北アルプス 穂高 岳沢 滝沢大滝登攀
- GPS
- 17:20
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,884m
- 下り
- 1,888m
コースタイム
- 山行
- 4:41
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 6:52
- 山行
- 6:14
- 休憩
- 4:13
- 合計
- 10:27
天候 | 2日とも曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
岳沢小屋からも視認できアプローチは明瞭。ただし雪渓の状態のよる。今回は雪渓がないので岳沢を単純に歩くだけ |
その他周辺情報 | お気に入りの平湯の湯で汗を流した |
写真
装備
共同装備 |
ハーフロープ50mx2
カム#0.1~#0.2x1
#0.3~#3x2
#4x1
BDナッツ#4~#6
DMMオフセットナッツ7~11
DMMテリアx1
BDペッカーx1
BDクリフハンガーx1
ハーケン4
アングルハーケン3
アブミx3
アルヌン60?x12
アルヌン120?x2
捨て縄
アルパインタワシ
|
---|---|
備考 | ギアが多いためちゃんとしたギアラックが2つあってもよかった |
感想
前置きや取り組んだ際の想いなどは下記ブログにアップしているのでそちらを参照されたし。
https://yorimichiii.blogspot.com/2024/08/takizawaotaki.html
ここでは登攀の詳細について簡潔に記す。
●2024年9月28日、偵察
アプローチは岳沢小屋のテント場かから沢沿いに20分ほど。雪渓が無いので楽だ。
登攀ラインを探る。よく見ると残置ハーケンがある。他の可能性も探るべくいろんなラインを複数の角度から偵察する。右岸側に少し上がり見てみると雰囲気が変わった。
あーだーこーだ議論し、恐らくこのラインなら頑張れば・・・という結論になる。私がリードしたいと申し出ておいた。
●2024年9月29日、登攀の記録
5時半ごろ、岳沢のテン場を発つ。5時ぐらいスタートのつもりではあったが。。。私が勘違いしていたのだ。ニッコリ。
5時55分、取り付き。
1ピッチ目(大滝下段):がんちゃん、20m、A2、
6時17分、登攀開始。
水流(といっても雨も降っておらず流れていないが、黒くなっているので良く分かる)の左寄りから離陸。
出だしから腐ったハーケンでA1である。今回はアブミ祭り(なぜか私のピッチだけ)。あまりアブミ練習をしていなかったということもあり、全体的にはあまりうまくいかないアブミワークで、すっきりした気持ちにはなれなかった。
このあとは腐ったハーケンと手汗をアドレナリンでごまかしジワリジワリと上がっていく。ハーケン、ナッツ、カム、ペッカー、テリア、アングル。すべてを活用した。
にっちもさっちもいかなさそうなところで、泣きの軟鉄ハーケンを叩いていた時、何かが落ちる音がした。うっかり何かを落としたと思ったら腐った残置ハーケンの頭がが落ちただけだった。
尚、軟鉄ハーケンは先っちょ1cm程度が曲がっただけで入らなかったので諦めた。
なんとか凹角まで這い上がり、人ひとり立てる凹角の外径したテラスへたどり着く。
そのまま上がろうとも思ったがギアの残数も不安だ。細いクラックに連打されたハーケンでちょいとアブミであがったら、ちょうどピナクル状になっており安定してそうなのでスリングをかけまた下がってピッチを切った。
8時8分、頭にルーフと握り飯状の岩を見据え、つかの間の安息を得る。
フォローも大変だったらしい
実に2時間弱の1ピッチ目。時間をかけ過ぎた。もっとエイドの練習してうまくやれれば1時間程度だっただろうか。それでもフォローの岩瀬たが、これは悪かった、リードでよく行ったと慰めてくれた。実際、腐ってるであろう(というか手で動くものや折れるものも多かった)ハーケンにアブミを何度かけなおしたことか。
2ピッチ目(大滝下段):岩瀬た、20m、A0、+
8時30分、スタート。
アブミも使わずひょいひょいと登っていくではないか。ルーフしたにカムを聞かせ右トラバースでA0。A0とはいうもののバランス取りでカムを掴んだだけである。ロープクリップしやんのかい。きっと流れを考慮してのことだろう。
8時52分、ビレイ解除のコールがかかる。
9時10分、フォロー登攀完了。
抜け口は割とひょいひょいといけてすっきり登れた。南稜から続く広いテラスだ。一安心。いったん休憩する。
ここから見える中段の滝は5mほどで、左からいけばロープを出すほどでもないので歩く。
9時30分、上部大滝取り付き。
水流あたりが過去に登られてるラインのようで残置ハーケンも少し見えるがかなり悪く、難しそうだ。
右のルンゼ上を登るのは、ちょいとガレてるいて嫌らしいがそっちの方が弱点だろう。柱状節理のクラックもかっこいい。クラックといってもギリギリハーケンを打てるところがありそうってだけでほぼ閉じているが。離陸になぜかある(きっと雪渓があったりすると有用なランナーなのだろう)残置ハーケンもひん曲がってタイオフすらできないじゃないか。
3ピッチ目(大滝上段):岩瀬た、30m、
9時48分、スタート。
ステミングでぐいぐい登る。落石が怖い。クラックグローブを付けている彼はどこかでフィンガージャムをしたらしいが私はしなかった。多分必要ないやつ。
3ピッチ目かっこいい
ルンゼを抜けたら左壁に大きく15mほどトラバースしピッチを切る。
10時11分、フォロー開始。
4ピッチ目:がんちゃん、20m、A1、
10時30分、出来ればこれで落ち口まで抜けたいが、、、
と思い全集中の呼吸をしてリード開始。
スタンスがいまいち悪く、足を乗せていた足が欠けたりして2ピン目になかなか進めない。多分ガバだろうなとおもい、確認のためエイやと右手を取りにいったら少し滑り危うくフォールしかける。
しかし、ガバがあることが分かったので全集中の呼吸(2回目)をして手汗をひかせてからエイやと上がってガバ確保して立ち上がったのはいいが、やっぱりプロテクションが悪い。なんとかかんとか探して上開きクラックに#0.4をさしこみ右に進む。
ああまたプロテクションとれないぼろい草付きやないかい。と思いながらほじっくて#0.75を野に放ったが多分効いていないだろう。いいのだ、心の支えだ。
そこから直上しようとしたがぼろい草付き。ああ、嫌になっちゃう。下から左のトラバースはどう?と言われる。
あ、空中トラバースね。。。とりあえず様子をみてみたら、まぁなんかやれんこともない気がするので行くことに。
下開きクラックにカムをあっちにこっちに差し込み、気合いのA1空中トラバース。思い出している今、手汗がすごい。
ジワリジワリとすすみ、最後に大きめのナッツを聞かせ左足をえいやと開いてようやく安定したとこに立てた。
そこからちょちょいと左上し、落ち口までリードしたい気持ちを抑え、まぁまぁよさげなクラック(と思わせて一つは浮石気味の場所だが)でカム3つ突っ込みフォローを迎えることとした。
11時35分、ビレイ解除。
5ピッチ目:岩瀬た、30m、
大滝の落ち口への抜けの最終ピッチは、まさにこの登攀のハイライトである。彼に譲ろうじゃないか。
まずは10mほどトラバース。まぁまぁ悪いムーブが続くがさすが、フリーで突破する。最後はちょうど水流(もちろん流れていないが)のラインを登り滝沢大滝の落ち口へと出たのである。そこから少し伸ばしてコールがかかる。
11時55分。
●デプローチ
12時6分、私も登攀を終えた。凄く嬉しかったが時間は迫っている。そして目の前には小滝が連続している。さてどうやって戻ろうか。休憩しながら考える。吊り尾根に抜ける時間はなさそうだ。
小滝は容易に登れそう。二股に分かれるところで左に行けば南稜に合流できそうなのでその作戦で行くことにした。
12時45分、南稜に合流。
地形図を見ながら進めばいい感じに南稜に合流することが出来た。若干クライムダウンが嫌なところもあったので50m懸垂2回を交えた。
13時59分、取り付きに帰還。
14時16分、テント場。
16時半、バスに乗車。
●完走した感想
近年の登攀記録が無いため不安なことばかりだった。そもそもプロテクションを取れるのか、終了点を構築できるような状態なのか、天気は?そんなことばかりが取り留めもなく頭の中を渦巻いていた日々だった。
また、当初予定していた、たごちゃんと一緒に登れなかったことは非常に残念だったが、私の強い意志を汲み取ってくれ、快く送り出してくれたことが本当に嬉しく、ありがたかった。
一抹の不安を抱え、それらと対峙し、私の中に詰め込まれていた大量のカロリーを消費しながら、自分のすべてをぶつけてやり切った。あまり効率よくできなかったこともあったが(エイド)これほど自分を見つめる作業としてふさわしいものはないように思う。
これが私の情熱であり、登攀大系なのかもしれない。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する