北鎌尾根〜槍ヶ岳(水俣乗越経由)
- GPS
- 34:51
- 距離
- 54.2km
- 登り
- 3,477m
- 下り
- 3,474m
コースタイム
- 山行
- 10:27
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 11:00
- 山行
- 10:34
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 11:17
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北鎌尾根はバリエーションルート。 水俣乗越から天上沢を下って北鎌沢右股を登り、北鎌尾根から槍ヶ岳までは道標や赤テープ、クサリなど一切ありませんので、ルートファインディング力が必要です。 踏み跡がいくつもあって、間違ったほうに進むと進退窮まることになりかねません。 北鎌尾根に入ると基本エスケープルートもないので、気力と体力とルートファインディング力とクライミング能力といった総合力が必要なルートです。 |
写真
感想
密かに今年の目標として考えていたアルパインのクラシックルート、北鎌尾根一泊ソロを決行してきました。
おかげさまで素晴らしい天気にも恵まれて無事に踏破でき、充実した山行でした。
前日は2時間ほど昼寝をして夜の11時に自宅を出発、午前3時半頃に沢渡バスターミナル駐車場に到着。さすがシルバーウィーク、車はいっぱいです。
沢渡から朝一番の上高地行きのバスに乗り、5:30に上高地をスタート。
今日の予定は、最低北鎌のコルまで、できるだけ先に進む予定でとにかく日の入り前の夕方5時くらいまでは歩く覚悟。最初から飛ばしてもバテるので、あまり休まずに東鎌尾根の水俣乗越まで標準コースタイムの2/3くらいを目標に歩く。
できるだけ軽量化したが、水がない状態で10kgちょっとの荷物、意外にずっしり。
水俣乗越からはいよいよバリエーション。
しばらくは泥の急斜面を崩れる足元とともに下っていく感じ。前に人がいたら間隔を空けないと危ないです。その後は北鎌尾根の景色をみながら浮石の多いゴーロ沢を下っていく。
北鎌沢出合にはテントが3張りあったので迷うことはなかった。
自分のほか4パーティくらいの人たちが休憩していたが誰も登って行かないので、自分が先に北鎌沢へ取り付く。
途中までは先行2パーティを追い越しながら順調に沢を登り、ビバークと明日用の水を3.5L補給して重くなったザックに苦しみながらもいい感じで登っていたのだが、完全に自分のミスで見事にクライマーホイホイに引っかかってしまった。ネットで読んでいたのは基本的に北鎌沢は分岐があったら右に進むということ、しかしこのクラーマーホイホイの枝沢には絶対に入ってはいけないということをちゃんと覚えてなくて、ちょっと細い踏み跡だなと思いつつもそのまま右へ進んでしまった。しばらく登ると急な泥崖の草付となったのでここで引き返せばよかったのだが、まだ微妙に踏み跡はあるので嫌なところだと思いつつ登っていくと、いよいよ踏み跡もなくなってもう沢ではなく崖状態、そこで初めてこれは絶対にクライマーホイホイにはまったことを確信してクライマーホイホイ入口まで下りることを決意。よく見たら先人の懸垂下降で使った残置シュリンゲなどもある。過去には滑落事故も発生しているところなので、危ない草付を慎重にクライムダウンしていった。結局ここで1時間ほどロスし、かなり疲れてしまった。後でネットで検索してみたら、やっぱりクライマーホイホイに引っかかる人多いんですね。どうりで踏み跡がしっかりしているわけだ。(次に行ったら絶対に間違えない自信ある。)
再びコルに向けて登っていると上から単独の人が降りてきた。聞くと北鎌尾根の途中まで行ったものの体調が悪くて敗退して降りてきたとのこと。今日は北鎌沢の出合でビバークして、明日水俣乗越を越えて下山する予定とのこと。やはりここは敗退するのも大変である。
そしてようやく北鎌のコルに着いたのは15時半くらい。すでにコルのビバークサイトにはテントが3張り、その先もビバークできそうな場所はすべてテントがあった。とりあえず1日目は行けるところまでは登ってビバークする予定だったのでクタクタだったが先へ進む。P8の登りが思ったよりもいやらしかった。結局1日目は天狗の腰掛まで進んでビバーク。残念ながら尾根上はガスっていて夕日も見えず。
とても疲れていたがなぜか夜はほとんど眠れず、でもずっと横になっていたので体力は回復した。
2日目は、まだ少し暗い朝5時にヘッドライトを点けてビバークサイトを出発。
独標に登る途中で日の出を拝んだ。
独標は千丈沢側を巻いて、途中から独標のピークへ上がったが、割といやらしかった。
独標のピークに出ると目の前にドーンと槍ヶ岳に続く稜線が一望できてものすごくかっこいい。
360度の展望で動画を撮ったのだが、残念ながら操作を間違えてデータが保存できていなかった。。
そのあとは北鎌平まで稜線伝いもしくはピークを巻いたりして踏み跡をたどったが、まぎらわしい踏み跡がいくつもあり、勉強不足で1度途中まで進んで行き詰まって引き返したりしながら進んだ。とにかくまぎらわしい踏み跡と滑ったらただじゃ済まないトラバースが多いので要注意です。
北鎌平からは最後の槍ヶ岳頂上への登り、圧倒的な槍の穂先ですがどこでも登れそうに見える。途中で3人のパーティに追いついたので、そのまま後について登ったが、どうもそこはチムニールートではなかったみたいだ。
そして2日目スタートして4時間、槍ヶ岳頂上に到着!
頂上は思ったほど混みあってはいなかったが、山頂で写真待ちの人が10人ほど。しかし下を覗き込むと、肩の小屋から頂上まで行列ができていました。
どんどん一般ルートから登山者が登ってくるので頂上ではゆっくりはできませんでしたが、北鎌尾根を登る間にたくさんの景色を見られたので満足でした。
槍ヶ岳山荘まで降りるとさらにたくさんの登山者で賑わっていて、ビールを飲んでいる人がいたりして何か別世界でした。
無事に北鎌尾根を登ることができ、余韻に浸りながら上高地までの登山道を下っていきました。
エピローグ:2日で45km以上歩き、最後は一般観光客にも追い抜かれるという情けないヘロヘロ状態だったので、上高地に下山したら速攻バスに乗って帰るぞと思いながら頑張って上高地に到着してみると、沢渡行きのバスは想定外のディズニーランド並みの大行列だった。シルバーウィークの恐ろしさ、観光客と登山客がごった返していて、行列の人数は軽く1000人は超えていたんじゃないだろうか。結局バスに乗るのに2時間10分も行列に並ぶ破目になってしまい、これが一番キツかったかもw 一緒に並んだ単独の登山者の方と話をしながら気が紛れたのが救いでした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する