阿弥陀岳南稜(DNS Trek 初バリエーション)
- GPS
- 11:52
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,369m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
2日目 5:30立場岳〜5:50青ナギ〜無名峰〜P1〜P2〜8:20P3〜P4〜9:00阿弥陀岳〜11:10御小屋山〜南沢〜美濃戸〜13:20美濃戸口
天候 | 1日目 快晴 2日目 曇り(見通しはよし) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
舟山十字路に駐車場はあるが、車上荒らしがあったとの事を聞いた事があり、美濃戸口からタクシーで移動した(2300円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
阿弥陀岳は全体的に岩がもろくガレている 旭小屋付近、スズメバチに2度遭遇 注意 立場岳頂上はテン場あり P1-P2のコルよりは快適でしょう 南稜P3 中級コース 残置ハーケンあり(少) 長めのザイル必要でしょう 20mしか無かったので偵察のみで退却 P3基部を巻いてからのルンゼは結構長い。リングボルトが何箇所かあり 御小屋尾根は砂やガレ場の連続で歩きづらい。特に下りは注意 御小屋山から美濃戸への分岐で、間違ってほんの少し手前を北に折れて登山道じゃない道(ただし、テープは明瞭)を降りてしまい、気付いたら南沢だった。ここはすごく急なコケの道です。 |
ファイル |
高度記録(Pro Trek)
(更新時刻:2010/10/30 13:32) |
写真
感想
ある程度の知名度、長さを持つバリエーションルートには初挑戦。
ちょっと前から練ってはいたが、決行を決めたのは前日。t-kinjouと帰りの電車で「明日いくか〜」というノリで(笑) w-shinも仕事が忙しい中参加。
いつも通り海老名駅集合。登山口の舟山十字路を目指す。ただ、ここは車上荒らしがあるとの話を聞き美濃戸に停める事に。そこからタクシーで向かった。
舟山十字路からの登山口を進むと入山禁止の看板があちこちに。これは登山ではなくキノコ泥棒への警告のようだ。退屈な登山道を進み何度かの渡渉を繰り返すと旭小屋が見えてくる。ほとんど廃屋同然だ。
そこから、左に折れ少し進んで右へ曲がり急登がはじまる。この頃から天気は快晴。気持ちの良い登りになっていく。ただ!! ここでスズメバチに遭遇。ブ〜〜〜〜ン!!とドデカい重低音を立て足元を飛び回っていてかなり驚いた。
少し待ってから再び登り出す。ここの斜面はボロボロして登りづらい。登山道じゃないにしても地質的な影響もあってかひどい。途中つかんだ岩は根こそぎ崩れ、かなりの規模の落石となってしまいヒヤっとした。
そこを登り切ると一瞬稜線に出る。ただしその後再び東に進むとすぐ樹林帯だ。このあたりは紅葉がまだきれいな箇所が少し残っていた。
入山禁止の針金を右に尾根を進む。この右に入ると「罰金10万以上」との警告がこれでもかと続く。八ヶ岳はマツタケが採れる場所もあるせいだろうか。「キノコ山につき〜〜」という看板もあった。
途中テラス状の日当たりよいところで昼食。食後すぐ登りはじめた。思ったより長い樹林帯。立場岳に着く頃は日もかなり傾いていた。立場岳の山頂は樹林帯で見通しは無い。看板もボロボロで書いてある標高も間違っている始末(笑)
当初はP1-P2のコルで幕営予定だったが、暗くなってからの幕営は避けたいのと、久々にまったりしたテント泊を味わいたいことも考え、「ここで幕営」決定。明日の朝は5:30に行動開始しようとの事でまとまった。
ちょうど2張を並べてテントを建てられるスペースがあり早速設営する。しばらくまったりした後、夕飯の支度だ。自分は三菜おこわとチリトマトヌードルという普通ではやらない組み合わせ。メンバーで特筆すべきは、卵を持ってきたt-kinjou。割れないようなケースが売っているらしい。さすが装備隊長の名に恥じない研究ぶり。。w-shinは相変わらず缶詰好きで、さんまの蒲焼を持ってきていた。自分は最近サボってフライパン持ってきてないので今度はもってくるかな。。と少しうらやましかった。今日は遅くとも20時には寝るか、と考えたがその心配ななく宴会は行われなかった。というのも自分は水場の補給を失念し水分控えモード。大量のウイスキー持ってきたが1杯の乾杯で終わりにした。何しろ明日阿弥陀岳登ってどこかの小屋か水場にいくまで600ccですごさねばならない。というかshin-wには結局500mm分けてもらった。。大反省。夜になってもそれほど冷えず気温は7℃くらい。シュラフが快適な温度だ。月齢が進んだ月が出て明るい夜だ。18:30には消灯。明日は4時起きという事にした。
さて、、関係ないが自分はこれからが盛り上がるところだ。ドラキチの自分はラジオでクライマックスシリーズを聞かねばならない。多くは書かないが、先制、追いつかれ、サヨナラという盛り上がる試合で9回で終わったというのに22:15くらいまでたっぷりかかった。。早く寝たかったのに(笑)
夜はいつもどおりあまり寝られず、4時に起床。早速食事を済ませる。夜中あんなに明るかった月も今はどこかへいき薄暗い。テント撤収やらで結局スタートは予定通り5:30くらいになった。
ヘッドランプを点けて歩き出す。暗いうちに行動するのは、2008年の剱岳以来だろうか。すぐに青ナギにつく。ここからは西側の雲海が素晴らしい。暗いので、高感度設定にして何枚か写真に収める。この後は無名峰への急登だ。道はやはり慣らされてなく歩きづらい。どこかのピークで日の出を迎えられればと思ったが、空はあいにくの曇り空。無名峰の途中で日の出予定の5:55を迎える。その後ようやく無名峰にたどり着く。ここも立場岳同様ボロボロの看板があるのみだ。文字は判別不可。ビデオ撮影班長のshin-wに収めてもらい、阿弥陀岳を目指す。無名峰から阿弥陀岳へは、P1,P2,P3,P4というピークが続く南稜核心部だ。まずはP1を目指して行動を開始。
このあたりは、森林限界を超えきれずハイマツが生い茂っている。道が慣らされていないのでプチ藪漕ぎな感じで進んでいく。P1までは特に苦労も無く到着。続いてP2へ向かう。
P2へ向かう道の途中にわずかなコルがある。本来幕営の予定はここであった。3,4張りもすれば一杯だろうか。狭い尾根の一部なので斜面も近くちょっと怖そうだ。P2のピークは左に巻く。そして今回の核心の一つP3へ向かって歩いていく。P3は岩壁直登の中級ルート、左を少し巻きルンゼを急登する通常ルートがある。P3基部には分岐とザイルが必要との注意を促す小さい看板があった。通常ルートを使う予定ではあったがせっかく(20mだけだが)ザイルも持ってきていたので、偵察することにした。支点用に眺めのスリング2本、ヌンチャク3個、セルフ用にデイジーチェーンだけ持って取り付く。登っていきなり左から岩が突き出した部分をくぐるように登る。が、支点になるものは無くちょっと躊躇。登れるが降りづらそうだからだ。しばらく観察していると残置ハーケンを発見。サビてはいるがキマっているようで、ビクともしなさそうな印象だ。とりあえずヌンチャク架け、岩の突き出し部分を登る。その後は広い斜面だ。登るのはわけないが、戻りを考え慎重に進む。岩にスリングを架けられるところを探すが、しっかりした場所がない。これで懸垂はちょっと、、というような岩ばかりで残りザイルも5mほど。20mは気休めにしかならない長さだな、と思いつつ退却を判断した。ビレイポイントは最初の1つだけで、相当ランアウトしている。こんな高さからクライムダウンするのは初めてだ。一番上で滑ったら間違いなくグラウンドフォールだ。周りで降りられそうな斜面探したが、ここより急で怖そうだ。同じルートを辿って降りていった。岩をくぐるところで変な体勢になり左肩がつりそうに! 残置ハーケンより下まで降り、少し安心したが降りきると左肩が痛くなってしまった。とりあえず次は60mもってこないとな〜という事でここのチャレンジは終了。ルンゼルートへ向かった。
通常ルートは取り付きは分かりづらかった。巻いてからの登りなので上が見えない。t-kinjouが先頭で、おそらくここだろうという斜面に取り付く。ただ、後で見ていた自分とshin-wは「あれは急過ぎでしょ?」と思い、ルートが違うのでは?と思った。t-kinjouには偵察続行してもらう。こちらも手前のルートを探す。踏み後ぽいのが急斜面に向かっているので、そちらにshin-wが向かった。。だが、こっちもザイル無しではいけそうもない斜面との報告。t-kinjouの方から「いけそうです」との報告あり向かう。どうやらこちらが正しいルートのようだ。遠めには60度くらいの傾斜に見えたが、近づくと実際は最大でも50度くらいだろうか。これなら行けそうだなという事で100m弱の岩壁を登っていった。
途中、リングボルトが2箇所くらい埋め込まれていてビレイポイントに出来そうだ。最後は草付きの斜面になりようやくP3ピークの横に出た。ピークへ歩いて行き下を見ると、、まさに絶景だった!中級ルートの尾根が見えるし、P2〜P1〜無名峰、青ナギに幕営した立場岳も見える。奥には南アルプスが。しばらく眺め登りを再開。
P4まではなだらかな斜面を少し歩く。単独ピークとしてみると一番大きそうなのがP4だ。これもまともには登らず左を巻いてガレ場急斜面を登る事になる。気をつけても落石を起こさずに歩くのは難しい。メンバー間の距離をとってあるく事にした。P4の巻き道はそのまま阿弥陀岳頂上へつながっている。最後は写真やらビデオを撮影しながら登り切った。初バリエーション成功〜〜
いい気分だ。中年の男性二人パーティーは、こっちからきたの?危なかったでしょ〜〜と話しかけてきた。頂上は他にも2パーティー。計10人あまりがいたが広い山頂なので問題ない。しばらく余韻に浸った?後、御小屋尾根を使っての下山にかかった。阿弥陀は3回目だが、過去2回は中岳のコルからのピストンだ。この尾根は結構急で、かつ足場が悪い。ガレているというより、ほとんど砂だ。滑らないように長いロープが架けてある箇所が結構あった。t-kinjouとshin-wはバランス崩して、手やヒジをついたりですり傷を負っていた。そこを降りきると御小屋山だ。ここから美濃戸別荘地へ向かうつもりが、分岐箇所を誤り登山道には乗っていないルートへいってしまった。。ただ、明瞭な赤テープと「なんとなくわかる」踏み後に沿って進んでいくと南沢の一般ルートに出た。失敗したが、のど渇いていた自分は山小屋で喉を潤せた。
後はつまらない林道歩きが1時間弱。正直こんなところは歩きたくないが、道間違えたのでしょうがない。。地形図を見れば、尾根と谷で明らかに歩いているところ違うのだが、テープ信じきって着いていったのが悪い。これは反省点だ。
13:15くらいに八ヶ岳山荘の駐車ポイントに到着。
初バリエーションは、とりあえず無事完了。冬期アタックの下見もほぼOKというところだ。
以下、個人的反省点
・水場のくみ忘れ(沢にしか見えなかった、、というのは言い訳で、どこで何するか常に考えて行動せねば)
・ルート誤り(常に地形を意識すべきか。。)
了
阿弥陀南稜は、バリエーションルートの静かなテント泊、P3以降の緊張感が楽しい山行でした。
<テント泊>
・立場岳山頂でのテント泊。先行者がテント用に整地した場所を見つけて幕営。
テン場以外でのテント泊は初めてです。
山頂は樹林帯に被われており、ふかふかの地面でした。
・夜から曇り空だったこともあってか、気温は7度前後で風も無く
ビビイ&モンベル#0&シュラフカバーは快適空間でした。
<核心>
・阿弥陀南稜のP3を巻いて「桶」から上がって行きましたが、
「樋」にトラバースして入る所が、下が切れ落ちており、ちょっと緊張した。
クライミングで考えれば、難しいムーブとかは無いのですが、
今回の核心。積雪期に行ける気がしなかった。。
<失敗>
・冬山下見の山行だったので、ザックを夏季利用の26L⇒58Lに変えたら、立場山までの上りでバテた。
・下り、御小屋尾根のズルズルの斜面を降りるときに、足元を取られてしまい、
思いっきりコケてしまった。滑落はしなかったものの、ひじを岩に強打。
下山後1週間。未だに、腫れています。。
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