双児山北西尾根~双児山~イワンヤ沢左俣~右俣下降
- GPS
- 20:43
- 距離
- 29.0km
- 登り
- 2,270m
- 下り
- 3,102m
コースタイム
- 山行
- 9:51
- 休憩
- 1:28
- 合計
- 11:19
天候 | ◎1日目・・・晴れのち曇り ◎2日目・・・晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◎双児山北西尾根 行く前から覚悟していましたが難しい尾根でした。 取り付きは丹渓山荘沢からの旧道を少し登った尾根末端で容易に入れます。 取り付きからしばらく藪は少なく歩きやすい。 取り付きから15分程で早くも第1の核心。地形図では何もない場所ですが20mほどの岩壁が尾根を塞いでいます。直登は無理なので右へトラバースしながらルートを探りますが支点を取らずには怖くて進めず30m×3ピッチ。ハーケン使用。 ここを越えると次第に藪が濃くなり、岩要素と勾配が強い尾根で嫦娥岳的なトラバースを繰り返し第2の核心へ。 ここも右巻きから左上へと直登で1ピッチ。カム使用。大きな倒木から上へ抜ける辺りが悪い。 シラビソとシャクナゲの藪は更に濃くなり丸山~大沢岳レベルのブッシュが山頂まで続き(山頂手前はハイマツ)ペースが全然上がりませんでした。 第3の核心は地形図の崖2200m。1ピッチ。ハーケン・カム使用。 手前から見ると樹林が繋がっているように見え安心しましたが、コルに降りるとギャップになっていて直登不可。 ここは右下に少し降りた地点から左上へと伸びる細い岩棚トラバースして(バンドが逆傾斜でここが1番怖かった)岩溝に身体を捩じ込み登りここで核心部は終わりです。 ※ 落ちられない角度でのトラバースが続くので木の根や木で支点を取りつつ、適所でハーケン、カムを使用しました。 種類として嫦娥岳に似ていますがロープを出さずに進める嫦娥岳とは比べられないほど恐怖感があり、私の中では過去1番悪い尾根でした。 南アルプス藪山の体力勝負+妙義の藪岩的な要素が加わったような感じでしょうか。 bombjack君がいなければ開始30分で敗退していたと思います。 ◎イワンヤ沢(4級)※ラバーソール 石灰岩の沢で南アルプスとは思えない幕岩の絶景と核心部のゴルジュは圧巻! F2・F4が核心。特にF4はホールドが乏しくヌメって5級のボルダームーブらしい。 https://scolopendra-oniisan.hatenablog.com/entry/2022/07/04/225924 ※こちらのブログがとても詳しく解説されています。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
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写真
感想
嫦娥岳を登った4年前に尾根の存在を知り、近くの尾根から尾根を観察すると凄い迫力で登る事が可能なのか?と思いながらもいつか歩いてみたい!という意欲が湧いていた双児山北西尾根。
昨年も南アルプス林道の歌宿付近から観察しましたが2200mの崖が兎に角エグい。。。
当初は兎洞の予定でしたが、南部の天気がイマイチだったので、ここぞとばかりにbombjack君を誘ってチャレンジしました。
◎1日目
3時に戸台到着。バス待ちして5台目くらいのバスに乗車して歌宿へ。
天候は快晴で林道から鋸岳と課題の双児山を眺めながら丹渓山荘へと下降。
この時は「よく見りゃ木が繋がってんじゃねーの?」なんてお気楽気分でした。
昨年幕営した戸台河原にタープを張り、双児山北西尾根へ向かいます。
幸先良く渡渉でドボンして丹渓山荘裏から取り付きへ。
取り付きから巨木が多く藪が少ないので核心部と思われる2200mまでは余裕だと思った矢先、目の前に立ち塞がる圧倒的な岩壁。
地形図は比較的緩やかでゲジゲジマークは無いのに早くも核心の始まりです。
最初の1ピッチは自分がリード。2・3ピッチはbombjack君がリード。
1.2はトラバース、3は登攀でトラバースが得意な自分でもロープを出さなければ(ソロなら)ここで敗退です。
山域から岩要素が強いのはわかっていましたが、最初からこれ?この先大丈夫か?と思いつつ先へ進みます。
予想外だったのは藪。過去の経験で人の手が入っていない尾根は巨木で樹間が広い尾根が多く、今回も岩以外はあっさり、、、と期待していましたがシャクナゲとシラビソが強く、体力的にもキツかったです。特に2200m崖を越えてからの藪は酷かった。
午後になるとガスが出始め期待していた展望は無くなり、2500mから早くもハイマツが登場しますが2600m付近までは回避しつつ進み、最後は覚悟してハイマツを漕ぎながら進むと、藪の中に古びた看板を発見!この尾根初めての人工物で遂に山頂だと確信しbombjack君と大喜び!
古びた看板から数メートル藪の先に登山道と山頂標が見えた時は標高差僅か1200mとは思えない感動でした!
山頂到着が15時。
スムーズに進み時間に余裕があれば鋸岳経由で幕営地に戻る予定でしたが、予想通りの苦戦で北沢峠へ下山。
旧知の小屋番と今日の行程、小屋の混雑、明日は悪天候予報など話して丹渓山荘への旧道を降って幕営地へ。
幕営地へ戻り稜線を見上げるとガスが晴れ、双児山北面を見ながら食事&お酒で到着祝い!
充実した1日でした。
◎2日目
本日は戸台川支流イワンヤ沢。
尾根歩き専門ながら、南アルプスの名渓と言われる沢は行ってみたいと思っているので石灰岩の異空間イワンヤ沢は以前から興味がありました。
幸運にも予報は外れ朝から快晴。戸台河原を下流へ向かい大岩が見えるとイワンヤ沢出合。
最初の滝が高低差が1番ありますが、ここは右岸にロープが張ってあるので高巻き。
ここから少し歩くと前方に真っ白な石灰岩の大岩壁!これは凄い。
戸台幕岩を眺め眺めながら更に進むと洞窟状の中に滝。ここも容易に高巻き出来ますが「登れますよ」との事でbombjack君がリード。シャワーを浴びながら右上へ消えてロープが止まったので抜けたかと思いきや降りてきた。出口が岩で塞がっていたようだ。笑笑
気を取り直し違う穴から抜ける。
二俣から左俣を少し進みと核心部。
F3は比較的容易なので私がリード
bombjack君F2・F4をリード。F 2はシャワーを浴びながら、F4は下部はホールドが乏しく抜け口はハング気味で私には全然手が出ない。
何度もチャレンジしながら見事登り切ったbombjack君。改めて14クライマーの登攀力とフォールを恐れない精神力に感嘆。。。
核心部を登ると穏やかな渓相になりお弁当を食べながら休憩。ゴルジュ内は日が当たらず震えていたが夏の日差しで一気に回復。
帰路は右俣。
簡単に尾根を乗越て右俣に入渓。
こちらも圧巻のゴルジュ!石灰岩のゴルジュ内を懸垂とウォータースライダーで降り二俣へ。
ここからは足早に降ってイワンヤ沢出合いに戻り、戸台まで歩いて今回の山行は終了。
1日目、2日目共に大満足の山行でした!
コメント
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いやー、やっぱり手ごわい尾根だったのですね…31枚目とか岩にすっぽりはまっていて、どう登ってるのか凡人には全く想像できません・・・。それでも登り切ってしまうお二人は本当にかっこいい!!
また会った時に詳しく解説しますよ!
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