くじゅう連山 - 1day17サミッツ挑戦(結果は如何に?)
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 2,146m
- 下り
- 2,134m
コースタイム
- 山行
- 10:25
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 11:47
天候 | 晴れのち曇り(予報では「曇りのち晴れ」だったが真逆) ※おそらく『晴れ男』の体力&気力が削がれるにつれ、 好天を維持できなくなったものと推測(笑 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・『三俣山南峰』から『坊がつる』への下りは、膝に不安を抱える人はルートに組み込まない方が賢明だと思いました。 雨上がり、また夜露がおりていれば、黒土がかなり滑りやすいですし、 岩場の段差も高いので、膝にかなり負担がかかるハズです。 ・『段原』から『坊がつる』のルートを分岐して『立中山』へ向かう道は荒れ気味で細いですが、踏み跡はそこそこ明瞭で沢を渡渉する辺りで少し悩む程度です。 ただし、枝の張り出しが酷くて、顔にバシバシ当たるわズボンやザックに引っ掛るわで大変でした。 ・『鉾立峠』から『白口岳』へのルートも一部かなり滑りやすくホールドする場所も少ない箇所があり注意が必要だと感じました。 |
その他周辺情報 | 今回は九重町役場に併設の『ここのえ見晴らしの湯』で入浴 湯温は40℃とあまり高くはないですが、入浴料は300円(町外者)です。 |
写真
感想
季刊『のぼろ』創刊号の創刊記念企画『くじゅう17サミッツ』
九重連山にある1700m超えの山、9座全てに登ろうというのがその趣旨。
その9座とは...
1.中岳(1791m)
2.久住山(1786m)
3.大船山(1786m)
4.天狗ヶ城(1780m)
5.稲星山(1774m)
6.星生山(1762m)
7.三俣山本峰(1744m)
8.白口岳(1720m)
9.北大船山(1706m)
※これに三俣山南峰(1743m)を加えた10座に登るのが読者の間では通例となっている模様。
何も一度に登る必要はなく、2日に分けてもよし、3回4回に分け登るもよし、1座ずつじっくり堪能しながら登るもよし。
達成した人には『くじゅう17サミッター』の称号が与えられる。
というか、勝手に自称してよい運びとなっている。
そんな記事を創刊当時に読んで、「へぇ、そのうち達成出来るかな?」くらいに考えていた。
もちろん、一度にまとめてではなく、ちょっとずつ登って達成ということです。
で、この夏から秋にかけ、1dayで17サミッツを達成した人々のレコを多く目にした。
1dayとは文字通り、1日でこの10座を登るという『健脚さんいらっしゃい的』な縛りで、最初は「凄いなぁ、俺には絶対無理だわ」という感じだったのが、なんとなく「自分もやってみよう」という流れになってしまった。
結論から言うと、私も『1day17サミッター』の称号を得ることが出来た。
嬉しいし、よく頑張ったなぁと思う。
でも、正直なところ...二度とこんな山行はしないとも思いました。
後半はキツイばかりでしたから。
なので、今後は1座か2座ずつじっくり楽しみながら歩こうと思います(笑
一方、これまで1day達成された方々の健脚ぶりに、あらためて驚かされるばかりか、尊敬の念を感じずにはいられません。
こんなにキツいものだったんですね。
さて、前日夕方に牧ノ戸峠入りして、楽しみの晩酌タイムです。
いつもなら玖珠の『竹やぶ』で鶏刺しetcを買うのだけど、今回は資金に制約があって鶏刺しは抜き(涙
『Ohmine Junmai』
まだ認知レベルは低いと思うけど、これから伸びるかもしれない銘柄。
発展途上の間借り入居者(謎)といったところだけど、イイですよ。
TV露出率の高い『獺祭』ばかりに目が行きがちな山口県の酒ですが、
『東洋美人』『雁木』『貴』『長陽福娘』『金雀』など、
旨い酒はまだまだ沢山ありますよ〜!
『東洋美人 ippo』
数年前の夏の水害で蔵と田に大打撃を受けた澄川酒造の酒。
まさに新たな一歩を踏み出さんとする、力強い意志を感じる酒。
個人的には澄川酒造では『一番纏』が好きです。
...って、酒レコになってしまった。
閑話休題
20時前には就寝、夜勤明けということもあり、すんなり夢の中へ。
3時頃だろうか、ボボボボボボボ...
マフラーを車外品に替えた車の音で目が覚めた。
そろそろ起きる時間だったので起床はしたが、どうもすんなり出発する気になれずダラダラ。
というのも、余り早くスタートすると、夜明け前の暗中で三俣山南峰から坊がつるへの急斜面をヘッデンを頼りに進まなければならない。
初のルートでもあるし、危険を少しでも避けたいので、日の出直前に南峰へ到達することがベストだと考えたのが理由。
結果、4時にようやく準備開始。
4時半の出発となった。
ふと、視線を上に向けると、雲一つない空に無数の星が輝いていた。
今日は星と遊ぶ暇(ぐるぐる撮影)はない。
大曲まで舗装路を歩いたら、登山道へと入る。
登山口から12分ほどで鉱山道路へ出る。
前回、ここを歩いた時はテン泊装備だったので荷が重たかったけど、今回は楽チン。
『諏蛾守越』までの登りもスイスイ登れる。
その調子で三俣山本峰と南峰をクリア。
眼下には素晴らしい雲海が広がっていた。
しばし感動し、写真を撮ってから『坊がつる』へと降りる。
“坊がつるまで1h10分(若者)”のプレートを発見。
さて、どれくらいかかるかな?
結果、ほぼこの通りの時間を要した。
それにしても、この下りは厳しかった。
ここで膝に負担を掛けてしまったことが後々に響いた。
坊がつるにはテントはひとつもなく、静けさに包まれていた。
トイレに立ち寄ってから『大船山』へと向かう。
これまでは『男池』から『大戸越』経由のルートしか歩いたことが無かったので、ちょっと楽しかった。
『段原』を行ったり来たりで『北大船山』と『大船山』をクリア。
スタートから5時間が過ぎ、シャリバテっぽくなってきたので、誰もいない『大船山』の岩の先っちょで朝食。
すぐに南側から登って来られた方々で10人くらいになりました。
紅葉の終わった『御池』はひっそりと水を湛えていました。
食事をしながら考えるのに、この後のルートをどうするか。
予定なら、来た道を『坊がつる』へ戻り、『法華院温泉』を経由して『鉾立峠』に向かうことに。
必要なら法華院で飲料水の補充も考えていた。
しかし、それだと遠回りになる他、登り返す量も多くなるのでは?
『立中山』経由であれば距離も稼げる(ように思える)し、出発を1時間遅くしたことによる、残り時間の不足を取り戻せるのではないかと考えた。
ただ、初めてのルートであり、地図上で破線表示(不明瞭)なルート。
最悪の場合、ルートをロストする可能性もあった。
色々と算段し、それぞれの問題点を比較した結果『立中山』を経由することにした。
『立中山』へのルートは両側から張り出した枝により狭く歩きにくかった。
これはもしかすると時間がかかるのでは?と、早くもルート選択ミスかと思わされたが、ずっとその状態が続くわけではなかった。
ただ、これが「ホントに立中山への道なのか?」と不安を感じさせた。
そんな時、沢を渡る辺りに小さな『立中山へ』というプレートを見付けて安堵する。
で、そこから先、登り返す量も意外とあって、どっちもどっちじゃなかったんだろうか?素直に坊がつるから回った方が道も良いだろうし、楽だったのでは?と後悔にも似た感じを受けながら『立中山』に到着した。
そんな心持の私の眼前に現れた『白口岳』は、幾筋にも削られた荒々しい山肌と、切り立つ大きな岩、そして、まさかあそこを?と思わせる急登路が、その細い尾根に真っすぐ伸びている。
この時点で11:20...日没までの残り時間は約6:30。
残る峰はあと6座、膝も登り降り構わず痛む。
いよいよ、1day17サミッツ達成の自信が無くなって来た。
その気持ちを察せられたのか、九重連山の南側からガスが広がって来た。
『鉾立峠』に降り、ますます目の前に聳える『白口岳』の急峻さに逃げ出したくなった。
初めて登る山であり、初めてのルート。
何が待ち受けているのか不安でもあった。
とはいえ、どこへ逃げるというのか。
少なくとも帰る為にはこの『白口岳』を越えなければならない。
頂上までのコースタイムは1:25とある。
...がんばろう。
『鉾立峠』を後にした。
この急登路、黒土で滑りやすい箇所があるわ、岩の段差も高いわで『三俣山南峰』からの降りを逆にしたような辛さでした。
風も強くなってきて、時折ガスの中を歩くような状況。
心の中には「がんばーれ!がんばーれ!」と娘たちの声が聞こえる。
「負けるものかー」と両手に持ったストックに力を入れて脚を上げる。
登ってみれば、1時間ジャストで『白口岳』をクリア!
山頂には独り、寝転がって昼寝をしている男性が気持ち良さそう。
眠りを邪魔をしない様、次に向かう『稲星山』へと目をやり先を急ぐ。
『白口岳』から『稲星山』へは、登り返す量も然程なく、比較的楽に登ることが出来そうだと安堵する。
が、傾斜の多少に係わらず、膝はイタイ(ノД`)・゜・。
13:14、初登頂の『稲星山』山頂は広くなだらかだった。
ここで昼食とした。
とはいえ、パンを1つだけ。
それを食べながら、計画通り『中岳』へ向かうか、それとも『池の小屋』を経由して『久住分れ』へと逃げるか考えた。
葛藤。
でも最終的には『鉾立峠』から『白口岳』への急登をクリア出来たという
結果が、「中岳くらい!」という諦めにも似た自信を呼んだ。
ふたたび心の中で「がんばーれ!」を連呼する。
思うほどに標高差を感じないまま『中岳』をクリア。
すぐに『天狗ヶ城』へと向かう。
徐々に気分が変な方向に。
「もうこうなったらヤケクソだ!」という感じ。
自暴自棄とは違うんだけど、ここまでくりゃ膝の痛みに強弱もない。
脚が動かないなら腕で登ってやるという気迫が出てきたように思う。
息を切らしながらストックを大きく使って登る。
そのせいか膝の痛みは変わらないながらも『天狗ヶ城』をなんなくクリア。
次の『久住山』へ向かう途中で4〜6人とすれ違った。
声は出してないつもりだったけど、もしかしたら「うぉぉぉぉぉ」といった声にならないような声が漏れていたかも。
それくらい、レースをしてるような速さで『久住山』を目指してた。
※あくまで自分の中では、それくらいのつもり。
『久住山』をクリアして、いよいよ残すは『星生山』一座のみ。
ますます精神状態はおかしな感じになっちゃって、歩くペースがどんどん上がっていく。
ここに登るまでにすれ違った人達に『久住分れ』で追いつき、追い越すほど。
当初はここから『星生山』まで『星生崎』を経由して岩稜帯を行く計画だったが、岩稜帯はガスに包まれている。
“脚にキテいる”ことも考えると危険度が増していると感じ、当初計画を変更し『西千里ヶ浜』先から山頂へ直登するルートを行くことにした。
『星生崎』の下を通過し、久しぶりに平坦な道を歩んだ。
そして、分岐。
もう迷いは無かった。
10座目の山頂を目指して痛みを無視するように登った。
頭の中で「1座目、三俣山本峰!2座目、三俣山南峰!3座目、北大船山!4座目、大船山!5座目、白口岳!6座目、稲星山!7座目、中岳!8座目、天狗ヶ城!9座目、久住山!」と今日を振り返りながら歩いた。
急登を越え、なだらかな斜面に揺れる草の向うに『星生山』の山頂標識が見えた。
ついに今日の挑戦が終わる時が来た。
もう登らなくてもいいんだ!降りるだけだ!
平成27年11月11日15:10、『1day17サミッツ』達成!
『星生山』は白いガスに包まれかけていた。
記念写真をセルフタイマーで撮り、山頂を後にする時、山頂標識の後ろに中岳や久住山、稲星山が一瞬見えた。
「お疲れさま」「おめでとう」と言われた気がした。
「ありがとう」「今度はゆっくり登るよ」と答えた。
『牧ノ戸峠』に降りたのは16:17、駐車場には5台程度しか止まっていない。
売店で今回初登頂した『稲星山』のピンバッヂを買おうと思っていたが、忘れてしまったので、次に寄った時には忘れずに買おうと思う。
僕も やってみたいと思ってましたが
ピークでのHans-R1さんの自撮り・ボカシの奥に見える表情の変化と
感想読んでたら 僕には絶対向かないと気付かされました
登り始めの雲海 厚い雲でカッコよすぎました。
いやいや、チャレンジするのは全然アリだと思います!
私の場合は南峰からの降りでヒザを早々に限界越えさせてしまったので
辛かったんだと思います
あそこで一旦、諏蛾守越に戻ってから坊がつる入りしていれば、
ヒザの調子はもう数時間痛みを伴わずに済んでいたと思います。
なので、やってみたほうが良いと思います!
あの雲海を見ながら『雲海』呑みたかったです
居酒屋『山頂』三俣山店(笑
コメント受付してないようでしたので、コチラにて(笑
1day17summiter称号ゲットおめでとうございます。
私と逆回りのコースだったんですね。
立中山から大船山へのルートが判りにくかったようで...
確かに立中からだと難易度がupするかもしれないですね
でも、ガールとの第一種接近遭遇が出来て裏山Cですっ
あ、膝のほうは大丈夫でしたか?
実は1dayは、まだやった事ありません。
自信は無い事ないですが途中法華院に寄って
BEERの誘惑に絶対に負けそうな…(笑)
私のレコページへのご訪問ありがとうございました。
yasu
ヤスさん、ありがとうございます。
私も法華院を通過するルートはBeerを買いそうで心配?でした
結果、立中山を経由して事なきを得ましたが(笑
やっぱ、1dayよりも2dayくらいで制覇するほうが、いいですね(笑
ゆっくりBeerを楽しむためにも
初めまして!
まだまだ、お若いから楽勝だったでしょう!(^^)!
私も今年チャレンジしてみました。
ちょうど逆回りで行きましたが、とどめの三俣南峰の登りで流石にバテました(笑
九重には良くおいでのようですから、どこかで会いましたらお気軽に声をお掛け下さい。ザ・ノースフェイスのモスグリーンテルス45のザックとニコンのデジイチを下げて徘徊していることが多いです。
九重は、色々な山の楽しみ方ができる山ですので、子供さんとも楽しまれて下さい。
尚、このチャレンジは春先の方が藪漕ぎが少なくて良いようですよ。
自分のチャレンジを振り返りながら読ませて頂きました。
noboroさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
体重の増加とともに膝に負担が掛かってしまうのか、あるいは
歩き方が未熟なせいなのか、どうしても痛みが出ます
九重にはまだまだ歩いていないルート、頂があるので、
これからも先輩諸氏のレコを参考に歩いてみます。
また、冬が去って、少し暖かくなった頃には娘らを連れて、
坊がつるでのんびりテン泊したいと思います。
では、どこかでお会いした時にはどうぞよろしくです。
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