まだ間に合った涸沢の紅葉≪涸沢岳〜奥穂高岳〜前穂高岳≫
- GPS
- 168:00
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 2,367m
- 下り
- 2,347m
コースタイム
時間はデジカメから記入。
◆到着時間◆ ◆場所◆ ◆出発時間◆◆所要時間◆◆コースタイム◆
10月17日(日曜)
上高地BT 05:20 0:52 1:00
06:12 明神 06:15 0:49 1:00
07:04 徳沢園 07:35 0:18 0:20
07:52 新村橋 07:53 0:46 0:50
08:39 横尾 08:51 1:12 1:00
10:08 本谷橋 10:13 2:00 2:00
12:13 涸沢ヒュッテ
10月18日(月曜)
涸沢ヒュッテ 07:32 0:15 0:10
07:47 涸沢小屋 07:56 2:53 2:30
10:49 穂高岳山荘 12:01 0:23 0:20
12:24 涸沢岳 12:49 0:12 0:15
13:01 穂高岳山荘 13:02 0:47 0:50
13:49 奥穂高岳 14:12 0:35 0:30
14:47 穂高岳山荘
10月19日(火曜)
穂高岳山荘 06:36 0:40 0:50
07:14 奥穂高岳 07:23 1:39 1:30
08:59 紀美子平 0:59 0:40 0:30
09:39 前穂高岳 09:53 0:20 0:20
10:24 紀美子平 10:28 2:26 2:00
12:54 岳沢小屋 13:17 1:38 2:00
14:55 上高地BT
天候 | 10月17日 晴 10月18日 晴 10月19日 曇のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
17日、乗合タクシーで5:15過ぎに上高地BTへ(一人\1,000) 19日上高地BTからバスで沢渡中へ<沢渡第二駐車場>(一人\1,200) |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆上高地BT〜横尾 登山ポストは上高地BTと横尾山荘内にあります。 トイレは明神、徳沢、横尾にあります。 危険箇所など、特に問題ありません。 ◆横尾〜涸沢 本谷橋から涸沢は本格的な登りになります。 危険箇所など特にありません。 水場やトイレは涸沢までないので、横尾で済ますか涸沢まで行くことになります。 ◆涸沢〜穂高岳山荘 ザイテングラードは岩場で梯子と鎖場などがありますが、慎重に昇り降りすれば大丈夫。 雨の日は滑りやすいので要注意です。 トイレは穂高岳山荘にしかありません。 ◆穂高岳山荘〜涸沢岳 往復30分程度で昇り降りできますので、ピストンの場合は山荘にデポして登ります。 危険箇所は特にありませんが、多少ザレた所もあるので注意が必要です。 ◆穂高岳山荘〜奥穂高岳 登りはじめの梯子や鎖場は多少高度感があり、多少の恐怖心を感じますが落ち着いて コースサイン通りに歩けば問題ないと思います。 ◆奥穂高岳〜紀美子平(つり尾根) 水場やトイレは稜線上にはありません。 下りで1時間30分ほど掛かりますが、全般的に危険箇所で気を抜けません。 クサリ場が数箇所あります。 岳沢側が切り立った崖になっていて要注意です。 雨の日は滑らないように特に注意が必要だと思います。 ◆紀美子平〜前穂高岳 紀美子平にリュックをデポしてピストンします。 全般的に危険箇所です。 ◆紀美子平〜岳沢小屋(重太郎新道) 出始めの下りはスラブ状になっていて、雨の日は特に滑りやすくなっているので注意が必要です。 梯子やクサリ場が多数あるので注意が必要です。 全般的に急な登りと下りで、しかも長いのですが集中力が必要です。 ◆岳沢小屋〜穂高岳沢登山道入り口 トイレと水場は上高地か岳沢小屋になります。 一部、石で階段になってますし、斜度もそれほどではありませんが、上高地から 歩いてきたら意外とキツイのかもしれませんが、下るには歩きやすい道です。 特に危険な箇所はありません。 樹林帯に入ると木道になります。 |
写真
感想
今回の山行期間は10月17日から19日迄の3日間。
この3日間、天候は落ち着いていて、最高の穂高の山々を堪能することができましたが、
この穂高に行こうと思い立つまでには色々なことが有りました。
当初の予定でいは東京発の夜行バスを使い麦草峠を起点として主峰の赤岳
を経由し観音平までの南八ヶ岳の縦走を考えていました。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/iou/bus-time/bus_time.pdf
しかし、私はとんでもない勘違いをしてしまいました。
実はこのバスの年内の営業は10月9日迄で終わってしまい、16日は運行していないのです。
自分で車を運転して行こうかとも思ったのですが、八ヶ岳は駐車した所から縦走が
難しいと思いました。
唯一、美濃戸に車を駐車すれば、(赤岳鉱泉〜赤岩の頭〜硫黄岳〜横岳〜赤岳〜阿弥
陀岳〜行者小屋〜美濃戸)のルートを取れば硫黄岳や赤岳の稜線から素晴らしい眺望
があるし、オーレン小屋や夏沢峠まで足を伸ばすコースにすれば、もう少しコース
も伸びるのですが、どちらにしても、三日間という日数を費やすにはこのコースで
は物足りないのではないかと考えました。
あとは、渋の湯に車を停めて茶臼山冷山歩道を経由して北横岳から縞枯山、茶臼岳、
高見石、中山などを縦走する手もあるのですが、この辺りの山は森林限界ギリギリで
眺望が期待できないのを以前この辺りを歩いたことあるので知っているのでボツかなと思いました。
一層のこと山を変ようと思い、「さわやか信州号」の白馬扇沢ルートで白馬や鹿島槍ヶ岳五や、
白馬なんてどうかな?などと考えたが同じく10月9日迄で運行は終わってしまっているし、
車で行くには少々遠すぎるように感じました。
ならば、尾瀬はどうか?
尾瀬へ行く夜行バスの運行も、他の山と同じように既に終わってしまっているが、
戸倉まで車で4時間は掛かってしまうけれど、11日正午には今年の交通規制も解除されており、
直接鳩待峠に車を駐車することができるので、面倒なシャトルバスへの乗り換えも無いので
アクセスはいい。
それに、鳩待峠に駐車すれば、幾つかのルートを選択することができし、なんと言っても
尾瀬を代表する百名山の燧ケ岳と至仏山の二座も登ることができる。
この時期、尾瀬のほとんどの山小屋も16日の土曜日で今年の営業を終えてしまっているので、
小屋を利用するなら事前の下調べが必要で、尾瀬の小屋のHPを一軒一軒あたっていたのですが、
去年、この時期に尾瀬に行ったことがあって、尾瀬ケ原の紅葉はいわゆる草紅葉で、
周りの山々だけが綺麗だったことを思い出していた。
そこで、今回。
ヤマレコのstarさんが紅葉の涸沢に行き、そのきれいな紅葉のレポートを拝見し、
私も是非その紅葉を見てみたくなり、急遽、尾瀬から穂高に変更したのが移動日の16日の
土曜日でしたが、前日の金曜日にstarさんに紅葉の相談をして、お墨付きを頂き、
尾瀬から計画を変更して本当に良かったと思いました。
starさんにはこの場を借りましてお礼申し上げたいと思います。
「ありがとうございました」
10月16日
23:45に沢渡第二駐車場に到着。
夜空を見上げれば、眩いばかりの星空に感動し、明日からの山行に期待も高まります。
10月17日
起床後、すぐに支度し、相乗りタクシーで上高地BTへ。
途中の道路の温度表示は4℃を示していました。寒い訳ですね。
一緒に同乗した方々は日帰りで紅葉を見に来たとか・・・
お近くにお住みだそうで、とても羨ましい環境です。
BTに着いたらすでに何組かの登山者がいました。
横尾までの間にもきれいな紅葉がポツリポツリありますが、本格的な紅葉は本谷橋の
手前から位がいい感じですが、全体的に黄色が基調の紅葉が中心になります。
しかし、周りに歩いていた登山者という登山者全員が一斉にカメラを向けだします。
あちこちでとどまってカメラを向けるシーンが増えます。
本谷橋付近は前半の紅葉ビューポイントになります。
たくさんの登山者がこれからの急登に備えて休息しながら秋の絶景を楽しんでいるようでした。
登山道から涸沢カールが見え始める頃、再度紅葉が見頃になります。
ここSガレから涸沢の分岐までの間は後半の紅葉のピークになります。
涸沢まで素晴らしい色とりどりの紅葉を目の当たりにして歩きながら、「予定を急き
ょ変更してきた甲斐があったなぁー」と、思ったものです。
12時過ぎに涸沢ヒュッテに到着。
カールの紅葉は確かに、枯れて完全に葉が落ちている木もありますし、色あせた木もあります。
それでも最後の力をふりしぼって、ここに訪れた登山者に強くアピールしているようでした。
一番心配していた、涸沢ヒュッテの混み具合ですが、布団一枚に一人でしたのでラッキーとしか言えません。
今回の登山の目的の一つは、涸沢の紅葉を見てみたいということと、もう一つは涸沢には3週間前にも来ていて、
今回と同じようなルートで涸沢岳、奥穂岳と前穂岳に登ろうとしたのですが、天候の不順で撤退したので、
今回はそのリベンジも含めての登山でした。
しかし、今回の天候はずっと安定していました。
それ程最高の天気なので大満足な山行だったのは言うまでもありませんが、3日間一度も山にガスが
掛からないのは初めての経験ですし、毎晩きれいに星が見えたのも初めての経験です。
10月18日
涸沢の紅葉に朝日が当たらないので、取り敢えず涸沢小屋まわりで出発。
昨日、涸沢までの登りの途中でお話しした方から、「小屋の上のところはまだ紅葉残ってるよ」と、
情報を頂き早速登りましたが、結構きれいなのにはビックリしました。
ザイテングラードは鎖場や梯子があります。慎重に歩けば安全なのですが、特に下りでは
滑落事故も多いので注意深く歩きます。
涸沢岳は穂高岳山荘に荷物を置き、20分ほど歩きます。
山頂に着いたら正面にドーンと槍ヶ岳が目に入ります。南岳や北穂も良く見えます。
振り返れば北穂、ジャンダルムも。岐阜県側を見れば笠ヶ岳が大きく横たわってます。
前穂も屏風の頭も蝶ヶ岳も常念岳も丸見えです。
その日のうちに、奥穂にも登りました。
頂上では幾重に折り重なる美しい山々を堪能しました。
10月19日
登り始めの鎖場や梯子は圧巻です。しかしコースサイン通り歩けば心配ありませんが、
梯子や岩の段差が大きいので、朝の出始めでしたら十分に柔軟をしてから登ったほうが安心です。
前の日に登っているので、舐めて掛かった訳ではないのですが、朝起きてそのまま登りだしてしまい、
岩に足がしっかり乗らず、それが引っ掛かって危うくバランスを崩して落ちそうになりました。
ホント焦りました。死ぬかと思いました。
吊り尾根は岳沢側に崖が切れ込んでいて、踏み外したら数百mは滑落してしまうと
思われる所がいくつもあります。
また、鎖場や急な下りや岩場や浮石など何か所もありますので、二人で声を掛け合いながら慎重に下りました。
しかし、それ故稜線上からの景色は素晴らしいものがあります。
重太郎新道は登りも下りも斜度のキツイ登山道です。
下りはじめのスラブ状の鎖場はとても滑りやすいです。恐らく雨が降っていたら
もっと危ないと思いますので更に慎重に通過することが必要です。
また、足の届きづらい段差の大きいところもありますし、足場の悪い急な下りや
長い梯子や鎖場もあります。
岳沢小屋がかなり上から見えていました。ひょっとしたら紀美子平からも見えて
いたかもしれません。
でも、一生懸命下っているのですが、歩いても歩いても一向に小屋に着きません。
考えてみたら、紀美子平の標高が2,920mで岳沢小屋は2,170mなので実に750mあり、
コースタイムは下りでも2時間あるのでいかに急登で難所であるかがわかります。
何人かの登山者とすれ違いましたが、こちらは下りで良かったとその都度思ったものです。
重太郎新道は登りでも、下りでも相当の覚悟と脚力を必要とすると思います。
生半可な気持ちで行かれるなら行かない方が良いと思います。
私は、もう一度行けと言われれば引いてしまうかもしれません。
岳沢小屋は平成18年に発生した大規模な雪崩で建物が全壊し、廃業へと追い込まれましたが、
今年7月に再建されたというだけあって真新しい山小屋です。
食べ物はラーメンとチャーシューメンしかないのはちょっと寂しかったけれど、
今後に期待したいところです。
岳沢小屋から上高地までは標高で更に700m近く下るのですが、ここからの登山道は
非常に歩きやすい道でした。(ただ単に重太郎新道が急すぎたとも言えますが・・・(笑)
とは言っても、この区間も登ってきたらきっとキツイと思います。
この3日間、好天に恵まれて本当にラッキーでした。
例年でしたら、涸沢の紅葉も終わり、雪が降ってても致し方ない時期に憧れの涸沢の
紅葉も見ることができたし、前回、成し得なかったこのコースをリベンジの形で登れる
ことができて本当にうれしかったです。
最後に長々とした文章を最後まで読んで頂いて本当に有難うございました。
onsenさん
涸沢、穂高の旅、お疲れさまでした。
ご紹介いただきました、starです。
山行記録ができるのを、楽しみにしておりました。
今回も大変細かく、詳細に、臨場感がある記録で、読んでいて涸沢の紅葉を、穂高の山々の荒々しさを思い描くことができました。
それにしても、涸沢の紅葉に間に合ってよかったですね。
自分も、お勧めしておいて、もし全部散ってしまっていたらと少し心配していましたが、全く問題なかったようですね。
写真に写る紅葉の美しさが、onsenさんの写真のセンスの良さをよく写し出していますね。
お見事です。
山小屋の食事も、美味しそうですね。
野沢菜チャーハンは残念でしたけど・・・
普段、小屋泊ではないので、こんなに豪華な食事が羨ましいです。
自分は8月に、このルートに北穂高岳をプラスしたルートを歩きましたが、とても疲れました。
残念ながら、稜線に出た瞬間から、ずっとガスっていて景色が見えませんでした、
なので、今回の山行記録と照らし合わせながら、あの時を思い出しながら楽しんでいます。
とにかく、ジャンダルムが見たかった・・・
ガスった吊尾根を歩きながら、右上の方から聞こえる掛け声を楽しみながら下山していました。
あんな時でも、奥穂から西穂へ縦走する登山者がいたようです。
そこから、岳沢に下る道もきついですよね。
あの下りは、自分なかでもトップ3に入る険しい道でした。
三日間の疲労もピークに来て、膝も体中も悲鳴をあげていました・・・
自分も同じように、岳沢ヒュッテでラーメンをいただきました。
星空にもめぐり会えたようで、羨ましい限りです。
自分は何度か、テント泊をしていますが、満点の星空にはまだめぐり会っていません・・・
なぜか、夜には雲が出てきてしまうんですよね。
次回は、星空を見上げたいものです。
今回の山行は、きっとonsenさんにとって記憶に残る思い出になるかと思います。
そんな、お手伝いを少しでもできた自分を大変にうれしく思っています。
今後も、皆さん喜んで頂けるような山行記録を作成できるよう頑張っていきます。
応援よろしくお願いいたします☆
star
Starさん
早速のコメントありがとうございます。
今回、Starさんには背中を押して頂いたお蔭で最高の登山を
体験することができました事、本当に感謝しています。
おっしゃる通り、今後この山行は色々な意味で私の登山の中でも特に記憶に残るものになると思います。
Starさんも8月に北穂周りで同じようなコースを歩かれた
ということで、お恥ずかしながら山行記録を今初めて
覗いてきました。
私は気軽な小屋泊りでリュックも軽い筈なのに、それでも
重太郎新道の途中からはおりるのも嫌になるような、
急な階段や鎖場、登山道に嫌気がさしていました。
それなのに、それ以上に重いテント泊の道具を背負われての、
あのコースの下りは本当に大変だったと思います。
読んでいて思わず感動しました。
私も、starさんの意見と一緒で、涸沢、横尾周りの方が
距離は長くても楽だと思いました。
でも、きっと、「きれいで」「素晴らしい景色」を見たくて
「感動」したくて「充実感」を味わいたくて「危険で」
「大変で」「疲れる」と判っていても難所を歩きたいの
だと思いました。
もっと、もっと技術と経験と実績を積み、来年、
starさんの歩かれた北穂周りを挑戦してみたいと思いました。
そして、稜線上から綺麗な景色と星空を堪能してみたいと
思ったのが来年の抱負です。
いつも、詳細で臨場感のある山行記録をありがとうございます。
本当に参考になります。
私も、貴方に負けないよう、もっと山にのめり込みたいです
Onsen
hotaka_iさん
そうなんです。
雨男の私が3日間も好天に恵まれるなんてって、
自分でもびっくりしています。
山登りは天気が良いってことだけで俄然嬉しく
なりますよね?
穂高は最高ですよ!
行きましょう!行きましょう!
実は来週末、稜線には登らないと思いますが、
もう一回だけ行く予定があります。
写真は全く自信がないのですが、数撃ちゃ当る
の精神で、たくさん撮ったうちの一部です。
onsen
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