鈴鹿・藤原岳(聖宝寺〜大貝戸道周回)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 1,078m
- 下り
- 1,078m
コースタイム
- 山行
- 4:17
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 4:57
天候 | 薄曇り(時々薄日指す) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
聖宝寺ルート上部は落葉時にコース取りがやや分かりにくい箇所あるものの、要所にペンキマーク・赤テープ・ケルンあり。表参道コースはハイカーも多く、特段の危険・不明箇所等ナシ。 |
写真
感想
三連休名山ツアー、最終日のターゲットはアプローチの不便な「不遇の山」が多い日本300山には珍しく、ローカル私鉄の終点からイージーアクセスの鈴鹿・藤原岳です。前夜、愛宕山下山後に京都から桑名へ移動、同地の格安・スーパーホテルで鋭気を養います。雨模様の天気予報が心配だったものの、健康朝食を朝7時前にいただいてホテルを出ると、青空が覗き薄日も射すまずまずのハイキング日和。
本日最初の関門は、JR富田駅から近鉄富田駅への乗り換え。徒歩5分前後の道のりながら、見知らぬ土地で市街地を勘に頼って歩くと、よく方角も分からなくなってロストする苦い経験があり、本日はスマホのナビに頼り切って慎重に移動。JR駅より遥かに立派な近鉄駅に無事到着すると、目指す三岐鉄道はICカード一切不可、キップは何と懐かしの硬券。同駅の端っこに慎ましく停車する西藤原行き電車は、これまたレトロな旧西武線車両。思わず昭和の昔にタイムスリップした錯覚に陥り、学生時代、国鉄全線踏破した頃の「乗り鉄」の血が微かに騒ぐのを感じます。
ともあれ、本日は当方も完全「ヤマラー」の出で立ちにて、「鉄分」含有を悟られぬよう、さりげなく沿線風景など撮影しつつ、初乗りローカル私鉄の旅を楽しみます。藤原岳方面は雲は多めながら、上空に青空も覗き、何とか雨に降られず山頂まで歩ければ、と期待を持たせます。途中、関東の武甲山同様に痛々しく山肌を採掘された藤原岳東面が見えてきますが、東藤原駅には太平洋セメントの石灰搬出車両が多数連なり、日々身を削られる藤原岳から悲鳴が聞こえてくるようでした。
そうこうするうち、列車の乗客は小生の他数名となり、閑散とした旧西武線車両は定刻に西藤原駅到着。SLテイスト溢れる駅舎を微笑ましく見送り、本日の山歩きはここからスタート。表参道への分岐を左手に見送り、登山口に位置する聖宝寺の「守護神」という妖しい?関係の鳴谷神社で安全登山のお詣り。石段を気合いで登っていくと、程なく紅葉真っ盛り、モミジ祭りで夜間ライトアップも実施中という聖宝寺到着。協力金を払えば境内の鮮やかな紅葉も楽しめますが、本日は先を急ぐため、素通りして右手の林道から裏登山道へ入ります。
少し歩くと、沢の出合でいきなり要塞のような砂防堰堤出現。この地域の水害の凄まじいパワーを推察しながらこの堰堤を乗越すと、道はつづら折りの急登となります。いつしか傾斜が緩くなり、涸れ沢状の区間を通過すると、ガイドブックのコースタイムをかなりオーバーしてようやく三合目到着。藤原岳恐るべし、と頑張ってペースを上げますが、五合目、七合目(この辺りは間隔が短く、どんどん標高が稼げます)と歩を進めるうち、地元ハイカーと思しき若者3人組が楽しくお喋りし、歓声を上げながらドンドン近づいてきます。ここまで来ると、連日の山歩きの疲労も溜まり、正直かなりシンドイのですが、地元の若い衆には負けられん、と年寄りの冷水で更にのしのしと登っていきます。
やっとの思いで追っ手?を振り切り、表登山道との合流点・八合目に到着すると、今度は近郊から表の大貝戸道を登って来られたらしいベテラン男女3人組と行き合います。裏登山道の様子など聞かれたので、「お寺の紅葉はキレイですが、他にはこれという見所はありません」と応ずると、「間もなく雨も降り出しそうだし、サッサと山頂を往復して来た道を帰ろう」との反応。このお三方も結構なハイペースで、今度はベテラン3人組に追い立てられる格好で、ヘロヘロになりながら、何とか頂稜の一角の鞍部に建つ立派な藤原山荘到着。
そろそろお腹も空いてきて、温かい小屋の中で昼食休憩したい欲求をグッとこらえ、指呼の間にあるお椀型の愛らしい藤原岳山頂を目指します。草紅葉の素敵なプロムナード、峨々とした天狗岩の偉容や山口の秋吉台を彷彿とさせるカルスト台地の景観など楽しみながら、一頭足で藤原岳展望台・兼山頂に到着。四周の鈴鹿の山々が望める幸運に感謝し、強風と寒さに震えつつ、先着のソロ男性に証拠写真をお願いします。
山頂でのひとときを楽しむ余裕もなく、程なく登ってこられたベテラン3人組&山ボーイ・山ガール達の嬌声と喧騒に追い立てられるように、そそくさと山頂を後にして、風も穏やかな藤原山荘前でようやく待望のランチタイム。山荘一帯は今整備工事中ですが、ここに泊まれば、御池岳方面への縦走など、鈴鹿の山歩きがガッツリ楽しめそうです。「一見さん」の当方は、15分弱で昼食休憩を終え、雨が降り出す前に、と名残惜しいのどかな頂稜台地を出発。下山路はオーソドックスに表登山道を辿り、コースタイムオーバーしまくりの登りとは打って変わって、実質1時間強で山麓の立派な神武神社・休憩所に降り立ちます。ここで登山靴&スパッツの汚れを落とし、心身まで清められた心持ちで無事出発点の西藤原駅帰着。明らかな「鉄ちゃんグループ」の方々に混じって、1時間1~2本のローカルな三岐線に程よいタイミングで間に合い、往路より更にレトロな昭和40年代ぐらいの西武線オンボロ車両に揺られ、山・鉄道共に魅力満喫の小ツアーを終えました。桑名のホテルに戻った後、帰りの新幹線まで時間的に少し余裕が持てたため、桑名市内唯一の銭湯「七里のわたしゆ」で入浴したついでに、近くの旧東海道唯一の海路「七里の渡し」跡周辺をプチ観光することができました。
ということで、今シーズンの300山巡礼の旅も、本ツアーをもって一応の締め括りとなりそうです。残るはいよいよ13座、夏道ナシ・残雪期限定の3山(野伏ヶ岳、猿ヶ馬場、景鶴)をどう攻略するか、最後の1座としてキープしておいた箱根山の火山活動による入山規制がいつ解除されるかなど、来期以降の懸案もまだまだ残されており、ここから先が文字通りの胸突き八丁となりそうです。今期の山歩きを無事に終えられたことに感謝しつつ、冬場は来シーズンに備え、スキー等で基礎体力の維持・向上を図ることとしたく思います。ヤマレコユーザーの皆様も、どうぞ良いお年をお迎え下さい!
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