傾山(三ツ尾〜九折周回コース)


- GPS
- 08:13
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,561m
- 下り
- 1,559m
コースタイム
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 8:10
天候 | 晴れ後時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三ツ尾巻き道コースは落ち葉で道が所々隠れてますが、赤テープ多数。九折越からの下山路、沢に降りてから数回徒渉を繰返します。増水時は徒渉点(対岸に赤テープあり)に注意。 |
その他周辺情報 | 尾平越経て宮崎・延岡方面に下る場合、日之影駅舎がそのまま日帰り温泉になった「日之影温泉」がオススメ(鉄道ファン垂涎)。食堂あり、19:30ラストオーダーです。 |
写真
感想
今シーズンの300山巡り第1弾は、桜咲き春爛漫の南九州遠征ツアー。九州の未踏4座のうち、家族同伴・観光がてらでも行けそうな北半分の2座(脊振/経ヶ岳)を残し、南半分の2座を単独行・レンタカー駆使で早回りします。
折良く新年度始めに先月の休日出勤の振替休暇が取れ、新幹線回数券利用よりかなり割安なスカイマーク「イマ得」チケットをゲット、金曜の昼前に羽田出発。北海道フライトツアーの際は注意して千歳で購入するガスカートリッジをうっかり持参、羽田のチェックインカウンター前で没収される憂き目に遭うも、めけずに窓際の座席から桜島など眺めつつ、あっという間に鹿児島空港到着。空港玄関には無料の足湯サービスあり、さすが温泉王国と早くも感動。空港前でレンタカー調達、早速カーナビに通過地・延岡のアウトドアショップ(恐らく同地周辺で唯一)「ノースリバー」を入力。宮崎道を快走し、首尾良く同店の営業時間内(18:00まで)に到着、ミニカートリッジの調達に成功。
コスト節減のため、市内のドラッグストアにて食料調達、どうせまた空港でカートリッジを取られるのだから、と明日の朝飯にカップうどんをチョイス。次のターゲットは、鉄道ファン垂涎(小生もかつての「乗り鉄」時代、山歩きとは関係なく訪問…)の旧高千穂鉄道の日之影駅舎。ここは、駅跡がそのまま日帰り温泉に衣替え、懐かしい鉄道設備(レールも車両も一部保存!)を眺めながら旅の汗を流し、館内の食堂で地元食材を使った食事も楽しめます(ラストオーダー19:30)。
何だかここで旅の目的の半分は達成した気分ながら、温泉で山登りの「戦闘服」に着替え、鉄ちゃんから山屋にモードチェンジ。全線舗装ながら結構なワインディングの県道で祖母傾山縦走路の尾平越をトンネル突破、大分・緒方町側からメジャーな登山口・九折コース入り口の駐車場に夜半前到着。駐車車両はさすがに小生他一台のみ、カクテルをあおり早々に車中仮泊。
翌朝、夜明け前に寒さで目を覚ますと、早くも次々日帰り登山客が到着、あっという間に狭い駐車場もほぼ満杯に。温かいうどん朝食とヨーグルトを流し込み、夜明けとほぼ同時に登山口出発。最初は沢沿いのモノレール道の脇を歩き、復路辿る予定の九折越コースを見送ると、程なく左の沢へ分け入る山道へ。思ったより遥かに立派な観音滝を遠望、一旦沢を飛び石で渡り、急登を越えると程なく林道出合(沢増水時はこの林道を迂回することになります)。ここで登山届提出、「クマ注意」の看板にクマ鈴をリンリン鳴らしつつ、出だしから急な斜面を登っていきます。どうも道の脇を掘り返した跡が散見され、獣の排出物の臭いもして、ひょっとして近くにヤツが、と身構えた直後、山腹の急斜面をダッシュで駆け下りるイノシシ親子を目撃。クマでなくて良かった、とホッとする半面、後から続々本コースを登ってくるパーティ各位とあの猪突猛進!?親子が出会い頭にぶつかったら…とやや心配になりながら、先も長いのでノシノシ坂道を登っていきます。
コースタイムを少々オーバーしながらも、後発組に追い立てられるように登り詰めると、そこは三ツ尾ピーク。暫し息を整えるうち、追い越していった男性ソロの後ろを見え隠れに付いていき、彼の進路を見ていると、分岐から迷わず三ツ坊主の尾根コースへ進入。当方は「難路」の表示にビビり、今夜の宿(鹿児島・志布志)までのロングドライブもあるし、と自分を納得させ、予定通り巻き道・水場コースをチョイス。ふと背後を見ると、すぐ後ろの女性ソロ(福岡から)の方は片手にタブレットのGPSを持ち、ルートを確認しながら歩行されてます。実際には地元の警察・山岳会の方が遭難防止のため取り付けて下さった赤テープやマーキングがこれでもかというくらい多数あり、ほとんど迷うポイントもなく水場通過。沢沿いの急坂にかかりますが、ここで文字通り岩の隙間に「落とし穴」、左足がすっぽりはまり込み、弾みで左膝を強打…。折角安全な巻き道コースを選んだのに、と自身の不甲斐なさを恥じつつ、痛みを堪えて最後の登りをクリア、三ツ坊主コースとの合流点に到着。
ここからは緩やかな斜面が続くかと思いきや、前傾の立派なピークを越えると、最後に大きな壁が立ちはだかります。一旦左手に大きく下り、回り込むように岩間をよじ登っていくと、登山口から4時間余の難行でようやく傾山頂到着。程なく到着した女性ソロの方と健闘を称え合い、本日2度目の湯沸かしで巻き寿司と豚汁、コーヒー、パンのややミスマッチな昼食で寛いでいると、坊主尾根にチャレンジされた男性ソロが無事到着。昨年の杉ヶ越コース往復!よりはマシだったものの、やはり相当手強かった由。ヨソ者・一見の小生などは、まだまだ修行が足りないと痛感。
この尊敬すべき先輩と証拠写真を撮り合い、女性ソロの方と相前後して早々に下山開始。聞けば、彼女も若かりし頃(?)、傾山を別コースで登った由で、どうやら最初で恐らく最後の傾登山の小生が、この山の魅力を語る資格はほとんどなさそうです。ともあれ、さすがに岩峰群が聳え立つ頂稜部は下山路も険しい道のりで、後傾のピークを越え、岩混じりの急斜面を下り切るまでは少しも気が抜けません。
それでも、祖母山に至る縦走路上の山々の凛とした佇まいに時々足を止めながら、いつしか一緒に出発した女性とは距離が開き、鹿の捕食防止ネットに両脇を固められた緩やかな縦走路を快調に下るうち、広いヘリポート状の九折越に到着。小屋は、と見ると、縦走路を少し登ったところの小平地に、営業小屋かと見まごう立派な看板付きの避難小屋到着。コースタイム短縮のご褒美に、ここで暫しフルーツゼリー食べ休憩。
縦走路の平和な佇まいとは裏腹に、ここから上畑への下降路も結構な激下り。特に、林道出合から再び沢に下る斜面は、所々現れる梯子やロープも老朽化のためかかなり頼りなく、何ヵ所かストックを頼みに「エイヤッ」とプチジャンプするようなポイントもありました(膝の痛みも残っており、ヒヤヒヤものです…)。
何とか沢に降り立つと、そこはパラダイス、火照った顔や身体を沢水でクールダウンしながら、後はノンビリ登山口まで林道トレイル、というのが定番のはずですが、さすがゴールまで気を抜かせない傾山系の手強さ。この後、増水気味の沢をオッカナビックリ飛び石で何回も徒渉、赤テープを頼りに高巻き道を辿りながら、一時間近くの苦闘でどうにか朝のモノレール道へ帰着。無事駐車場に帰り着いた時には、思わず全身から力が抜けました。このあと、帰路は三重町へ抜け、延岡南から高速道に乗って、暗くなる頃にようやく本ツアー唯一の宿、志布志の民宿に到着。(「傾山に登っていて到着が遅れました!」と言い訳しましたが、何処の山だぇ?とコトバが通じませんでした…。)
小生がこの山域に足を踏み入れるのは今回が三度目。最初は学生時代の百名山行脚で尾平コースから祖母山へ、2度目は200名山巡りで大崩山へ、といずれも日帰り行でした。確かに効率は悪いのですが、来る度に深く険しいこの山域の新たな魅力に触れることができ、今回を含め全て晴天・好展望に恵まれたこともあって、どれも印象深い山行となりました。いずれ、名山巡りの呪縛が解けたら、今度こそ祖母〜傾の一泊縦走にチャレンジし、今回ご一緒した九州の強者ヤマラーの方々と、この山域の魅力を改めて語り合いたい、と願うばかりです。。
こんにちは!お会いしました男性ソロです。
先日は天気に恵まれとても良い山行となりましたねw
私など勢いだけで登っているだけでsatonao1jpnさんの方が遥かに大先輩です!
300名山あとすこし頑張って下さい!!
早速のコメント有難うございます。初訪問の山で偉そうに山行記や感想など書き込むのは正直気が引けますが、小生自身も過去の先人諸氏によるヤマレコの記事を大いに参考にさせて頂いており、そのご恩返しの気持ちも込めて少し丁寧に備忘メモとして書かせていただいております。
貴殿と同様、このところどうしてもソロ山行がほとんどの小生ですが、残る九州2座は是非家族同伴で、観光を兼ねて企画したく思っています。また九州のどこか(恐らく山奥!?)でお逢いできると良いですね!
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