鹿島槍ヶ岳・五竜岳・爺ヶ岳(滑落からの生還 扇沢→八峰キレット→八方)
- GPS
- 30:35
- 距離
- 23.7km
- 登り
- 2,918m
- 下り
- 2,467m
コースタイム
5:20柏原新道扇沢登山口-7:30種池山荘-8:15爺ヶ岳南峰-9:25冷池山荘-10:40布引山-11:35鹿島槍ヶ岳南峰12:10-12:40鹿島槍ヶ岳北峰-14:15キレット小屋
8/29
4:55キレット小屋-6:10北尾根の頭-7:45五竜岳-8:35五竜山荘-10:35唐松頂上山荘10:45-11:30八方池-11:55八方池山荘
天候 | 8/28 晴れのち曇り 8/29 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
八方尾根ゴンドラリフトから白馬駅まではタクシー(1200円、4人で相乗り) 白馬-信濃大町は大糸線臨時快速 大町-扇沢はバス(乗車時間30分、1330円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
八峰キレットは通常通りのコンディションとは思いますが、浮き石には要注意(滑落事故がありました。感想文の中にも書いてあります)。 写真は月中の登録容量超えたため、9月に追加登録します。 |
写真
感想
今回は前から登りたかった鹿島槍、五竜に。7月に唐松まで行っているので、縦走路をつなげたくて唐松まで足をのばし八方降りることに決定。しかしコースタイムは2泊3日分。はたして1泊2日でいけるのか?
早朝2時に自宅出発、順調に4時50分に扇沢に到着。しかし、すでに柏原新道入口の駐車場は満車。仕方なく扇沢の無料駐車場に駐車。
5時20分に登山開始。柏原新道はいきなり急登ですが、ぐいぐいと高度を稼ぎ気持ちがいい。途中のベンチでウェストバッグの忘れ物発見。困っておられるだろうとピックアップし先行者を追いかける。しばらくして追いついた方に声をかけると、まさにその方の忘れ物でした。ほどなく種池山荘が見え始め、道は水平道に。この時点で1時間30分経過。コースタイムでは4時間かかる道なので、へんだなぁと思っていたらなんと2時間10分で種池山荘到着。調子がいいといっても飛ばしすぎ。これでは後半戦かならずバテるのでペース落とし気味に歩く。
11時30分過ぎには鹿島槍南峰に到着。ここで種池で一緒だった人と話し込む。「五竜まで行けるんじゃないか?」「いやー無理無理コースタイム8時間以上ですよ」結局夕立も気になるところなので予定通りキレット小屋へ向かうことにする。
南峰頂上では4人組の昭和山ガールの皆さんと御一緒させていただき、いなりずし、キュウリ、キーウィフルーツにあんドーナツまでいただきました。おかげで満腹にさせていただき楽しい山の話も聞かせていただきました。皆さん本当にありがとうございました。私からは何も差し上げることができず一方的にごちそうになりました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。
さて、腹ごしらえもできたし北峰へ向かう。南峰からは登山道の様子が一変し、ガレ場のいやらしい道に。この辺からガスが立ち込め始め、北峰から南峰はなかなか姿を現さない。北峰ではツアー登山の方たちが大勢いたが、皆ハーネス着用。やはり八峰キレットは険しいのか。その後まさかの事態が...
北峰を下りキレット小屋との中間地点、下の方に5人くらいのパーティが見えた。こちらが近づいても動く気配がない。まさかと思い、近寄って声をかけるとお一人が浮き石に足を滑らせ60m位滑落したとのこと。リーダーの方は既にキレット小屋に救助要請に走っている。容体が心配されたが、声をかけると姿は見えないが、はるか下の方から案外元気な声が聞こえる。しかし動くことができない様子。ほどなく小屋番の方がザイルと無線機を持って救助に到着。山岳警備隊との無線連絡を聞いていたが、富山県側に滑落したので富山県警の災害救助ヘリを呼ぶことに。富山県側ではあるが富山からの方が時間がかかると思うのだが...他の人は小屋に向かってくれとのことなので、ひとまずキレット小屋へ向かう。
キレット小屋はよくまあこんなところに山小屋建てたもんだと思うぐらいのスペースに立地。宿泊手続き済ませていると剣岳方向からヘリの音が。現場付近を数回旋回するが一向に救助する気配がない。同行パーティの人たちも皆一様に不安な様子で見守っていたが、ようやく遭難者を救助隊員がヘリからホイストし、富山方面へ飛び去って行った。パーティの皆さんは安心されたのか泣いていらっしゃる。見守っていたこちらも(他の小屋泊の人も)もらい泣きの感動の一瞬でした。
後から聞いた話では数回上空を旋回していたのは、遭難者をホイストするには機体が重いため、燃料を減らしていたとのこと。あの険しい山岳地帯で救助活動する警備隊員の働きぶりにはただ脱帽です。おそらく富山の病院に搬送されたことと思いますが、その後の回復をお祈りするばかりです。こんな話をヤマレコに登録するのはいかがなものかとも思いましたが、自分も含め滑落事故が起こらないように、安全登山につながればと思って記載させていただきました。
翌日は快晴の下、五竜岳へ向かいます。4時30分には出発したかったのですが、寝坊してしまい出発は5時。八峰キレットに劣らない岩峰群がG5、G4と連続。信州側は日向で暑く、黒部側は日陰で岩が冷たい。暑い冷たいを縫うように繰り返し、五竜の直下も厳しい急登。あえぎながら登ると五竜には2時間45分で到着。コースタイムは4時間なので、今朝もなんだかんだで調子がいい。しかし昨日のこともあるので慎重にといいきかせて登る。
五竜山荘ではキレット小屋の弁当をいただく。うなぎ弁当で結構美味しい。お腹もいっぱいになり、唐松へ向けて出発。この辺からガスがわき始める。信州側はすでに真っ白。黒部側は剣、立山の絶景。五竜岳は近くからみるとその存在感に圧倒される。さすが百名山本当に格好がいい。
唐松頂上山荘は7月にも来ているのでなんだかなつかしい。帰りは扇沢に車を取りに行かなければいけないので、休憩もそこそこに八方池へ下る。1時間10分程でリフト乗り場に到着。これも定番となりつつあるブルーベリーミックスソフトをいただく。やっぱりここのソフトはうまい。
リフトとゴンドラで楽々下山し、白馬駅から扇沢へ。帰路はこれも後立山登山時は定番となりつつある温泉「深山の湯」でまったりしてきました。
今回は色々教えられることが多い山行でした。これからも安全登山第一で楽しんでいきたいと思います。
私も29日朝、五竜の山頂に立ちました。
コースは違ったようですが、
28日、八方尾根から五竜に向かい、
29日、五竜山荘から山頂へ行き、
その後は戻って、遠見尾根を下りました。
私もヘリコプターを確認したのですが、
まさにそれだったんですね。
身近で遭遇すれば、涙なしではいられないでしょうねぇ。
それにしても健脚でおられますね。
もしかしたら五竜の山頂でお会いしていたかもしれませんね。
滑落事故に遭遇したのはそれこそ初めてでしたが、大変ショックで今後の安全登山について随分考えさせられました。
サラリーマン登山ゆえ、土日の休日利用で行けるところとなると、どうしても無理をしがちでしたが、これからはゆっくり安全第一で行きたいと思います。
こんにちは。
はじめまして!
sakuraさんの今回のルートは、まさに私が今年目標としていたルートです。
私も昨年五竜から見た鹿島槍が目に焼き付き(キレットは見ないフリをし)、ずっとこのルートを歩いて繋ぎたいと思っていました。
ただ、自分の経験からしてもあのキレットは多少の不安があり、(濡れていたら?風が強かったら?と考えると)また迷っています。
やはり滑落事故はひとごとではありませんね。
行くと決めた時には安全第一でゆとりをもって行きたいと思います
それにしても健脚ですね〜。
sakuraさんのコースタイムは参考にできません(笑)
padmaさん はじめまして
安全登山に心がけていたつもりなのですが、知らず知らずのうちに時間も気にしていたのだと思います。
登山は競争ではありませんので(競争のもありますが、それはそれ)、私もゆとり山行で行きたいと思います。
天候が危なければまたの機会にします。山は逃げませんからね。無理していくより、天気のいい時にゆっくり回った方が何倍も楽しい
sakura0725さん今晩は、この山行内容は凄いですね。8月私もこのコースを歩きましたが危険が一杯でした。
60m程の滑落で生きている事自身奇跡と思います。
でも、安全に歩く事をすれば、これほど楽しいコースは有りません。
でも凄いコースタイムですね、しかも少し余裕が有ります。日頃のトレーニングですかね?
はじめまして、日頃はジョギングでトレーニングしてます。でも平地ですので、山はやっぱり標高が高いのとアップダウンがありますので厳しいです。
単独山行のマイペースでスタコラ歩くのもいいですが、仲間とゆっくり楽しみながらもいいなーと思えました。
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