明神主稜&奥穂南稜
- GPS
- 56:00
- 距離
- 20.2km
- 登り
- 3,461m
- 下り
- 3,446m
コースタイム
- 山行
- 3:10
- 休憩
- 3:40
- 合計
- 6:50
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 2:35
- 合計
- 11:10
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 2:40
- 合計
- 9:10
天候 | 21日:雨時々曇り 22日:雨のち曇り時々晴れ 昼過ぎまで霧 23日:晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
上高地シャトルバス(沢渡−上高地 往復 2,050円/人) 岳沢小屋 テント場 1,000円/日・人 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆明神岳主稜 2峰の懸垂下降以外ロープを使うところはなく、クライミング要素はほぼ無し。ただし展望の利かないガスの中での山行であったため、ルーファイや現在地把握が難しかった。(3峰を2峰と勘違いした) ・岳沢登山道7の案内板が取付目印 ・踏み跡明瞭 ・2200m付近尾根地形が不明瞭になるが、踏み跡が明確なのでこれを辿る。 ・2300m付近がヤセ尾根、フィックス有、技術的な難しさ無し、樹林で高度感も無い。 ・ガスで視界が利かず、5峰登頂後危うくリングワンデリングしかけた。 ・同じく2峰かと思って登ったら3峰で、明確な懸垂支点が無く、ピナクル支点で懸垂するもロープ回収できずに登り返すなど、散々な目に遭う。 ・2峰は2度の懸垂下降で主峰とのコルに下りる。1回目の支点は上側を選択したが、スリング類しかなくロープの流れが悪かった。1段下の支点の方が良かったかも。2回目の支点は金具があったのでこれを利用。驚くほど回収時流れ良く楽だった。 ・主峰までの間はビバーク地点が何箇所かあるが、主峰を越えると主峰山頂近くに1箇所あるだけで前穂山頂まで適地無し。 ・奥明神沢のコルへの下降は、懸垂支点あるがクライムダウンで問題なし。 ・奥明神沢にはフィックスが設置してあった。緊急時の下降に使えそう。 ・前穂までの登りはいくつかの小ピークを越えていくが、基本岳沢側を巻くことが多い。1箇所ややいやらしい岩場があった。 ・ビバークポイント5峰手前数箇所4・5峰間(5峰寄り)3・4峰間1・2峰間1峰北側α以羯劃 ◆奥穂高岳南稜 前日の明神主稜と比べるとクライミング要素も高く、1ランク上のバリエーションといった感じ。ヤブ漕ぎもその1つ。踏み跡は思いのほか明瞭。 ・雪渓からの取付はシュルンドがあるため、できれば事前に偵察しておくと良い。今回は21日に偵察、雪渓からの上陸点は心配していたほど困難でなくほっとしたものの、霧が濃くて南稜ルンゼがどこかもはっきりしなかった。滝沢も立派な滝に水流が有ったが、23日は滝は涸れていた。 ・取付から下の滝までも簡単な岩登りレベル。しかも水流があり、濡れているので要注意。 ・下の滝は右側から左側に回り込んで行って左側(右岸)から抜ける。核心に残置スリング&ビナ有り。濡れていて思った以上に難しく感じた。安全策で残置にセルフをつけて核心を抜けた。 ・上の滝はチムニー状を中央突破。もちろん濡れているが、難しくはない。 ・3俣の分岐はソロのため、右ルンゼを選択。ビレイヤーがいれば左ルンゼからスラブ岩壁の凹角経由が通常のよう。 ・右ルンゼ前半は急峻な源頭部の枯れ沢登り。1箇所ハイマツを抜けると草付きの藪になる。水流となる踏み後を外さぬよう左寄りにルートを辿ってハイマツ帯に。 ・ハイマツ帯は地面に足が付かず踏み跡をはずしやすいが、枝を上手くかわしてなるべく踏み跡をたどる。左側の岩場に近いところから登った。 ・大岩で行き詰るので、ハイマツ沿いに基部をやや左に移動すると、クラック沿いにルートがある。(残置ハーケン有り、-級程度)下段を登ると上段は易しい(卦蘢度) ・モノリス岩は卦蘢度の快適なクライミング。岩も硬く、今までの苦労が報われます。 ・トリコニー1峰はチムニーからだが、中に入ると階段状に登れて簡単。最後にチムニーを跨ぐ。その後左に回り込んで、小岩峰の登りが核心。(左から巻ける) 小岩峰から1峰までのナイフリッジは高度感あり。 ・2峰は奥から簡単に登れる。 ・景はルートから外れているが、登ることはできる。 ・景からは時折扇沢側(左側)のお花畑をトラバースしつつ、いくつかの小ピークを越えていく。 ・懸垂下降支点のある岩峰は右からトラバースできたが、その後のルンゼが脆く浮石だらけだったので、素直に稜線を行った方がいい。 ・最後は緩やかな斜面を詰めると南稜の頭に出る。 ・全般的に虫が多い、お花畑が多いからか。 |
写真
感想
当初は初日明神、2日目奥穂南稜、3日目は予備日的にして下山としていましたが、天気が悪く、初日岳沢停滞で、2日目明神、3日目南稜となりました。結果的には両ルートとも必要装備のみの軽荷で歩けたので良かったのかもしれません。
1日目の雨のアプローチでは折り畳み傘が非常に重宝しました。靴や服や荷物を大して濡らさずに岳沢にたどり着き、雨の合間にテント設営も済ませることができ、尚且つ南稜の偵察(雪渓及び取付の様子)も出来たので、不幸中の幸いでした。ただし、ガスのため取付の上部はどこが南稜ルンゼなのか、イマイチはっきりわかりませんでした。
2日目の明神主稜は、回復傾向にあるという天気予報に期待して雨の中出発しました。前半は樹林のため、多少の雨はまったく気にならなかったのですが、やはり稜線に出ると風雨が堪えました。懸念していたとおり、5峰に着く頃にはグチョグチョです。何より霧で視界が利かず、絶景が見れないばかりか、隣のピークや下手すると主稜線にいるのかどうかも怪しい状態にはちょっと参りました。踏み跡はかなりしっかりしているので、これを忠実にたどるように進みましたが、精神衛生上よろしくないですね。3峰あたりから時々ガスが薄くなり、正午を過ぎて主峰を越えた頃からは時折薄日が差してきたりして、前穂に着く頃には遅ればせながら天気は回復し、雨はすっかり上がってくれて助かりました。5峰でのルート外しや、3峰でのロープ回収トラブルの影響でこの日の行動時間は10時間を越える、ハードなものになりました。体力的には余裕がありましたが、テント装備を担ぐ当初計画でなくて良かったと痛感です。
最終日、メインイベントの奥穂南稜アタックは、ラッキーなことに晴れのスタート。奥穂山頂までベースから見渡せる、視界良好のコンディションです。前日までの雨の影響か、ルンゼ内は水流が流れ、濡れ濡れコンディションでしたが、終始登山靴での行動でしたので、大きな問題はなく、草付きやハイマツのヤブ漕ぎでビショビショになりながらも(やはり靴の中は水浸しに!!)、要所要所に出てくるクライミング要素を楽しみながら、スタートから約4時間で南稜を踏破することができました。
3日目に感じたのは、やはり晴れた穂高の展望は第一級だということ。今度は展望のいいときに、もう一度明神岳にチャレンジしたいです。でも、天気が良い時ばかりでない、いろいろな条件に遭遇しながらルートを踏破していくという、バリエーションの本質的な楽しみが味わえたということもあり、充実感で満腹の山行になりました。
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