大峯奥駈道 吉野〜弥山
- GPS
- 18:23
- 距離
- 53.2km
- 登り
- 3,966m
- 下り
- 3,572m
コースタイム
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 8:20
- 山行
- 9:13
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 9:45
天候 | 9/18 はれ のち くもり… 標高1000m以上は概ねガス 9/19 はれ 時々 くもり…朝8時過ぎまではガス、日中も一時ガス 最寄のアメダス観測点当日の気温 ■スタート地点『五條』※9/18 朝の最低気温 17.8℃ (05:14) 日中最高気温 25.3℃ (14:33) ■ゴール地点『上北山』※9/19 朝の最低気温 14.5℃ (06:44) 日中最高気温 26.5℃ (14:12) |
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過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
★近鉄吉野線…当日、近鉄大阪阿部野橋駅より7:12発の吉野行急行を利用、8:54吉野着。大阪への通勤ラッシュとは逆で座席は確保できますが、奈良エリアでは通学ラッシュ?の高校生で一時混雑気味でした。この時期の平日だからか?終点吉野駅で降りたのは私一人だけでした。 ★奈良交通バス…田舎のバスらしく?キッチリ定時運行でした。出入り口1ヵ所の小型バスですが、PiTaPaは利用できます。乗車前から4人の乗客がおられましたが、皆さん終点の下市口駅まで利用。後から乗車してくるお客様はおられませんでした。 天川川合〜下市口 …大人1,110円・所要時間54分 ■近鉄吉野線『吉野』駅 http://www.kintetsu.co.jp/station/station_info/station08020.html ※駅改札外にトイレ有。 ※駅前に土産物屋、自動販売機等有。 ■奈良交通『天川川合』バス停 http://jikoku.narakotsu.co.jp/jikoku_pdf/Bstop_PT.exe?2005+1 ※バス停前に観光案内所?トイレ、自動販売機有。 ※路線は、近鉄吉野線『下市口』駅より発着。 ★バス路線案内…奈良交通 http://www.narakotsu.co.jp/rosen/index.html ★近鉄下市口駅よりのバス路線図 http://jikoku.narakotsu.co.jp/jikoku_pdf/Bsmap.exe?1854+866+1717+shimoichiguchi.gif+1+hanrei.gif+309+136 ★近鉄吉野線『下市口』駅 http://www.kintetsu.co.jp/station/station_info/station08015.html ※改札内外共にトイレ、自動販売機有。 ※駅の北側にローソン有。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【1日目】近鉄吉野駅〜山上ヶ岳・宿坊 距離:23.26辧[濱冑弦癲幣紊蝓:2,252m 累積標高(下り):814m 吉野エリア、奥千本、金峯神社辺りまでは舗装路。観光地として道標や案内図、トイレも整備されています。 熊野を基点として吉野兵たる大峯奥駈道を、吉野から逆峯と呼ばれるルートを辿るつもりで歩きました。先人のレコを参考に、近鉄吉野駅より歩き始めましたが、大峯奥駈道の北端は柳の渡し現在の美吉野橋付近との事。現在、75を数える靡(なびき)と呼ばれる行場の73番吉野山より67番山上岳迄が初日の行程となります。 時代等により道筋が変わるようですが、現在大峯奥駈道と案内される道標に従い、旧道区間と表示のある場合はそちらを選択しました。吉野より金峯神社は舗装路、その後は一部を除き山道が続きますが、迷わず歩ける程度の道標や目印はあります。 69番二蔵宿より大天井ヶ岳を経た先の五番関より女人禁制。その先山上岳へは鎖場や露岩等、足場は不安定となりますが、ルート上に身の危険を感じるような所はありませんでした。 ■吉野駅〜金峯神社 基本舗装路が続き、中千本辺りまでは商店等も多く観光地として整備されています。金峯神社の他、ルート上に数ヶ所トイレが整備されており水道も利用できます。 道標類は稀に山上ヶ岳と書かれている程度、案内図等を参考にする場合は奥千本と金峯神社を目指します。 ■金峯神社〜五番関 四寸岩山、大天井ヶ岳と2つの大きなピークをはじめとする稜線上にルートが続きます。大天井ヶ岳の北側までは舗装された林道と並走する区間が多く、案内図には稜線上のルートは旧道と表示されているようです。大天井ヶ岳のピークを避けるルートもあるようですが、崩落の為通行できないようです。 四寸岩山ピークを南に下った足摺の宿跡は小屋があるものの、神様が祭られており宿泊には不向きなようです。大天井ヶ岳北側の二蔵宿小屋は仮設トイレも設置され、宿泊可のようです。 大天井ヶ岳山頂付近は鎖場もある急登や岩場の痩せ尾根となっており要注意。特に危険ではないものの、当日はガスの影響もあってか岩肌は濡れており、滑りやすい状況でした。 五番関より先は女人禁制となっており、それを記した看板等があります。その他、要所に道標や案内図があり、特に迷う心配もなく歩けそうです。 ■五番関〜山上ヶ岳 五番関より洞辻茶屋へ至る間と山頂手前の鐘掛岩付近に鎖場の連続する露岩帯が見られますが、登りなら表面が乾いた状態なら問題なく歩けるレベル、特に危険は感じませんでしたが、当日は岩肌は濡れており、滑りやすい状況でした。 山頂近くは晴れていれば見晴らしもよく、ある程度高さも意識するはずですが、当日はガスに包まれており周りの様子が解らない状況でした。 山上ヶ岳山頂エリアは、大峰山寺をはじめ宿坊等が建ち並んでいるものの、商店やトイレは見掛けませんでした。三角点を案内する看板等もないようですが、お花畑のピークを目指せば辿りつけます。 【2日目】山上ヶ岳・宿坊〜弥山〜天川川合 距離:29.99辧[濱冑弦癲幣紊蝓:1,449m 累積標高(下り):2,512m 67番山上岳より、50番明星ヶ岳の手前までは大峯奥駈道。その後は天川村川合集落まで整備された山道を辿りました。 1日目同じく、大峯奥駈道と案内される道標に従い、行者還岳以外はルートのトレースを優先して歩いています。天川村川合集落へ至る登山道も要所に道標、テープ等の目印がありそれに従い歩く事が出来ます。 65番阿弥陀ヶ森までが女人禁制となりますが、その先大普賢岳、七曜岳、行者還岳辺りまでのルートは断続的に鎖場や木製階段が続くき、注意が必要です。身の危険を感じる程ではありませんでしたが、通過には思いの外時間を要しました。 その先、弥山より明星ヶ岳へ至る大峯奥駈道は、それなりに高低差はあるものの歩きやすい山道が続き、歩く人も多くおられます。 天川村川合への登山道も基本下りの歩きやすい道が続きますが、稜線上の峰をトラバースする区間も多く、崩落箇所も散見されます。また、天川村川合手前は1卍度で一気に300m程度を下る急坂、一部階段となっており、下りにしては思いの外時間を要しました。 ■山上ヶ岳〜阿弥陀ヶ森 山頂付近は木製階段も見られる急坂ですが、他は大きな高低差もなく歩きやすい尾根筋が続きます。途中、小笹ノ宿は小さな小屋がある水場となっています。 阿弥陀ヶ森より山上ヶ岳方面が女人禁制となっており、五番関と同じく看板等があります。 ■阿弥陀ヶ森〜行者還小屋 大普賢岳より国見岳、七曜岳、行者還岳と続く峰々は鎖場や木製梯子の難所が続く、今回歩いた区間では最も険しい区間です。北から南へ向かう限り、難所は下りが多く、濡れて湿った状態に付き、慎重に足元を確認して進む必要がありました。 切立った崖の稜線にルートが続きますが、崖以外は植物も多く、足元を見続ける限り一部を除き高さは意識せずに歩けます。但し、少し道を外れて下を覗くと真下が見えないような断崖である所も多く、高所が苦手な者にとっては居心地はよくありません。険しさの代償として?各ピーク、特に大普賢岳よりの眺望は見応えがあります。 国見岳、行者還岳のピークはルート外となっており、行者還岳は道標には0.1劼醗篤發気譴討い泙垢、実際には300m弱でしょうか?手製の道標では約7分と案内されていました。 行者還小屋は避難小屋としては立派なものですが、団体の休憩中に付き内部は未確認。北側に水場もありました。 道標、目印等も豊富で迷う心配はありませんが、足元にある梯子に気付かない所もありました。 ■行者還小屋〜聖宝ノ宿跡 いくつもの小さなピークを越え、時に迂回して進む、快適な稜線歩きが楽しめる区間です。高低差も少なく足元も安定しており、注意箇所はトラバース区間の一部に崩落跡が見られる程度です。 道標類も豊富、行者還トンネル西登山口よりのルートと合流する奥駈道出合より弥山方面は、利用者も多く安心して歩ける区間です。 ■聖宝ノ宿跡〜弥山〜明星ヶ岳 弥山小屋まではガレ気味の岩場等、足元が不安定な所はあるものの、木製階段等も整備されており、特に危険個所はありません。 弥山より八経ヶ岳、明星ヶ岳至る稜線は八経ヶ岳の手前に一部が露岩となっているものの、あとは歩きやすい道で、こちらも危険箇所はありません。 ■明星ヶ岳〜天川川合バス停 狼平方面への分岐となる高崎横手までは、山頂エリアの周回路として道標や案内図の整備された歩きやすいルートです。その先川合方面へ下るルートも概ね歩きやすい状態が続き、私設のものを含めて道標類も見られます。 少々アップダウンはあるものの、自然林に囲まれた明るく雰囲気のいい歩きやすい山道が続きます。但し、数箇所ある小ピークをトラバース気味に迂回する区間は、足元が悪井部分も多く要注意。思いの外、時間を要します。 避難小屋のある栃尾辻より川合方面へは、集落に近付くと階段は整備されているものの急な下りとなります。この辺りは植樹林となっており、日中でも少々暗い雰囲気でした。 川合登山口より天川川合バス停へは、道標の案内もあり迷う心配はありませんが、コース途中の吊橋は、高所が苦手な人なら怖いと感じるレベルでしょう、多分? 【過去の記録】 ■弥山・八経ヶ岳・明星ヶ岳 2015年08月24日(月) http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-705145.html |
写真
感想
夏に訪れた大峰山ですが、その際訪れた弥山や最高峰の八経ヶ岳は大峰山と呼ばれるエリアの一部に過ぎないようで、少々心残り。。。
大峰山と呼ばれるエリアは様々な定義があるようですが、Wikipediaによると狭義の大峰山は一等三角点のある山上ヶ岳との事。ならばと吉野より山上ヶ岳へ大峯奥駈道を辿ったレコを参考に歩きました。
この辺りの稜線をまとめて歩くに都合のいい大峯奥駈道の玄関口は吉野。前回、片道3時間の長距離ドライブに懲りましたが、公共交通機関を利用できるのは好都合。
自宅より電車で約3時間、遠い事に変わりはありませんが運転の労力から解放され、駐車地点を気にせず長距離縦走が楽しめるのは大いに魅力的な計画だった訳ですが…後から大峯奥駈道について調べると、北端はもう少し北側の吉野川沿い。折角なら端から歩けばよかったと、今回も少々心残りな結果となりました;;
大峰山は山岳信仰や修験道の場として有名。危険を伴う行場が連続する、高所が苦手なものには辛そうなエリアとの先入観がありましたが、有名な覗きポイント?はコース外に付き、積極的に近寄らない限り立寄る必要はありません。現地には修行を強要するような行為を禁ずる看板もありました。
ルート上を歩く限りでは少々居心地の悪い断崖の上を歩く所もありましたが、鎖や階段等のおかげで、高度感で進むのを躊躇する程の怖さはありませんでした。安心して歩ける道である事を確認出来たので、季節を変えて再訪したい所です。
■自身初の本格的な1泊2日の山行経験!
富士山の仮眠、剣山山小屋泊の経験はあるものの、2日間歩き通すのは初体験。今回は宿坊利用の好条件ですが、日帰りでは困難な長距離縦走を楽しむことが出来ました。
栄養・水分補給については宿坊利用で特に心配はなく、2日目昼食もお弁当をご用意いただきました。水分も2日目は2ℓのハイドレーションを宿坊で補給、この時期なら十分で、水場では口を漱ぐ程度でした。
普段より行動食は多目、着替えとパジャマ代わりのジャージを用意した程度、あとは日帰りと変わらない軽装で歩いています。
ペース配分も考え、1日目はあまり登りで負担をかけない程度のペースを意識。次回はあと1時間位余裕を持って挑めば、寺社見物等々、のんびり楽しむことが出来そうです。
問題は2日目。約30劼猟甲場ですが下りメイン。日帰りではよく歩く距離であり、途中の弥山付近は先月歩いたエリア。16:32発のバスに間に合う様にペースを意識して歩く計画としました。
結果的にバスの発車時刻1時間前より小走り気味、30分前よりは限りなくランに近い状態で激下り!次のバスが18:09と間があり慌てた次第ですが、強引に間に合わたものの、足には結構なダメージが残りました。。
ちなみに2日目の"ヤマプラ"での標準タイムは14時間50分(27.4辧法F辰鉾経ヶ岳よりの下り(同・4時間31分・11.2辧砲3時間弱との計画に無理がありました。長い下り坂とはいえ、標高差約1,300mの下りは侮れません。
日帰りよりゆとりを持った計画を心掛ける事が今後の課題となりそうです。
■女人禁制・宿坊
以前は結構女人禁制のエリアがあったそうですが、今では広範囲に及ぶのは大峰山のみだそうです。訪れる前、何か『怖いもの見たさと』とでも申しますか、非日常的な『何か』に期待、微かに不安も感じつつ。。
実際に訪れてみると、少なくとも男である私が特に違和感を感じる事もなく、意識しないと全く気になることはありませんでした。たぶん?女性が目にしても特に違和感を感じるものはないと思います。
女性の目を意識してカッコよく…などと考えるのは程度の差はあれ男の性。それを煩悩と呼び、断ち切って己と向き合うことが修行ということでしょうか?
時代錯誤とは思いますが、古い伝統を守る事に価値を見出したからこその世界遺産。差別云々、色々意見もあるようですが、個人的には今後も文化として継承され続ける事に期待しております。
男手で切り盛りされている宿坊、本来は修行者の団体利用(組、あるいは講と呼ばれているようです?)の為に存在している施設ですが、登山者も希望があれば利用可能です。
利用可能な期間は毎年5/3〜9/21?となっているようですが、一般向けには積極的に宣伝されていないようです。天川村のHPには5軒の宿坊の中、今回利用した龍泉寺宿坊のみ電話番号が記載されていますが、古いものらしく不通でした。
ちなみに当日の宿泊者は私のみ。その条件下では、朝夕食共に3合程のごはんが入った御櫃に、2ℓはありそうな味噌汁の鍋をご用意頂き、量には全く不満のない温かい食事でした。しかも入浴可と山小屋と考えればありがたいサービスです。
但し、建物そのものは古く、落書きより50年近く前には建っていたようです。夏季メインの利用に付き、隙間風は当り前?朝の室温は11℃程度と外気とほぼ変わりません。こちらは8畳間に一人の贅沢も原因ですが。。
※念の為、山行当日現在の連絡先等
竜泉寺・山上参籠所 …0747-68-9184
【参考】
http://oominesan-ryusenji.jp/sangosyo.html
http://oominesan-ryusenji.jp/prayer.html
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