会会員だ。ただ、キャパが小さいのと湯上りにくつろぐ場所がない(に近い)。クルマで少し下った場所には、御前荘・白山天望の湯という平均的な日帰り温泉施設がある。さらに白峰口まで行けば、温泉の銭湯である総湯がある。 |
写真
撮影機器:
装備
個人装備 |
特にプラティパス2リットルを2本
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感想
とある事故で全治1ヶ月半の怪我をして、しばらくおとなしく治療に専念していたが、先日、担当医から、『山登って良いよ。但しまだ一般登山でね!』と言わたものだから、もう犬コロのように登ってきた。しかし弱ってるので、すぐにバテた(悲笑)。今回選んだのは、人呼んで”白山あまのじゃくルート”。白山へ来て白山には登らず、別山だけ登る周回ルートだ。山にまで来て人混みはうんざりだからと選んだこのルートは、夏山最盛期シーズンにもかかわらず、ルートの半分近く、誰にも会わず!といったポテンシャル?の高さ。リハビリ第1弾とは言え、自分の歩みがノロイことには閉口したが、登りの途中で大休止をいっぱいとって、肉体的にも精神的にもじゅうぶんにリハビリできた。つぎのリハビリ登山はソロテント泊で行こう。どこがいいかな?
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コメント
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クマさん、まずは快気おめでとうございます。
さすが、僕と同じ天邪鬼ですね(笑)
北部じゃなかったら僕も同じルートを選ぶと思います。
残念ながら先週末は仕事で金沢市内の会社に篭ってました(T_T)
別山平のニッコウキスゲは時期的なものじゃなくて今年は外れ年みたいです。
僕も来年は見てみたいと思っています。
次はテン泊ですか。
良い山行になることを祈ってます。
さんちゃん、こんにちは。
本当に凄いルートですね。
『花の加越国境稜線』と言うべきでしょうか。
なかなかここまで豊富な咲き具合には遭遇できません。
別山平の情報、ありがとうございます。
さすが、地モピー!来年は狙いたいと思います。
ぼちぼちリハビリやっていきますよ。
山は競争じゃないんですから・・・
でも、体力がないと楽しめないので、がんばります。
クマ
お許しが出たのですね、おめでとうございます。
早速、山へ
復帰戦とはいえ、休止中に10圓眩 してたとは言え
さすがクマさんな行程ですね。
ああ、『どこでもドア』で
あの稜線の上に行ってみたい
でも、10堊はいけませんね
ちょっとサボり過ぎでしょ
おまけに途中からにゃ〜とかネコ語になってるし
10キロ増えると、皮下脂肪がそれなりに加わってる。
皮下脂肪が厚くなると、カラダの熱が発散されず、
カラダが火照って、そりゃあタマリマセブン!
お陰で、小休止では間に合わず、
大休止を繰り返した始末であります。
げに恐ろしきは、皮下脂肪。
復活戦第1弾とは言え、復活したとは思えないにゃー
いかん、いかん、またおこられる。
クマ
kuma-san、リハビリ山行、おめでとうございます。
いきなりなんだかハードですが、大丈夫ですか?
まぁ、kuma-sanなので、大丈夫なんでしょうね 。
白山といえば、先日私が悪天候と体調不良で撤退したばかりですが、
お隣の別山もお花がいっぱいで、いい景色ですね!
あ、お花の名前は65点くらいですね
白峰温泉の旅館春風の女将、会いに行ってみました ?
さくちゃん、こんばんは。
> お花の名前は65点
そんな意地悪しないで、教えてちょうよ。
でも徐々に正しくしていくからね。
いまはちょっと調べる時間がないもんで・・・
白山、是非リベンジしてください。
ハクサンを冠する高山植物を、白山において直に6つ以上発見すること。
これが、君に与えられたノルマなのじゃ
クマ
クマさん、復活おめでとうございます!
岩トレやらテント泊トレやらされていたのでとっくに治っていたと思ってたんですが、けっこう長かったんですね
あまのじゃくルート、あまのじゃくのワタシも大変魅かれますが、人が集まるといけないので整備はしないでほしいものです。
でも確か同じルートのレコを以前拝見したような...
2回も行くなんてかなりのあまのじゃく?
お花...ワタシもヒトのことはいえませんが...
確実にわかったのは「ヨツバシオガマ」「タカネツメクサ」「ソバナ」「コバイケイソウ」ぐらいですが、もっとありそうな...
次は沢ですか?
かのすけどん、まいど。
よく覚えてましたね。
前回の良さに味をしめて、またやってきた次第ですが、
いいでしょう! この”白山あまのじゃくルート”!
前回よりもパフォーマンスが高く?なったような気もします。
さらに、今回はお花が爆発的に発生していたので、
それはもう、充実したものでしたが、
確かに、あんまりレコすると、
パフォーマンスの低下?をもたらす可能性がありますね。
でも、そのときはまた新たなルートを探しますが・・・
沢はちょっと、トラウマになったようで、
行きたいけど、行きたくないような
微妙な気持ちです。
クマ
三ノ峰から別山って、別山から見下ろして歩いてみたいなぁ…って思ってたんです。
ちょっとした休みの時に、このコース辿ってみます
お怪我の回復が順調でなによりです
でしょ!
まったり登山には最高の場所です。
ぜひ、ファミリーで行ってきてください。
避難小屋はテントより快適ですし、
無料なので、南竜テン泊よりも経済的です!
ただ、時期的に、虫除けだけはお忘れなく!
人が少ない分、集中的に攻撃されてしまいます。
しかし、後立山連峰縦走、すごいです。
いつも、この言葉しか出てきません。
クマ
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